実家の鬼オヤジが、かなり以前に娘に本を贈った。
自身もたいへんな読書家で、常に何かの本を読んでいる。
本は基本的に書店で直接手に取り、新品を買う。
古本はあまり好んでいないように思える。
ページを繰ったかもしれないからだろうか。
娘が受け取ったまま放置していた本を、今、私が読んでいる。
星 新一の作品で「祖父・小金井良精の記」という。
星 新一の祖父は東大医学部教授の良精(よしきよ)。
そして祖母は森鴎外の妹である喜美子。
良精は草創期の東大医学部から官費でドイツに留学した。
当時としては最先端だが、現代医学と比するとまぁお寒いばかりの医療事情。
現代なら難なく助かる病や事故・怪我がもとで、おおくが落命した。
そういう本を読んでいるタイミングで、これまた献血ルームに行く機会を得た。
最新の医療機器に囲まれ、血を出して遠心力で分離、血漿を採取して血を戻す。
この作業、3サイクル。
予定通りの量の血漿を提供できた。健康万歳!
採血器具はすべて使い捨て、すべて機械での管理。モニターは液晶ディスプレイ。
「たかだか」献血程度の医療で、この機器の充実ぶりよ。
本の中の良精らの努力があってこそだが・・・・・・
採血中に読んでいた本文中に、「人間は追われているほうが動けるもの」との
一節があった。ごもっとも!
最近、どうにもグダグダしていた。
自分でも情けないのだが、朝はゆっくり寝てしまい、動くとぐったりしてしまう。
年のせいとは思わなかった。
けれど、けれど・・・・・・このグータラの循環から抜け出したい。
この本は刺戟を与えてくれた。
追われなくてはいけない。ヒマをこいていたわけではないが、
知らず知らずのうちに自分に甘くなり、自分を甘やかしていたのだろうか。
暑さのせいかもしれないが、追われる状態の大切さを忘れずにいたいものだ。