さよなら

2007/01/15
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カテゴリ: カテゴリ未分類
群馬の太田は以前住んでいた土地から車で1時間くらいかかる場所で、
そんなに馴染みのある町ともいえないのですが、
妙に印象に残る町でした。
北のほうのなにかの会館で研修を受けたり、
イオンの大きなショッピングモールに月2くらいのペースでいったり。
町並みが好きな雰囲気だったからかもしれません。

別の意味で印象に残る土地といえば、
名前はだしませんが、ある村でした。
その村は営業で1度いったきりです。

「何が怖いのか」と聞くと、
行けば分かると教えてくれません。
事務所長も、
「お前なら大丈夫だと思うからいってこい、怖く感じたらすぐ引き返せ」
などというので、おかしなことをいうなあと思いました。
第一そんなに怖い場所なら回る場所からはずせばいいのに、と思ったのですが、
はずせない理由が後になって分かりました。
国道を北へ向かって走りました。
途中から山道に入るのですが、その先には学校の先輩が住んでいる町もあり、
たまに通る道なので不安などまったくありませんでした。
しかし、川を渡るために国道から外れて橋を渡った場所から、

国道を外れて、
地図上でも車が通れるのかどうか定かでない細い道しか書いていない場所を、
北東へと向かいました。
大きな農家や少し古いもののごく普通の民家がときどきみえるのですが、
いかに田舎とはいえ、あまりにひっそりとしているので不思議発見!な気分です。

飛び込みはしなくていいと所長にいわれていました。
そこでテレアポをとった目的の家を探すため、
車を舗装のされていない大きな道に停め、降りて歩くことにしました。
そこで感じたのは、農家や民家がまばらにあることはあるのですが、
人の姿がまったくないこと。
畑仕事をしている人もいませんでした。
一件目の家がみつかりましたが、留守でした。
農家なので、庭が広く門から玄関まで距離があります。
門からでようとしたとき、
なんとなしに2階をみると、木の壁に現代風のサッシがはめこまれていて、
そこにカーテンがかかっていました。
そしてそこから、人がこちらをのぞいていたのです。
大人か子供か、男か女か、はっきりしません。
しかしカーテンのすきまからみえるそれは、間違いなく人間の顔です。
「なーんだ、いるじゃないの」
と玄関に戻って「こんにちは~!」と大きな声で元気よく挨拶したのに、
やはり誰もでてきません。
2階の窓をみると、カーテンはしっかりと閉められていました。
農家ですから、あちこちに出入り口というか、縁側や勝手口があるのですが、
それらはしっかりと閉ざされていました。
仕方ないので、
「すいません、押し売りじゃないので怖がらないでくださいね、
またきマスのマスかきマース」
などとえの素ネタを言うと和んでくれる人とくれない人がいるので、
見極めが大事ですが、ともかくそう叫んでも誰もでてきませんでした。
次の家を探し始めたのですが、どうもここから妙なことに気がつきました。
どこの家の窓にもカーテンがかかっているのですが、
どうもそこからこちらをのぞいているようなのです。
農家の離れみたいなところの木板と木板のすきまから、
目がみえたときにはさすがにゾッとしましたが、
なんだかだんだんムカついてきたので、
ルパン3世の歌を大声で歌いながら歩くことにしました。
向こうからみればこっちがキチガイにみえたでしょうが、
こちらも向こうをキチガイ集団のように感じていたのでおあいこです。
というか向こうばっかりキチガイみたいな行動をとるのはズルいと思ったのです。
2件目の家も留守で、小学校が近くにありました。
が、建物はごくごく普通の小学校で校庭も広いのに、
人間の気配がないのです。
学校は下手に入ることができないので中を確かめられなかったのですが、
いかに子供が少ないとはいえ平日の昼間です。
授業をしていればそれなりの気配があるものだと思うのですが。
両脇になにもない道がしばらく続いた先の右手に家がみえました。
その門から人がこちらをのぞいているのが分かりました。
「お前はアキコねえちゃんか!」
と突っ込みながら、
門まで走ったのですが(このときあまりの理不尽な空気に怒りかけていたので)、
その人は玄関に慌てて入ってドアを閉めてしまいました。
これ以上一人で怒ってもまずいなあと思ったので、
あと1件残っていましたが、車に引き返すことにしました。
両脇に林が続く道が100メートルほどあるのですが、
そこで木や草の向こうから、間違いなく人の気配を感じました。
ちょっとまたゾッとしましたが、
自分の怒りを抑えるほうが必死でした。
気配、というよりも明らかに木の向こうに人がいるのです。
多分、4,5人くらいだったのだろうと思います。
自分の歩く少し前に誰かが必ず先回りをしているような。
かすかに木の葉や根を踏む足音が聞こえてくるのが、
これも少し不気味でした。
営業を回っていた頃、自分はカバンを2つもっていました。
1つは仲良くなったお母さんや子供たちからもらったおみやげなんかをいれてあり、
もう1つは営業資料と腕に負担をかけるための重りが入っていました。
最低でも5キロの重りをつめていたので、
やばくなったら振り回すしかねえなあとか思っていたのですが、
何事もなく林の道を抜けました。
車になにかされていたら、とも思ったのですが、
特に車もなにかされた形跡はなく、しばらく車の中で書類書きをしたあと、
当時Jフォンを使っていたのですが、それで事務所に連絡をとりました。
所長が「何事もないか?」と聞いてきました。
ああそういえば怖いとかなんとか先輩がいってたっけとそのとき初めて思い出し、
またゾッとしましたが、あったことをそのまま所長に伝えると、
「もういいからそのまま帰ってこい、車から降りるな」
といわれました。
帰ってから、その村を営業先からはずせない理由と、
理不尽なその土地の様子のわけを知り、
ああ何事もなくて本当によかったんだなあと思いました。
この理由に関しては、ここで書くわけにはいかないのですが、
これもまた非常に印象の深い土地でした。





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Last updated  2007/01/15 07:25:32 PM
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