久しぶりに市内にあるクラブへ出かけた。
ずいぶんと久しぶり。半年ぶりくらいか。お店は夏過ぎ頃から日曜日の他に月曜日もお休みしていた。月曜日の客の入りが悪く、開けてもしょうがないというのが理由だった。
久しぶりに見たママは髪型をショートにし中森明菜風にしていた。以前は長めの菊川怜風だったからかなりのイメチェン。そして、若作りしていた化粧は年相応に見える落ち着いた印象へ変わっていた。
「失恋でもしたの?」というたわいのない会話から始まり、いつものように冗談と楽しい話題に大いに盛り上がっていた。

た。「お店3月末でしめる事に
しから!」
「え! ナンデ?」と私。
不景気でお客さんが減ってきた
事、ママに付いてきてくれたご
ひいきさん達が定年を迎え顔
を出せなくなってきた(経費が
使えない)事が原因だと説明し
てくれた。
ママは20代の頃からお店を持
ちこの道でやってきた。 頭の回転が速く、話題も豊富な
ため、お客さんは付いていた。
小生も後からお仲間に入り経費 を使わせてもらったクチ。
それと、30年近くお客さん相手の仕事をしてきて、接客に疲れたとも言った。また一年前の検診で膠原病の初期段階であることが判明した事もたぶん原因の一つかもしれない。
私は気に入ったお店が見つかると通い詰めるほう。そしてお店側が馴染み客として認めてくれれば後は浮気はしない。
このお店には不思議な縁があった。(少し長くなりますがお付き合いを・・)
初めて行ったのは、まだ東京勤務の15年ほど前、出帳で秋田に来たときに友人に連れて行かれた。
初めてママに会い、名刺を出したらどういう訳かボトルが出てきた。ボトルには勤務する会社の名前が書かれていた。初めて来たのにボトルがありビックリし、連れてきた友人もナニ?
後で分かったことだが、このボトルは当時勤務する社長のボトルで、ママが私を社長の息子だと勘違いしたこと(姓が同じ)。さらに社長とママの友人が男女の関係にあり金銭トラブルを抱えていたこと、その解決に私も少し絡んでいたことなど、三面記事をにぎわす内容が明るみに出てきて親交は深まった。
また、このお店にお酒を卸していた酒屋の旦那は高校時代のラジコン仲間だったし、団体職員の幹部に昇進していた義兄の兄もまたごひいきさんの一人だった。
これらの事実は通い始めてから、少しずつ明るみにさらされていった。不思議な縁でつながった人間関係が明るみに出るほどに2人して驚き、親交を深めることとなった。
そのお店が閉店する。
髪型を変えたのも、化粧が落ち着いたのも全てが理解できた。こんなお店はもう2度と無いだろうな。そんな気がする。