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2012.04.14
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オリンピックの国別メダル獲得争いをより楽しむために、まずは基本データをインプットしておこう。

過去5回の夏季オリンピックにおける日本の金メダル獲得数と、国別金メダルランキング、そしてメダル獲得総数を大会順に並べてみる。

2008年 北京 9個/8位/25個
2004年 アテネ 16個/5位/37個
2000年 シドニー 5個/15位/18個
1996年 アトランタ 3個/23位/14個
1992年 バルセロナ 3個/17位/22個

長かった低迷期を抜け、アテネ、北京と順位をひとケタに上げた日本。当然、ロンドンでもよりよい成果が狙える……のだろうか。目標とされる金メダル15個、国別ランキング5位を獲得するにはなにが必要なのだろう。



味の素(株)といえば、2003年からJOC(公益財団法人日本オリンピック委員会)と共同で、オリンピック日本代表選手団の強化支援活動に力を入れている企業。食と栄養面から包括的にサポートする「ビクトリープロジェクト」を立ち上げている。

トップアスリートのコンディショニングサポートに関する第一人者である、JOC 情報・医・科学専門部会の科学サポート部門長、杉田正明氏(三重大学 教育学部 保健体育科教授)によれば、世界のアスリートの運動能力は、ますます「高速度化×高度化」しているという。

陸上短距離のウサイン・ボルトしかり、競泳のマイケル・フェルプスもしかり。

10年前だったらありえなかったような世界記録が次々に生まれるのは、なぜだろう。

その理由のひとつは、トレーニングが「高強度化×高ボリューム化」していること。

日本の長距離ランナーたちが低酸素の環境で高地トレーニングに行くことで有名なアメリカのコロラド州ボルダーは高度1650mにあるのだが、世界において、この標高はかなり低い。今や、標高2500mを超える場所でトレーニングするのも当たり前になっているのだという。

ところが、トレーニングが「高強度化×高ボリューム化」すると、トレーニング後のクイックリカバリーの重要性が高まってくる。

JOCと味の素(株)が共同で行なった、味の素ナショナルトレーニングセンターを利用しているアスリート(柔道、卓球、新体操、ウェイトリフティングなど)110名へのアンケート調査によると、「疲れをためないこと」「ベストな状態にもっていくこと」「調子を崩さないこと」など、多くのアスリートたちがコンディショニングに困難を感じている結果になったとのこと。

とくに「筋肉をよい状態に保つこと」や「早期回復」が難しいと答えたアスリートは、ともに3割以上。試合でベストコンディションにもっていくために「直前でもしっかりと眠る」「風邪などを引かない」などが多くのアスリートたちの課題になっているという。

この結果を受けて、杉田氏が重要視しているのは、「疲労回復」「質のよい睡眠」そして「免疫力の維持」だ。

この3つの面でアスリートをサポートし、パフォーマンスを向上させるために、アミノ酸の利用がいいと考えられている。



詳しくいうと、トレーニングによる生理的機能は、疲労(ダウン)-回復(アップ)-超回復(トレーニング前以上に高くなる)-元へ戻る(ダウン)、というサイクルでアップダウンを繰り返している。アミノ酸を長期的に摂取すると、回復から超回復へ向かう速度を早めると同時に、回復の大きさを高める可能性があると考えられているのだ。

前出のアンケートで8割以上のアスリートが「アミノ酸が体調管理やパフォーマンス向上に重要」と考え、7割が実際に使用しているのは、こんな理論的背景からである。

味の素(株)イノベーション研究所でスポーツ栄養科学の研究に取り組んでいる尾道一哉氏によると、同社はアスリートのニーズから生まれたアミノ酸やノウハウをJOCに提供している。また、その成果と新しいニーズのフィードバックを受け、それを次のアミノ酸やノウハウに生かして提供している、という。

例えば、前述の杉田氏が重要視するのは、疲労回復=ロイシン高配合必須アミノ酸、質の良い睡眠=グリシン、免疫力の維持=シスチンとテアニンという3つのタイプのアミノ酸。

ロイシンは高い筋タンパク合成機能をもっている。この必須アミノ酸は乳清たんぱくには24%含まれているが、味の素(株)が提供するロイシン高配合必須アミノ酸は、ロイシンを40%含有。ヒト評価では、筋肉痛や疲労感、筋の損傷が改善されたという。なお、このアミノ酸については、先日、同社より、ロンドンオリンピック日本代表選手団専用として独占供給の開始が発表されたばかり。今後注目される素材となりそうだ。



シスチンとテアニンは同時に摂取すると分解・合成によってグルタチオンという物質になる。グルタチオンを補給することで炎症を調節し、それによって免疫の機能が低下したり、筋が崩壊することを抑制できるという。また、シスチン・テアニン食の摂取によって、風邪にかかりにくい体にもなれるという試験データもある。

難しい話が多くなったが、要するにメダルを取るためには、選手の頑張りだけではなく、いろいろな面からのサポートが大切だということ。

紹介した3種類のアミノ酸は、ロンドンオリンピック日本代表選手団にも提供されているという。

海外の選手たちにも当然、国や民間のサポートがあるはずだ。

しかし、ここは日本の研究力、技術力、開発力に期待したい。

アミノ酸サポートで、どこまでメダル獲得数を増やせるか。

がんばれ、ニッポン!

山本一郎●取材・文 text by Yamamoto Ichiro

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Last updated  2012.04.14 23:53:28
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