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2009.08.29
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突然強く吹いた風に、カラダを揺らされ、

隣に目を向けると、相変わらずほとんど透明のヒロトは、
相変わらず半透明のミリの肩を抱いたままこちらを向いていた。
口角を少しだけあげて、微笑むヒロト。
「・・・で?」
問いかけるヒロトを見、その表情からオレの思考を隣で読み取っていたのが分かる。
「どうやって、仲直り、したんだよ?」
ヒロトは目を細めて俺を見る。

「・・・確かに、、」
口ごもる俺に、ヒロトは何かを感じたのか、
「どうやら、そこが、ポイントみたいだな」
「ポイント、、?」
「ミリが、今日、ここまで、オちた理由だよ」
「ああ・・・」
そうかも知れない、と俺は思う。
だって、あれは、仲直り、、というにはあまりにも。。
「さ、続きを聞こうか」
ヒロトに促され、俺はその先を思い出す。

===========================


動けない俺。
ゴメン。。なんて言葉じゃ、到底救えそうにない、ミリのココロ。

俺、なんて声をかけていいかすら、分かんなくて。
だからって、抱きしめることすら、できるはずもなくて。
うつむいたミリをみつめたまま、

とにかく、謝んなくちゃって、口を開きかけたけど、声が出なくて。

先に動いたのはミリの方だった。

ゆっくりと顔を上げたミリは、潤んだ目で俺を見つめていう。
「ねぇ、ケースケ・・」
俺はののしる言葉を覚悟したが、ミリは、
「しよ?」
「え?」
驚いて問い返す俺を置き去りに、一人立ち上がり、寝室のドアを開けるミリ。
ダイニングチェアに座ったまま、動かない、いや、動けない俺を振り返って、
「来て。、、、して?お願い」
すがるように言うミリ。俺は、
「だけど、、、ミリ、怒ってるんだろ?もっとちゃんと話そう。な?俺、、謝りたいし、、、、言い訳だってさせてくれよ」
「・・・そんなこと、、もう、いいから」
「もういいって・・?」
ミリは、また、泣き出しそうな顔になって言う。
「いいって言ったらいいのっ!して欲しいのっ、今すぐ!」

・・いつもだったら、こんなこと言われたら、俺、飛びつくよ、もちろん。
・・・だけど、いつもだったら、こんなこと言うはずないミリ。

・・・・あぁ。今考えても、あまりにも、ミリらしくなかったんだ。


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最終更新日  2009.08.29 00:07:02
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