INFINITY

INFINITY

かみなり


雨がちょっと滲んでカーテンを濡らす。横なぶりの雨は細長い木をへし倒し
花壇を荒らしコードを絡め空を掻き回す。そして雷の落ちる音に同調するかのように
大きく波打つリヒの心臓。偶に跳び上がって肩を揺らしたり、心配そうに
ぶつぶつと呟いたりする。

近づいて…後ろから、気付かれない様に…そぉっと…。

「わっ」
「…驚くとでも思いましたか」
「可愛くねえ」

でもその可愛くない反応がまた可愛かったりする。
オレの脅かしには乗らなかったけど、彼の心臓は結構な速さで動いている様だ。
全く、雷が怖いなんて大きな図体してけっこう幼い所ある。可愛いな。

「怖いの?」
「はい」
「平気だよあんなもん。」
「穏やかじゃ有りません」
「雷って云うのは上空と地上の間に電位差が生じた場合に、放電によって轟音や閃光が引き起こる自然現象。」
「そんなこと、分かってますよ」
「子どもだな」
「何か勘違いしてません?」

どうやらただ単にこどもがへそを隠すような、そんな恐怖とは違うらしかった。
彼は溜め息を吐いて心底不安そうに窓の遠くを見た。

「落ちたらどうしよう」
「…雷が?」
「そう、建物に」
「…」
「だってもしぼくらの研究所に落ちたり何かしたら…ぼく達の研究は、ロケットは、どうなるんだろう!」
「あぁ、納得」
「でしょう!?もし落ちて何もかも残らなくなったら、と思うと不安で不安で…」

一気に何かが抜け落ちた。そういうことか。

「大丈夫だろ」
「だといいですけどねぇ」

小さく胸の前で手を組んで知らず知らずの内に祈るリヒ。ハラハラ感がこちらにまで
伝わってくる程強張った表情。そうだよな、お前が命掛けれる仕事だもんな。

「あー落ちないでぇ」
「それより窓枠に何かした対処しといた方が良いぜ」
「?」
「じゃないと研究所よりもオレらの家が危ない」
「あ!雨漏りして…!」

急いで新聞を取りに走る彼。一生懸命の余りか、優しさか、彼はオレに
手伝えと云わない。薄情なオレ。そしてそんな一生懸命にこまこま動く
彼に見惚れているオレ。
大丈夫、もう晴れるよ。

********************
オレらの家、ですって、何ておこがましい(お前だ
でもやっぱり何気に手はへそを隠していたりするリヒだったら尚愛しい。
現実主義者な彼らには彼らなりの恐怖をと考えまして。
もしエドが雷を怖くても自分より怖がっているリヒを見たらそんなの
なんでもなくなってしまう彼だと良い。
リヒの内なる心情を知らない彼だから思える云える出来る行動。
そうするとまたシリアスか、リヒsideになるので。

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