INFINITY

INFINITY

現在進行形


ノーアは最初は戸惑っていたけど、一旦話し始めたら
咳を切ったように、時々涙を溢れさせながら語った。
普段落ち着いている印象の彼女がしゃくりあげながら
涙するのは意外だった。オレよりも彼の事を理解していて
オレよりも居た時間は少ないのに彼の心を知っていて
もうこの際だからと彼女は彼の夢も話した。
彼の見た夢は其の侭ノーアに流れ込み同等のダメージを与える。

血を吐く、心臓が止まる。汗だくになって飛び起きては
脈を確かめ眠れない日々。オレの前で突然消えてしまう。

夢。
彼女の中に流れてきた彼の情報。
予知夢?正夢?見ていた様なその正確な描写、真実、現実。

完成したロケットを嬉しげに眺める。仲間と共にロケットを打ち上げる。
それに乗るアルフォンス。オレを乗せる。飛び立つロケット。成功。

夢。
成功。
オレ、乗ったよ、お前の作ったロケットに。
お前も乗れたらどんなに良かったか。
そしたらお前も――。

「アルフォンスは、本当に貴方の事を想っていたのよ」
「あぁ、知ってるさ」

自惚れなんかじゃなくて。
その想いがどれだけ大きくて重いか知っているから。
でもそのせいでどれだけ迷惑掛けたか、否、そんなレベルじゃ済まない話。
自嘲気味に笑って見せると彼女はおもむろにオレの手を掴んだ。

「嘘、もっと、もっとよ」

何が?表情で彼女に問うてみた。
あぁ、心の中を読んだのか。
彼女は苦しそうに潤んだ瞳で手を硬く握る。

「もっと、もっとよ、貴方が思っているよりもっとよ」

そう云うとまたボロボロと大粒の涙を流した。
震える声がまだ刹那に彼の想いの丈を伝えていた。
段々声が小さくなって聞こえなくなって、小さくしゃっくりが混じって何も云えなくなった。

「オレがどれだけアルフォンスの事想っていたか知ってるか?」

知っているも何も、この掌から伝わる彼への思いを彼女も身に染みて感じている筈だ。


「オレも本当に想っていたんだよ」

だからって安心しろとか、気に病む事は無いとか云う訳ではないが。

「違うわ」

「ぇ…」

「想っているのよ」

“いる”の部分を特に強調して訂正された。現在進行形、留まることは無いのだと。

「それはノーアもだろ」
「エドには勝てないわ」
「勝ち負けとかじゃないだろ」
「私の入り込む隙間なんてないもの」

寂しそうに、でも柔らかく彼女は笑った。
似たような事を昔誰かに云われた様な気もした。

「本当に2人に幸せになって欲しかった」

皮肉ではなく、聞こえるか聞こえないか程度の声音で彼女は今も
心の底から、全身で願ってその言葉を放つ。
先の丸い温かくて柔らかい刃物が深く胸を抉る様な感覚だった。
多分、互いに痛いんだろうな。

「オレも、本当に2人が幸せになって欲しかったんだよ」

オレが奪い取ったのだけれど、確かな願いだから。

君の想いは彼女が受け継いでいる、オレも受け継ぐ。そしてアイツも。

想っているよ。かわらず。今も。ずっと。

















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ノーアさん好きだ。(ぇ

エルリック兄弟の中にウィンリィが入り込めないっていうのがありまして。

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