INFINITY

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良い兄さん



「何て」
「へ?」
「居ないのかもね」
「あんだよ」

少々ふくれっつらで拗ねた様に兄はそっぽを向く。
ガラの悪そうに胡座(あぐら)をかいて黙り込んでしまった。
でも「ふんっ」てな感じに顔を背けられたので
逆に可愛いっていうか微笑ましいっていうか
子どもっぽいっていうか…単純だなぁ。

「ごめんね兄さん、おこーんないでっ」
「お前、ぜんぜんごめんて思ってないだろう」
「え~?そんなこと無いよ?」
「はぁ」
「何さ」
「普通は、『ここに居るよね』って云うだろ?」
「…?」
「だから、さっきの話!」

話の速さに付いて行けないぼくはまだ頭をぐるぐる思考中。
そんなぼくにまた苛付いて兄は腕を組んで勢い良く背中を向けた。

「…ぁ」

思い当たる節に行き着いて小さく声を洩らしたら兄が小さく反応した。
背中向けて怒ってるんじゃなかったの?(笑)

「何さ、拗ねてんの?」
「拗ねてねーよ」

もう分っかり易いんだから。拗ねてるくせに、可愛いな兄さん。

「何笑ってんだよ」
「別に?」
「………」

まだ不機嫌。や、当然か。

「何さ?」
「何、って…」
「云って欲しかった?」
「別にィーーっ」
「『良い兄さんはここに居るよね』」
「バカ、煩い、違ェよ」
「『優しくて面倒見が良くて本当に良い兄だ』」
「あーもう黙れっ、どうせ云うならもっと感情込めろよ」
「えぇ~ぇ?」

棒読み、わざとだったんだけど、兄さん顔赤くしてる。
本当に感情込めれば結構上手いよ?ぼく演技派だから。
何て。
分かってるよね、ぼくが本当に兄思いな事。
一番兄さんを想っていること。
兄さんは照れくさがって云ってはくれないけど、
その行動や言動の節々からぼくへの愛情が伝わってくる。
自惚れ、も少々入ってるけど。
ぼくら、分かり合っちゃってるから。

でもちょっと面白かったから、

だからいじめてみたw

「へーへー、『オレはとっても良い兄だろう』?」
「『えぇ全く、良い兄です』!」
「『ありがとう弟よ』ー」

半分呆れてぼくにノって来てくれる兄。
それでも表情は和らいでちょっと楽しそう。
扱いにくいのか易いのか。複雑なのか単純なのか。
でも、やっぱり...。

今、ちょっと照れくさいから、この無表情な棒読みの台詞に
隠して伝えます。



「『兄さん、大好き』」






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兄弟ss。ほのぼのやね。久しい。

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