INFINITY

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8.散歩道



 結構前に買った靴だけど、底は磨り減っていない。元々そんなにお出掛けとか
遠出とかする人じゃなかったから、こうやって石畳の上に靴音を響かせて歩くのは
楽しいものがある。隣に居る人が愛しい人だとそれも尚更。
日の元に出るのはちょっと頭がくらくらするし、日差しが暑くて痛いけど
最近は涼しくなって人出も少ないからぼくにとっては丁度良い。

初めて一緒に歩いた時は、彼がぼくに人違いをした時。酷く項垂れて暗くて、それはもう
見ていられなかった。ていうのは比喩で、ぼくは目が離せなかったんだ。
それからは、普通に歩いて。彼は基本的には早足でいつもぼくの先を行く。そして
遅れがちなぼくを時々振り返って目で確認する。ちょっと待ってからまた一緒に歩き出す、
のにやっぱりぼくは置いていかれちゃうんだ。一時追い付こうとぼくも早足になってみたけど
すぐ遅れちゃう。考え事しながら歩くのがぼくの癖だから。エドワードさんは
ぼーっとしてるの間違うだろっていつも云うけど…否定できないのが悔しい。
今の彼はどうだろう。買い物には付き合ってくれるけど、それ以外は何か素っ気無いかな。
元々そういう人だって分かったけど、最初にかなり懐かれたからちょっと寂しくもあったり。

「なーアルフォンスー、コレ?」
「あぁはいそれです」
「後は?」
「んーと、牛乳切れてますね」
「牛乳なんて買わなくていいから」
「ぼく骨強くしないとやってけませんから」
「よくこんなんすぐ無くなるよな、この前買ったばかりだったのに」
「貴方がシチューだシチューだと飽きずに消費するからです」
「あぁそうか」

納得、というようにぽんと手を叩く。
彼は本当によく飽きもせずシチューシチューと云う。
今日の晩御飯何がいいですかって最初の頃は良く訊いたけど
今じゃ返って来る答えはだいたい決まってるから訊かなくなった。
勿論それじゃぼくが飽きるから毎日シチューって訳にもいかないけど、
彼のおかげでぼくもシチューが好物になった。そしてこうやって
週末買い物に出掛ける事が出来る様にもなった。

「あ、今日牛乳安い」
「にんじんありましたー」
「かごあっち置いてきちゃった」
「取ってきて下さい」
「だってじゃがいもごろごろで何か嫌だったんだもん」
「嫌だったんだもんてどこの園児ですか」
「じゃここ」
「じゃぁって‥」
「ブロッコリー残り少な」
「あ、今日シチューの元売り切れてる」
「じゃ種から作って」
「時間掛かりますが」
「待つから」

知ってる。彼はぼくにかごを持たせない様に置いて来た事。
自分が持っていればぼくが気にするからとわざとわがまま見せるとこ。
そういうとこ、大好き。

買い物は楽しい。独り暮らしのときは他の人のこと考えないでぽんぽん適当に
買っちゃってたけど、エドワードさんの喜ぶ顔思い出したら、あれこれ止まらない。
帰り、またエドワードさん持ってくれちゃうんだろうなぁ。ぼく非力じゃないのに。

エドワードさんは買い物袋を持って先に立つ。長い影が伸びてこちらまで届いた。
青かった空にもう橙が入って紫がかっている部分もあった。それは綺麗なグラデーションになっている。

「エドワードさん」
「ん?」
「片方」

ちょっと駆けてエドワードさんの手から片方の紐を奪う。二人の影が伸びる。
なんか、バカップルが良くやる光景。
手ではなく、買い物袋が二人を繋ぐ。少し照れくさそうにエドワードさんがそっぽを向いてしまった。
この分だとまた週末に買い物、行けそう。

ねぇエドワードさん、今日の夕飯もシチューですか?

*********************************
日常の。買い物。
バカップル万歳!いぇぁ★甘いんじゃないですか?
今回甘いんじゃないですか!?フーーーー!(誰
散歩って言うか買い物。
あの方素直に散歩してくれなさそうじゃないですか(酷
リヒが受け受けしいってか…乙女だなぁ。(しみじみ
なんかしゅふっぽいのって萌えます。主婦でも主夫でも可。
夫婦万歳。
前回の7.チームワークでもシチューのほのぼのネタ。
何か被って申し訳ないです。
だってシチューしか思いつかn(本音!?


ステキお題はこちらから→ 鋼の錬金術師的お題


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