INFINITY

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12.機械技術



「ねぇ、それ見せてよ」
「ダメだ」
「ちょっとだけ」
「ダーメ」
「何でさ」
「ちょっとで済んだ事何か無ェーからだよ」
「そんなことないからさ、ね?」
「嫌だっ」

スパナ片手に目を爛々と輝かせて、乙女の様に胸の前で手を組んだ少年
が口の端をあげながら甘ったるくせがむ様は男としてドキドキもするし
何か色々とヤバイが…こういう目の奴が云う「ちょっと」が「ちょっと」で済んだ
事なんて無い。奴らはハイエナの様に獲物を狙う目をしている。
心を許してはいけない。

「エドワードさんの世界の事、もっと知りたいんだ」
「都合良いだろお前、そもそも信じてないとか云ってただろ」
「良いじゃないですか」
「良くない」

愉しげな、だが奇怪な笑い声を小さく立てながら可愛いハイエナは迫ってくる。

わ、後ろ壁。うわ、コイツこんなに力あったっけ?やべぇ押し倒される。
そうだ、コイツけっこうなバカ力だったんだ。好きな物とかが絡むと由り一層。

「任せて下さい、痛くしませんから」
「やめ...」
「ほら、力抜いて。大丈夫だから」
「うゎ、ちょっ、待...」
「すぐ終わるから」
「もしかして…オレ今お前に犯されてる…?」
「身体も解体してあげましょうか?」

一生懸命な横顔に暫し見惚れた。この機械オタクめ。まぁ良いか。
一途な視線に気付かれない内にそっと近づき口付けた。
肩の所に顔を埋め、彼の香りに包まれた。安心する、母の様な。
今のオレなら、ハイデリヒなら、何故か許せた。この機械鎧に触れるのを。

ごめんな、ウィンリィ、オレもう少しここで生きてみるよ。



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めちゃめちゃにしてやりたかった。もう使用不可になる位中のコードを
絡ませて引き千切って、スパナで穴を開けて傷を付けて…。

あちらの世界の機械技術に勿論興味は有った。機械は元々好きだし、
それにもしかしたらロケット制作に関する何かヒントを得られるかもしれないと思ったから。

でも、何だよその顔。

そんなに大事そうに懐かしそうに自分の右手見詰めないでよキモチワルイ。

分かってる、分かってる、大事なんだよね。他人にかき回されるのが嫌なんだよね。
分かってる、分かってる、気持ち悪くなんか無い。ずっとその瞳の先にぼくが居ればと
何度願った事か。無理やり解体してゴメン。ごめんエドワードさん。ごめん技師さん。
ごめんね、スパナ、悪事の片棒を担がせて。

見た、すごくエドワードさんのことを想っているって伝わってくる。
ぼくの浅ましさ愚かしさ妬ましさ、醜さ、本当嫌って云うほど思い知らされる。
こんなに優しくて強い技師と装着者の絆。何てぼくはちっぽけなんだろう。
同じ科学者として、技術者として、何て恥ずべき行為をぼくはしてしまったのだろう。


勢いに任せて彼を押し倒す。勿論彼も犯したかったけど、その右手を犯したかった。
彼の身体にではなく、いつか薄れてしまう、消えてしまう生身部分ではなくて
一生残る鋼の傷跡に。ぼくを刻みたかった。

ヤメテ。
顔近づけないで。優しく口付けないで。涙が出そう。益々。
ぼくこんな酷い事してるんだよ?犯してるんだよ?汚してるんだよ?壊してるんだよ? 崩してるんだよ?
今まで積み重なってきた何かがぼくの中で広範囲に散らばった。
ぼくの研究者としての、科学者としてのプライドだったのかと今思ったりする。
君を自由にするその手足。
ならぼくは君を自由に開放できる故郷へと続く橋を架けてあげよう。

ごめんなさい、技師さん。もう少しでこの方おかえしします。


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もし機械鎧のままミュンヘンへ来ていたら!てな具合です。
最初はエドsideちょいギャグver.てな感じですがハイデリヒsideはシリアスで。
てか本当うちのリヒは…暗くて重い!黒い!いや、純粋(白)に黒いから
やっぱ灰色か?(意味不か
なんかエドウィンぽいですかね。


ステキお題はこちらから→ 鋼の錬金術師的お題



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