かみいゆんち

かみいゆんち

太陽の王子 ホルスの大冒険


それも、知る人ぞ知る、宮崎・高畑両氏の、初期作品だ。(監督は違う人)
名作だと思う。


 監督:大塚 康生
 演出:高畑 勲
 原画:宮崎 駿
    森  康二
 制作:1968年 東映
    82分  カラー


 悪魔グルンワルド(平幹二郎)・その妹ヒルダ(市原悦子)と、ホルス(大方斐紗子)を中心とする人間達との戦い。
 ホルスの、人としての成長を軸に描く。

 村の最後の生き残りである、父を亡くしたホルスが、人間の村を目指して旅を始める所から、話は始まる。
 途中、岩男(モーグ)の肩から「トゲ(古い剣)」を抜いてやる。
そこで「この剣を鍛えられたら、その時は、お前は太陽の王子と呼ばれるだろう」と言われる。
 行き着いた村で、仲間として一旦は受け入れられた様に見えるが、一人の村人の妬みと、ヒルダの策略によって、孤立してしまう。
 始めこそ、ホルスに罠をしかけ、人々を堕落させようとするヒルダだが、段々とホルスに惹かれ、人間の心を取り戻していく。
 兄グルンワルドに脅され、最後の罠を仕掛けたヒルダ。
ヒルダを信じる事で、彼女の罠から抜け出すホルス。
二人は手を取り合って村へ帰り、村人と共に悪魔と戦う。
剣は鍛えられ、モーグの強力もあり、悪魔は滅びる。


 う~ん、こんな説明でいいんだろうか?とも思うけど。

 昔、学校が長期休みになると、必ず一度はTVで放映されていた。
子供心にワクワクしながら、毎回、飽きることなく見たものだ。
その頃は、悪魔と人間の戦いに、ドキドキした。
 大人になって見直してみて、それだけじゃない、奥の深い作品だったのだと気付いた。
人間のいやらしさや、欲深さなどの汚い部分を、隠さずごまかさず、きちんと描いてある。
その上で、それをどうやって乗り越えて行くか。
信じる事の素晴らしさ・強力する事の大事さなどを、しっかりと訴えてくる。

 この作品、劇場公開当時、興行的には失敗で、そうそうにうち切られたらしい。
しかし、今にも通じる、いや今だからこそ、見た方がいいんじゃないか、と思わされる作品である。

 余談だが、従兄弟もこの作品が大好きで、飼っている犬に「ホルス」と名付けたほどである。
 現在は「ジブリブーム」で、ビデオも安くなった様だが、おいらが買った当時は、16.710円(税別・取り寄せ)もするものだった。
人気の無さが、よく分かる。

 隠れた(埋もれた)名作だと思ってる。




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