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2007.05.03
XML
カテゴリ: アメリカ映画
FLIGHTPLAN
Robert Schwentke
98min

*89.jpg

寸評:素直に身を任せて楽しめる映画。飛行中の航空機から6才の子供がいなくなる話で、子供がいたこと自体母親の妄想なのかという疑問が湧き、前半は心理サスペンスだが、後半はアクションとなり、2本の映画をくっつけたという感じで統一性を欠く。結果として前半の心理描写も後半のアクションも中途半端な感じ。ジョディー・フォスター他の演技はなかなか良い。

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こういう映画を自分から見ることはあまりないし、もともとアメリカ映画はほとんど見ようとしないけれど、色々な映画サイトを見てたら何となく見たくなってレンタル。深い人間心理ドラマや芸術系、難解系(?)ばかり見ていると、たまにはこういうアメリカ映画も見たくなるのだ。けっこう楽しめた。でもこの監督さんの名前はドイツ風、最初の場面はベルリンで言葉もドイツ語、調べたらドイツ生まれのドイツ人で、大学までドイツにいた人。だから純粋アメリカ映画ではなくやはりヨーロッパ風味が入っているのかも知れない。ちなみにこの監督は9才の時から家の納屋で見つけた祖父のスーパー8カメラにはまっていたという根っからの映画作家(以上はWikipediaドイツ語版より)。

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最初の場面はベルリンの地下鉄の駅。ホームにひと気はなく主人公のカイル・プラット(ジョディー・フォスター/ちなみにカイルは男性名だが、この役は最初ショーン・ペンがやるはずだったという)しかいない。。やがて夫の姿を見つけて一緒に無人の車内へ。列車は動き出し、駅で降りた二人は階段を昇っていく。外は夜で小雪が舞っている。二人は家に着くがカイルの願いで夫と中庭でちょっと話をすることに。ベンチに積もった雪を夫は手ではらう。しかしいつの間にかベンチの前にはカイル一人。雪の積もった地面にはカイル一人の足跡しかない。平行して死体安置所の様子が描かれ、彼女は転落死した夫の遺体と娘を連れて祖国アメリカに戻るのだということがわかる。夫とのシーンは彼女の空想・妄想だったわけだ。

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ベルリン空港。6才の娘ジュリアを連れたカイル。アナウンスがあり子供連れの彼女は優先搭乗でいちばん最初にひと気のないジャンボ機の中に。最新鋭のE474型700人乗りジャンボ機。これは航空機生産会社に勤めていたカイルが設計チームに属して開発した機種だ。隅から隅まで彼女はこの飛行機を知り尽くしている。窓からは積み込む荷物が運ばれる様子が見え、その中には夫の棺もある。窓ガラスに息を吹き掛け小さな手の指でハートを描く娘。離陸し、カイルとジュリアは後方の空き座席に横になって寝入るが、3時間してカイルが目を覚ますと娘の姿がない。乗員と探すが、やがて娘は搭乗者名簿になく、誰も目にした者がいないことがわかる。搭乗前の空港のシーンでも一度娘の姿が見えなくなり必死で探すカイルの様子が描かれていたが、これを含めて冒頭の夫とのシーンのようにこれはすべてカイルの妄想なのだろうか?。

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(以下少しネタバレ)
やがて夫の遺体を扱ったベルリンのカイザー・ヴィルヘルム病院の死体安置所所長からはジュリアも夫と一緒に死んだという情報。搭乗券の入っているはずのバッグを含めジュリアが乗っていたという痕跡がない。この所長を演じたのは『ブラックブック』でカウトナー将軍を演じたクリスチアン・ベルケルというドイツの俳優さんだが、この人はある種ドイツ的な独特の雰囲気もっていて好きだ。機長は事情を知って彼女に慰めの言葉をかけ、同乗していたカウンセラーは「妄想に逃避するのは慰めにはなるが、悲しい現実でも受け入れなければ。」と諭す。本当に娘も死んでいて、娘と一緒に乗ったというのは妄想なのかとカイル本人も自信がなくなるが、荷物室に棺は1つしかなかったこと、娘がいつも持っていたクマのぬいぐるみが娘が寝ていたはずの座席の毛布の下にあったこと、そして何よりも窓に残されたハートの絵、これらがカイルにとって娘が機内に実在したという心の拠り所だ。この後意外な展開に物語は進んでいくが、この辺の不確かな不安な彼女の心理をもっと深く描いて欲しかった。

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(以下もう少しネタバレ)
この後映画はアクション系に移っていくのだが、その展開は実は冒頭の方で既にいくつかの伏線が示されていた。ひとつは何をしでかすかわからないカイルを監視する航空公安官カーソンとスチュワーデス (註)
(註)アメリカ発の過度のポリティカル・コレクトネスで「客室乗務員」とか「キャビン(フライト)アテンダント」などと呼ぶ方向性については疑問があります。それにここでの話で「女性CA」等と「女性」を付すのは面倒です。

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冒頭のカイルの妄想シーンや空港で子供が見当たらなくなるシーンは、娘の同乗もカイルの妄想かも知れないという方向へ観客を誘う伏線なのだが、終わってみて感じたのはこの映画にはつじつまの合わない不自然な設定が多いことだ。 (以下完全ネタバレand種明かし) 共犯の2人が業務で搭乗することになるこの日のこの便(しかもカイル設計の機種)にカイルが乗ることを、病院関係者の共犯があるにせよ、どうして1週間前にカイルの夫が死ぬ前からわかっていて犯行を開始できるのかという点があまりにも荒唐無稽だ。カイルが別の便に乗ってしまえば計画は失敗してしまう。次に映画は関係のない同乗者に対して乗客は無関心だということを言いたげだけれど、乗客はその多くが暇で時間を持て余しており、ジュリアは座席の下の方にもぐったりはするものの、離陸時にはシートベルトを締めているはずだし、その後後部座席に母親と移って横になって寝、その睡眠中に犯人が子供を連れ去るのだから、それを誰も見て気付かなかったということもややあり得ないのではないか。航空保安官である立場を利用してカーソンがカイルに罪を着せて金を得ようとした犯罪なのだろうけれど、娘ジュリアが本当に死んではいなかったということだって後で捜査すればわかることだろうし、犯罪の計画自体つまりは映画のストーリーに最初から無理があるような気がする。

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架空の飛行機であることと機内の設備などの一部が航空機マニア等から見ればウソっぽいのかも知れないが、これには正当な理由があると思う。子供が迷子になるほど機内が広くなければならず、またカイルが設計を担当したという点で新規の航空機ではなければならなかったという物語的要求。更に現在就航中のボーイングやエアバスでは、航空機内の細部の様子などを描写する関係上、ハイジャック犯などのためのレクチャー映像になってしまうということだ。ちなみに乗員の無能力とその1人が共犯であるということで、アメリカの民間航空機乗員組合のような組織はこの映画をボイコットしようとしたらしい。ボクが1つ解らなかったのは、緊急着陸するのはニューファンドランドなのだが、カナダ領でありどうしてFBIなのかなということ。こういう警察権のことなど御存知の方は教えて下さい。

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でもまあとにかくも楽しめた。常套的表現と言えるけれど、アラブ人ということで疑われてイヤな思いをしたはずの乗客が最後にカイルにカバンを渡してやるシーン、こういうのは好きです。映画全体の主ストーリーよりジーンときたりして・・・。これとその直前の機長がカイルに謝る2つのシーンがこの映画でいちばん好きなシーンかも知れません。あと収穫だったのはスチュワーデスの一人を演じたエリカ・クリステンセンという女優さん。いいですね。彼女の出演している映画を何本かDISCASの予約リストに入れてしまいました。

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Last updated  2007.06.11 02:21:48
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もう一度、きちんと見る必要がありそう。  
なぜか、ジョディ映画とはあまり相性が合わず、
この作品もショーンビーンが出ていたので
借りたのですが、開始15分位で寝てしまい
ました。
racquoさんの解説を読んでいたら、もしや・・
これは面白いのかも?という気になってきました。
監督さんが、ドイツの方だったのですね・・
これは、きちんと見直したくなってきました。
(2007.06.13 22:00:38)

Nobubuさん  
racquo  さん
わざわざもう一度見ようとするほどの価値があるかどうか。そのうちテレビで放映されるのでは。

ジョディーと言えば、映画自体は「まあまあ」程度ですが、『ロング・エンゲージメント』のフランス語しゃべってるフランス人役のジョディーは良かったですね。 (2007.06.13 22:31:37)

最近のジョディでは・・  
racquoさんへ
あの「ロングエンゲージメント」のジョディが
一番良かったような気がします。
逆に、インテリ系の役柄より、あういう秘めた
情熱を持った女性の方が似合うのでは?
なんて、思いました。

「ロングエンゲージメント」
意外と好きなんですよぉぉ~~
あの風景と戦争シーンの対比が明と暗みたいな
感じで。 でも一番好きな部分は主人公の
彼への想いかな?(笑) (2007.06.14 01:18:49)

ジョディー・フォスター  
racquo  さん
アメリカ映画はあまり見ないので最近というわけではありませんが、そして彼女はとっても頭の良さそうな人だからどんな役でもそれなりにこなすのでしょうが、『白い家の少女』とこの『ロング・・・』の彼女が良かったです。『フライトプラン』もなかなか。

『ロング・・・』は今レビューの下書き中ですが、メインのオドレイの物語よりもジョディーのエロディー、マリオン・コティヤールのティナの物語の方により興味をひかれました。『アメリ』でもそうでしたが『ロング・・・』でもオドレイの役どころって問答無用の自己中心性があり、その辺がオドレイ(マチルド)の純愛とやや似合わない感じがしました。
(2007.06.14 02:26:21)

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