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2007.05.05
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カテゴリ: フランス映画
UN LONG DIMANCHE DE FIANCAILLES
Jean-Pierre Jeunet
133min

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寸評:基本的には感動の大作で、ジュネらしい映像作りが好きな人にはお勧めだが、内容的には朝の連続テレビ小説の総集編を見ているような感じ。部分部分には役者の良い演技(演出)はあるものの、全体としては主人公マチルドを含め人物一人一人の感情の描写が希薄。ボクにとってはオドレイが鬼門。あとはやはりまたコルシカ問題など。

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自分としてはフランス語で出演のジョディー・フォスターの演技がよかったのと、出ていると知らなかったのでジュリー・ドパルデューが出てたのが嬉しかった。この人を初めて見たのが 『リリィ』 だったか 『恋は足手まとい』 だったか忘れたが、初めて見て大ファンになってしまった。今回故障する前にはパソコンの壁紙もこの人にしていた。この2人以外では、主演のオドレイ.トトゥはボクとしては 『アメリ』 よりも良い印象だが・・・(?)。いくつかの場面でとってもいい演技をしていたと言っておこう。セザール賞で助演女優賞のティナ役マリオン・コティヤールも良かった。この人の部分なんかはそれだけで1本の映画になりそう。ジョディー・フォスターの部分だって映画半本くらいにはなる。連続テレビ小説ならば何回かを費やしてティナやエロディーの物語を詳しく描けるのだろうけれど、寸評に総集編を見ているようだと書いたのはそういう意味だ。ドイツ女性を演じたエリナ・レーヴェンゾーン良し、叔母さん役のシャンタル・ヌーヴィル良し。ギャスパー・ウリエルはじめ、カラックス映画のドニ・ラヴァン、男性陣もおおむね良かった。

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ではそんな理想的な配役でいったいどんな映画となっているのか。特にメインのオドレイの物語は?。オドレイ・トトゥ演じるマチルドは幼い頃両親を事故で亡くし叔父・叔母に育てられた。場所はブルターニュの田舎の海岸に遠からぬ所。子供の頃の小児まひで片脚が不自由だ。学校を長期に休んだり脚が不自由なので友だちもいない。そんな彼女に声をかけ親しくなったのは灯台守の息子のマネクという少年。やがて成長した2人は結ばれ、結婚の約束も。しかし第一次世界大戦が勃発し19才のマネクは前線へ。戦争が終わるがマネクは帰って来なかった。復員した兵士達からマネクが死んだらしいことを知らされるマチルドだが、彼女は恋人の死を信じようとせず、調査を開始する。マネクを含む5人は手を自ら撃って自傷するなど、故意の負傷(一種の敵前逃亡?)の罪で死刑を宣告された。物語はこの5人とその女達などの消息と謎解きという推理ドラマとして進んでいくので見ていて退屈することはなかった。

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ここでついでに関連することを書いてしまうと、たとえばコルシカ島のカフェのシーンで壁の「CAFE」の文字はCGらしいが、これはロケの際に実際に壁にペイントして、風化の雰囲気も出して、撮影が終わったら元に戻すために消去する、というのよりは遥かに簡単だろう。こういうのは画像的違和感も少ないので良いが、画面に2つのショットを合成するとか、一部のみ着色するとかいった技巧はどうも好きになれない。映画の歴史は例えば狼男の変身のシーンなど特撮技術開発の歴史でもあるのだろうが、こういうドラマにデジタルを使い過ぎた画面はどうも好きになれない。デジタルならデジタルオンリー、フィルムならフィルムらしく映画を作って欲しい。

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『アメリ』でもそうだったがここでもオドレイ・トトゥの演じる人物は悪気はないのだろうが、どうも問答無用の自己中心性をもっている。マチルドの思いはそのものは良いのだが、自己に酔っているような、周囲に対してはしてやったりのような感じは、どうも純愛とは相容れないように感じられてしまう。その意味でこのメインの物語以上に面白く、もっと詳細に見せて欲しいと思ったのはティナ(マリオン・コティヤール)の物語とエロディー(ジョディー・フォスター)の物語だった。2人の演技は実に役に合った相応しく深いもので見ごたえがあった。『アメリ』の方はフィクション性が強い、わざとらしい物語だからあれはあれで良い。この『ロング・エンゲージメント』は『アメリ』の過大な成功でアメリカ資本を得て作った映画、いわば「アメリの夢再び」の映画だからオドレイの起用もやむを得ないが、もっと別の女優、しっかりと深い情念を内に秘めたような雰囲気を持つ役者さんにやって欲しかった。そうジョディー・フォスターでもよい。

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映画のフランス語原題は「婚約の長い日曜日」だから (ややネタバレにはなるけれど) 「長い(=何年も続いた)」マチルドとマネクの「婚約の日」の話だから、婚約成立、そして映画の終わったあとの結婚へという物語と考えてよいのだろう。この映画には原作があって、舞台はブルターニュではなくアキテーヌだ。自治・独立などの問題をも歴史的に孕むフランスの他民族・他文化地区と言えばケルト系のブルターニュと大西洋岸スペインとの国境にまたがるバスクがある。そして言語も文化も異なるコルシカ島もそうだ。原作を変えて監督は舞台をブルターニュとした。ペテン師のウソつきとして描かれるアンジュは原作ではイタリア系となっているらしい。このアンジュに監督は「私はコルシカ人でフランス人ではない」と叫ばせている。ブルターニュでは当時やっとフランス語教育が始められた頃で年輩者はブルトン語しか話せなかったという。しかしマチルドの叔父叔母その他はきれいなフランス語を話している。それでも良いが南仏訛りはちゃんと使わせているのは不整合というものだ。この辺りには 『アメリ』 のときと同様に監督の政治的思惑が感じられ、それはやはり不快だ。ちなみにこの映画はコルシカ島で撮影されたが、コルシカ島では上映中止となった。

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Last updated  2007.06.14 05:41:21
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そういう裏話が・・・  
あったのですね。コルシカ島で上映中止?
フランス語訛り、私などには全く判らないので、
本国やフランス語が出来る方には、違和感があるの
でしょうね。日本の映画を変な日本語の方言で
聞くのは、やはり違和感ありますものね。

そういう事情を知らなかったので、映画館で
見たときは、風景の美しさと戦闘の壮絶な感じ、
戦場から逃れ、家に帰りたいと思う男達、マネクを
探すマチルダ、ジョディの物語などなど、総合
して意外と楽しめました。

オドレイは、確かにクセがある女優さんかも
しれないですね。
女心的には、狭い島で唯一の彼、その彼氏に固執
してしまうマチルダの気持ち、なんとなく判り
ましたが・・
マネクの笑顔、最高でした。(笑) (2007.06.14 07:16:52)

この監督さんって、  
racquo  さん
Nobubuさん、

この監督さんて、なんかちょっと胡散臭いところがあるんですよ。『アメリ』にしてもこの『ロング・』にしても、どちらも話としては無邪気っぽくて、オドレイが可愛くって、政治性などないのだけれど、そこに秘かに何か盛り込むというか・・。フランスのメディアの扱い見てると、批判したい立場(思想)の新聞などは、あまり表だって直にそのことを批判もしにくいので、周辺的に「ここが不自然だ」とかそんな感じに批評している感じがします。『アメリ』の問題点はレビューに書いたけれど、半年前にあるフランス人にボクの感想述べたら、公的にはあまり話題にされないけれど、色々私的会話の中では同じような批判をする人が少なからずいると言っていました。 (2007.06.14 11:49:05)

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