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2008.03.28
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カテゴリ: アメリカ映画
TEN MINUTES OLDER ~The Trumpet~
INT. TRAILER NIGHT(女優のブレイクタイム)
Jim Jarmusch
TWELVE MILES TO TRONA(トローナからの12マイル)
Wim Wenders
(所有DVD)

INT. TRAILER NIGHT(女優のブレイクタイム)
Jim Jarmusch


10-4-3.jpg

素敵な映画ですね(再び白黒、ちなみに第2編の『ライフライン』はカラーで撮影され、最後の最後に白黒にプリントすることにしたらしい)。監督はジャームッシュ。良くは知らない自分ですが、この人は短編系を良く撮っているようです。だからショートの構成はお手のものなのかもしれません。知らなかった女優さんですが、主演のクロエ・セヴィニーが素敵でした。フランス人のような名前だなと思って調べたら、彼女自身はアメリカ生まれのアメリカ育ちだけれど、父親がフランス人、母親がポーランド出身のルクセンブルク人とのこと。アメリカの女優さんなのにヨーロッパ系の雰囲気も合わせ持った人ですね。

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映画撮影中の女優ケイトが10分だけ与えられた休憩。彼女が自分のトレーラーに来て、また去っていくまでの10分だけの休憩の様子を描いています。外は寒いので防寒のコートを着て登場する女優が中に入ってコートを脱ぐと、映画の衣装のアールデコ風のドレスを着ている。この突然の雰囲気作りが巧みです。もちろん時代映画の中世の衣装か何かだったとしても唐突な雰囲気のチェンジは可能だけれど、それはクロエ・セヴィニーを美しく捉えるものではない。単に映画撮影中の女優として描けば良いのだから、どんな衣装でも選べる。監督はクロエをいちばん美しく見せる姿としてこれを選んだのだろう。そして彼女の衣装や化粧である1920年代ぐらいの世界を体現する彼女(この部分は役)と、彼女の吸う "紙巻き" タバコやラジカセや携帯、出入りするスタッフ(映画内の現実=現代)の重なり具合が面白い。ここに監督の意図の一つがあることは、妙に現代的デザインのラジカセが選ばれていることからもわかる。一方電気スタンドはややアールヌヴォーかデコ風だ。ゴールドベルグ変奏曲のCDが流れ出したとき、見ている自分も女優とホッとする感覚を共有したが、彼女が一時の安らぎを得られるかに思われて、でも現実はそうはならなかった10分という時間を描いている。と同時に、現代と1920年代という時間の隔絶・近接をも描いている。それらすべてを映画として見ている自分がいる。つまり自分が見ているのは、2002年にこの映画に出演しているクロエ・セヴィニーであり、彼女の演ずるケイトがトレーラーでくつろぐ姿であり、また映画中映画(実際には彼女のデコ風衣装等だけだが)の中の彼女、という3つの彼女、時間的にも3つの時間を見ていることになる。それにしても10分が経過して撮影現場に戻らなければならない彼女が、トレーラー内を一瞬見つめる様子が不憫に思われた。そしてこんな窮屈なトレーラーの空間であっても彼女にとっては親密なる空間であるという感じが良かった。

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TWELVE MILES TO TRONA(トローナからの12マイル)
Wim Wenders


10-5-1.jpg

時間が共通テーマだというこの『10ミニッツ・オールダー』、その第1集「トランペット」の7作を見て、自分的には「時間」がいちばん考察されていない1編に感じました。死ぬか生きるかの10分であると同時に、ドラッグ世代かも知れないヴェンダースが過去を思い出す、振り返る、そういう意味での時間なのかも知れませんが・・・。

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10 MINUTES OLDER 第1話『結婚は10分で決める』(カウリスマキ)
10 MINUTES OLDER 第2話『ライフライン』(エリセ)
10 MINUTES OLDER 第3話『失われた一万年』(ヘルツォーク)
10 MINUTES OLDER 第4話『女優のブレイクタイム』(ジャームッシュ)
10 MINUTES OLDER 第5話『トローナからの12マイル』(ヴェンダース)
10 MINUTES OLDER 第6話『ゴアvsブッシュ』(リー)
10 MINUTES OLDER 第7話『夢幻百花』(陳凱歌 チェン・カイコー)




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Last updated  2008.04.02 17:45:59
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クロエは本当に~  
美しかったですね。コートを脱いだときに時代が
交差して不思議な時代感を感じました。
10分、長いようで短い休憩時間。食事などとる時間
ないじゃないの・・最後のほうに運ばれてくる
食事を見て思いました。雰囲気のある短編でした。
あのけだるさが妙に新鮮でした。

クロエは出演作は何作か見ていますが、彼女は、
けだるさもあるのに、包み込むような優しさをも持っている感じの素敵な女優さんだと思います。
重いですが、「ボーイズ~」や「ドッグヴィル」
のクロエもとっても良かったです。
(2008.03.29 09:39:39)

Nobubuさん  
racquo  さん
第1集7編で普通の劇映画の体裁なのは、この「女優の」
の他、「結婚は10分」「ライフライン」「夢幻百花」で、
ヴェンダースの「トローナ」は微妙な線でしょうか。
そして7編の中でこの「トローナ」が最もとりとめがないかも。
ただ風力発電の風車が写されていた映像は、
とってもヴェンダースらしい映像で、
あそこと、女子学生ケイトの涙を浮かべた笑顔が良かった。

クロエの追っかけはしないと思うけれど、
機会あれば他も見てみたいです。

(2008.03.29 22:02:50)

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