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2009.05.19
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カテゴリ: カテゴリ未分類
悲夢


(つづき)-2-

ランは別れた恋人を嫌悪していた。ジンの方は別れた恋人への執着を引きずっていた。ジンは元カノとのデートの夢を見る。するとランは夢遊病で元カレに会いに行ってしまう。嫌悪する男に抱かれるのだからランにとっては迷惑な話だ。ジンとランにとって二人が同時に眠ることが問題なのだが、二人とも夜は寝たいし眠くもなるので、睡眠シェアはなかなか上手くいかない。

元カノを忘れられないジンと元カレを忘れたいラン。ジンとランは二人で一人。表と裏、あるいは白と黒。なるほどジンが未練がましい夢を見るからランは嫌悪する元カレに夢遊病で会いに行く。しかしどうなのだろう。夢を見るのがジンで、実行するのはランだけれど、ランの方もニュートラルでなく「嫌悪」という形で元カレを精神的に整理できていないのでではないだろうか。元カノとの夢を見るジンをランは非難するけれど、彼女のその嫌悪の裏返しがジンの未練なのであり、ランが元カレとのことを消化出来れば、ジンも元カノを忘れられるはずだ。

そんな中で、段々に二人は惹かれ合っていく。映画中盤から、どこまでが夢で、どれが現実なのか、やや曖昧な、幻想的な描写となっていく。ジンはランとお寺で楽しげにデートをするが、ジンは車の中で目を覚まし夢だったことを知る。ジンは梵鐘を鳴らしたりしたお寺でのランとのデートの夢の過程を一人辿るが、そこにランはいない。でも夢で二人で積み上げた小石の塔は実際にあった。そして車に戻るとそこにランがやってくる。これは夢遊病のランなのか、目覚めた現のランなのか、それともこれもまた夢なのか。夢だとすればランは(もし眠っていれば)ジンの車にやってくるだろうが、それならそのときジンは車の中で眠っているはずだ。

こうしていわば夢と現が交錯し、境界が曖昧となってくる。それはまさしく分析医の言った「二人が愛し合えば」ということなのだろう。しかしそれでもジンは元カノを夢から完全に追い払うことはできなかった。しかしこの中途半端な状態は別の危険をも孕んでいた。それはランがジンが夢に見ないことまで行動してしまう危険だ。ランは半ばジンの夢に拘束され、また半ば自由でもある。
(つづく)







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Last updated  2009.05.19 21:25:35
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