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2007.09.04

停留睾丸（停留精巣）のその後…

(8)

テーマ：子供の病気(2174)

カテゴリ：育児

息子は8ヶ月で左側の停留精巣がまだ治っていません。
そのことで、大学病院に通院しています。

7月にエコー検査をして、下りてないほうの精巣の位置を確認したのですが
その結果を知るための外来予約が取れたのは9月になってから。

小児外科、まして外科長の外来となるとなかなか予約が取れないです。
結果が聞かされないままの約2ヶ月間は長かった…。

で、先日ようやく検査結果を聞きにいってきました。

予想以上にショックなお話でした。

停留している精巣は、かなり上のほうにあり
このままで下りてくるのを待つのも望めないので
1歳半を目処に手術する。
それに1回の手術では完全に下におろせないかもしれない。
2回にわたって手術する可能性がある。
また、エコーで見たところ、停留している精巣は
大きさが通常の半分ほどしかない。
下におろしたところで、通常の精巣と同じ程度の機能回復は望めない。
具体的にどの程度機能に問題が出てくるかは、手術してみないとわからない。

…そんな…

話を聞きながらうっすら涙がにじみ、先生の顔がよく見えなくなってしまいました。

下におろしたところで、
通常の精巣と同じ程度の機能回復は望めない…

私は完治できない持病があります。
大学病院ももう十数年にわたり通院していて
色々な先生方とも話をしてきたし、病院慣れしているほうです。

一度、検査のためにした麻酔でショック状態になり
危ない目にあったこともありました。
それから自分の治療や入院のときは、出来る限り予備知識を自分で調べてから
治療方針や薬について納得いくまで先生とお話してきましたし
具合が悪いときでも、冷静な患者として振舞える自信がありました。

でも。
子供の病気は違う…。

それまで、停留精巣は手術さえすれば簡単に治るものだと思っていました。

なのに。うちの子は違うなんて。

ショックのあまり、しばらく何も言葉が出てきませんでした。
うつむいて、ようやく口に出せた言葉は

「この子はいったいどうなるんでしょうか」

それだけでした。

そりゃそうだ…
でも。でも…
何かお話しを聞きたかった。
私もここに来る前、少しは調べてきたつもりだけど
うちの子に起こると考えられる、機能面での問題の可能性は？
先生の口から、ちゃんと聞きたい。
何か聞かなきゃ…

そう思いながらも何も言えないでいると、先生が

「お母さん、中には2つとも下りてこない子もいるんです。
　しっかりして。ひとつは下にあるんです。
　それを忘れないで。しっかり手術して、経過を診ていきましょう。
　いいですか？分かりましたね。」

というようなことを言われ、「はい…」と言うしかありませんでした。

でも、そうだ、ひとつは下にあるんだ…
と言われても、うなだれた気持ちは消えるわけもなく…

一応、停留精巣について簡単に下調べはしていましたので
その中で知った悪いことばかりが浮かんできます。

この子が男性不妊症になったらどうしよう？
停留していた精巣が将来悪性化してがんになったら？
精巣が機能せずホルモンに異常が出たら？
ひとつだけでも機能していれば本当に問題ないの？
将来の結婚のとき、息子自身が悩まないか？

頭の中でこれらのことがずっとグルグル…。
悩んでも今の時点で答えはないのは分かっています。

なによりも、
息子が将来自分でこのことを理解したときに受けるショックを思うと
やるせないです。

私がもっと妊娠中に気をつけていれば違ったのだろうか？

そんなことまで考えてしまいました。
（もちろん、そんな因果関係は考えにくいことは理屈では分かっています）
でも、こういう気持ちって理屈じゃないのね。
親ならどうしても考えてしまう。

ふと、私の母も、かつて私の病気がわかったときに
同じような思いをしていたのだろうか…と思いました。
一度は状態がひどく、養護学校への進学を勧められた頃もあったくらいです。
母もきっと辛かっただろうな…。
でも、私の前ではそんなそぶりは見せたことはなかった母。

私もしっかりしなきゃ。

今は、通院してよく診てもらって
1歳半での手術がうまくいくように願いながら
息子の成長を見守るだけですよね…

「ひとつは下にあるんだから別にいいじゃない」
とまでは、たぶんこれからも思えないけれど…

せめて、これまでのように取り越し苦労ばかりして
頼りない気持ちばかり抱えている母親でいることだけは
やめようと思いました。

次の外来は3ヵ月後。
それまでにしなくてはならないことは特になにもないと言われました。
でも、私はこのクヨクヨした性分を少し治さないと。
手術するのは息子。
顔を見ると術後の痛みも一瞬忘れちゃうような、明るい母親になりたいものです。

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