THE VOICE WITHIN

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2007.09.18

つまり、そうゆうこと。

(4)

カテゴリ： HAPPY☆ LIFE

雨の夜

古いキャラバンは

たくさんの雨粒に叩かれ

その音は

屋根の下の

わたしたちの体の底で

よく響いた。

窓のそとは

真っ暗で

ぼやけていて

波にのまれたようだ。

小さな船の住人たちを

ひどく不安にさせる。

そんな嵐の夜

わたしたちは

きまって

熱いミルクティーを淹れた。

甘い甘いミルクティー。

トレーナーの袖ごしに

カップを包む。

熱が伝わってくる。

ふちに口をつけて

湯気を吸う。

そうっと一口飲む。

熱い液体が胃へと落ちていく頃

そうすると

まつげの先まで熱くなって

顔をあげる。

そこには

テーブルの向こうで

ミルクティーをすすっている彼がいて

なんていうかこう

体から

心から

熱が溢れてくる。

この瞬間

「幸せ」

を感じた。

蒸し暑い夏の日

青空の下で

飲んでも

こうは感じないだろう。

雨が降っていて

冷たくて

寂しい夜だからこそ

紅茶の熱さや甘さが

響くのだ。

小さな出来事が

感動になり

ありがとうという気分になって

その感謝の感情が

湧き上がった瞬間

ひとは

ハッピーに触れる。

気づくのだ。

何かが足りないとき

辛さが襲う時

心寂しいときになって

はじめて

幸せが届くのなら

ミルクティーを

飲みたい夜は

少ないほうが

いいのかもしれない。

ハッピーは

アンハッピーであり

アンハッピーは

ハッピーでもある

つまり

そうゆうこと。

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