♪♪健康でいることが一番・・・!

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Vol. 14『オプティマム・ヘルス』

<Dr.カモハラの健康最前線>

-------サプリメント先進国、アメリカの場合-------


健康志向の進んだアメリカでは「オプティマム・ヘルス」という考え方が一般的になってきています。

日本では「至適(してき)な健康」というあまり馴染みのない言葉に訳されることが多いのですが、「ベストな状態で健康を維持すること」という意味です。

今までは健康問題は診断・治療に重きを置いてとらえられがちでしたが、最近はその前段階である健康を維持し疾病を予防する事に、関心が寄せられるようになってきました。

個人のレベルでその維持・予防を達成しようとするのがアメリカの「オプティマム・ヘルス」です。
そのための手段の一つとしてサプリメントが利用されています。

アメリカは、日本のように公的医療保険は充実していません。
また1994年に大幅な規制緩和(栄養補助食品健康教育法の制定)があり、サプリメントが一気に普及しました。

サプリメントの一日の摂取量を説明するときに「保健量」と「栄養所要量」というふたつの考え方があります。
健康改善のために多めに摂取するときの摂取量が「保健量」、欠乏症を防ぐ最低限の摂取量が「栄養所要量」です。

サプリメントは「オプティマム・ヘルス」を目的とする場合、「保健量」と呼ばれる多めの量を摂取することが望ましいとされています。

日本で普及している「栄養所要量」はあくまで「欠乏症にならない程度の量」ですから「保健量」よりはるかに少ないのが普通です。

たとえば疲労回復によいとされるドリンク剤にはたいてい、ビタミンB群が「栄養所要量」の数値を大幅に上回って配合されています。
これが「疲労を回復する」という目的に対し有効的な「保健量」です。



☆ちょっと一服☆


-------ここでDr.カモハラのプロフィールを-------


蒲原聖可 かもはら せいか
徳島大学医学部卒業
同大学院修了。 医学博士。 
現在東京医科大学病院 総合健診センター医師
日本体育大学非常勤講師

予防医学の臨床医として、サプリメントを利用した
代替医療の研究活動を行う。




では続きを・・・



「保健量」に基づいて多めにとっても、ビタミン類のほとんどは過剰症などの心配はありません。

たとえば水溶性のビタミンB・Cは体に蓄積されず、余分は体外に排出されます。
日本の「栄養所要量」ではビタミンCの摂取量は一日100mgですが「オプティマム・ヘルス」のためには500~2000mgを摂取することが一般的です。
さらに効果を期待するときにはメガビタミン療法として一時的により多くの量を摂取することがあります。

また脂溶性ビタミンのビタミンA・E・D・Kについては、脂肪組織などに蓄積して過剰症が生じることも理論的には考えられますが、サプリメントを通常の目安にしたがってとる場合には起こりにくいものです。

日本では、サプリメントを原因にした過剰症の報告例はありません。
ただしハーブ系サプリメントについてはビタミン類とはまた別で、これは目的に対して明確に処方を選び、規定量を守ってとることが大切です。

-------アメリカのハーブサプリメント売り上げランキング-------
(2001年)


1. イチョウ葉         ※目的にあわせて単独の成分を選ぶ
2. エキナセア          ハーブ系サプリメントに比べビ  
3. ガーリック          タミン・ミネラル類は「マルチビタ
4. ジンセン           ミン・マルチミネラル」といった
5. 大豆             ような複合的な商品が主流です。
6. ノコギリヤシ
7. セントジョーンズワート    そのため、細かい成分別のラン
8. バレリアン          キングが出にくい状況です。
9. ブラックコホッシュ根
10.カバカバ            アメリカでは心臓病、肥満、
11.ミルクシスル         関節症に対する意識が高まり、
12.月見草             コエンザイムQ10、
13.グレープシード        トコトリエノール
14.ビルベリー          グルコサミン・コンドロイチン
15.ヨヒンベ            などが今後注目されるといわれて
16.緑茶              います。
17.ピクノジェノール
18.ショウガ
19.ナツシロギク
20.ドンクワイ根




そして医者にかかるときにはビタミン・ミネラル類、ハーブ系、いずれのサプリメントも、 飲んでいる事を必ず伝えてください。

2002年に学会で発表された東京医大とDHCとの共同研究による調査では、健康診断を受けた人の3分の2がサプリメントや漢方薬などの代替医療を利用し、その約8割が医師に報告をしていなかった、という結果がでました。

たとえば風邪をひいたときに、自分で予防用のビタミン類をとっているのにそれを告げないでいると、医師はビタミンを重ねて処方しようとする可能性があります。
そして患者はそれを知らないかもしれません。

これでは自分のビタミン摂取量がわからなくなります。

「オプティマム・ヘルス」を実践する場合、自分が何をどれくらいの量をとっているか正しく知っておくことが大事ですから、医師への自己申告や相談は進んで行うようにしましょう。

また、ハーブサプリメントの一部では、医薬品との飲み合わせの問題も生じる事があります。

日本には食べ物で体をととのえようとする考え方があり、現在も健康によい食材や食べ方・調理法が関心を集めています。
しかし最近の調査ではほうれん草などのいくつかの野菜ではビタミンC含有量が減少していることが明らかになりました。

低下の原因は明らかになっていませんが、今や食べ物だけから栄養をとることが難しくなってきています。
不足分をサプリメントで補うのは現代人には必要なことだと思います。

ただ、「オプティマム・ヘルス」というのは、決して食事をサプリメントに置き換えることではありません。

最近の「サプリメントを飲んでいればいい、代替食品を食べれば健康でいられる」というような安易なライフスタイルは疑問です。

本来は食生活や運動を主体に生活を見直し、そこにサプリメントを組み込んでいくものです。

日本でも医療費の自己負担が増えると、健康についての自己責任が必要になってきます。
サプリメントを利用した「オプティマム・ヘルス」の考え方が広まっていくと思います。


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