そして今日も日は過ぎる

2006/01/04
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カテゴリ: 適当鑑賞記
 昨日は司法試験戦友のカラテカ君とIさんと新年会をしてきました。


 帰宅後、妹と一緒に録画してあった『古畑任三郎FINAL』の「今、蘇る死」を見ました。
 いやあ、本当に面白かった!
 真犯人は比較的早く分かったのですが(具体的には最初のアリバイ作りのシーンで、もしかして?と思いました。あそこ敢えて不自然に作ってありましたよね)、いやあもう最後まで引きつけられっぱなし。特に真相が分かっているだけに第三(ネタバレですね)の殺人の後、どう決着をつけるのかを非常に興味をもっていたのですが、そう来たか!って感じです。
 これまで見た古畑シリーズでも屈指の魅力的な作りでした。
 個人的には、津川氏の出て来た第三シーズンの話と並んで好きです^^

 さてと、野暮を承知でちょっと書きたいと思います。
 まずは実体法の観点から。

 「私はこれ程までに完璧な殺人の計画を知らない」
 という古畑の語り通り、本編で描かれている殺人では決着を付けていませんでした。が、さて現実だとどうなるでしょうか。
 個人的には、第三の殺人で決着を付けても良かったのではないかと思います。
 刑法には間接正犯という概念があります。
 これは直接手を下してはいないものの、正犯と同視できる場合には犯罪が成立するという概念です。この概念は「道具理論」で理論づけられるのが一般的です。
 すなわち、他者を道具の様に利用することで罪を犯しているのだから、正犯として罰せられると考えるのです。
 例えば、こんな例が挙げられます。Aさんは、Bさんと共に狩猟に出ていました。するとAさんには、昔から恨んでいたCさんが木陰で休んでいることがわかりました。そこでAさんは傍らにいるBさんに言います。「あの木陰にクマがいる。撃ってくれ」、と。Bさんはうっかりよく確認もせず、クマと勘違いしてCさんを撃ち殺してしまいました。
 これは他人の過失行為を利用して、殺人を犯しているわけで、このような場合にAさんに殺人罪が成立するための理論が間接正犯なのです。
 これ、今回の第三の殺人にあてはまりますよね?ちなみに第二の殺人の方をこの間接正犯で説明することは道具理論では不可能です(説明すると長くなるのですが、道具と評価するためには少なくとも道具として使われた者に当該罪の故意があってはならないとされているからです。つまりこのような場合には道具と評価できないのですね。片面的教唆が成立するくらいでしょうか)。

 さて、問題は手続法的な側面ですよね。立証できるのか。
 一応物証はある程度あります。ノートとテープ。ところがこれで立証できるのは『誰かがノートを書き換えた』という事実のみ。これだけでは真犯人が書き換えたことは立証できません。間接事実(たとえばあのノートは作成後ずっと真犯人が持っていて誰にもわたっていないとか)を積み上げても相当難しい。そうなると、書き換えと真犯人を結びつける証拠として、自白がないと相当困難。


 他方、第一の殺人の方ですが、こちらは15年というのが気になります。死刑のある罪は15年で時効にかかってしまうからです(刑事訴訟法250条)。実際には15年経ってなかった(14年3ヶ月だったとか)ということであれば格別、15年経っているとアウトです。
 そうすると第1の殺人の真相をネタに取調をして第3の殺人の自白を取りにいくのが最も効果的な解決方法なのかもしれませんね。
 そうすると、物語中で古畑がやった最後の対決は、相当効果的だったのではないでしょうか。
 ただ、第1の殺人の方も、物語中では15年と言っていますが、フランクロイドレフトさんが書き込んで下さったように、実際には15年はまだ経っていない、という感じでしょうね。あと少しで時効だからこそ(完全に時効が成立する前に見つかってはマズイ)、真犯人は売却が進むのを焦ったということは充分考えられると思います。
 ううむ、思わず知的好奇心をくすぐられてしまいました。





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Last updated  2006/01/04 02:39:43 AM
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聖書預言@ Re:8番出口(05/01) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
剣竜 @ パク・チャヌク監督作品 ocobaさんへ その2つの映画,評価高いよ…
ocoba@ Re:殺人の追憶(03/04) 韓国映画では、パク・チャヌク監督の「オ…
剣竜 @ Re[3]:投票義務制の問題点(11/10) サムスさんへ いえいえあまりお役に立てず…
サムス@ Re[2]:投票義務制の問題点(11/10) 剣竜さんへ ありがとうございます!

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