キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

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キータン.

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2008.02.07
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病院に入院していると何もすることがない。
寝ているか、本を読んでいるか、治療をする。
後はぼんやりとするだけだ。

ぼんやりとする。いろいろなことを考える。
いろいろなこと……やけに幼い頃が思い出される。
幼い頃は病気になると少し嬉しかった。

うん、学校を休めるということもあったが
病人になると、家族がやけに暖かく見守ってくれる。


そうそう、リンゴなどはわざわざ摺ってさじで食べさせてくれた。
うん、スプーンではないさじである。

そう、みなさんは「吸い飲み」というものをご存じだろうか。
病人になると、こ吸い飲みで水を牛乳を飲ませてくれた。
そうなのだ。寝ていてもこぼさずに飲めるすぐれものだ。

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我が家の食器棚の端っこにいつも置いてあった。
「病気になったらあれで飲ませてもらえる」
そのガラス製の器というか器具を、私は羨望の目なざしで見つめた。

ガラス製である。体力の弱っている病人のための器具だ。
先端を割る恐れがあるということで、。ゴム製の補助ホルダーが付いていた。


チューチュー、吸い飲みで飲むと、不思議に牛乳もおいしくなった。
チューチュー、吸い飲みで薬と水を飲むと、不思議に早く治る気がした。

病院のベッドの上で、私はひたすらに「吸い飲み」を考えていた。
「ハイッ、お薬の時間ですよ」
看護婦さんが病室に入ってきた。


そう言いかけて、私は窓の外を見つめた。
碧い空に白い雲が浮いていた。幼い頃の風景が広がっていた。






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Last updated  2008.02.07 09:04:34
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