キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

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2008.03.09
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カテゴリ: 流されゆく日々


バス.jpg

研究室からの帰路、バスに乗った。
一番前の椅子に座った。
真ん前、なかなかのドライブ気分になっていた。

バスが停まる。お爺さん、お婆さんがゆっくりと降りる。
「慌てないでください。ゆっくりと降りてくださいな」
運転手さんの気配りに、私は感心していた。

そうだよな。ご老人が降り口で転ぶと大変だものな。

お爺さん、お婆さん、気をつけてくださいな。


私は優越感を味わっていた。

その時、小学校らしき子供が後部の席から走ってきた。
走ってきて、トントンと階段を跳ねるように下りていった。

それだけではなかった。
なんとスキップしながら、走り去っていく。

ふーうっ。

私はため息を吐いた。これは真似はできない。

やがてバスは、私の降りる停留所に停まった。
私は降りようと立ち上がった。
運転手さんが言った。

「お爺さん、気をつけてくださいな」


ゆっくりとバスを降りた。

私が降りきると、バスはドアを閉めるとさっと出ていった。

私はせめてスキップをしようと思った。

右足?左足?こけかかった。

なかなかできなかった。ああ。



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Last updated  2008.03.09 21:05:01
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