KIROMERU’s Web MOVIE&DRAMA@CINEMAD
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すでに先週の先行で観たのですが、遅ればせながら「ネタバレなし」のカキコです。面白い!今回のストーリーは泣きは少ないですが、笑えますよ。完全悪が不在(ある意味人間が悪!)のキャラクター設定は、子供がより楽しめる作品になってます。当然大人も楽しめます。僕の一押しは「ヒトデのピーチ」と「バカかもめ」です。本編の前には、短編映画『knick knack』(スノードームの雪だるまの話)の上映もあります。CGの進歩たるや、驚くべきものがありますね。CGと言えば『ジュラシックパーク』で本物(らしい)の恐竜を見せ付けられた感動は未だに忘れません。それまでの恐竜と言えばモデルアニメーション(もしくは着ぐるみ)でしたから、僕はあまりのうれしさに、当時、劇場に4回も足を運んだのを思い出します。でもフルCGアニメーションには、セル画による今までのアニメの良さ(僕の好きな部分)が欠落してしまった感もあります。セル画は2次元であるがゆえに、セル画をカメラに対して段階的に配置することで奥行き感を出していました。(よくある手法ですが、ディズニーの『ピノキオ』のオープニングが有名ですばらしい出来です)そういう部分が背景までもがCGになってしまうことで、ダイナミックさはあるものの、なんだか味気ないとさえ感じてしまいました。(くらげが出てくるシーンがあるんですが、その中の1カットでそれを感じましたね)今後は「フルCG」が主体となっていくのでしょうが、セル画の良さも残していってほしいものです。今回のフルCGによる『ファインディング・ニモ』を制作しているのはピクサー。ピクサー・アニメーション・スタジオ(スティーブ・ジョブズ会長兼CEO、マッキントッシュの創設者ですね)は、先進的な技術力で独自のストーリーを生み出しているコンピュータ・アニメーション・スタジオ。アカデミー賞受賞作品『トイ・ストーリー』(1995年)、『バグズ・ライフ』(1998年)、ゴールデン・グローブ賞受賞作品『トイ・ストーリー2』(1999年)、アカデミー賞受賞作品『モンスターズ・インク』(2001年)、そして『ファインディング・ニモ』(2003年)。これらのピクサーが制作した5本の映画は、全世界で合計21億ドル(約2,100億円)を超える興行収入をあげている。ピクサーは現在、さらに2つの映画『ジ・インクレディブルズ』(2004年11月5日全米公開予定・『ファインディング・ニモ』の上映で予告が流れます)、『カーズ(原題)』(2005年末全米公開予定)を制作中。(ネット情報参照)現在、ピクサー製作の映画は、ディズニーから配給されているが、ディズニーとの映画契約は4本。元々テレビ作品となるはずだった『トイ・ストーリー』はその契約に含まれないということなので、次回作からは配給がディズニーでは無くなることもありうるとか。【追記】契約は『カーズ(原題)』までだそうです。『ファインディング・ニモ』の興行収入は、すでに3億ドル(約300億円)を軽く超え、2003年度の最高興行収入映画となっただけでなく、全米アニメーション映画史上歴代第1位となったそうです。ピクサーの成功はピクサーが開発したソフトウェア「レンダーマン」の成功と共にあります。「レンダーマン」は『ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎』(1985年)以来、多くの映画に使われてきた「複雑な映像処理を行うソフトウェア」。今では、一流のデジタル製作会社のほとんどがそれを採用しているほどなんです。映像処理には「レンダリング」と呼ばれる作業があります。レンダリングとは数値データとして与えられた物体や図形に関する情報をコンピューターの計算によって画像化すること。昔は膨大な容量のコンピューターと膨大な時間がかかっていましたが、最近のハード、ソフトの発達でかなり早い処理ができるようになりました。とはいえ巨大なコンピューターシステムを持っているピクサーでさえ『ファインディング・ニモ』のような複雑な映像構成で高画質なものになると24分の1フレーム(フィルムは24フレームで1秒。ちなみにテレビは30フレームで1秒)のレンダリングを行うのに約6時間。複雑なものでは90時間もかかるそうです。『ファインディング・ニモ』の上映時間は1時間41分。1フレームのレンダリングに平均10時間かかったとして、それを1台の巨大コンピューターで処理した場合は…10時間×101分×60秒×24フレーム=1454400時間(60600日)約166年かかるわけです。いったいピクサーにはどのくらいの規模のコンピューターシステムがあるんでしょうかね?想像を絶します。クレイメーションの傑作、ウィル・ビントンの『マークトウェインの大冒険』という作品がありましたが、この映画の場合はキャラクターから背景まで「すべて粘土」で「手作り」で作っていて「想像を絶する作業だなー」と当時思っていました。でもウィル・ビントンの場合はやってる作業自体は想像できるものでした。ピクサーのなどのCGの世界になると、想像すらできない世界になってしまった感があります。まあ、「そんなこと考えないで楽しみなさい!」ってことなんでしょうね。余談ですが僕の会社のCM部門でも、レンダーマンではありませんがCM製作会社としては一流のデジタル編集システムがあるんですよ。(最も僕はテレビ番組担当なので、その機材を使ってませんけどね)その編集機で僕の会社のスタッフが編集したCMが、今年の「カンヌ国際広告賞」で銀賞を受賞したりしてるんです。僕の仕事ではありませんが、なかなか誇らしいことです。先日、福岡のマリンワールドに取材に行ったんですが、『ファインディング・ニモの世界』というコーナーがあって、ニモである「カクレクマノミ」やドリーの「ナンヨウハギ」、「ツノダシ」のギルなんかに再会してきました。彼らにも「人間に知りえない意思、世界があるんだろうなー」なんて、考え深げに水槽を覗いてしまいましたね。でも『ファインディング・ニモ』のヒットにより、映画に出てきた熱帯魚は恐ろしく売れるようになり、そして(ブームに飽きた人々が飼育を放棄することで)恐ろしく水槽で死んでいくことを想像したら、なんだか「人間の罪」みたいなものを感じてしまいました。ニモたちは、自然の海で伸び伸びと生きていってほしいもんです。
December 6, 2003
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