全22件 (22件中 1-22件目)
1

伺か とも言う。(これで「なにか」と読むとか読まないとか。)デスクトップに常駐させておいて、適当にしゃべっているのを眺めたり、マウスでつついて反応を見たりするもの。その気になれば、プログラムとかわからなくても作れるもののようだwちなみに、こんな感じのもの。
2010.04.28
コメント(0)
最近はほぼ毎日やってる気がする。難易度厳しめのダンジョンRPG。まぁ、厳しいといっても同じジャンルのWizerdryとかに比べればかなりぬるいんですけどね!(正直無理。)3まで出たって事は一応売れている商品ではある。買った人がみんなクリアしたかどうかは知らないがw(少なくとも俺はしてないまぁ、全滅して対策して全滅して対策してをひたすら繰り替えずトライ&エラーなゲームw
2010.04.17
コメント(0)
変更というか、前使っていたやつに戻しただけですが。なんとなくmixiは機能的に好きじゃないのでこっちを使おうと。
2010.04.17
コメント(0)
□□□□□□□□ 語り部 キャラクター記録用紙 電子版 □□□□□□□□☆百縁草子:苦学生スイーパー 輝士都-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- 個人情報 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-☆氏名:赤坂 渉(あかさか わたる) ☆性別:男☆身長:174cm ☆体重:56kg☆生年月日: ☆年齢:18☆親族 両親、妹☆経歴 大学の学費を稼ぐため暇さえあれば掃除屋の仕事でお金を稼ぐ苦学生。 別に正義を信じてるわけではないが、正義感はある。 そういうわけで、崩主や怨主と戦うことには抵抗はない。 ただ、縁具を売り飛ばすことには抵抗があったり。 銃格闘という怪しい格闘技を身に着けている変人。 ちなみに縁具はエアライフルのアイカ。 人化した姿はクールな美人だとかそうでないとか。 アイカ曰く、渉は甘いがそこが渉のいいところだそうな。 ☆補足:(用語)☆公開されている設定ランク1~誰でも知っている。・頼りない雰囲気・学生掃除屋・ケースをいつも持ち歩いてるランク2~親しい仲ならば知っている。・ケースの中身はエアライフル・エアライフルが縁具。ランク3~ごく一部のものしか知らない。・エアライフルを振り回して戦える。・ランク4~本人さえも知らない。・ランク5~プレイヤーも知らない。・-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 余力 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-余力総計[15] 体力[5] 集中力[10]-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 縁具 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-愛称:アイカ 外見:クールそうな女性 縁具名 契印 形状 説明○壱:M:ライフル 手の甲 エアライフル ライフルモード●弐:◎参:▲士:■醐:◆禄:★七:-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 特徴 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-社会的特徴:大学生:2 掃除屋:1身体的特徴:優しい目:1 鍛えた体:2 かわいい:1精神的特徴:まじめ:1 やさしい:2 正義感:2 鷹の目○:2その他特徴:トラブルに巻き込まれる:2一時的特徴:交友関係 :-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 技能 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-複合的技能:(職能):工学系知識:13 鷹の目○:13武闘的技能:狙撃(隔激)○:13 銃格闘(白突):13行動系技能:運動能力:12 自律:12 風読み○:13知識系技能:学業:12 一般常識:11 雑学:10 エアライフル整備:13 武器知識○:13生活技能 :自動車:8 自転車:10言語技能 :日本語:10-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- 所持品 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-衣類:ジーパンとか道具:□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
2007.06.15
コメント(0)
今日の出来事「課題の進捗状況はどうなっている!」「はっ!現在完成度は60%なんとか項目は埋めましたが、肝心の部分が出来て居ません!」「何だと!締め切りはもうすぐそこにまでせまって居るのだぞ!」「現在、完成を急がせております!」「もう間に合わん!課題を印刷しろ!」「待ってください!現状では提出に耐える事は出来ません!」「もう時間が無いのだ!たとえ再提出を喰らうような木偶の棒でも点数にはなる!」「しかしっ、それでは私の気がすみません!」「今出さずにいつ出すのだ!われらに課せられているのは、時間切れで提出しそこなう事でもその失った点数で単位を落とす事でも無い!わずかでも点数がもらえると言うならばそれにかけることだ!違うのか!」「ち、ちがいません……」「ならば印刷しろ、今すぐ提出のじゅんびに入る!」「はっ」「印刷率100%……提出準備完了しました!」「よしっ、モウコレデイイヤロボ……提出!」
2006.02.15
コメント(0)

学校帰りとかにがりがりと設定書いて作った物です。□□□□□□□□ 語り部 キャラクター記録用紙 電子版 □□□□□□□□☆狭間:佐上さん家の魔導杖 (プレイヤー名)輝士都-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- 個人情報 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-☆製品名:翡翠式魔導杖 ☆人格タイプ:女☆長さ:60cm ☆重さ:1kg☆製造年月日:不明 ☆経過年数:不明☆氏名:セレーナ ☆性別:女☆身長:154cm(可変) ☆体重:40kg(可変)☆生年月日:12月14日(と言うことにしている) ☆年齢(外見):15歳☆家族 ☆経歴 ある魔術師の制作した杖……と同タイプの核を使用している魔道杖 人間としての偽装はショートカットの女の子。 もともとは、佐上家倉庫の奥にしまわれていた核に氷我利が魔道杖として の本体を与えたもの。 この核は、魔術師の魔力を吸収し完成するもので、氷我利が魔道書なし では力を行使出来なかったのはこのため。 氷我利の趣味満載の機能を実装しており、器用で多機能。 魔道杖としての核が同じものを使っている事もあり、メインのシステム などは彩乃から再利用や改良をしている。 氷我利の魔道書と対になる杖ではなく、記述式魔道術によって持ち主を 補佐するという方向性で作られている。 所有者の資質によって、近接戦、遠距離戦、自立行動の3っつのモードを 切り替える。彩乃と同じく心を持ち、自発的に行動する。 ☆外見 黒髪に、黒目のぱっと見日本人の女の子。 ☆偽装:何かの姿に偽装する。ただし、大きさは三分の一倍から3倍まで。 重さは1倍から60倍まで。 ☆杖の形状 青淡色の杖、先端部に翡翠色の宝玉らしきものがついている。 宝玉を挟むようにブレードのようなものが添えられている。 射撃時の反動を押さえ込むための棒状のもち手が横に伸びている。 ☆翡翠型魔道杖の核: 翡翠型魔道杖の核は製造直後から契約者の魔力を吸収して成長する。 この、契約者とは魔道杖として完成した後の使用者とはまた別のもの である。 この契約者の役目は代々佐上家の者が勤めている。 魔力を数年吸収し続ける事で核は真に魔道杖の核として完成する。 凝縮された魔力と核に刻まれた回路によって制御システムの基礎となる 人格が構成される。 核が完成すると未覚醒の核が作られる。この核は現在倉庫の奥で契約者を 待ち続けている。 使用者と契約者の違いはその立場の違いもあるが、正確な違いは契約者は 現在核とリンクしている者の事を指し、使用者とは契約者からその使用権 を委譲された者の事を指す。このリンクは契約者の権限で委譲する事が 出来る。 仮に、契約者が委譲しないまま死亡した場合、その権利は核に移る。 佐上家は、つまるところ核の育成保管の役目を負っている。 成長した核に記述式魔術の式で様々な機能を刻む事が出来る。 刻まれた、式で付与された能力に合わせるように外見が構成される。 ただし、外見に機能が制限されることは無い。機能に合わせられない 場合は外見が変化する。 機能はその容量の許す限り後付け及び削除が可能である。 ただ、核毎に特徴と相性があるのどのような能力が付加できる訳ではない。 偽装の外見は核の自身に対するイメージが強く影響し、 核の心が成長すれば外見も成長する事となる。 ☆公開されている設定ランク1~誰でも知っている。ランク2~親しい仲ならば知っている。・ランク3~ごく一部のものしか知らない。・実は杖である。・自分の持ち主たる人物を捜している。・契約者は氷我利であるランク4~本人さえも知らない。-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 余力 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-余力総計[15] 体力[5] 集中力[10]-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 特徴 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-社会的特徴:身体的特徴: 偽装時: 黒目黒髪:2 小さい:1 ちからもち:1 精密な動作:2 杖状態: 頑丈:3 青淡色:2 下手に触ると手を切る:2精神的特徴:おとなしい:2 感情が薄そう:2 常識が足らない:1その他特徴:人間ではない:3 魔道補助:3一時的特徴:交友関係 :ひがり(とうさん):3 佐上雑貨店の人々(かぞく?):1-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 技能 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-複合的技能:自身を使った武器戦闘:13 記述式魔術:12行動系技能:運動能力:12 自律:11 格闘:12 遠見:10 細工:10 魔力(霊力)感知:10 (使用者に対する)危険感知:13知識系技能:魔法による偽装:12 薬剤知識:10 学業:10 一般常識:6 雑学:10生活技能 :家事:10 自転車:10言語技能 :日本語:10 魔導式:10 英語:10-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- 所持品 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-衣類:白いワンピースとか道具:魔道ハルバード:3□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
2005.12.16
コメント(0)
「フォイエル、目標はわかっているか。」男の声で通信が入る、いつものように私を直接運用している上官だ。「問題ありません。」必要な事以外は何も言わない、いう必要が無い。私は、彼にとってただの道具に過ぎず、私がどう思おうともその事実は変わらないのだから。必要なのは任務を遂行する事、ただそれだけだ。『フォイエル、いつものように楽勝だよね。』そんな冷たいやり取りの中、私のほうにのみ明るい声が聞こえる。偵察、攻撃用端末。名前をスペクトラム。私の不敗を支え、そして唯一対等に話すことが出来る相手でもある。『スピィ、あまり油断していると怪我をしますよ。』彼女は、自分の事を愛称で呼ばせたがり、本名で呼ぶと不機嫌になる。何でも“信頼しあう中なのだから愛称で呼んでほしい”との事だったが理解できない。彼女は私の事を本名で呼ぶにもかかわらず、自分の事は愛称で呼ばせるのはおかしい。その事を言うと決まって“だって、フォイエルって名前かっこいいじゃない”と帰ってくる。それを言うなら、スペクトラムも気品があっていいと思うのだが、彼女は気に入らないらしい。『大丈夫だよ、私は本番に強いんだから。』『それでも、です。なまじ私たちは戦果を上げているのです。真っ先にねらわれる対象である事を忘れないでください。』『わかってるよ。フォイエル。』『ならいいのです、スピィ。』この会話はいつも変わらない。出撃前の決まりごとのようなものだ。これをやった日は無事な日が多く。しなかった日は破損が多い。おそらく、いつもどおりに振舞うことは自覚している以上に安定を与えるものらしい。「時間だ。フォイエル、出撃せよ。勝利をわれらに。」「フォイエル了解、勝利をわれらに。」『無事の帰還を私たちに。』これが私の日常。そのはずだった。あの日、世界が崩壊するほどの“災害”が起こらなければ。「……また、あの夢ですか。」壊れて動けなくなってから夢を良く見る。しかも見るのは決まって同じ、出撃前のいつものやり取り。この夢を見る理由はわかっている。悩んでも、今の体ではどうしようもない事も理解できる。だが、それでも。思わずにはいられない。考えずにはいられない。夢見ずにはいられない。「スピィ……、あなたは今どこにいるのですか。」
2005.07.04
コメント(0)
『なぁ、博士。ひとつ聞いてもいいか。』「何かな?Type-1。」『なんであんたは俺らに心なんてものを付加するんだ?どう見ても戦うのには必要ない。潜入も考慮した戦闘兵器であるマスターはともかく、その端末たる補助兵器につける必要がどこにあるんだ?』彼はキータイプの手を止め、いすごと振り返った。「そんな事はない。君たちにだって心は必要だよ。」『その理由は?』「それは……」『私も聞きたいですわ。』「おやおやType-2も来たのかい。仕方が無い子達だ。」『そんな事はいいから。早く教えてくれ。』「あぁ、わかったよ。」そういうと、彼はコーヒーを入れていすに腰掛けた。「まず、君たちは戦争後にどうなると思う?」『廃棄処分はありえんだろうな。良くて封印、悪くても再配備だ。』封印よりも再配備のほうが悪いと言い切るType-1に苦笑しながら、話を続ける。「そうだね、確かにその可能性が高い。でも、そうでないかもしれない。今はロボットに人権は認められていないけれど、戦争が終わってからなら認められるようになるかもしれない。そのときに心が無かったらもったいないじゃないか。」『そんな不確定な事のために私たちに心を付与したんですの!?』「まあ、そんなのは建前で、君らに心を付与したのは僕なりの抵抗……かな。」『抵抗?軍に対してか?』「あぁ、僕はもともとこんなもの作りたくなかったし、確かにロボットは作りたかったけど、こんな戦闘用じゃなくって、人とともに生きられるようなロボットが作りたかった。」『なんともまぁ、とんでもない理由だな。』「自分ではどうにも出来なかったからね、せめて戦争が終わってからの役に立てられるようにやれる事をやっているだけさ。」『でも、そのおかげで私たちは心を持てたのですから感謝していますわ。』「で、この事を知った君たちに相談があるんだけど……」『なんだ?』「………。」『それは本気ですの?』「本気だ。」『わかんない人だな。ほんとに。』『まったくですわ。でも、その話には感動しました。』「じゃあ。」『えぇ、私は協力いたしますわ。Type-1はどうなんですの?』『そんな事は聞くまでも無いだろう。』『では、きまりですね。』「ありがとう。二人とも。」『さて、では下準備に入りますか。これから忙しくなりますわね。』
2005.07.04
コメント(0)
自動甲冑フォイエル。それは、他の自動甲冑、及び歩兵などにはてを出せないような対象に対し送り込まれる。数々の自動甲冑や対人兵器を破壊してきたフォイエルだったが一つだけ、そうたった一つだけ破壊指示を受けながらも破壊することが出来なかった物がある。機械併用型魔導甲冑、つまりはウォードのことである。完成と同時に逃げ出したウォードをフォイエルは必死で追った。捜索から一週間、ついにフォイエルはウォードを見つけることが出来なかった。そして、“災害”。長い月日がたち、バッテリーが切れかかり、体もほとんど壊れかけていた。そんなとき、何者かにより充電をされているのに気がついた。モニターがよごれていてよく見えなかったが、男のようだ。彼は、私が目覚めたのに気づいたのか自己紹介してきた。軍の物ではないらしい、それどころか戦争はなし崩し的に終わり軍隊は存在しないらしい。それから、彼との生活が始まった、いや彼らと言うべきか。彼は結婚しており妻と二人で暮らしているらしい。私を見つけたのは、彼が機械いじりが好きでいろいろなところから拾ってくるらしい。修理は順調に進んでいた。未だに体は動かなかったが、それ以外の部品はがらくたの山から拾い集めることが出来、私は何とか消滅を免れた。体の方はどうしようもない。彼に作ってもらうか、どこからか拾ってきてもらうしかない。私は、ここまでの修理と、今の世界の情報のお礼として飛行機械の作り方を教えることにした。彼は、私の話を聞くとうれしそうにその制作に取りかかった、教えた私の方がうれしくなるほどだった。何処まで出来るのかやや不安だったが、彼は見事作り上げた。きっと良い機械職人になれることだろう。そして、彼がテスト飛行を行ったその日、私は驚愕した。彼が連れてきた人物の一人が、あの魔導甲冑だったのだから。
2005.05.05
コメント(0)
最近、昼も夜もにぎわっている噂の店がある。それまで取り立てて良い店でもなかったのだ、今でもサービス自体は変わっていない。にぎわっているのはおそらく、最近そこでバイトをしている二人の男女が原因だろう。その宿屋一階の食堂兼酒場で、エレナはウェイトレスの格好をして……カウンターに肘をついていた。「いい加減三日目ともなるとこの光景にもなれてきたけど……。」この手の酒場にはにつかない華やかな雰囲気の一団を見やる。かーん、かーん……酒場の一角にて一人の男性を若い女性が取り囲んでいる。「ウォードって人気あるんだなぁ……というか、何故あの冷たい応答で嫌われないのか不思議でならない。」じとーっと睨み付けながらつぶやく。ウォードガ気づく様子は無い。今ウォードはいつぞや着ていた執事のような格好をしている、理由はフィーナさんが「この格好の方が良い。」と言ったからで、私としては違和感きわまりない気がする。現に、普通のお客さんたちは微妙な目線をおくっている。ちなみに、応対の方は完璧で、ウォード曰くウォードのための支援衛星と言う物があり、奇跡的にも無事だったそこからマニュアルをインストールしているのだとか。かーん、かーん……まぁ、エレナも今は暇そうにしているがこれが夕方になってくると立場が逆転するわけで、夜はウォードがカウンターにつくことになるのではあるが……しゅぃぃぃぃぃぃぃぃ……むしろ、お客さんはこの音の方が気になるのではないだろうか。まぁ、何をやっているのかは近所の人なら知っているわけで、嬉々として機械をいじるライルさんの姿が目に浮かぶようではある。さて、暇なようだし腕慣らしも兼ねてちょっとやりますか。「よしっ。」軽く気合いを入れて壁に掛けてあるダーツの的の前に立つ。「お?嬢ちゃん今日もやるのかい?」「えぇ、どうするの?今日も賭けるの?」「あぁ。中心の高得点の範囲に刺さらなかったらおごってくれ一本もはずさなかったら私がおごろう。」「わかった。いくわよ。」じつは、こういったナイフとかダーツとかを投げる技術はそこそこ自信があり自衛に使えるくらいの自信はある。昔、趣味でやっていたのだが割とからだが覚えているらしく、おとといやってみたら見事全弾命中したわけで……それから毎日このおじさんとは賭をしている。……おじさんと言っても私の方が実年齢は上なんだけどね……集中する、集中する、集中する。集中するとだんだん、周りのことが気にならなくなってゆく。そして、だんだん何も聞こえなくなってくる。両手にダーツを構え指に挟む。右、左、右、左、と交互に投げる。様々に投げ方を変え回転もかける。空中で回転しながら最後の一発を投げる。カツッ着地の音が聞こえ、世界に音が戻る。回転したときにふくれたスカートが元に戻り、私は顔を上げた。的を見ると、「あぁ、一発はずれてる。」おそらく最後の一発だろう、中心とはややずれた場所に刺さっていた。「何をがっくりしとるんだ、あんな投げ方でここまでうまく投げられるなら文句ないじゃないか。」「だって、賭に負けちゃったし。それに、どうせなら完璧を目指したいじゃない。」「はっはっは、頑張るなぁお嬢ちゃん。なら、その行きに免じて今日の所はチャラにしてあげるよ。」「そこはおごってくれる所じゃないの?」「なーにをいっとる、賭に勝ったのはわしなんだぞ?」そういって、おじさんは帰っていった。そして夜。「はぁ……つかれた……。」帰って来るなり別途に倒れ込む。『お疲れ様、エレナ。』「うぅ~、ありがとう瑠璃~。」『ウォードは?』「ん~?そりゃあ私と同じであがりだよ?」『そうか、ウォード?聞こえるか?……あぁ、わかった。今行く。』いつになく真剣な様子の柘榴の様子に不審に思い起きあがる。「どうしたの?」エレナの問いに柘榴は。『……戦闘用自動甲冑の反応がある。』と、答えた。
2005.05.04
コメント(0)
3人は、ミュルスに着くとライルさんをおくることにした。すると、案内されたのは宿屋だった。一階が食堂兼酒場、二階に部屋があるというよくあるところだ。「どうぞ。」「あ、どうも。ありがとうございます。」昼間なので誰もいない食堂のテーブルに座っていると女の人がお茶を煎れてくれた。「家の人がお世話になったようで。」お、奥さん……なのかな……「いえいえ、私は何も。助けたのはウォードですから。」「たいしたことはしていない。助けるのは当然のことだ。」『ウォード様らしいですわね。』『何も考えてないだけだろ。』『うぉーどはやさしくてつよいの』『はいはいそーだな。』『何ですのその気のない答えは。』……3人ともうるさい。「ウォード様……ですか?私ライルの妻のフィーナと申します。」茶色の綺麗なロングヘアーの女性が深々と頭を下げる。いいなぁ……うらやましいなぁ……なんて言うか立ち居振る舞いが綺麗。っとといけない。「あ、私はエレナと申します。」慌てて挨拶をする。見とれるところだった。「はい。エレナ様ですね。」と、そんなやりとりをしていると、ライルさんが戻ってきた。「すみません。お待たせして。」「いえ、お気になさらず。」「それで、わざわざ引き留めたのは何故だ?」「はい、それなんですが。私は宿の経営の合間を見ては機械いじりをしていまして……ちょっと時間をかけて完成させたい物があるんです。」「飛行機械か。」「はい。それで、お二人に完成するまでの間でも良いのでアルバイトとして雇いたいのです。」「そう言うことなら……。」「引き受けよう。」「あ、ありがとうございます。」ライルさんは立ち上がって私の手を取りぶんぶんと振った。では、と手を離し。「早速今日からお願いできますか?」「あ、はい。かまいません。」「問題ない。」そして、仕事内容と打ち合わせをして。二人はそれぞれの部屋に荷物を置いた。荷下ろしが終わるとエレナはカーテンを閉めて合図をする。「ふぅ…。」『あー、人形の振りってのは疲れる。』こきこきと首を鳴らす振りをしながら体をほぐす柘榴。「動けないもんねー。」『でも、そんな事言うならば、迷彩をかけて居ればいいのですわ。』『演算がめんどくさいじゃないか。』『その程度の計算でめんどくさがってどうします。』やれやれ、またいつものが始まった。ホントなか良いよなぁ、この二人。……あふ。何だか眠い。ちょっとだけ仮眠を取ろうかな……。『エレナー、エレナってば。起きなよー。そろそろお仕事の時間だよー。』…なぜ琥珀の声が聞こえるんだろう……あの子は今セイラの所に行ってるはずなのに……夢か…『琥珀…帰って来るなり…何やってんだ?』『いや、その…起こしてるんだけど。』『見りゃわかる、じゃなくてだ。エレナがそんな事で起きるわけ無いじゃないか。』…柘榴…失礼な…『え!?そうなの!?だっていつもは…。』『いつもちゃんと起きていらっしゃるのは起きる時間に会わせて寝ていらっしゃるからですわ。』『そうだったのか…。』…あう瑠璃にはばれてたのね…『と言うわけでこういうときは……こうするんだ!』スパンッ!「……。」無言で起きあがる。「おーはーよーうーざーくーろー」頭をぐりぐりしてやる。『あいだだだだだだだ』『と、こうやって起こしているのです琥珀。』『は、はぁ…。』琥珀は床に落ちているハリセンを拾い上げる。『他に方法はなかったの?』『いろいろやってみましたけど、これが一番平和で効果的でしたの。』『あいててて、何処が平和なんだか。』「全くね。で?ウォードが読んでるって?」『う、うん。お仕事だって。』「わかった。すぐ行くって言っておいて。」『わかった。』「そうそう琥珀。」『ん?何?』「セイラの所は楽しい?」『ん~、そうだね……いろいろあってびっくりするけど楽しいよ。』「ならよかった。」そういうと、エレナは鏡の前に座って身なりを整える。『んじゃ俺らはおとなしくしてるわ……』そういうと、こてんと柘榴はベッドに横になった。『ひすいもおひるねするー』といって翡翠が柘榴の背中にぴとっとくっついた。『こら翡翠……離れろって。』『ざくろといっしょにおひるねするのー』『……はぁ、好きにしろ。』『やったー』「……仲良し兄妹。」『うっさいわ』「じゃあ瑠璃。後はよろしくね。」『任されましたわ。』部屋を出て一階に向かう。フィーナさんに挨拶をして仕事につく。「エレナさん……何か良いことでもあったんですか?」「わかりますか?」「えぇ。」と、ここで油断していたのがまずかったのかもしれない。
2005.04.04
コメント(0)
「はぁ……、それは良いけど。何で俺。」ため息をついて、カウンターにあごを載せる。ついでに姉さんの顔をジト目で睨んでやる。「そんなこと言われても、私が指名した訳じゃないのよ?」呆れた顔でこっちを見てくる。まぁ当然か。「で、一体何人攫われたの?その不確定名称スライムに。」ちょっとまってねー、と依頼の紙を漁る姉さん。「あー、あったあった。えっと……ミアさん……フィールさん……御影さん……シェイルさん……その他諸々合計10名。」そんなにか……ってちょっとまて。「気のせいか?女の子の名前しかないような気がするんだが……。」「あら、よく気が付いたわね。その通り。」をいをい……なんだそのスライム(仮定)、偏食か?まぁ、スライムに食われても皮膚がちりちりするだけだったりするんだけど……故に捜索兼救出願いが出たりする。気が狂ってなかったりすると良いなぁ……「ん、で?これまでに誰か退治しに行ったの?」でなければ指名など来ないだろう、基本的にここにいないし。「ん~、そうねぇ……2回ほど救出に行ったけど……返り討ちにあったみたいね、しかもパーティーの女の子取り込まれて。」うわぁ……悲惨……「で、そんな奴相手に出来るのか?……なんか自信なくなってきたんだが。」「いいの~?そんなこと言って。」何だか含みのある笑顔でこっちを見てくる。「何かあるのか?」と、姉さんは写真を一枚撮りだした。「これ、だーれだ。」「げっ……鈴風……。」写真は元後輩の鈴風だった、カメラに向かって笑顔で写真に写っているが……場所がここ、セントレイトだってのが問題だ。「あいつこっちに来てたのか……て、その写真どうしたんだよ。」「ん?まぁ、蛇の道は蛇って言うじゃない……。」また、この人は……。「まぁ、それはともかく。こいつがどうしたんですか?」「ん~、被害者。」……今なんて言った。「は?」「だから、被害者。」まじかよ……「はいはいわかりました、引き受けますよ。」「そう?そう言ってくれると思ってたわ。」……えぇ、そうでしょうね。「で?だいたいの目星はついてるんですか?」「うん、まぁね。」「それじゃあ、行ってきますか……スライムかぁやだなぁ……。」と、言うわけで奴がテリトリーとしているらしい森まで来た。……えっと何処にいるのか……精神を集中する。-我が力は誰かのために-呪文を唱える。力を得た理由、自分の思いを忘れぬ為、力を使う前には唱えるようにしている。風が水が木がささやきとして教えてくれる。もと居た世界では曖昧な感覚でしかなかった精霊の言葉がはっきり聞こえる。「見つけた。」目では見えないけれど、わかる。目で見えるところまで近づいてみて驚いた。「10人どころの数じゃないぞこれは……」巨大なゼリー状の固まりの中に20人弱もの人が飲み込まれている。一応生きてはいるみたいだけれど意識は……有るわけ無いか。さて、どうするか……誰も取り込まれてなかったら凍らせてから砕くんだけど……仕方ない……精密な力の使い方は疲れるんだけどなぁ……再び集中する。イメージは氷の針。すっとおろした手のひらに10cmほどの氷の針が生み出される。狙うは核。けど下手に射出したら怪我をさせる可能性があるから遠隔操作。奴に気取られぬよう、ゆっくり、確実に操作する。卑怯かもしれないが下手に真正面からぶつかるよりずっと安全だ。奴の中に入った時点ではまだ針は属性を発現させない。針が核のそばに来たところで、一気に核の周りだけを氷結する。……はぁ。うまくいった。核を失ったスライムの体は組成を維持できなくなりどろどろと溶けて地面に吸い込まれていき、20人近い女の子とスライムの核の氷漬けが残った。「あー、疲れた。」くびをこきこき鳴らしながら近づいていく。氷漬けの核を剣の柄で砕いてから、辺りを見回す。どこもかしこもスライムの体液でどろどろで、気絶した女の子たちが転がっている。「で、どうやって運べば良いんだよ……」と、途方に暮れるのであった。結局、姉さんに連絡して馬車を呼んでもらった。依頼は10人だったがそれ以外の行方不明者からもお礼をもらった。「いいなぁ、一気にお金持ちだ。」「おごらないよ。」きらきらした目で見てくる姉さんを睨んで晩ご飯を食べる。「所で…。」「なに?」「知り合いの女の子はどうだったの。」ぴたっ、二人の間に言いようのない沈黙が流れる。「……忘れてた。」まずい、何がまずいのかよくわからないけどまずい。「忘れてたって……いいのそれで……。」「……まぁ、どうせ嫌でも現れるんだ。それまでは知らん顔してよう。」「いいのかなぁ……。」「妙に絡むな。」「だって後ろにいるもの。」「ぶっ!」ぎりぎりとさび付いたロボットのように後ろを向こうとする。……よりも早く。「せんぱーい?今なんて言ったんですかぁ~~~~~!」後輩の手が俺の首を締め上げていた。「いででででで、く、苦しい。悪かった!悪かったから。」渋々手を話してくれた。なんつうやつだまったく。「先輩が居なくなっちゃったから、こうして追いかけてきたのに……そう言うこと言うんですね。」「……悪かった俺の負けだ。勘弁してくれ。」「じゃあ、先輩が居なくなってからのことを話してくれたら許してあげます。」「めんどくさいなぁ……何から話すか……。」俺は、今までに起こった事を鈴風に話して聞かせた。まぁ、確かにめんどくさい後輩ではあるが大事には違いないし。ちゃんと助けられてよかった、うん。と、いつの間にか居なくなっていたアニーさんはちょっと離れたところから二人をみて。「なかなか面白そうなことになりそうね。」とほくそ笑んでいた。
2005.03.31
コメント(0)
澄み切った青空の下、ぼんやりと考える。特に確たる意志もなく作った世界。すでに、自分自身は管理者ではなく、創造主でしかない世界。それでも、いまとなっては様々な人種あふれるこの世界はかけがえのない物で。そして今もこうして世界を渡り歩きながら自分が作った世界を思い出す。あの世界は自分にとっての第2の故郷。この世界を流れている風は、あの世界までながれていきはしないけれど。でもなぜかこの風は続いているような気がした。「さて、馬鹿なこと考えてないで次に行くかな。」彼の名はラキス、もしくは輝(あきら)。隔離世界『夢想世界』の創造者にしてゲートの最終権限を持つゲートキーパー、彼の役目は自身及び管理者の端末が選んだ適格者を『夢想世界』に誘うこと。彼がそう言った直後にその姿はかき消えた。夕暮れの歩道橋の上、おそらくは部活帰りの少年が空を見上げていた。風縒学園高校2年、御影真夜。最近、物思いにふけることが多くなったように思う。考えるのは夢のこと。小学生の頃、魔法が使えるようになりたいと思っていた、魔法が使えたら本の中の不幸も自分が何とかしてあげられると思って。中学に入り、そんな夢見たいな事はないと思いながらもその夢をあきらめられなかった。高校に入り、未だにあきらめられないで居る。なぜならば……一陣の風が吹く、思わず目をつむると隣に人の気配と風の流れが、かがんで避けると先ほどまで頭のあったところを学生鞄がうなりをあげて通り過ぎていった。俺はため息をついて。「あのな、鈴風。俺を殺す気か?」「大丈夫です、先輩。鞄の中には何も入っていませんので、ちょおっとばかし歩道橋でのたうち回るくらいで済みます。」物騒なことをにこやかに言う奴だ。「あのなぁ……今のところ避けられてるが、もし当たったらどうするんだ。」「ちゃんと手当とか看病してあげますよ?」一瞬でもいいかもとか思った自分が悲しいな。「それはさておき、いい加減にあきらめたらどうだ。」これ見よがしにため息をつき、がっくりと肩を降ろしながら言う。この、目の前でにこやかに俺の隙をうかがっているのは後輩の鈴風春香(すずかぜはるか)。同じ戦技部(戦闘技能部の略らしいよくこんな部が認められた物だと感心する)の後輩だ。戦技部というのは名のごとく戦闘技能を磨くところで、武器の扱いに長けた創立者の部長の指導の元、部員は様々な武器を扱う技能を養うという風縒町らしいといえば風縒町らしい部活ではある。「いやですよ。先輩にかすってでも当てるのが今の私の目標なんですから。」いや、だからそう言うことをにこやかに言わない。そんなだからうちの部は暗殺者育成部とか言われるんだ。「それは良いが、そう言うことは部活中にしてくれ。」おれが、ため息をつきながら言うと、「はーい。」と、ちょっと残念そうにうなずいた。暗殺者に狙われる要人の気分が何となくわかった気がする。正直疲れた。がっくりとうなだれて手すりにもたれかかる。「はぁ……疲れた。」「大丈夫ですか?」「誰の所為だと。」じろっと睨んでみる。「ま、まぁ私の所為なんですけど、あはは…」笑ってごまかすなよ……「こほん、それにしても何で当たらないんでしょう?」「何の話だ?」「部活の話です。」戦技部において、俺はそんなに強いわけではない。どっちかというと弱いほうだ、まぁ異能者だらけの部活で強かったらそれはそれですごいが。それはともかく、異能者である鈴風にここまでつきまとわれたりするのには理由があったりする。別に私は異能者の子供でも夢想世界に行ってきたわけでもないが、一つだけ特技がある。風が詠める。別にこの風はまったりしているとかそう言う感じではないんだけれど風を感じてそこから何か情報を得ることが出来る。雨が降りそうだとか、そういう感じで。その所為か、風を使った能力ならばほぼ100%見切ってかわすことが出来る。もちろん自分の運動能力の範囲内でだけれど……異能力、というのはやや微妙で、けれど確かにあるこの感覚。それのおかげで今めでたく後輩に暗殺されかかっていたりするわけです。彼女の能力は“風になる”こと、精神力の続く間自分自身と身につけている物を風にすることが出来る。故に俺の感覚にははっきりと鈴風の存在を感知でき、本来ならば不意打ちである攻撃も不意打ちではなく頑張れば避けられるものになってしまうのである。それはもうひょいひょいと避けたので(痛いのは嫌だし)ムキになって木刀を振り回してきたり、さっきみたいな奇襲があったりしたわけです。ちなみに、このことはみんなには内緒にしています。何となく、中途半端で恥ずかしかったりするので。「さぁ?勘だよ勘。」とか言ってごまかしております。「ぜったい、何かあると思うんだけどなぁ……先輩、何か隠してません?」そりゃあ、怪しいと思うよなぁ……「隠してないって。それより、用がないなら俺は帰るぞ。」「あぁ、ちょっと待ってくださいよー、家近くじゃないですかー。」さっさと行こうとする俺に慌てて付いてくる鈴風。「はいはい、わかったから大きな声で騒ぐな。」後輩に歩幅を合わせ、家路につく。帰る途中鈴風がうれしそうだったが何か良いことでもあったんだろうか。
2005.03.06
コメント(0)
朝靄が立ちこめる中、二人は町を出て次の町へと急いでいた。門番の目を盗んで門を抜け、あたりを警戒しながら街道を行く。琥珀はセイラの所に行っているので柘榴と瑠璃が周囲の偵察を行っている。翡翠は通信の中継をしている。「門はこっそり抜けられたけれど、問題はここからよね。」深刻な顔でエレナは言う。「確かにそうだが、よっぽどの大物が出なければ一人でも何とかなる。」「その点は信頼しているけどね。でも誰かにばれると大変だし戦うときは気をつけてよ?」『だいじょうぶだよ、うぉーどはつよいの。』と、耳に付けたイヤホンから女の子の声がする。ウォードの端末の一つ翡翠だ、正確は小さな女の子と言った感じでウォードのことはお父さんのように感じているようだ。「そうね。」『こちら柘榴、周囲に敵性体の反応無し。』『瑠璃です、こちらも反応ありませんわ。』偵察に出ていた二人からの報告を聞き、やや警戒を緩める。「とりあえずは安心、かしら?」『そうでもありませんわ』いつも冷静な瑠璃がやや緊張した感じで返答する。「どうした?」『何やら飛行機らしき物がこちらに飛んできます、飛んでくると言うよりは落ちて来るという方が正しいですが。』「飛行機?『災害』後でも飛べる物があったの?」「瑠璃が見つけたのならそう言うことなんだろう、だが燃料はどうしているのか……。」『おそらくはマナを利用しているのかと、魔導光が検知できましたので。』「そっか、このあたりはマナが薄いからってそんなこと言ってる場合じゃないってウォード!助けないと!」「む、そうだったな。」不覚、とつぶやくと服の内側からぼんやりと光が漏れる。「瑠璃、搭乗者は?」それだけで瑠璃には通じたらしい。『術者の可能性は低いですね、未だに止まった原因が特定できていないようなので。また、眼下の様子をうかがう余裕もないようです。』「柘榴」『あぁ、周囲に人影は無し。思いっきりやって大丈夫だぜ。』「すごいわね……。」てきぱきと状況把握をしていくウォードたちに感嘆の声を上げるエレナ。「この程度は当たり前だ。本当ならもう少し早く終わらせるべき何だが。」そう言うと、今にも失速しそうな飛行機の前方から強風を起こす。落下速度が落ちた飛行機は何とか緊急着陸を果たした。急いで落下地点に向かう二人。そこにはほとんどバラバラになりかけている飛行機と、それを見上げて呆然としている男の姿があった。「大丈夫ですか!?」慌てて駆け寄るエレナ。男はゆっくりと振り返りエレナを見た。油にまみれたつなぎを来たぱっとしない人だ。「あなたは?」「私はエレナと申します。こっちはウォード。いまそれが落ちてくるのが見えたものですから。」「あぁ、そうでしたか、私はライルと申します。ご心配をおかけしました。あなた方はこれからどちらへ?」申し訳なさそうに尋ねるライルさん。「えぇと、この先の……」「もしかして、ミュルスですか?」「はい、そうですけど……」「済みません……私も一緒に行ってもよろしいでしょうか。さすがにここから一人で帰るのは危険すぎますので……・」「あぁ、そう言うことですか。いいよね?ウォード。」「エレナが良いなら、異論はない。確かにここで置き去りにするのも気が引けるしな。」「ありがとうございます。助かります。」こうして、3人でミュルスに向かうことになるのだった。
2005.02.15
コメント(0)
ウォードの会話機能は実は完成している。いつも変わった喋り方なのは実は経験不足なだけである。本来であれば完成した後に様々な経験による情報を訓練等により入力するのだが、その訓練を受ける前、完成と同時に逃げ出したウォードにはそれが無い。ほかのことにも言える。例えばファイアーボールの効果的な撃ち方を知っているかもしれないが、それを薪に火を付けるために使うような使い方は知らない。もちろん考えて思い付くことは出来るだろうが。今のウォードはそういった経験情報を貯めるためにいろいろな事に首を突っ込むようにしている。ちなみにウォード本体よりも端末である琥珀たちが先に作られていたのでかれらの方が感情が豊かである。「記憶領域のデフラグを開始。…10%…50%…90%異常なデータを確認、記憶にない経験データ、チェック。」そのまましばらくデータを見るウォード。暫くした後、「暫定的に採用。友人にアドバイスを求める。」そう言うとウォードは昼休みまでエアコン兼倉庫整理を続けた。「よお、エレナ今日の昼飯はなんだ?」唐突に変わった口調で話し掛けてきたウォードに既に常連となったセイラと共に昼食の準備をしていたエレナは目を点にしてウォードを見た。「ウ、ウォード?」「ワイルドウォードたん!?」エレナは即座にセイラの方を睨む。「なにか知ってるわねセイラ!」「あわわわわ、えっと、えっと、き、企業秘密~!」と逃げ出そうとしたその時、居間に置いてあった観葉植物の鉢から根が伸びセイラの足を引っ掛けた。ウォードが助ける間もなく転ぶセイラ。「おいおい大丈夫か?」「あたしは大丈夫、でも何が起こったの?」顔を上げて、辺りを見回すが特に何も見えない。「そいつの根が伸びて足を引っ掛けた。」といいながらセイラの手を引き立ち上がらせる。「ったく何が起こったんだ。」とウォードが愚痴って振り返ると青い顔したエレナが今まさに倒れ込もうとしているのが見えた。「過労ですね。」と、医者は言った。突然倒れたエレナをとりあえず部屋まで運び、慌てたセイラと冷静なおじいさんが医者を呼んで、戻ってきた。その医者は当時では珍しかった電子化していないデータつまりは紙や本を使っていたことで昔は見向きもされなかったが今では貴重な人材となっている。彼はそう言う人物の一人だった。「過労?」「はい、何か精神的な負荷が急激にかかったためだとおもいます。症状としては『災害』直後の詠唱魔法の術者に現れた症状によく似ています。」最初は慌てていたセイラも今は落ち着きウォードの隣に座っている。「先生質問。」「何ですか?」「あたしはエレナが呪文詠唱をしているところを聞いてないんだけど。」「たしかに、詠唱法は呪文を唱えるのが基本でほとんどの詠唱師が呪文詠唱を発動の鍵としていますが、アデプト達人クラスになると詠唱という手順を踏まずとも力を発動できるようになります。この域まで来るとすでに体の一部となっており呼吸をするのと同じレベルで使うようになります、これがマナの薄い地域では致命的となったわけです。」「ただでさえ力が強い上、必要なマナが得られない場合自身の精神力を代わりに使うこととなるからか。」医者はウォードの方を向き。「その通りです。こんかい、エレナさんに急激な精神的負荷がかかる要素が見あたりませんので、詠唱法による昏睡が一番可能性が高いかと。では、エレナさんはこのまま安静にしていれば大丈夫なので安静にしているように言っておいてください。」では、と医者は部屋から出て行った。「でも、それだと変だよね?」「確かにな、仮にエレナが力が無意識に使えるくらいの詠唱師であったならばこれまでに全く力を使ったところが見受けられないのも気になる。」「でも、詠唱法を使っていないならば一体エレナは何によって急激な負荷を受けたのか。」ウォードにしては珍しくため息をつき。「そればっかりはエレナに聞いてみるしかあるまい。」そんな話をしていると、「ん……あれ……何で……?」「起きたか。」「大丈夫?エレナったらいきなり倒れるんだもんびっくりしたよ。」エレナは深刻な顔をして起きあがり。「倒れた?……私が……?」と、呆然とつぶやく。「医者の話によれば、詠唱法等を使って精神力を大量に消費した可能性が高いそうだが何か心当たりはないか?」「……精神力?……いえ、そんなはずは……それに、もしそうだとするなら、ウォード。」「なんだ?」「私が倒れるとき、何か起こってなかった?自然現象で」「自然現象?どういう事だ?」「私の推測が正しかったら自然にささやかな異変があったはずなの、何か心当たりはない?」「ねぇ、ウォードたん。そういえばあたしって木の根っこに足を引っかけたよね。」「たしかに、そうだないつの間にか根がかなりの長さになっていたな。」それを聞いてエレナがうつむく。「やっぱり。」「何か心当たりがあるのか?」「えぇ、その根を伸ばしたのは多分私の力。自然に存在するあらゆる精霊に干渉し超自然的な奇跡を引き起こす。私の不老を支えている力でもある。人はこの力を精霊魔法と呼び研究しようとしたわ。当然逃げたけど。そう、力が弱まったんだと思ったんだけどどうやらちがうみたいね。」「どういう事?エレナ。」さっぱりわからないといった感じで尋ねるセイラ。「『災害』以降私の力はぱったり使えなくなっていたの、生命の精霊だけは別だったけど。それがまた使えるようになったと言うことは『災害』以降ずっと眠っていた精霊たちが眠りから覚めたって事だと思う。」「エレナ、それが君の力か。」「えぇ、黙っていてごめんなさいウォード。それよりも、一刻も早くこの町を出ないと。」「えぇ!?なんで!?」「この力を狙っている人が今も居ないとは限らないでしょう?もし居るとしたならきっとまだ私が生きてるって事に気づいたと思うから身を隠さないと。」「仕方ないな、では準備をするか。」そう言っててきぱきと荷造りを始めるエレナとウォード。「え?えぇ!?ちょっと……わ、私もてつだう!?」慌ててエレナの荷造りを手伝うセイラ。「(精霊が目覚めた、良いことなのか悪いことなのか……でも言い予感がしないのは何故だろう……)」言いしれぬ不安を抱えたまま準備を続けるエレナなのであった。
2005.02.02
コメント(0)
暗い部屋の中、一つの影が身じろぎもせずにベッドに寝ている。すでにこうし始めてから何時間たっただろうか。時間の間隔さえもわからなくなってきた。ウォードはちゃんと見つかったんだろうか……。セイラは何処にいるのか見当が付いてるみたいだったけど。私も探しに行きたい……。何で風邪をひいちゃったんだろ。ウォード……そのころ。ウォード、セイラ、リタ、琥珀の4人は古本屋の前で困っていた。「ねぇ……、どうする?ウォードたんの『あれ』。」「それもあるけど、まずは翠子のことというか、今回のことを何処まで説明したら……。」うーん、と悩むリタ。「普通にすべて話せばよいのではないか?」「ウォード、セイラにあなたを翠子が誘拐したっていったらどうなると思うの?」「む……。」「前回のこともあるし、またあの子が原因でしかも後遺症残して帰ってきたなんて言ったら……翠子を壊しに行きかねないわよ?」「ならどうするの、リタ?嘘を付くにしてもセイラって意外に鋭いよ?」「大丈夫、多分何とかなる。話せばわかるとおもう。」「その根拠は?」「私の勘!」「……。」呆然とリタを見つめるセイラとウォード。ともあれ3人はおじいさんに事情を説明しエレナの部屋の前に来た。エレナが風邪ひいた頭でぼんやりとしているとノックする音が。「はい。どうぞ。」起きあがって返事をすると、ドアを開けて入ってきたのはウォードとセイラと見知らぬ女の子だった。……あぁ、よかった、帰ってきた。目を潤ませて、ウォードの方を見る。ウォードはエレナの前に立ち、「エレナ、心配かけた。」そう、声をかける。エレナはウォードの手を取りほおに当てる。ぬくもりを確かめるように。そして、しばらくそのままで居たが、やがて手を離しセイラたちの方を向き、「で、一体何が起こったの?」と、問いかけた。リタは、自己紹介をした後、ウォードを見つけるまでのあらましを間接に説明した。翠子のことは伏せておいて。「と、言うことなんだけど。」セイラはしばし黙考した後、「……何かごまかしてない?」と、いぶかしげにリタに聞いた。そのときのセイラの動揺を見逃しては居なかったし、ウォードから変なけはいがしたのも気づかないはずがなかった。「何にも、ごまかしてなんか居ないわよ。どうしてそう思ったの?」「まず、その人形というのとウォードとの接点が見つからない。次に初対面の相手でウォードガ警戒しないはずはない。そして、ウォード魔力の残滓か何かを感じる。」「ウォードを手玉に取るような人形だったの、とんでもない奴なのよあいつは。あと、その感覚はウォードが操られていたときの名残だと思う。」「じゃあ、さっきセイラが反応したのは何?それに、ウォードや、セイラがさっきから兄も行ってこないのが気になる。リタ、本当に何か隠してない?私を謀ったらただじゃ置かないわよ?それに、その人形とやら絶対にお仕置きしてあげる。」リタは、ため息をつき。「あなたはどうしてもその人形にばつを加えたいの…?」「もちろん、ウォードをこんな目に遭わしたんだもの、それ相応の目にはあってもらわないと。」「エレナ私は……」と、ウォードが言いかけたとき。二人がぐるんとウォードの方を向き。『いいから!』「ウォードは!」「あなたは!」「静かにしてて!」「黙ってて!」二人同時に怒られた。ウォードの裏でセイラが、「うぅ、二人とも怖い……」と、完全にびびっていた。その後、1時間にわたってエレナとリタの戦いは続いた。すでにセイラとウォードは呆れている。「どうして……そこまで……そいつをかばうのよ……。」「友達だからに……決まってるでしょ……。」息を切らしながら二人はにらみ合った。しばらくにらみ合った後。二人同時にため息をつく。「はぁ、なんだかつかれた、何でこんな事で喧嘩してたんだろ。もうどうでもよくなってきた。」「ごめんね。あなたがそういきり立ってるときにほんとのこと話したら、バラバラに壊されちゃいそうな気がしたから。」「あなたの友達が?」「そう。」「わかった。今回のことはあなたに免じて無かったことにしてあげる。リタ。でも、翠子にはちゃんと反省してる?」「だいじょうぶ、翠子も反省してるから。って何でわかったの?」驚いた目をしてエレナを見るリタ。「ひみつ。」「なにそれ。教えてよ。」「秘密だって言ってるでしょ。今度二人の時にでも話してあげても良いけど。」「じゃあ、今度招待するわね。」「期待しないで待ってるわ。」何やらいつの間にか意気投合している二人。「それでエレナ、君はどうしてベッドで寝て居るんだ?」すかさずうれしそうにセイラが言おうとする。「ウォードたんそれはね……。」「セイラ!?言ったら怒るわよ!?」「良いじゃないの、減るもんじゃなし、あたしのかってでしょ。」「いろいろな意味で減るの!?良いから止めて!?」「ふふーん病人のエレナなんて怖くないもん、ウォードたんあのね?ごにょごにょ……。」と、ウォードの耳元にささやくエレナ。それを聞いたウォードは「エレナ、いくら行方不明になったからといって、雨の中探し回るのは止めてくれ、いくら死なないからと言ってけがや病気の苦しみは普通の人と変わらないのだから。」真剣に心配され、赤くなるエレナ。「ご、ごめん。気をつける。」素直に謝るエレナ。その後、セイラにさんざん冷やかされ、怒ったエレナはハリセンを振り回そうとするがウォードとリタに止められてすごく悔しそうにするのだった。
2005.01.24
コメント(0)
薄暗い部屋の中、蝋燭の明かりしかない部屋の中で二人の人影が話し合っていた。「では、第一回ウォード翠子専属ギャルソン化計画会議を始めます。」その部屋の一人、服装の所為か思わず人形と勘違いしてしまいそうな整った顔立ちの少女が、厳かに開始を告げた。「はーい♪うふふふふ、ウォードたんのギャルソン姿かぁ~、くぅぅぅ萌える!!」薄暗い雰囲気さえも、ぶちこわしそうなもう一人が勝手に萌えていた。「セイラさん、会議なのですからまじめにやってもらわなければ困りますわ。」その様子を見て、もう一人が嘆息する。「うん?それはそうだけど。どうするの?ウォードたん強いよ?」「強い強いと言いましても、どのくらい強いのですか?」「ん~、この翠子さん家のワルキューレさんじゃあ勝てないかも。」こともなげに答えるセイラ。「な、何故そこまでわかるのですか。私のワルキューレが弱いとでも?」ずずいっと詰め寄る翠子。「いやー、だってウォードたんの基本スペックいろいろ聞いて来ちゃったし。」「では、そのスペックとやらを教えてくださいな。さぁ!さぁ!さぁ!!」もうほとんどキスするくらいに顔を近づけてくる翠子。「わ、わかった、わかったから離れてよ!いい?ウォードたんはね?」ぼそぼそと興奮した面持ちで耳打ちするセイラ。別に聞き耳を立てている人物など居ないのだからそうする必要はないのだが、セイラなりになりきっていると見た方が良いだろう。「……そ、そんなに!?……一体どんな技術が!?……なるほど。」「ねっ!すごいでしょ!?すごいでしょ!?」人に話している間に自分が興奮してきたのかぴょんぴょんと跳びはねているセイラ。「……な、なかなか手強いですわね。となると正面から攫いに行っても返り討ちに合うのが関の山……セイラさん?」「ん?なに?」「彼の近くにいる人物に心当たりは?」「近くにいる人?エレナさんだねー、いつも一緒にいるよ?彼女なのかな?」それを聞いて翠子はほくそ笑んだ。「将を射んとすればまず馬を射よ……ですわね。おぉーほっほっほっほっほ!待ってなさいウォード!私が必ずあなたをギャルソンにして差し上げますから!!」翠子の声は部屋中に響き渡った。一方そのころ……ここは、ウォード達が働いている古書店。今はお昼休みの最中だ。二人は、一階の居間で仲良く休憩していた。「そう言えばエレナ。」と、唐突にウォードガ話しかけてきた。「ん?なに、ウォード。」「次の町に行く路銀はいつ頃貯まりそうだ?」「ん~、そうねぇ……。」必要な日数を指折り数える。「行くだけで良いなら次の給料日で良いかも、でも安全に行きたいなら来月の給料日まで待った方が無難ね。」行ってもすぐに仕事が見つかるわけではないのは言われなくてもわかっているので。「わかった、来月だな。」あっさりと答えるウォード。「……。」「どうしたエレナ。」「ん?何でもない。」予想に反した答えに少しとまどうエレナ。というより、急いでいたのは自分だけだったと言うことに気づいて顔を赤くする。「顔が赤いぞ?風邪か?」「だから何でもないってば。」「そうか。ならいいが。」何だか釈然としないながらもうなずくウォードだった。と、その情景を伺っている二つの影があった。言わずとしれた翠子さんとセイラちゃんである。「彼がそうなんですの?」「そうだよ!ねっねっ良い感じでしょ!」「でも、本当に彼人間じゃないんですの?どう見てもあれは……。」「ほんとだって!ロボの匂いがしたし、本人のそう言ってたんだよ?ほら!疑いようがない。」と、そのとき。セイラの背後から声がした。「匂いが当てになるのかどうかはいまいち疑問だけど。」翠子は驚いたように辺りを見回すが、誰もいない。「でもでも、私の鼻は世界一だよ?」「セイラさん?どなたに話しかけていらっしゃるの?」「え?翠子ちゃんにだけど。疑問だっていったじゃない。」「私はそんなこと言っておりませんわ。」「え?じゃあ一体誰が?……ってん?ロボの匂いがする……。」「そんなはずありませんわ、この世界には機械人形はウォードしか居ないはずでしょう。」セイラは、翠子の反論には全く耳も貸さず。「黙ってて。ウォードたんの匂いに似てるけど、ちょっと違う。兄弟とかそう言った感じ。あ、どこかに行っちゃった。」「ウォードの同型機がこの近くに居るんですの?」「うーん。そう言うのとはちょっと違うかも。なんて言うか……弟?」「……それはともかく。エレナさんのことは任せましたわよ?セイラさん。」「あー、うん。任せて。」何だか歯切れ悪く答えるセイラ。「何だか乗り気ではないようですけど、ウォードのギャルソン姿。見たくないんですの?」その一言にぴくんと反応し。「そうだよね、うん。ギャルソン姿。ギャルソン姿。うふふふ!」何だか怪しげに笑い出したセイラの姿に一瞬引きながらも。「じゃあ、私は先に行っておりますので、後はよろしく。任せましたわよ?」「任されました~♪」そういって二手に分かれる。そして、セイラは昼休みが終わり、ウォードが倉庫に戻るのを待ってエレナに話しかけた。「こんにちはエレナさん♪」昼休みが過ぎて一時間くらい下頃。おじいさんが倉庫に入ってきた。「ウォードさん。エレナさんを知りませんか?」「おじいさん、ここは寒い。いったん外に出ましょう。」ウォードはおじいさんを倉庫の外に出してから。話を聞く。「エレナに何かあったのですか?」「エレナさんの姿を30分前くらいから見ていないのです・トイレに行ったにしては長すぎますし、それにこんな手紙が。」差し出した便せんには、「ウォードさんへ」とだけ書かれている。ウォードは手紙を読んだ。「エレナさんは預かった、返して欲しくば地図に示した場所まで来なさい。一乗寺翠子。」「誘拐ですか。助けに行かなければ。」「いえ、あなたはここで待っていてください。警察にも連絡は入れずに。私一人で行きます。」「しかし…。」「大丈夫です。私を信じてください。」「わかりました。ちゃんと二人で無事に帰ってきてくださいよ?」「わかりました。」ウォードは手紙の場所に向かって歩き出した。(おそらく、セイラが関わっている。エレナは身を守ることに関してはきちんとしている。よっぽどのことがない限り攫われたりはしない。この世界に置いては、エレナと正体を知るものは少ない。だが、セイラだけでは動機に欠ける。一体誰が……)そんなことを考えながら歩いている間に、目的の場所に着いた。ここはすでに廃棄された石切場。閑散としたそこに、3人の少女と6体の人形が居た。「おーっほっほっほっほっほっほっほ……ごほごほ。ウォードよく一人で来ましたわね。褒めて差し上げますわ。」「そんなことより、エレナを返せ。」「そんなにこの女が大事ですの?」「当然だ。エレナは私にとって必要不可欠だ。」「良いでしょう。セイラ!」そう声をかけると、グルグル巻きにされて猿ぐつわをかまされたエレナを台車に乗せてセイラが運んできた。「ウォード、私のワルキューレと勝負なさい!勝っても負けてもエレナさんは自由にしてあげます。ただし!!」「ただし?」「あなたが負けた場合はあなたには私専属のギャルソンになってもらいます。」「勝負を受ければエレナは解放するんだな?」「えぇ。」「わかった。受けよう。」エレナがむぐむぐと何かを言っているがウォードは無視した。何となく言いたいことはわかっているが、聞いても仕方がないのであえて無視した。ワルキューレとウォードは、30M位離れて退治した。「このコインが落ちたら開始です。……行きます!!」翠子がコインを跳ね上げる。コインが地面に落ちた瞬間。ウォードは何かを空中に放り投げた。対して、ワルキューレ達は散開しウォードを取り囲んだ。(まぁ、当然か。相手の死角から攻撃するのは基本だ。お互いにな。)ワルキューレの一人が手に持ったレーザーライフルをウォードに向けたとき。どこからともなくレーザーが飛んできてライフルを打ち落とした。レーザーは独りでには曲がるわけもなければ反射もしない。ならば……と、あたりを警戒した瞬間に、ウォードは脚部のスラスターとタイミングを合わせたダッシュで包囲網を抜けた。慌てて、振り返った一人のワルキューレの胴体にウォードの膝蹴りが完全に入った。なすすべもなく吹き飛ばされ、沈黙する。(一体目……)引き続きレーザーを“真上”に打ち出すウォード。だがしかし、さすがにこれは見切られていたらしく、上空から飛んでくるレーザーを先読みで避けるワルキューレ達。お互いに立ち止まることなくレーザーを放ち続ける。ウォードは全周囲からのレーザーをレーダーからの情報だけで回避しつつ、ステップに紛れてナイフを放った。放ったナイフは正確に一帯のワルキューレの関節部分に命中し、右手首から先を切り落とされる。そして、目にもとまらぬ早さでナイフを投げ続け、その間に上にいた者を呼び戻した。迷わず、打ち落とそうとしたワルキューレ達だったが、これが決め手になった。飛んできたレーザーはこれはという正確さではねかえされ、ワルキューレ達の持っていた、レーザーライフルを破壊した。「ま、まさか……そんな……。」圧倒的な強さに、信じられず呆然とする翠子。「約束だ、エレナは返してもらう。」そう言って、エレナの縄などをほどいた。「ウォード!?大丈夫!?」解放されるなりぺたぺたとウォードの体を調べ始めるエレナ。「問題ない。さぁかえるぞ。おじいさんが心配している。」「うん、その前にちょっと待って。」そういってエレナはセイラの前に立った。「どうしてこんな事に手を貸したの?ウォードガ壊れちゃったらどうするのよ。」「でもでも。ウォードたんの強さからしたら、絶対に勝つってわかってたもん。」「え?わかってて、手を貸したんですの!?」あっけらかんとした答えに、エレナよりも翠子が驚いた。「絶対にウォードたんが勝ってわかってたし、傷一つ追わないこともわかってたから手を貸したの、だってウォードたんが戦う所なんてめったに見られないし。」そこに、紙袋を破裂させたような音が響く。「ばかっ!!不謹慎でしょ!!」「う……。」エレナの怒りように思うところがあったらしい。セイラはウォードに歩み寄ってぺこりと頭を下げた。「ごめんね?ウォーどたんが戦っている所って一度で良いから見てみたくって……。」「かまわん、確かに、戦闘機動もたまには行わないとさび付いてしまうだろうしちょうどよかった。」「うんうん。そうだよね!じゃあ、今日の戦いはちゃーんと録画してあるから後で送ってあげるね!!」「うむ。助かる。」そのやりとりを見ていたエレナと翠子は。「……何なんですの?あれ?私、無駄骨ですの?」「それを言うなら私は攫われ損よ?」そう言うと二人そろってため息をつくのであった。
2005.01.05
コメント(3)
薄暗い倉庫の中、椅子に座り佇んでいる姿がある。つややかな銀髪と白い肌、それと対象に黒い目と服装。魔導甲冑ウォードである。只今彼は勤務中である、何もしていないように見えるが勤務中である。倉庫の中の本は綺麗に整頓され、埃一つ貯まっていない。空気はひんやりとしていて、乾燥している。この環境をウォードが作っている、表面温度と空気の対流を制御してこのひんやりかつ乾燥した空気を作っている。いつもならば、ただ黙々とエアコンの代わりをしているウォードだったが、今日は気になることがあった。(昨日のでーとのとき、何者かが自分たちの後ろをつけている事には気づいていた。一人はエレナでもう一人がわからない。可視光線のレーダーには全く反応が無く、それで居て魔力感知におぼろげに反応しているこの不思議な気配は、出現と消滅を繰り返しながら塚津離れずの距離を保っていた。敵意は感じなかったのでほおって置いたが……)「おーい、ウォード?」(それに、最近この店の近くで同じような反応を感じたような気がする……)「ウォ-ド?昼休みだよ?ってつめたぁ!」その声にはたと我に返り。「エレナか、どうした。」彼女は霜のついた手を息で温めながら。「どうした、じゃないって。お昼休み。ご飯いらないの?」「わかった、行こう。少し考え事をしていた。」「考え事?」「あぁ、後で話すから、ここを出るぞ寒いのが好きならここでも良いが。」「そんなわけないでしょう……。」いそいそと部屋を出る二人。その姿をじぃーっと窓からのぞく一つの人影があった。(居ない居ないとおもったらこんな所にぃぃぃぃ!うふふふふ静かに椅子に座って目を閉じる彼の姿……きゃぁぁぁぁぁぁ!!)心の中で黄色い声を上げる。彼女の名はセイラ。『穴』を通じていろいろなところを渡り歩く能力を持った女の子だ。いそいそとケータイを取り出しウォードをを撮る。(あぁ~♪生ロボ~♪)おもわず、画面にほおずり。(っと、こんな事してる場合じゃなかった。今日はウォードたんに突撃インタビューするために来たんだから。というわけで~ニンニン)出てきた穴からすっと消える。もとより普通の人には姿は見えないのではあるが。エレナは倉庫の方をじっと見つめているウォードに気づいた。「?どうしたの、ウォード。」「いや……なんでもない。」「そう?なら良いけど。」そういって、前を見ると、目の前に少女が居た。「きゃあ!ど、どこから入ってきたの!?」彼女はエレナには目もくれずウォードにずずいっと詰め寄った。「む…。」エレナは目をつり上げるが何も言わない。「な、なんだ?」さすがのウォードもとまどいの表情を浮かべると、セイラは突然ウォードに抱きついた。「あぁ~、生ウォードだー♪」「生ウォード?」ぽかんとするエレナとウォード。「っは!つ、ついだきついちゃった!」慌てて離れるセイラ。「ごめんなさいごめんなさい!ロボの匂いがしたからつい!」ぺこぺこと謝るセイラ。(ロボの匂いって、気づいた!?ウォードの正体に!どうやって……)(ふむ、この気配……昨日の。)それぞれ違った反応を示すエレナとウォード。「それはいいが、昨日つけていたのはお前か?」「えぇ!!気づいてたんですか!!うそっ!!」「え?なに、昨日って。」「うむ、昨日エレナの他に跡をつけているらしい気配があったのだが、残留魔力から目の前の人物と特定した。」淡々と述べるウォード。「すごい!!私のカクレルーンリングZ・改を見破るなんて!!ねえねえ!武装は!?稼働時間は!?あなたのスペックを全部教え……。」そのとき、エレナの方から何か白い物がうなりをあげてセイラの頭に直撃した。紙が破裂するような音があたりに響く。「……。」声もなく耳を押さえてうずくまるセイラ。「今のはなんだ?エレナ。」痛そうなセイラを全く無視して話しかけるウォード。「ん?これ?ハリセンっていうのよ。紙を折り曲げて持ち手を作った、こういうときに使う道具。」「なるほど、効果は絶大だな。」「でしょ?」「で、この子誰だろ。」「さあな。昨日後ろをつけてきた人物としか言いようがない。」「スパイとかそういう風には見えないしねえ?」「そうだな、さすがにここまで間抜けな…。」と、そのときセイラがむくっと起き上がって。「い、痛いじゃないですか!!何するんで……いえ、あの。済みません。もう騒ぎませんから。はい、そう、おろして、おろして……」「で?あなたは何なの?」「わたしはセレナっ、ただのロボ好きな女の子だよっ!」「はぁ、それで?ここに何のようなの?」「ロボのウォードたんに会いに来たのー♪」心底うれしそうに答える。「どうする?」と、目線で問うエレナ。「ふむ、どうして私がロボットであると?」「あのねあのね!ウォードたんからはロボの匂いがするのっ」エレナがウォードの方を見ると、「対応不能」と、顔に書いてる。「はぁ、ウォード。お昼ご飯は後回しね。」「そのようだ…」場所をリビングに変えて。「とりあえず、ウォードをロボロボ言うのは止めてもえらえる?」「えーっ、どうしてー。」「我らが追われる身だからだ。」「えー?何でロボだと追われるの?」「人の事情にはいろいろあるんだから、そう言うのを詮索しないの。出来れば名前で呼んで?」「わ、わかった。これからはちゃんとウォーどたんってよぶねっ!」「ま、まあいいけど……それで、ウォードがロボ……魔導甲冑だって事は隠しておきたいから。交換条件。」ぴっと人差し指を立てる。「ウォードのことを人前でロボロボ呼んだり、彼の性能のことを人前で聞かないで居てくれたら、ここでならウォードのことを話してあげる。」どう?とセイラに尋ねる。「うんっそれで良いよ!やったー、やったー、じゃあウォーどたんとわたしは友達ね?」「と、友達?いや、私は……。」「良いじゃない。よかったわねー友達が増えて。」「うむ……」そして、昼休みの間中ウォードからいろいろと聞き出したセイラはうれしそうに帰っていったのでした。「エレナ。」「なに?」「友達とのつきあいというのは……大変だな。」「多分彼女は特殊な例だと思う。」「そうか…」「そうよ…」半日でなぜか疲れ切ってしまった二人なのであった。
2004.12.30
コメント(0)
そしてついにデートの日。ウォードはデートの約束をした日から何事もなかったかのように毎日を過ごしていた。もとより、何考えているかいまいちわからない人だけれども。エレナが朝起きて店の前を見てみるとウォードが一人立っていた。朝霧の立ちこめる早朝に彼が立っているのは、もちろん待ち合わせのためでは無い。"日課"をするためだ。一時的にヒトをやめ、本来の甲冑になる。左腕を前に突き出すと、腕の一部がぱかっと開き、立体映像が現れる。何が書いてあるのかは知らないのだが、本人曰く「私の体の調子をチェックしている」らしい。しばらく、その映像を眺めた後、ふたを閉じた。そのあと、しばらく軽快な機械音が聞こえた後、彼は再びヒトに戻った。そこで声をかける。「ウォードー。」「なんだ?」「朝ご飯食べる?」「いただこう。」そう言ってウォードは中にはいってきた。私も1階に下りる。おじいさんはすでに起きていて、朝ご飯の準備をしていた。見た目には、結構お年を召している感じなのだが、しっかりした優しい好々爺というのが私の感想。「あ、手伝います。」「うむ、じゃあこちらはそろそろ終わるから、食器を並べておいてくれるかな?」「わかりました。」と、私が手伝っているとウォードが入ってきた。「申し訳ない、私も手伝おう。」「ん~、でももう終わってるからおとなしく座ってて。」「……わかった。」何だか寂しそうに席に着くウォード。程なくして朝食の支度が調った。「そう言えばウォード、今日はデートだったっけ?」「あぁ、そうだったな。」「ほう、そうなのですか。ウォードさんも隅に置けませんねぇ。」「まったくです。」「な、何のことだ?」「まぁまぁ、気にしないで。」「う、うむ。」何だか釈然としない顔をしているウォード、ま、無理もないけど。「ごちそうさまでした。」早々に朝食を食べ終わって、席を立つ。「おや、何か用があるのですか?」不思議そうに声をかけるおじいさんに「えぇ、ちょっと。」とだけ、答えて。2階に上がる。ふふふ、こんな面白い……ごほん危険なこと放っておけますか。「エレナは一体どうしたのだろうか……何やらうれしそうに上がっていったが。」「気になりますか?」「はい、数日前からちらちらとこちらを見ていましたし。気になっておりまして。」「ほうほう、それはそれは。なるほど。」何やら一人で納得しているおじいさん。「何か心当たりでも?」「いやいや、気にするほどのことでもないよ、気にせずデートに行ってきなさい。」「はぁ…。」ウォードは待ち合わせ場所である噴水のそばでぽつんと立っていた。……動体反応。近くに住む子供達に、動物たちに……エレナか。一体何を考えているのか、路地裏からこちらを伺っている。変装しているようだが、私相手にそのような物は意味はないし、何か考えがあるのかもしれない。そんなことを思っていると、こちらに近づいてくる人が居る。この間の少女だ。彼女は息を切らせて、私に駆け寄り、「済みません、お待たせしてしまいましたか?」「いや、まだ約束の時間には早い、気にするな。」「あ、はい。そう言えばそうですね。」何だか照れたように笑う。「それで、でーと、をするのはよいのだがお互い自己紹介が必要なのではと思うのだが。」「あ、はい!済みません。私ったらうっかりしてて。」慌てたようにぺこぺこと謝る。緊張しているようだ。「そこまで気にすることはない。私はウォードだ、古本屋でお世話になっている。」「は、はい。すぅーはぁ…私はミリスって言います。」「よろしく、ミリス。で、本日の予定だが。私はでーとと言う物をしたことが無く、全くわからないのだ。なので、すべて君に任せてしまっていいだろうか?」「は、はい!任せてください!ちゃんと今日のために計画は立ててきたんです!」元気に答えるミリス。その姿に少し居まぶしい物を感じるウォード。私には無い物だな、こういった特徴は。「頼もしいな。では行くか。」「はい!」二人は仲良く歩いていく。「あ、あれがウォード?」最近妙に言葉使いがよくなったような気はしていたが、あそこまでとは。最初の頃とは大違いだ。それよりも、ミリスって、いい子だな~。一生懸命で素直だし。私なんかとは違うなぁ。あ、移動する。尾行しなきゃ。二人はまず、商店街にきた。「そう言えば、このあたりにはきたことがないな。」「え?そうなんですか?」「うむ、エレナに「あなたに任せたら力仕事する人がなくなるじゃない」といわれてな。買い物基本的にエレナか店長がしている。」「でも、何か買いに来たりはしないんですか?」「あいにくと趣味と言った物が無くてな、休みの日はずっと寝ている。」「えぇ!ずっとですか!?」「あぁ。「半日以上寝ている人なんて初めて見た」と、店長とエレナに驚かれた。」「た、確かにそれは驚きますよ。」「そんな物か、ちなみにミリスは休みの日は何をしているのだ?」「私ですか?そうですね・・・本を読んだり、あとは……・」そう言って、装飾品店の前まで行き、「こういったお店で宝石を眺めたりしてます。」「眺めているのか?」「はい、買うお金はありませんし。眺めているだけでも結構楽しんですよ?」「ふむ、私も何か趣味を探してみるか。」「ほんとですか?」「あぁ、ミリスの顔を見ていたら実に楽しそうだったからな。」すると、彼女は顔を真っ赤にして。「え?や、やだ。じっと見ないでください。え、えと。じゃあ歩きながらお店を眺めてみて何か趣味になりそうな物を探してみましょうか!」そう言って慌てながら、走り出す。「前方に注意しないと転……。」ウォードが言い終える前に、ミリスは全方を歩く人にぶつかって転んでしまった。「きゃっ。」すっと駆け寄って地面にぶつかる前に抱き上げる。「あ、ありがとうございます。」「気にするな、だが今度からはちゃんと前を見て歩いた方がいい。」「は、はい。そうですね。」と、答えた後。「すみません、大丈夫でしたか?」と、ぶつかった人に声をかける。「い、いたたた。ほ、骨がおれた。」「だ、大丈夫ですか!兄貴!」「うぅ、いててててて。」妙な痛がり方をする男に、それよりも格下と思われる男が声をかける。「え?そんな!?」ミリスが見るからに動揺している。「なぁ、ねぇちゃん。治療費。払ってくれるよな?兄貴が骨が折れたって言ってるんだ。それなりに出す物出してもらうぜ?」そう言って脅しを書ける男。「必要ない。」ミリスと男の間に割り込む。「あぁ?なんだ兄ちゃん。喧嘩売ってんのか?兄貴が折れたって言ってるんだ。折れてるに決まっているだろうが!」ウォードは倒れた男をすっと見て。「その男に外傷は認められない。骨が折れているならば、少なくとも痣が出来るほどの衝撃があるはずだ。」「なんだぁ!?けちつけようってのか!?」「正論を述べただけだ。」「てめぇ!!」殴りかかる男の顔に平手を加え転倒させる。「自分の言い分が通らなければ、暴力に訴えるか。まるで子供だな。」それを聞いて、先ほどまで痛がっていた男が立ち上がり。「へっ、兄ちゃん。おとなしく金を出していたら痛い思いをしなくても済んだのに……よぉ!」不意打ちのつもりで殴りかかったきた男を、半身をずらして避け、首筋に衝撃を加えて昏倒させる。そのまま後ろも向かず。「ミリス、行くぞ。不愉快だ。」「え?は、はい!」ミリスは振り返ると慌ててついてくる。二人の後ろで、何かを叫んでいたようだが、その声もすぐ収まった。「このっ、待ちやがれ!」立ち上がり、追いかけようとした男の首筋をがしっとつかむ。「な、何だ……ひっ!?」振り返った男が見た物は、鬼のような形相をしたエレナの顔だった。「……いま、何をしていたのかな?」静かにエレナは男に問う。「ひぃ!?、す、済みません!?」おびえきった表情で後ずさろうとするが、しっかりと捕まれているため、逃げられない。「もう二度と、悪いことはしませんって言ってたのは嘘だったのかな?」「……それはその。」「問答無用♪」鈍い音と共に。崩れ落ちる男。「やれやれ。懲りてないんだから。」埃を払い立ち上がる。二人は楽しそうにデートをしているようだ。もっとも、何もしなくてもウォードの実力があればたいていのことなら何とか出来るだろうけど。でも、何だか気に入らない。何だか変だ。今までウォードがさっきみたいに話してくれたことはない。絶対に何かある。「一体何を隠してるの?ウォード……。」エレナの独り言は、ウォードは聞き取れていた。なかなか鋭い。だてに長生きしてないな。感心する。目の前の人物は、楽しそうに前を歩いている、何かに気づいた様子はない。普段は使わないのだが、人の姿になれる軍用兵器である彼にとって、人の真似をするのは機能の内だ。完全な人の姿がとれるのならば、敵の土地にこっそり侵入して破壊活動をする事も、容易と見られたからである。実際にその機能をでーとの為に活用するとは思わなかったが。ただ、楽しそうなミリスの顔を見て、この機能も捨てた物ではないと思うのだった。楽し時間はあっという間に終わり、デートも終わりを向かえようとしていた。「今日は楽しかったか?」「はい。楽しかったです。ウォードさんは?」「私も、楽しかった。こう言う休日も悪くはない。」「よかったです。」そう言うと、くるりとミリスは後ろを向く。「どうした?」「私、ウォードさんのことが好きです。つきあってもらえますか?」ウォードはしばらく沈黙した後。「済まないが、君の彼女にはなれない。」「そうですよね、私なんか……。」「勘違いするな。君に魅力がない訳じゃない。ただ、私たちは、いつかこの町を出て行く。今日か、明日か、その後か。二度とこの町に戻ってくるかもわからないし、だから。」「だから?」「私の友人になってくれないか?こう見えても私の友人はエレナだけだ。だから……。」「いいですよ、私、ウォードさんのお友達になってあげます。」「ありがとう。では、帰ろうか。我が友ミリス。」そう言って手を差し出すウォード。「はい、そうしましょうか。」くるりと振り返り、笑顔でその手を取る。そして、ウォードの初めてのデートは終わった。その様子をうかがっていたエレナ。あらあら。女の子泣かせな性格してるなぁウォードって。ミリスは泣いていなかったが、きっと心の底では泣いているだろう。まぁ、しょうがないことではある。世界を見て回る、と言うことは、いつかはここを旅立たないといけない。危険がないとは言えないし、この後どうなるのかもわからない。そんな状況で、軽はずみな事は出来ない。かわいそうだけど、しょうがないことではある。そんな風に思っていたエレナだが、内心ほっとしていたことには気づかないのであった。
2004.12.27
コメント(1)
二人はまず名無しの甲冑の名前を考えることにした。と言っても、エレナが考えた名前を甲冑がそれでいいかだめか言うだけだが。結局ウォードに決まった。「ウォード、それで、二人の関係はどうしよっか」「関係?ただの旅の仲間ではないのか?」「……まぁいいけど。」二人はたわいもないやりとりをしながらカイレイスの町に歩いていった。「お、大きい……。」町の外壁を見上げてつぶやくエレナ。「そうなのか?この程度の壁なら一撃で・・(もごもご)。」「いきなり何言い出すの!!」慌てて口をふさぎ辺りを見回すエレナ。周りに聞かれていないことを確認すると手を離す。「いきなり何をする。」「何をする。じゃないよ、誰かに聞こえたらどうするの。正体隠す気あるの?」「むぅ……。」小さく呻いて沈黙するウォード。「もういいけど、次からは気をつけてよ?」「わかった。」二人は、門衛に事情を説明し中に入れてもらった。「さて、無事入れてもらった訳だけど。問題が一つ。」「何だ?」「路銀が全くありません。」「どうすればいい?」「お金を稼ぐには働くしかないでしょ?さて、どこか住み込みで働かせてくれるところはないかな。」「任せる。私はそう言うことは全くわからない。」「任されました、恩人だしね。」二人で、当てもなく仕事先を探す。日暮れまでには何とか仕事を探すことが出来た。「や、やっと見つかったね……。」この、得体も知れない二人を受け入れてくれたのは老人が一人でやっている古本屋だった。二人は早速仕事を始めエレナは受付、ウォードは本の整理をしていた。「そうだな……、大丈夫か?」「うん、疲れた……。」「今日は休め。どうやら力仕事しか残ってないようだし。」「ありがとう。」閉店間際の古本屋の店内には誰もおらず、ウォードは黙々と作業をこなしていた。と、こちらを伺っている人影があるのに気づいた。(店外に動体反応。敵対意識は感じられず。しかし、一般的な客の反応とは異なると感じる。原因不明。)対象は、店内に入ってくるでもなくこちらを伺っているが、それ以上の行動を起こさない。結局、店を閉めている間にどこかへ行ってしまった。次の日、昨日あったことをウォードはエレナに聞いてみた。「……と言うことがあったのだが。」「店内をじーっと伺う人影かぁ……もしかしてあなたのこと見てたんじゃないの?」「どうしてだ?」「そんなこと私にわかるわけ無いじゃない、その人じゃないんだから。」「それもそうだな。」「わかったら仕事仕事。次の町に行く旅費にはまだほど遠いんだから。」そう言って二人は今日も無事に仕事をしていた。昼休みのことだった。エレナが買い物から帰ってくると、ウォードが誰かと話していた。思わず隠れて様子をうかがう。「……と、言う訳なんですけど。お願いできますか?」相手は女の子のようだ。結構かわいい。「わかった、こちらの仕事と重なっていないので引き受けよう。」何の話か知らないがウォードに仕事を頼んだようだ。「ウォード。」「エレナか、今の話聞いていたか?」「聞いてなかったけど?」「ちょうどよかったので聞いておこう、でーと、と言う物は何だか知っているか?」「……もしかして今の。」「察しがいいな、なにやらでーとのお誘いと言う物を受けてしまったのだが。ちょうどその日は休みであったし引き受けたのだが。」「何かも知らずに引き受けた訳ね……はぁ……、デートって言うのは、男女が待ち合わせをして、どこかに行くこと。」「なるほど、そう言うことだったのか。ふむ、ならば問題はなかったか。」何度もうなずき納得するウォード。そんなウォードを呆れ顔で見ながら、「どうでもいいけど、正体ばれないようにね?」「わかっているとも。」「ほんとかなぁ?」そこはかとなく不安がよぎったが気にしないことにしておく。この程度で躓くようならこの先やっていられない。ちょうどいい機会だ。いろいろと勉強してもらおう。昼休みの後は特に騒動もなく。平和に一日が終了した。
2004.12.25
コメント(1)
如何に人類が空を支配しようとも”それ”を見た者はいない。 過去に置いて人類は大規模な天災にあい、その文明をかなり失っていた。 その、失われる前に作られた”それ”は、空をただぼんやりと浮いていた。 それは、表面を黒く光らせ、一目見ただけならばごつごつした固まりに見える。 しかしよく見ると、その固まりは人型が体をうずくまったようにしているためにそう見えていることがわかる。 可変式内燃機関併用型軍用魔導甲冑というのが”それ”の名前である。 制作された当時、その魔導甲冑は世界を制するとまで言われた強力な兵器であったが、突如命令を無視して空の彼方に飛び去った。 ”それ”が持つ遮蔽機構は最高の物で目視においても見つけることは出来ないほどの物だった。 結局、捜索にかかる費用と命令無視の原因から探索は打ち切られ、名も無き魔導甲冑は空に浮かぶ衛星の一つとなった。 そして、今日もそれは、いや彼はただぼんやりと誰もいない空に浮かんでいた。「暇だ・・・」 ぼそりとつぶやいた。「この空に浮かび始めて何年にもなるが、いい加減浮かんでいるのにも飽きたな。とはいえ、何時軍に見つかるともわからない状態で下手に動いて見つかるわけにも行かない」 誰もいないのにもかかわらず、いや誰もいないからこそぼそぼそと独り言をつぶやいた。(たすけて・・・)「ん?」何か声が聞こえたような気がしてあたりを探査するが何もない。当然と言えば当然だが。「ただのノイズか?」そう思って、再び待機状態、つまり眠ろうかと思ったわけだが。(ここからだして!!)「な!?だ、だれだ!?」今度こそ間違いない。こんなに大きなノイズが発生するわけがない。今度は念入りに探査をする。(・・・・念話の類か?一体どこから・・・)仮にも魔法と科学の融合体、魔法による探査も可能である。擬似的にも意志を与えられた影響か、勘に似たものも持っている。思考波をたどっていくと、雪に埋もれ既に廃墟と化しているある村にたどり着いた。村にある教会の地下。そこには、一人の男と。そして、十字架に縛られた少女が居た。男は、少女の首筋にかぶりついている。「う・・・あ・・・あぁ・・・」苦しそうに少女が呻く。しかし男はそれを意に介すことなくかぶりついている。しばらくすると男は少女から離れ一階に歩いていった。男が見えなくなると少女のすすり泣く声が響く。その首筋からは血が流れていた。(・・・何だ?これは・・・)一度として、地上をのぞき見たことがなかった彼にとって今の映像は衝撃的だった。少女がつるされている事ではなく、見る影もなくなった今の世界が、である。(まぁ、それはいい。別に地上がどうなろうと私には関係のないことだ。それよりも)そう言って、少女を見る。と言っても彼の特殊な知覚で遠隔の地をのぞき見ているのだが。先ほど聞こえた声は、だんだん大きくなっていた、おそらく意識が向いたためより受信しやすくなっているのだろう。(うるさい・・・・)さすがに、何時までも女の子の泣き声を聞いているとあるはずのない胃がキリキリしそうだ。そんなわけで、少女を黙らせるべく。彼は起動してから2度目に自分の意志で動くことにした。人型から戦闘機へ静かに変形を始める。その緩やかな変形はモーフィングのようだ。程なくして変形が完了すると、白煙と魔導光を曳いて飛び去った。「はぁ・・・」古びた教会の椅子に横になりため息をつく男。ひげは生え放題で、服も体も何日も洗っていない。食料も底をついた彼を生きながらえさせているのは先ほどの少女の生き血だった。口の中が鉄分の味でいっぱいになっていて気持ち悪いが我慢するしかない。自分が生きるためには彼女に血を吸わせてもらうしかなく、だが一方で彼女は生きていくのに必要な物はない。逃げようとした彼女を捕まえ、縛り、監禁した。そうしなければ生きてゆけなかったからだ。2度目の氷河期とも呼ばれた天災の時、かれは運悪く逃げ遅れ、雪崩に飲み込まれたこの村に閉じこめられた。不老不死の少女と共に。そして、現在の関係が成立している。「はぁ・・・」彼は何度目かわからないため息をつき、眠りについた。雪を踏みしめる音で目が覚めた。(なんだ?)そう思い起きあがると、ドアが開かれておりそこには黒い人型の何かがあった。(ロボット?いや、そんな馬鹿な)一瞬よぎった物を否定する。男が困惑しているうちに、その人型の物体は男を無視して教会の地下に歩いていった。「ってぇ、何なんだ!?」慌てて追いかける。謎の物体に命綱をどうにかされてはたまらない。彼は、教会の地下にたどり着くと目的の物をみつけ歩み寄った。少女はおびえた表情でこちらを見て「唖、あなたも血を吸いにきたんですか?」と、いった。「・・・お前が泣き叫んでいる所為でわたしが安眠できない。頼むから静かにしてくれ。」とりあえず、率直に用件だけを言ってみた。「私をここから助けてくれるなら」すると、そう彼女は答えた。「わかった、まかせ・・・」と、言いかけたところで、「だめだ!それを持って行くんじゃない!」と叫ぶ声が聞こえた。振り返ると男が息を荒げて、叫んでいた。「それとはどれのことだ?」何のことだかわからず彼が聞き返すと、「そこの十字架に縛ってあるそれのことだ」そう言って少女を指さす男。彼は無言でしばらく佇んだ後。無言で少女を縛り付けている鎖を切り裂いた。突然ささえる物がなくなり倒れ込む少女を無骨な黒い手が支える。「おい!?聞いてるのか!?」男の叫びを無視して彼は少女を優しく抱き上げ出口に歩いていく。「ひ・・・」男は、彼の無言の圧力に負けるように道をあけ、腰が抜けたかのように座り込んだ、実際抜けているのかもしれない。少女を抱えたまま、教会の外に出て、彼は人型のままふわりと浮かび上がった。ふと腕の中の少女を見ると、疲れが出たのか気を失ったかのように眠っていた。そのまま最寄りの町の近くにある森の中まで飛んでいき、少女を横たえた。「・・・・」無言でたき火をするため枝を探しに行った。たき火のはぜる音で目が覚めるとそこは森の中だった。「え?あれ?・・・」「目が覚めたか。」きょろきょろと辺りを見回す少女に彼が声をかけた。「あ、はい。ありがとうございます。助けていただいて」「気にするな、安眠のために助けただけだ。」「それでも、です。」「・・・感謝するのはお前の勝手だ。」しばらく、無言でたき火を囲む二人。「あの。」「なんだ。」少女はうつむきながら、「わたし、そろそろ行こうと思います。」そう言って立ち上がろうとすると「ちょっと待て。」「え?」予想外の制止に動きを止める。「私もついて行っていいか?」「どうしてですか?」彼は、先ほどの教会でのことを思い出しながら。「なんと言ったらいいのかわからないが・・・興味本位だ、私が眠っている間に代わってしまった世界を見てみたい。だが、私は世間に対して疎い。だから・・・」「わかりました、一緒に行きましょう」迷わず少女は答える。「いいのか?」「一人では心細いと思っていたのでちょうどよかったです。では、自己紹介をしましょう私はエレナ。」「・・・名前は・・・無い。名前を付けられる前に逃げ出してしまったのだ。だから、名無しだ。」「では、名前を付けましょう。あと、変装もその格好では目立ちます。」「姿ならば問題ない」そう言うが早いか体が変形し青年の姿になる。「なら・・・後は名前ですね。何かアイデアはあります?」「・・・・いや、無い。」「そうですね、じゃあ、考えながら歩きましょうか。」そう言って立ち上がり、町に向かって歩き出し、くるりと振り返って。「ほら、早く行きましょう。世界を見て回るのは大変なんですから」
2004.12.24
コメント(0)
全22件 (22件中 1-22件目)
1