北 の 狼

北 の 狼

Jan 30, 2005
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LSD



1996年、フランス・ポルトガル・オランダ、ヨランド・ゾーベルマン監督。

日常の空しさにかられた若い女性ローラが、ドラッグを体験し元ボクサーのエミールに恋をするという物語です。

フランスの大都市の郊外で、人生の意味や目的を失った若い男女たちが「どん底」の生活にあえぎドラッグに逃避しながらも、なんとかその閉塞的な状況から脱出しようとするわけですが、脱出すなわち自由の象徴が、ドラッグを絶つこととボクシングの試合に出て借金を返すことです。
画面は全体的に暗く、状況設定といい『ポンヌフの恋人』を彷彿させるものがあります。もっとも、『ポンヌフの恋人』は最後(結末)でこけましたが。

LSDという題名からも分るように、表現手法は「ドラッグ・カルチャー」(こういうカルチャーが存在するならばの話ですが)的です。
サイケデリックな色彩の意味不明の模様で幕を開け、ドラッグ・パーティへのシーンへと連続します。映像や全編に流れる曲はなかなか官能的で、「トリップ」の雰囲気をよく表現しているのではないかと思います。
女性監督らしく情緒的・感性的な展開で、「ドラッグ・カルチャー」作品にしては厭味や嫌悪を感じさせず、心地よい雰囲気の作品に仕上がっています。
とりわけラストの拳闘シーンは秀逸ですね。

面白いのは、ゾーベルマン監督は、一方で「ドラッグ・カルチャー」を魅力的に描きながら、他方でドラッグに溺れた自堕落な生活からの脱出(=自由の獲得)を根本テーマとしていることです。実際、エミールやローラは、この二つの世界・局面の接点に立ちながらなんとか<自分>を取り戻していくわけですが。


「ドラッグ・カルチャー」作品にしては肩の力を抜いて素直に鑑賞できる、監督のセンスが光っている作品です。





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Last updated  Jan 31, 2005 02:36:44 AM
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北の狼@Wolf @ Re[1]:『マイケル・コリンズ』(01/15) <<トーベのミーさん>> >狼さんは…
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北の狼@Wolf @ Re:まだあきが来ていません(06/05) <<ももにゃきさん>> >から、見な…
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北の狼@Wolf @ Re[1]:『生きてこそ ALIVE』(05/22) <<μ ミューさん>> >わたしもきっと…
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