戸建て住宅の並んでいる道路を歩いていた。
はじめは、気にもならずに「思ったほど被害ないじゃん」って感じで見ていたが、何だか奇妙な違和感に包まれてきた。
正体が分からないまま、しばらく歩いた。
ある住宅では、ベランダに洗い立ての洗濯物が干されている。
生活が営まれていることが確認できた。
本来、街というのは、平行の直線がとても多いものだ。
建物は垂直に建つし、屋根は水平に掛かっている。
ところがである。隣の家との間隔が狭いところがあった。
「はっ」とした。
間隔が上部と下部では、その幅が違っていた。すなわち、どちらかが、あるいは双方が傾いているのだ。
今歩いているこの街は、すべてのものがさまざまな角度をつけて傾斜している。
コレが違和感の正体だった。
看板やブロック塀は傾き、電柱は傾斜している。道路はひび割れ、住宅との新しい段差が出来ている。




以前、傾いた住宅に入るとどうなるかを検証したテレビ番組を思い出した。
室内で生活しようとする人は、船酔いに似た症状を起こしてしまうと言っていたはずだが、ここで生活している人は大丈夫なのだろうかと思った。(つづく)
(鏡水野 龍馬)
感想その他、直接のコメントは、メールでどうぞ。 メールアドレスはこちら