いっ○ゅうさん



 今は昔、京都の安国寺という禅寺にいっ〇ゅうという小坊主がおりました。なかなか賢い頓知の利いた小坊主で、ときに大人達をやり込めることも度々ありました。

 そんなある日、和尚さんのお遣いで檀家さんのお家に行く道すがら、大きな川に差し掛かりました。橋のたもとには墨黒々と
 「このはしわたるべからず」
と書いた立て札がありました。
 「さてどうしたものか」
いっ〇ゅうさんは橋のたもとにどっかと腰を下ろし、暫し黙想しておりましたが、はたと閃きました。
 「そうか!はしを渡っちゃいけないのなら、真ん中を通れ
 ばいいんだd(^-^)」
いっ〇ゅうさんは堂々と橋の真ん中を渡りはじめました。そして半分渡り終えたとき「めりめりっ!ばきっ!」という音とともに、いっ〇ゅうさんは川に落ちてしまい、それきり消息が分からないとのことです。


数刻の後橋のたもとに集まった村の人達は

村人A:「この橋・・・って書家に漢字で書いてもうたら
     よかってんなぁ~(T_T)」

村人B:「ワイらが平仮名しか書けなんだばっかりに(T_T)」

庄屋サン:「この橋ぁ腐ってて危なかったでなぁ・・・お線香
    あげさしてもらいます、南無南無・・・!(T_T)」 

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