「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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第一章~修道士の少年
まず始めに漆黒の闇があった。
やがて暗闇にほころびが生まれ、そのほころびから爆音とともに混沌があふれ出した。
混沌は光と影を生み、光と闇は円舞でも舞うように絡み合い、やがて原初の神々が産声をあげた。太陽神シグと大地母神アンムである。
シグは惜しみなく光を与え、アンムはその光を受けてラピスラズリの様に青く美しく輝くのであった。
虚空を満たすマナス達は陶然としてアンムを讃美した。
しかし突然、虚空の深淵からアンム目がけ、巨大な闇の塊が突進して来た。暗黒神ネビュラである。
闇の中で人知れず生まれた暗黒神ネビュラは光の中で称賛されるアンムが許せなかったのだ。
ネビュラの暗黒の爪がアンムの腹を引き裂き、アンムの燃えたぎる血がネビュラの顔を焼いた。
アンムの死を悼んだシグは、裂けたアンムの遺体から九柱の神を作った。
ラグー(水星)ディーバ(金星)キセロ(地球)ラド(月)サリュー(火星)サグメガル(木星)サグアス(土星)ウィシュヌー(天王星)デジュラ(海王星)である。
アンムの流した熱い血はやがて23柱の更に小さな神となり、今際の際に流した涙は光の帯となってサリューとサグメガルの間を巡っている。
生まれたばかりの幼い九柱の神は、ネビュラの醜悪な姿に恐怖しシグの光の袖に取り付いた。
ネビュラは小さな神フラト(冥王星)を弾き飛ばして逃げ去ろうとした。
闇の彼方に飛ばされそうになったフラトは悲鳴を上げ救いを求めた。それを受け止めたのはウィシュヌーとデジュラだった。フラトは楕円軌道を描いて2柱の神の内と外とを巡る様になった。
怒りにふるえるシグはネビュラに呪縛の鎖を放った。
ネビュラはアンムの燃えたぎる血に焼かれた顔を晒しながらシグの鎖に繋がれ、そのまま飛び去ることも許されず、シグや九柱の神の周りを永遠に回り続けることになった。九柱の神とは逆の方向へ、シグの光も殆ど届かない闇と氷に閉ざされた冥府の辺境を・・・。
==================================
テオ:はい、いいですか皆さん。これが1500~2000年前に水没した
と伝えられている先史文明、大オアンネス島(大アトランティス島)
の海底遺跡で発見された石版「オネアマノ記」に刻まれている天空の
闘いの現代語訳です。
オアンネスという国の名前は「双頭の海神オアン」を最高神として
仰ぐ国家だったからです。
そして、170年前に謎の大爆発とともに消滅をした南オアンネ
ス・・・、これは先の大オアンネスの末裔とされる人達が1000年
程前に興した文明です。5つの島からなる列島ですが、3つが水没し
て現在は島が2つ残っていて、オアンネスの面影を残しているのだそ
うです。
その南オアンネス最大の島があった海底に残っていた金属レリーフ
には「オネアマノ記における天空の神々の戦いは天体衝突による星の
形成を物語っている」と書かれているんですね。私たちが見上げてい
る星々も球体として描かれています。
星には、自ら光り輝く恒星と、恒星の光を反射して輝く惑星、惑星
の周囲を巡る衛星とに別れる・・・、と続いています
そして私たちの星キセロが、ネビュラによって引きずり出された
アンムの心臓だと言われていることについては、「重金属などを含ん
だ高熱の中心核が冷えて固まったもの」という説明がなされていて、
ここまでくると非現実的な夢物語のようにも感じられますが、オアン
ネスの人々は「航空機」やら「天体望遠鏡」なるものを生み出すほど
に科学技術が発達していたので、天空に輝く星も、神々の化身とは見
ずに、土塊やガス状星雲の球体という解釈をしていた、と、伝えられ
ているんです。
さらに、一年中、野菜や穀物の生産量をコントロールして、春に秋
の野菜や果物を食べることも、夏に氷を食べることも可能だったと言
うことですから。これが事実なら驚異的な先進文明がこの世界に存在
していた、ということになりますね。
ただ、僕は思うのですが、自然に対する畏敬の念や、天からの恵み
に感謝することを忘れた文明に明るい未来はない・・・と。
オアンネスの人々が栄耀栄華の頂点で滅びたことは何を物語ってい
るのか・・・、この世界を司る何かが「人よ驕るなかれ」と言ってい
るような気がしますね。これは私達も心して噛みしめるべき教訓では
ないでしょうかね。
リク:先生~!球体だったら山とか海とか滑り落ちてしまうんじゃないです
か?僕ら大丈夫なんですか?
ちょっととぼけた質問をしたリクは19歳、日本人なら「剛」("たけし"とか"つよし")みたいな意味の名前を持ち、大きくて強い体とちょっとシンプルな思考回路、そしておおらかな心の1等修道士で、ラーズの親友でもあります。
テオ:んっ?これはね・・・、まだ「偉大なるアムリア評議会(世界の神官
による最高会議)も認めてないんだけどね、隕石の中に砂鉄を引き寄
せる石があるのは知ってるよね?
それでね、僕は思うんだけど、そんな力が、つまり球体のキセロ
に、山だとか、海だとか、リクや僕を含めた人間をつなぎ止める力が
働いているんじゃないか・・・シグがネビュラを捉えた「呪縛の鎖」
と同じような力がね。まあ、仮に「引力」とでも言っておこうかな?
はい、他に質問は?
テオが周囲を見回を見渡しますが「し~ん」としています。ただ、一人の修道士が質問したそうにもじもじしています。試験の成績はいいのに引っ込み思案で、いても存在感があまりなく、かといっていないと妙に存在感がある少年です。それを見越して・・・。
テオ:他に質問はありませんか~?
と、誘い水をかけますが少年の手はあがらずじまいでした。
と、ここで終業のベル。
テオ導師:はいっ、今日の授業はここまで。じゃあ皆さん、いい週末を!
修道士達:は~い!ありがとうございました~!
この物語の主人公である少年の名前はラーズ、17歳と10ヶ月の1等修道士です。
彼の住むこの国は「イエルカ」という名前で、昔、ここ「イエルカ」は隣国の「エルモ」と併せて「グ・エディン(豊饒の大地)」と呼ばれる地域有数の穀倉地帯でした。
ところが、湖畔の国の「エルモ」は今でも実り豊かな水郷都市なのに、どういう訳か「イエルカ」はここ数十年の間に海岸線が5kmも後退して、降水量も少しずつ減少して、僅かな灌木があるだけの紅砂が舞う国になってしまいました。
ただ、「イエルカ」の地下には古代魔法都市の遺跡があって、遺跡の内部に仕掛けられた何らかの動力によって地下水が汲み上げられており、現在の王府や市街地の上水道の供給や、耕地の潅漑用水に利用され、麦の自給自足くらいは可能にしています。
現在、この国の経済は、2つの大きな産業で支えられています。
1つは市民(職人)達が生み出す、ラピスラズリやカーネリアン、天然ガラス製のネックレス、宝石をちりばめた金銀細工のティアラやバングル、アンクレットなどの宝飾品で、もう1つは「サリエス・セージの人材派遣業」です。
穀物の輸出が出来なくても昔から盛んだった宝飾品の輸出と、他国と比べ、極めて精度が高い気象予報や心霊治療ができる我が国の「神官派遣業務」が絶好調なので、まあまあ豊かな国なのです。
さっき、講義をしていたのは中堅のサリエスであるテオ(30歳)。サリエスとは「賢者」という意味で、気象予報士+風水師+気功師の様な、人によっては整体師や占い師の能力を備えた王様の側近のことですが、手っ取り早いので一応「神官」ということにしておきます。
テオという名前は古代アムリ人の言葉で「正義(の戦士)」という意味だそうです。
でも戦士という意味を含んだ名前からは想像できないほど優しくて、クリアーな声と、穏やかな語り口、温厚・博識・そしてちょっと濃いめだけど甘いマスクは修道士(特に女子)や修道士のお母様方に大人気です。
彼らが通う神官養成学校のことを「ムルア・アシューレ」って言うのですが、皆さんの耳には馴染みませんよね?だからここではアカデミーと呼称することにします。
この知的財産である「サリエスやセージの育成」がこの国の生命線ということで、この国では、国内各地からサリエスがスカウトしてきた12歳の少年少女に、その後9年間に亘って実地演習に基づく教育を施します。
少年・少女達は「クマル(学童・12~14歳)」「シャルマン(3等修道士・15~16歳、2等修道士・17~18歳、1等修道士・19~20歳)」を経て「セージ(識者=神官補)」「サリエス(賢者=神官)」への道を歩んでいくのです。
ラーズは年齢的には2等修道士のはずですが、すでにセージと同等の潜在能力があることをアカデミーから認められ、飛び級によって1等修道士になっています。
そのラーズがリクと一緒に帰宅しようとすると、テオ導師が呼び止めました。
テオ:ラーズ、さっき何か質問したかったんじゃないのか?
ラーズ:あっ、あの・・・。
テオ:遠慮しないで言ってごらん。
ラーズ:あの・・・、オアンネスの人々はどこであのような先進文明を築く
だけの科学技術を得たんですか?
テオ:う~ん・・・、これはあくまで「オネアマノ記」の後半部分に記され
ていることなんだけど・・・、遙か昔に空の彼方から光り輝く「星の
船」がこの世界のどこかに漂着して、さらに小さな船で「双頭の海神
オアン」は大オアンネス島に渡り、従者たちとその地に文明を開い
た・・・。つまり文明をもたらしたのは異世界から来た神・・・とい
うことになるね。
ラーズ:「イエルカ」や周辺の各地に「天から降りてきた人」を意味する
「アムリ」の民が各地の王族やサリエスとして存在していますが、
そのこととオアンについては何か関連があるんでしょうか。
テオ:「イエルカ」に天下った「アムリの神」と「双頭の海神オアン」を関
連付ける文献は見つかっていないのでなんともいえないけど、この地
域に広く伝えられている天降君臨説や洪水伝説と、大オアンネスに文
明をもたらした神の存在と島の沈没との類似性は確かに興味深いもの
があるね。
ラーズ:ありがとうございました。
テオ:結構いいところに目をつけてるじゃないか。
ラーズ:・・・。
テオ:もっと自信持ちなよ。・・・ところで来週のセージ(神官補)昇級試
験、受けるのかい?
ラーズ:(正直、僕には重荷なんだけど・・・。バンディ(元老院議員・
51歳)んとこのダルヒム(20歳・1等修道士)が受けるってい
うしな~。
あんな選民思想の塊みたいなヤツがセージになったらネグリト
(アムリの民ではない蛮族という意味の蔑称・城壁の外に住んでい
る)の人達へのイヤガラセが始まるだろうし・・・今回の採用枠は
一人だけだし・・・、できるかどうか解らないけどヤツの昇級だけ
は阻止したいからな・・・)
はい、一応・・・。
リク:お前なら絶対受かるよ。だって俺がトリダン(3等)2回生の時にク
マル(学童)3回生だったお前が、今じゃ俺と同じエイカー(1等)
なんだからさ!
テオ:う~ん、そうだねぇ・・・狭き門ではあるけどね。普段通りの実力が
発揮できればあるいは・・・ね。ただね、君には・・・、まあいい
や。 試験官はシグル先生だから。合否はともかく頑張るんだよ。
シグル・・・古代アムリ語では「輝く太陽」を意味する名前のサリエス。
かつてネグリトの村で保護されていた出自不明の自分を、差別することなく受け入れ、遊んでくれた優しいお兄さん。
自分の可能性を見いだしてくれた恩人。
今は遠い存在になってしまったけれど、生まれるずっと前から知っていたような気がする人・・・。
かつて、アカデミーの長い廊下の向こうに見えた、天文台で執務中のシグルの横顔に、背中に電流が走った様な感激を覚えた日のこと・・・、自分はずっと昔にもこの人を見ている。自分はこの人の力になるために生まれて来たんじゃないか・・・。
そんな思いが「元老院」のおエライさんの偏見に満ちた圧力や、バカ息子達の陰湿なイジメにも耐え抜く力をくれたのです。
ラーズ:はいっ!頑張ります!
帰宅したラーズに、ネグリトの養母から危急を知らせる手紙(木皮紙)が着きました。
ラーズ:一体なんの用だろう・・・?
ラーズははやる気持ちを押さえきれずに封を切りました。
つづく
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