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大胆不敵 なラブ爺でしたが、意外に細かい事にこだわることもありました。
何故か、彼は生涯に一度も 納戸
に入った事はないのです。
ドアが閉まっていたからではありません。
ドアはむしろ、いつでも開けっ放しでした。
だから、入ろうと思えばいつでも入れましたし、爺様好みのイタズラの対象になりそうな
ものも、たくさんありました。
でも、入らなかったのです。
我が家の納戸は二階の隅っこにあり、逆L字型の4畳半程度の狭いスペースです。
窓は一か所にしかないので、奥の方は電気をつけないと暗くて見えない。
ちょっと不気味と言えば不気味です。
爺様を飼い始めた当初の私の計画では、爺様が入って良いスペースは、限られたものに
するつもりでした。
例えば、和室や台所には入らない、というふうに。
そこで、その防衛策として、入って欲しくないところには 網
を置いておいたのです。
ええ、バーベキュー網みたいなヤツです。
納戸の前にも、小さな網を置いておきました。
踏んだ感触が嫌なのか、そんなもの一枚でしばらくは、爺様の居場所は限られたものでした。
しかし間もなく、 網は恐れるには足らず
、と言う事を学びとった爺様は(詳しくは
爺様の本を見てね)台所でもどこでも、勝手に入って行きました。
その名残だったのか、それとも違う理由だったのか、それはわかりません。
腰巾着
のように、常に私の後をついて回っていた爺様ですが、私が納戸に入ってしまうと
そのドアの前でピタリと止まって、絶対に入ろうとはしませんでした。
爺様の目には、何かコワイものか、座敷わらしでも映っていたんでしょうか。
今もって謎です。
ちなみにヘタレのきいちゃんは、平気で私について納戸に入り込んできます。一人で勝手には入りませんが、特に避けてもいない様子。
ヘタレには怖くなくて、妖怪老犬が好まなかったもの。それって、何だったのかしらん。

そういう事なのかなあ。