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はるのひ1918さん1.秋の音信
10月の半ば頃に、季節の音信があった。わたしが今一番信頼を置いている御仁からの旅へのお誘いだった。場所は、伊勢・鳥羽・松阪。深秋の紅葉に彩られた伊勢神宮を思い浮かべた。伊勢神宮には、社会人になりたての頃に一度立ち寄ったきりで、ここ20数年とんとご無沙汰している。いつか、しっかりとお参りしたいと思っていたところだった。しかも、今回の案内役は気鋭の建築家との事。こちらもすっかりご無沙汰しているが、若き日々、建築科に在籍したわたしにとって、格好の機会のように思われた。
旅の計画は、わたしの中で密かに、しかし着実に育って行った。ハローウィンを前にして決行が定まった。そして、あれやこれや旅の準備が進んでいったのである。わたしの生れは徳島、育ちは岡山、学生時代は京都である。伊勢を皮切りに持って来て、それらすべてを踏破しようと企てた。幸運にも、わたしの住む街から京阪神への夜行高速バスが運行されている。出費を抑えるのに、それは丁度良い手段に思われた。
計画はこうである。先ず、東京-京都間の往復切符を予約購入した。初日は京都を経て近鉄京伊線で伊勢に向かう。現地で合流して1泊2日の研修旅行に充てる。解散後、再び京都を経由して岡山へ帰る。2泊ほどの余裕を持たせて、両親、姉、姪、友人等と交流する。帰路に徳島へ渡り、四国八十八箇所巡りの切っ先を付け、神戸を経由して京都へ赴く。旧友との親睦を深めた後、復路のバスに乗り込む。
以上が、旅の前にわたしの頭にあったシナリオである。しかし、この計画はものの見事に変更を余儀なくされた。岡山の友人には会う時間が無くなった。一方で、生れ故郷の両親の里、阿波池田に立ち寄ることになった。しかしそのお陰で、四国巡礼の切っ先は適役のガイドに恵まれ幸先の良いものになった。帰路、神戸は素通りして、京都では新しい友人に出遭い、旧友と杯を交わして、予定通りのバスに飛び乗ることが出来た。
◇ ◇ ◇
ざっと今回の旅のあらましを、<現・夢>含めて書き落としました。これから数日に渡って、道行きの姿を詳細に、また所々端折ったりしながら書いていきます。旅の写真などを織り交ぜながら、面白楽しく綴っていこうと思います。未だ、前口上なのですが、みなさんどうぞよろしくお願いいたします。どうぞ楽しんでいってくださいませ。月末までには仕上げたいと思っています。下の写真は、旅立ち前日のわが街からの西の風景です。

この朝には、待ちわびた旅の行く先にどんなことが起こるのか、皆目見等も付かないままに、憧れの眼差しで西に広がる空を、ただ眺めていました。山の向こうのあまたには何があるのか・・・、人はいつも憧れるものです。わたしはそんな眼差しを持ったままに、旅へと突入して行きました。そして、めくるめく出来事に出遭い続けたのです。旅は人生のメタファーです。人は旅に出る度に、新たな自分、新たな視点を得て、起点に辿り着きます。
『ふと思った時から旅へ』・・・これが、わたしのキャッチフレーズ。
今回の旅も、やはりそのような旅でありました。(つづく)