韓国の龍の日記

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2013年05月23日

チューリップを文学的に読み解く、その100「置いてきた日々」

(4)

カテゴリ：チューリップ

置いてきた日々　　財津和夫作詞・作曲、メインボーカル

日暮れる街並みよ
僕の住むこの町

何一つ変わらず
きょうもまた終わるよ

そうさ、Round Round Round Round
Round Round Round Round
風車のように僕はただ回る

子供の頃には

あの頃の思い出は
何もかも忘れた

（後略）

前曲の「二人の道」から地続きで始まる曲。
四拍子にシンコペーションでベースが三つの音を刻む小気味よい曲。
美しいメロディ、財津さんのやわらかい歌唱、
12弦ギターの美しい高音。
僕の最も好きな曲の一つ。

置いてきた日々とは何だろう？
たぶん、時の流れに置いてきた過去だろう。

この「僕」はずっと生まれた町を離れることなくそこで
大きくなったんだろう。

外の広い世界を知らぬまま、きょうも昨日と同じように
終わる。

同じところをぐるぐる回っているだけ。

大人になると、時の流れが早い。
ここに歌われているように、何をしたわけでもなく、
何かを変革できたわけでもなく、大した仕事をしたわけでもなく
一日が終わる。

厳しい経済環境の中で、僕らサラリーマンも「変化がなければ
それは後退と一緒」などと上層部からはっぱをかけられる。
だけど何も変わらず一日が終わる。

なんともいえぬ停滞感。

でもそれが美しい、透明感のあるサウンドに乗ると、
目の前に夕暮れの景色が広がるから、音楽の力はすごいと思う。

そういえば小椋佳の歌に「スタンド・スティル」というのがある。
これも「停滞」。

歌詞のさわりを紹介すると、

トロピカルフィッシュの泡音の
絶え間ない繰り返しの中で
生き残る時間

同じティーバックが垂れている
紙コップにぬる湯注いで
薄くする時間

君といられることを誰に感謝しようか？

う～ん、この歌詞は解釈が難しい。
「君といられることを誰に感謝しようか？」という
くらいだから、
君と一緒にいる時間なのに、会話も行き詰っていて
聞こえるのは熱帯魚のいる水槽のブクブクいう泡音だけ
だということだろうか。

君と僕との停滞感。そういうことなのかな。

この曲の結末の歌詞は、
「君といられたことを誰に感謝しようか？」だ。

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最終更新日 2013年05月24日 00時53分08秒
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■コメント

Re:チューリップを文学的に読み解く、その100「置いてきた日々」(05/23)

韓国の達人！(素浪人）さん

こんにちは
歌っていいですね。
いつも自分に置き換えて考える私！ (2013年05月26日 15時04分45秒)

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Re[1]:チューリップを文学的に読み解く、その100「置いてきた日々」(05/23)

韓国の龍さん

韓国の達人！(素浪人）さん
お、今、停滞している彼女がいます？
(2013年05月27日 00時46分28秒)

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Re:チューリップを文学的に読み解く、その100「置いてきた日々」(05/23)

なつみかんさん

好きなうちの一曲です。緩やかな曲調と共に、小さな頃を懐かしむ、そして今の自分はどうなんだろうといったことを考えていますというようなふうに捉えています。大人になると、いろんな欲が出て、それで上手くいかないこと、もっと求めてしまうことってたくさんあって、純粋な気持ちって薄れていってしまうなと思います．こういう子供の頃の自分を見つめ直して生きていたいものだなと思います。 (2024年07月28日 16時33分00秒)

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Re[1]:チューリップを文学的に読み解く、その100「置いてきた日々」(05/23)

韓国の龍さん

なつみかんさんへ
コメントありがとうございます。
私がこの曲と同じように好きなのは、悲しみに挨拶を　です。
なんでかなあと思って改めて聴いてみたら、
僕の家の空にいつもポツンと浮かぶちぎれ雲
という詞が、round， roundと通じる気がするからでした。
この曲も私が最も好きな曲の一つで、なぜかチューリップには甲乙
つけ難く好きな曲がたくさんあるんです。 (2024年09月21日 21時17分14秒)

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