グリーンマックスカタログvol.7(1986)には,船のあるNゲージレイアウトとして,以下のような例が挙げられています。 「① 外国航路の白い客船の停泊している岸壁,「ボートトレイン」の着く臨港線の背後の丘上には洋館と外人墓地。云う迄もなく,横浜や神戸をモチーフにした港町のレイアウトです。対岸はコンビナートや造船所のメカニカルなストラクチュアが並び,両者を結びつけるレイアウト中央の高いトラス鉄橋が大型客船のマスト上をひとまたぎしています。貴方なら複線エンドレスの上で京浜急行をビュンビュン飛ばしますか? それとも銀色のタキの行列をゾロゾロ走らせましょうか―。 ② ひなびた漁村を巡る田舎電車のレイアウト。銚子電鉄や江の電クラスの小型電車をのんびり走らせる為のものです。レイアウト全体が手前の海面,中段の漁村のある平地,背後の山地と3段階に階段状になっているのがミソで,単純な線路配置でも風景,高低差の変化によって飽きのこない運転が楽しめます。視覚的にどうしても不自然になる急カーブ,上りこう配の部分はトンネルでスッポリかくしておきました。漁村の背後の山の上に寺院や祠があるのは良く見るパターンで,航海の安全を祈ったり,近海で起きた海難事故の慰霊の為に建てられたものだと思います。さびついたイカリや昔の軍艦の大砲が奉納されて境内に置いてあったりして,おもわず難しい漢字の碑文を必死に読んでいたりするのです。 ③ 鉄道連絡船の出る北国の終着駅。大半が海底トンネルにかくれた本線エンドレスはほんの付け足しで,運転の主眼は云うまでもなく可動桟橋と連絡船,手前のヤードを使った貨車の入換にあります。9600が独特の控車を長くつなげて(重い機関車は直接船内に入れないのでこうする。)桟橋の上を行ったり来たりする様は忘れられません。山上には北方をにらむ自衛隊レーダーサイトの白いドーム。ふもとの街はロシヤ正教会のネギ坊主型尖塔が目立つ異国情緒あふれる北国の町です。」