きょうが一番いい日。わたしの一生の中の、大事な一日だから。

きょうが一番いい日。わたしの一生の中の、大事な一日だから。

2005年11月30日
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講演当日。
私は今日の講演、正直、とてもとても怖かった。なぜか。
一つ目は、今までは聴きたい人が来る講演だった。
しかし今回は「強制的に」「聴かされるひと」が相手だということ。
二つ目は、周囲の教師から「今年の1年生はコミュニケーションがとれない」、
とても幼いという事を、たくさん聞かされていたから。
そして三つ目は、地元の、しかも不特定多数の生徒に話すという怖さ。
 そんな中で迎えた当日の講演。

 今回の講演。1年生の人権学習、「差別について」だったのだが、

性同一性障害の事は伏せて紹介をしてもらうことになっていた。
私もはじめて、勇気を出して、こんな大勢の人の前で化粧もし、レディースの服を着た。
それ自体が、今回乗り越えなければならない課題でもあった。

 14時25分。6限目が始まる。
担当の教師から、この高校の卒業生で「性的少数者」の差別に関する活動をしているということを紹介して頂き、
当時、美術部で全国大会にいった油絵を紹介してもらった。

 そして、いよいよ在校生が座っている前にある、壇上に。
緊張は薄れていた。懐かしい制服。懐かしい体育館が広がる。

 私は軽く挨拶をし、私の高校時代の思い出を話し始める。
神妙な面持ちで見つめる生徒たち。どう映っているのだろう。女性として映っているのだろうか。

 話の流れはいよいよ核心に迫る。「制服」の話から。。。

 変わらず今も二つありますが、私が当時着ていたのは、あちらの女子の制服、、、ではなく、、
 こちらの「男子」の制服。。。でした。」
只ただ、ジッと見つめる生徒たちの顔。
反応が、何も分からない。。。怖かった。
今までの講演は教職員や、ご年配の方が多かった。

だが、掴めない。皆、ジッとこっちを見てるだけ。
とにかく自分のペースで、いこうと腹を括り、
最初は自分の経験から話していった。
話しているうちに、辛い経験の事を思い出したり、
母校のこの校舎で私は憂鬱な毎日を過ごしていたんだ、と頭をよぎり、
声は震え、もうガタガタだった。
でも、どうしても泣きたくなかった。
終わった後、先生から
「泣いて良かったんですよ。生徒にはその方が伝わるのだから。」と言って頂き、
我慢しなくて良かったのかぁ、とも思ったが(笑)
でも、私の流れでは後に差別の実態の話しや統計、
客観的に伝えなきゃならない事があったので泣きたくなかった。
それに、誰でも共有出来る、例えば誰かを失った悲しみなどとは違って、
性同一性障害の苦しみは、なかなか共感し難いと思った。
聞いてる方からすると、独りよがりにしかならない気がした。
だから、泣くのは容易いけれど、堪える方を私は選んだ。
どうにかガタガタながら持ちこたえて、自殺の実態や、GIDの現状へ移った。

 そして、何より今までと、今回の講演の大きな違い。
土肥さんと出逢う前までの私は、「性的少数者への差別」を高々と掲げ、
「かわいそうな人たち」のように内に内に引きこもっていたように思う。
しかし、土肥さんと出逢い、直接話す事で、私の気持ちは変わっていった。
27日の土肥さんの講演の後から、前日まで、私は在校生に何を伝えるのが一番良いのか、考えに考えた。
あの子たちに、1年生の将来にとって大切な事は何なのか。伝えるべきことは何なのか。
目先の事を考えれば、「性的少数者はこんなひどい目に遭っている」と声高に叫べば、簡単に伝わりやすいだろう。
しかし、、、それが、あの子たちの将来を考えた時に、本当に大切なことなのか。
伝えるべき事は、そうじゃないのではないか。「性的少数者」と守りに入るのではなく、
「性の多様性」を教える事で、外に外に向かっていくことではないのか。
私は今回、後者をとったのだ。

 ホワイトボードに、「性的指向」の図を書いた。
「同性愛」「異性愛」「両性愛」「アセクシュアル」など。
そして、「異性愛」は当たり前なのではなく、こんなにたくさんある「性」の中のただ一つでしかないのだと伝えた。
そして「当たり前」とされている事が、どんなに「当たり前ではないか」。
逆に、「当たり前ではない」と思っていたことが、どんなに「当たり前」かを。
それを踏まえて、「メディアは権力によって、簡単に事実をねじ曲げて報道する」事実。
「メディアの恐さと、メディアに流されないで真実を見抜く目を養う大切さ」を訴えた。

 チャイムは既に鳴り、私の講演時間は終わっていた。
だが、私は生徒にひと言詫び、話を続行させてもらった。

今回の演題。
私は「雨の向日葵」としていた。
最後にどうしても伝えたかった。伝えなければならない気がした。
この頃には、生徒も集中力がきれたようで、あくびをしている生徒、だるそうにしている生徒など、
私的にもテンションが下がり気味だった。男子は俯いたままだ。
が、どうしても此処だけは伝えようと、どうにか気持ちを持ちこたえて、
とにかく「伝えたい!」「伝わって欲しい!」の一心で、演題に託した想いを話した。

『最後に、今回の演題を「雨の向日葵」とした理由を話して、終わりにしたいと思います。少し季節外れの演題かと思われたかもしれませんが、こんな想いが込められていたんです。皆さんも知っているかと思いますが、「向日葵」は、漢字の如く、日「太陽」に向かって咲きます。でも、雨の日の向日葵は、(こんな風に)下を向いて咲くそうです。でもその時に、向日葵はただうつむいているだけなのでは無くて、地面にポツリ、ポツリ、種を落としているそうです。そしてその種が、また次の年には新しい花を咲かせるそうです。

 私も今日。この母校で「私は此処にいるよ」と声を上げました。そしてあなた達に、小さな種をぽつり、ぽつりと落としました。でも、いくら私ひとりが何十回、何百回話をしたところで、ちっぽけな私だけでは「世間」を変えることなど出来ません。社会には、そして宮崎県にも、まだ声を上げられずに苦しんでいる当事者がたくさんいます。どうか、友達でも、ご家族でも、身近な人に今日の話しをしてみてください。そうして、小さな種が広がっていくといいなぁ、と思います。

 私が今まで、この話しを一番したかったのは大人でも、先生でもなく、あなたたちでした。これからの社会や世間の差別を無くせる人。それは、どんなに偉いと言われている有名人や大人でもありません。若いあなたたち、ひとり、ひとりなんです。あなたたちの代から差別は消せます。今日、私が落とした小さな小さな種が、いつの日か。太陽に向かって咲く向日葵のように、誰もが世間に胸を張って、堂々と生きられる社会が来ると信じています。もう一度言います。この先の未来を変えられるのは、あなたです。私も女性として堂々と生きる為に頑張ります。』

 そして教師と在校生にお礼を言い、深々と頭を下げた。
そして終わった、、、終わったのだ。。。終わって一同礼をした瞬間、
私は「あぁ・・・!!伝えられなかったぁ・・・」と思いきり落胆した。
落胆して、その場から立ち去ろうと顔を上げた瞬間!!
何十人もの女子生徒が駆け寄って来たのだ!!
口々に、「良かったです!」「感動しました!」「もっと聞きたかったです!!」などなど、
目を輝かせて、笑顔で話しかけてきてくれた。
次の学年が体育館を待っているらしく、教師たちは「早く出なさい!」と叫んでいた。
それでも、歩く度に次々と、生徒たちが駆け寄って来ては笑顔でやさしい言葉をかけて、私を囲んだ。
本当に嬉しくて、ありがたくて、嬉し泣きしそうだった。そして驚きだった。
無表情に見えた、その耳には、ちゃんと伝わっていたのだ!!

 どうにか体育館を出て、担当の教師と部屋に戻ったが、
その後も私が廊下などを、担当の教師と歩く度にすれ違う1年生が、
やさしい目で声をかけてくれた!!
私は、怖かったのに。嫌な目で見られるのではないかと、終わるまで怯えていたのに、
全く想像もしていなかった展開に、驚きと夢でも見ているようだった。
そして、下を向いてばかりいた男子生徒までもが、
私と廊下ですれ違う度に、「こんにちは!!」と、満面の笑顔で挨拶してくれて。
本当に嬉しかった!!感謝で一杯だった。
やっと、大嫌いだった母校にケリをつけ、最後の活動にも区切りをつけることが出来たのだ。

 本気で伝えたいと思ったことは、伝わるものなのかもしれない。
 しかも十代という、本当に若いエネルギーには。。。

教師や、昔の部室などに行き、話したりしながら、
結局19時頃になっていた。

 辺りは既に暗くなっていた。
それでも、まだ部活などで残っていた1年生が、
私が帰るのを見かけて、駆け寄ってきてくれて声をかけてくれた。

 本当に、本当に「ありがとう」でいっぱいの時間だった。
ありがとう。

心から、在校生に感謝を込めて、、、。

  by kotonoha*





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最終更新日  2005年12月04日 10時52分14秒
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(;д;)  
頑張ったなぁ・・・みっちゃんは上を向く向日葵ですな(^^)
一歩一歩順調に進んでいて凄いと思う。

俺を含め理解できる人は多いぞ(^^)

そして学生は話聞くの面倒なやつもいるからな、寝たりしてんのもいるさ(苦笑)
でもちゃんと駆け寄ってきてくれた人達、伝わる人達がいたってことは素晴らしい!!!
少しでも伝わったというのは大きな成果だと思う。
伝わったってことは、その人達の人生に刻まれたってことだよ(^^)

あぁ~俺も文章見て涙出た!!!
すげェぞみっちゃん!!!!! (2005年12月04日 11時45分18秒)

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