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初釜や歌舞伎、文楽の初春公演が終わり、大阪の街から着物姿が消える二月。私が通う着付け流派の、新講師へのお免状伝達式が行われます。教室を構えるには一向、至らぬジプシー師範の私ですので、伝達式には無縁ですが兼ねて行われる新年会には、毎年、参加しています。ドレスコードは、準礼装。もちろん、着物で。第一礼装:女性ならば色留め袖、黒留め袖(五つ紋)。未婚女子は振り袖。 男性は、黒紋付きの羽織・仙台平袴。準礼装 :女性ならば三つ紋以下の黒留め袖、訪問着、付下げ、 紋付き色無地(当然ですが、慶事用地紋)、未婚女子は振り袖。男性は、羽織・袴。※ 但し、礼法に則ったドレスコード。盛装は、「会の趣旨に合わせて」もっと自由です。 って、ことで、新年会にお集まりの面々は、痩せても枯れても弟子無しでも着付け講師。一堂に会する約150名が、訪問着、振り袖、訪問着......、羽織袴(一名)。今まさに咲きほころぶ花のかんばせから、山の賑わえっと、えっと、成熟の御姿まで、もうそりゃ、着物好きには垂涎です。形は皆同じはずなのに、百人百様、色もとりどり彩もそれぞれ。同じ物は、一つとしてありません。だけど着物姿って、生活が垣間見える気がするのは、なぜ? 誂えてもらっていた訪問着が派手になった(笑)ので、清水の舞台からダイブした一張羅。 久保耕の訪問着。灰青の地色に華紋唐草。久保耕は能衣装や小袖からとった古典的意匠が特徴で、手描きならではの緻密な柄行きに、我が着物ながら、見惚れてしまいます。(着物に見惚れる着物姿に見惚れる) 「宮内庁御用達」川島織物の袋帯。師匠がファンで、私も一本は欲しかった...。小物も着物も色を選ばず使いやすく、何といっても締めやすい。着物雀達の噂に違わず。次は、名古屋帯で楽しいのを一本。.............. 、ヾ(-∀-)手持ちも尽きたし、来年の新年会は、おばあちゃんの付下げと長尺帯で遊んでみよっと。 @ホテルグランヴィア大阪の宴会料理メインの写真がないっ!牛グリルとマデラ酒ソース?withグラタン・グーフィノワかな。過去4回は、はまるメニュー構成だったのに、この日は、「重複」だった。前菜がムースなのに、スープも豆乳のくず固め風だったり、緑のアクセントが、グリーンアスパラばかりだったり(前菜、お魚、お肉と実に三皿)。ホテルの宴会コースで、それって......。
2009年03月17日
お正月が居残る1月の3連休、大阪・難波(なんば)界隈、今宮戎神社は「えべっさん(十日戎)」で大賑わい。お正月から始まる神事は、10日本戎に宝恵駕籠(ほえかご)行列で最高潮を迎えます。元々は、南地(道頓堀周辺の花街)の綺麗どころが、参拝時に妍を競ったのが始まりとか。今や芸妓さんも少なくて、蓮台に乗るのは、折しも初春公演真っ最中、歌舞伎役者や文楽人形と人形遣い、ミス商店街に時の人。「ほえかご、ほえかご、ほ~えかご」の掛け声も艶やかに、「打~ちましょ」で始まる、伸びやかな大阪締めの発声も、行列時のあちこちで聞かれます。この行列の道筋・通称ミナミの繁華街は、今宮戎神社の参道だったんですね。道頓堀川にかかる橋(グリコの看板を眺める橋)は、だから、その名も「戎橋」。別名「ひっかけ橋」(ナンパやキャッチがウロウロ)では、不敬もいいところ。 今では、南海なんば駅から神社に至る道を参道として、屋台が建ち並びます。神社間近は縁起物を商う屋台がひしめき、真っ赤な張り幕、金色の縁起物で、夜陰は、金と赤の目出度色に染め上げられます。 関西最強の花嫁道具、「福娘」(写真は2008年の方)。 千早(白い被布)の美姿のために、文庫結びの研究に余念がないとは、先輩師匠の弁。狭い境内で最も人が行き交うのは、縁起物の授与所。居並ぶ福娘、えびす娘に、縁起物を付けてもらおうと押すな押すなの人だかり。笹に触り続けて指が切れるのか、可哀想に、福娘さんの指は絆創膏だらけです。パンデミック大不況の今年だからこそ、真摯に祈願して、縁起物を授けてくれたことでしょう。 さて、「(自称)着付師」を表稼業で張っているくり乃々は、成人式の着付けと重なって、大抵は、お参りも宝恵駕籠行列も行けたことがありません。毎年毎年毎年、稽古不足の不安から、年末年始は遊んでも家事しても何をしてても落ち着かない、残ったままの宿題の重圧に脅えながら、だらける子供と一緒です。じゃ、稽古に励めよって話なんですが、それが出来てりゃ、今頃は。今年も、本戎の日が最終駆け込み稽古で、11日は朝から晩まで、着物をチェックしながら針仕事。これが大変。予約を受けた美容室が、チェックリストを渡しても忘れ物はアタリマエ。(帯を忘れたのは、さすがに。シンジラレナイ笑)着物を着るご当人はモチロン、すでにお母様方さえ、着物のことはご存知ありません。かく言う私も着付けを習うまでは、何もかも母がしてくれてアタリマエ、そんな世代が母親で、「おばあちゃんやなかったら、解りません」もアタリマエ。「風呂敷」もご存知ない、は、さすがに引っ繰り返りましたけど。 12日成人式当日は、早朝5時から着付けスタート。お母様やお祖母様とお選びになったという着物は、柄を見ればすぐ解ります。どうやら着付師の諸先生方の軍配は、私も含めて、古典柄お嬢様チックに上がりがち。イマドキは、ポヤポヤ頭にネイルはズッシリ、つけまつげもバッサバサ。おまけにレース流行りで、レースの重ね衿・帯揚げ、袖からもレースがこぼれ出て、正直、苦笑いしきりなんですが、これがまた着付けてみると、ヘア・メイクと相俟って可愛らしいったら。個人的趣味はともあれ、女の数だけある着物姿に、道楽者は惚れ惚れします。初めて着物を着たら、これからもまた着たい触りたい、着物好きが増えるといいなぁ。それが本懐、他所さんのお宝さんの帯締めて、心を込めて飾りましょ。 今年の成人式用に、新たに教わった帯結び。 お稽古専用で、小物も着物も有り物ですが、こんな風に着つけます。女性の皆様、年齢問わず「振袖秘密クラブ/Ver.オフ会」なんてのは、どぉお?着付けは、くり乃々が責任を持って格安で承ります(笑)
2009年01月16日
歌舞伎に比べて、比較的、地味というか庶民的というか話題に上ることも少ない文楽ですが、恒例1月3日より始まる初春興業は、お正月らしい華やかさに彩どられています。館内ロビーのそちこちには、紅白の餅花が飾られ、舞台上部には、張りぼての大きなにらみ鯛が1対飾られています。「商売繁盛、笹もってこい」の掛け声で有名な、十日戎も間近い頃ですから風物詩「宝恵かご」(ほえかご)も飾られています。 芸者さんが、派手に飾った駕篭に乗って参拝し、景気よさを競ったもの。太夫さんか人形遣いさんが、乗って参拝を飾るのでしょう。初日3日には、鏡開きで枡酒の振る舞いや小正月までは舞台からの「餅まき」もあります。 文楽モチーフの手ぬぐいに、飴がいくつか包んであります。 今年は、ゲットしたら写真に撮ろうと欲を出したせいか、もらい損ないました。また、私が行った日が(4日)まだ、お正月休みだったせいか、観客も普段に比べ着物姿の方が多く、楽しく目の保養をさせて頂きました。日頃から着てらっしゃるとおぼしき、着こなし上手な方。ここぞ、と張り切ってお召しになった方。男性も「お対」を着こなしておられる方が、ちらほらいらっしゃって 着物、羽織のアンサンブル、街着としては紬が多いようです。そのしゃっきりとしたお姿は、なかなか見栄えするものです。20代半ばと見えるカップルは、女の子は小紋男の子は紬のお対と二人で決めて、とても可愛らしい様子でした。きっと女の子が着付けを習いだし、男の子にも着せたのでしょう。文楽その物も、楽しんでいるようでした。さて、私ですが「初春」ということなので、一応、柔らか物紅型風の手引き友禅染めの小紋を着てみました。一目ぼれした反物ですが、手持ちの帯と合わず購入を随分迷いました。まあ結局、B反だからお買い得という売り言葉通りにはならなかった、というよくあるオチです。兎柄の帯が欲しくて欲しくて、衝動買いに近い織の袋帯です。中国製の機械織ですが、いかにも機械でジャガジャガ織りましたというドットの粗い(笑)親子兎です。「月に兎」とくれば、お月見と限られるのですが、満月ではなく三日月なので、良しとして気にしません。帯揚げ、帯締めは山吹色を合わせる積りだったのに気が付いたら紺色を締めていて、着物の色が沈んだようです。淡い桜色なんてのも、如何でしょうか?いいんじゃないというご意見あらば、速攻、買いに行きます。おいおい・・・・・・。
2007年01月18日
1月8日は、全国的に成人式。お免状取得以来、私のお師匠が契約している美容院チェーンで、振袖娘製造ロボットと化します。まず、6日が初稽古。生徒と先生の二役だったので一日中でした。7日に、下着から着物一式全てを持参してもらいチェックがてら、手早く着付けが出来るよう縫い止めたりの作業を、これまた一日中しています。当日は、今年は6時から予約が入っていたため4時起きして、お店に向かいました。9時半には終了しますが、その後、ある地方の会場に駆けつけ着崩れなおしのボランティアをします。終了後は逆剥け、切り傷、腰痛、筋肉痛と正直、体力仕事の世界です。それでも、一人でも多くの女の子が、親の心尽くしに感謝し、また着物に袖を通したいと思ってくれるようにと、願いを込めて、拙い技術を駆使します。集客人数にもよるのでしょうが、今年は嬉しい事に、お母さんやおばさんの着物を借りたと、いう女の子が3割ほどいて、なんだか、懐かしいような柄の着物を見ることが出来ました。個性的だからと、喜んで着る女の子。お母さんにむりやり、あてがわれた女の子。あるんだから、これでもいいやと着る女の子。「自分が見立てた着物を、孫娘が着るなんて、おばあちゃん、喜びはったでしょ?」と聞くと、文句を言ってた子も皆、素直にうなずきます。着物は、本来一生もの。私が作ってもらった頃は、一財産だったと思います。ちょうど時世も華美でしたが、晴れ着といえば生地も加工も手が込み、国産品ばかりで高品質なものが当たり前でした。世代にまたがって、充分に着用に耐えうる、また着物とは、そういう風に拵える物だったのだと思います。大事にされ、次の出番を待っていた着物冥利につきる振袖の目にも豪華で、しっとりと手に体にまつわる上等な絹の感触は、着付ける側の私にとっても、快楽的で冥利につきる一時です。新成人のお嬢様の写真でなくて、申し訳ありません。クリスマスの頃、私が京都嵐山「嵐峡館」に泊まったときの着物です。 鏡なしで着たにしても、背中のしわが気になります・・・衣紋の抜き方も足りません・・・・・着物 上代紬(西陣織の紬)蚊絣に牡丹だか椿だか、私の気分と季節によって変わる花模様。学生時分に作ってもらった着物なので、可愛らしくならないよう今では、取り合わせに気を使います・・・。帯は綿の半幅帯。古裂風のパッチワークと縞模様のリバーシブル。羽織は、絞りのお花をちらした模様。流行にあわせて、丈を長く仕立ててます。
2007年01月12日
大阪では、京都を数に入れても歌舞伎公演が少なく、初春、襲名披露など御目出度い、華やかな興業に限られてきます。まあ、座る席が席ですので、訪問着などの盛装まではしませんが、 大向こう。通じゃありません、安いからです。気分、華やか目に染物(柔らか物)なんぞ着たりします。文楽に行く時には、初春興業以外、もっと気軽に織物(紬)なんぞ着て半幅帯を締め、襟の抜きを少なくして男性ぽい襟合わせをしてみたり、色足袋を履いてみたり、髪型も三つ編みをねじってみたりと私の中では、ちょっとだけ遊んでみます。でもこの日は、雨の予報が出てましたので、ポリエステルの染物風です。梅に折り鶴と、柄が新春ぽくて11月には早かったのですが、袷の洗える着物はこれ一着なので、仕方ありません。自分で選んで、わざわざ仕立ててもらった着物ですが失敗しました。ポリエステルは寒いので、冬の柄だと着るに着られません。季節を選ばない縞や格子の、幾何学模様にするべきでした。着物:チャコールグレイのポリエステル小紋。 ちょっとレトロな雰囲気で柄としては、気に入ってます。帯 :なんていうんだろう、くすんだ桜色?の塩瀬(染め帯)の名古屋帯 紅型風友禅で、沖縄の物ではないので、お安かったんです。羽織:若草色地に薄紫のぼかしが入った総しぼり。 リサイクル市で、衝動買いしてしまった。しつけもついたままの可哀相なコでした。襦袢もポリエステルのうそつき(二部式で裾と、袖以外は木綿なので家で洗える)と、少々の雨ならへっちゃらさ、くらいにはお気軽な取り合わせですが、着物は、やっぱり天然素材が、私にはいいようです。ポリエステルはなんだか体に添わず、やっぱり、あの絹を纏う肌触りのよさは、ちょっとね、日向ぼっこでご機嫌さんの、猫の気分。
2006年12月15日
着物パスポートは、ニュースで取り上げらたこともあるので、男性でもご存知でしょうか?それを持って京都を着物で訪れると、入館、拝観料は勿論のこと、協賛のお店の割引を受けられというもの。一部の呉服屋、レンタル衣装屋では着付けは勿論着崩れも直してくれます。期間は、施設によりけりですが、原則として12月25日迄ですし男性の着物姿も勿論対象になりますので、今年のクリスマスは着物で京都、なんてデートも粋でカッコいいではありませんか?実は、くり乃々ことワタクシ、裏では某団体の事務員をしておりますが表稼業は、着物着付士、着付講師をしております。 あ?裏表逆?今回の京都行きについては、早くから着物を着ていく約束を母としておりました。ていうか、おごっちゃるから着物着させろ、ですね。母の着物藍大島、しじら織の名古屋帯、帯揚げは辛子色の綸子、辛子色の変わり組の帯締め。藍大島は母の母親(私のおばあちゃん)から頂いたものです。私はまだ着た事がありませんが、すべらかで軽い大島特有の手触りです。私の着物綸子に柿の実模様の小紋、伯母から頂いた織の帯紅葉に敬意を表して、朱色の帯揚げ、朱色の変わり組の帯締め。 もみじは紅く染まっていませんでしたが・・。綸子は外歩きには向かない生地だとは思いますが、季節を選ぶので今しか着られないという、シビアな理由とカジュアルな柄であること、とこの2点で自分を納得させポップな柄の帯と合わせて出かけました。着用がこの季節に集中するという割には、この柿の実は春になると、スモモに変身するんですが。 まあ、スモモだと初夏までは大丈夫かな、と。着物は母から、帯は伯母からのお下がりです。この日は平日にも関わらず、若い女の子(といっても20代後半。バレますね。)の着物姿を見かけました。一時期のケッタイな洋服感覚のコーディネートや着付けも影を潜めたようです。振袖や袴だけでなく、洗える着物にせよ外出着としてさりげなく着ていらっしゃる姿は、本当に可愛らしくお洒落で、嬉しくて見とれてしまうものです。 残念ながら、若い女性の写真はございませんの。さて、この日わざわざ、着物を着てどこにお出かけ?母のバースディプレゼントとして妙心寺の塔頭寺院、退蔵院の観楓会へやってきたのです。お庭のライトアップと精進料理の夕べ。またかい!!とおっしゃらず、どうぞ、お付き合い下さいませ。て、ことで続く!!※ 私が、太って老けて見えるとしたら、それはもう、絶対、貴方の目のせいです!
2006年11月15日
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