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2010年02月23日
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カテゴリ: 読書
 出版関係に就活するなんて言いながら、ちっとも結果が出ていない昨今であります。そろそろ技術系の職種を検討するべきかなと思いながらも、本書を手にとりました。我ながら呑気ですね(^^;


売文生活

 本書の特執すべき点は、膨大な文献を頼りに原稿料を算出していることです。メインは名のある文士達(夏目漱石、筒井康隆、立花隆等)で、そこからどのような生活を送ってきたかまで掘り下げています。膨大な文献は書いていある内容の信用度を推し量る尺度にもなりますので(少なくとも僕は)鵜呑みにしながら読んでいました。

 いくつか印象的だったものを列挙していきます。
 まずは原稿用紙と原稿料の歴史から。

「四〇〇字詰め」原稿用紙がいつ頃誕生し、それが主流になっていくのか。
 芥川龍之介の『蜘蛛の糸』(「赤い鳥」大正七年七月号)も、谷崎潤一郎「知人の愛」(「大阪朝日新聞」大正十三年三月~)も二〇字×二〇行の原稿用紙に書かれています。
 中略
 実際には大正四年から八年にかけて、多様な字詰めから四〇〇字詰め原稿用紙に移行していくことが分かります。


 第一に、原稿用紙は「四〇〇字詰め」と決まっていて誕生したものだと思っていたので、けっこう驚きでした。現在はワードのソフトであれ、字、行は自在に設定出来る環境になっていますが、二四字×一〇行、一二字×三六行なんてのもあったみたいですし、見てみないな。

 四〇〇字詰め原稿用紙が主流になった理由として、売文が職業として成立したためだと書かれている。 新聞や雑誌が近代的商売として充分採算がとれるようになり、他方で売文生活が確立されていく、ということはすなわち、単位が標準化されなければなりません。その単価が「四〇〇字詰め原稿用紙一枚あたり」だったのです。

 これが、前述した原稿料を比較するうえでの伏線? となっています。とてつもない原稿料をもらっていた文士もいるみたいですが、時代と書物の必要性がリンクしたごくわずかな時間だったことがわかります。




 ≪一寸考へテ見ロ。[中略、商人や金持ちに対して]貴様等は最初からして口を開く権能はないものと覚悟をして絶対的二学者の前二服従せんければならん。≫

 夏目漱石の全集に収められているのですが、読んだ時は、なんじゃこりゃ? って思いましたね。カタカナとひらがなの混在は元より(混在した文書は一応見たことがある)、上から目線の口調は酷い。

カタカナとひらがなが混在しているのは、当時にあってはごく普通のことでした。
 カタカナは要するに漢文に送り点をつけて読むに補足した名残であり、次第に西洋の諸国から外来語が入ってくるにしたがい、和文には漢字とひらがなをあて、外来語にはカタカナをあてる、という習慣が出てきたり、逆に外来語をひらがなで書こうとした動きもあったりして、昭和二〇年代の終わりごろまで混在が続きます。


 夏目漱石が商人や金持ちに対して上から目線だったことについては明確に書かれていませんが、次の項で貧困生活に悩んでいたとも書かれています。世の中に評価されていない時期にたまたま書いたもので、心中は金持ちへの妬みだった。というのを遠まわしに書いていたのかもしれません。
 もし自分が死に物狂いで働いていたら、金持ちを妬むかもしれませんから、夏目漱石がどうのこうの言う権利はありません。


 以上の二点は僕なりの共通点があります。それは自分が思っていたよりも歴史が浅いということです。「四〇〇字詰め原稿用紙一枚あたり」の原稿料も、カタカナ、ひらがなの混在が統一されるようになったのももっと昔に確立されていたイメージがあり、知った時は「へぇ~~」が止まりませんでした。
 当たり前のように使われている『妖怪』という言葉が確立されたのが昭和中期ぐらいと知った時と同等なカルチャーショックがありました。 

 最後です。これは背中を押してもらえるきっかけとなりました。
文士には、金銭欲や出世欲など不釣合いです。しかし、思う存分自由に、得心のゆく作品を書き続けるには、一家のやりくりにエネルギーを削がれない程度の収入はなければなりません。






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最終更新日  2010年02月23日 19時54分23秒
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Re:『売文生活』日垣隆著(02/23)  
芸術と生活の両立は難しいんですね~、きっと。。

(2010年02月24日 16時00分21秒)

Re:『売文生活』日垣隆著(02/23)  
いつもありがとうございます♪
今日はとにかく暑かったですね^^;
昨日はジャガイモの話し。
今日はチベットの話し。
よかったらまた来て下さいね^^
いつものエールを送ります☆ (2010年02月24日 19時09分55秒)

Re:『売文生活』日垣隆著(02/23)  
いつもありがとうございます♪
今日もお出かけの仕事があり、バタバタと・・・^^;
しっかし、暖かいを通り越して暑い・・・。
年中クールビズな私ですがそれでも^^;

月末、ヤレヤレです・・・
何やかんやで、何とかなるもんで^^;

あ、当然きょうも v(^^)///凸 (2010年02月25日 18時11分02秒)

Re[1]:『売文生活』日垣隆著(02/23)  
ながさわひろさん
そうですね。大変なことだろうと思います。
でも、その苦労が作品になっている文士達が記載されていたので、なんとも言えない部分もありますが(^^ (2010年02月26日 03時52分52秒)

Re[1]:『売文生活』日垣隆著(02/23)  
がんばる行政書士-嵯峨山法務事務所(池田市)さん
こちらこそ、いつもありがとうございます。
僕は暖かい方が好きなので、天国に足を突っ込んだ感じですよ☆
また、お邪魔しますね。 (2010年02月26日 03時55分04秒)

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