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暫く日記をお休みしていたが、実はパソコン自体に触れていなかった。日記だけでなく仕事も休業中である。先頃、1ヶ月ばかり入院し、現在は高額医療還付を心待ちにしている身だ。ただし入院と言っても、病気でもけがでもない……とだけ書いておこう。 さて、私が入院中の代役を頼んだSOHOは、しっかりネタを提供してくれていたようである。 月刊オープンシリーズのムックで、私のかわりにDTPができる人を探していた。信頼できる人に頼みたかったので、付き合いのある編プロに頼んだのだが、こいつが食わせ物だった。イニシャル書きは本来好まないが、とりあえずAとしよう。 まず、Aは別の自称デザイナーBに振った。それは別に構わない。発注先が、さらに別の外注に頼むことはめずらしいことではない。 ただ、たとえそうだとしても、あくまでこちらが仕事をお願いしているのはAであってBではない。便宜上、こちらがBと直接連絡を取る事もないとはいいきれないが、仕事の責任は当然Aにある。 ところが、AはBに丸投げした。Bがいきなり、「私が仕事を受けました」という「ご挨拶」メールを送りつけてきたのだ。AやBの意図や自覚がどうあれ、通常、こういうことはあってはならない。これでは、Aはただのブローカーではないか。 もちろん、元の発注者がそれを求めれば話は別だし、CMやペイドハプのような代理店やコピーライターなど多くのスタッフが入るプロジェクトは、元請け代理店と孫請けのコピーライターが名刺交換をして会議で同席することはある。が、それらは今回の例とは意味も事情も違う。 まあ、これはどちらかというとAの誤りであり、Bの責任ではない。だが、BはBで、肝心の職能に問題があった。 今回の仕事は4色で64頁。使うソフトはクォークだができるか、とBに尋ねると、「ぼくはイラストレーターが得意だ」などと返事をしてきた。「別にあなたの得意なものなど聞いていない。今回の仕事は64頁でクォークで4色だから、ペラものではなくページものを作れるのかどうか。そして、クォークが扱えて分版処理の知識があるかどうか、ということを聞いているのだ」「わかりました。やってみます」 こいつは、決して「できる」とは言わなかった。テキスト中心の64頁のものをイラストレーターで作ろうなどと酔狂なことを抜かしている時点で、「できる」という返事を期待してはならなかったのだろう。 怪しいと感じたので、試しにトライアルを作らせたら、案の定、イラストレーターで作ってきた。こいつの頭は鶏か。「一昨日、クォークで、とあれほど約束したはずですが?」 するとBは、居丈高にこう反論する。「割付を指示されたデータの中に、テキスト本文だけでなく表やグラフもありましたよね。表やグラフなどはイラストレーターで作るものです。ぼくは13年のキャリアでいろいろな仕事をしてきたプロですが、いつもそうやってきているのです」「表やグラフなどはイラストレーターで作るもの」とは限らない。クォークだけで処理できることもある。もちろん、表やグラフをイラストレーターで作ることはある。しかし、ページ全体を作ることはレアケースだ。 だいたい、クォークで作るという話をしているわけだから、イラストレーターで作ってくることがすでにアウトだろう。 そしてだめ押しは「キャリア13年」うんぬんかんぬん。このテの自己防御や居直りで自分の不作為と向き合おうとしないSOHOが、私が知っているだけでもどれだけいたことだろう。 プロレスラーのギミックじゃあるまいし、その「キャリア」とやらは口ではなく作品で見せてもらいたい。 だが、そういうことを言っている手合いに限って「作品」もひどいものなのだ。こいつの場合も例外ではなかった。何より、提出してきたデータが「CMYK」でなかったのは弁解の余地なしだった。 要するに、「イラストレーターが得意」なのではなく、「イラストレーターしかいじったことがない(しかも出来も悪い)」ということなのだろう。 このホラ吹きSOHOのために、先方への提出が遅れてしまい、結局入院中だった私が慌てて外泊許可をもらい、何とか間に合わせて事なきを得た。 私はもはや怒りを通りこし、こんなデタラメで「DTP」の看板で食っていけるのだろうかと、この自称デザイナーの生活を心配し、同情までしてしまった。 それにしてもAもバカだよね。欲をかいてできもしない仕事を引き受けたために、その仕事をしくじっただけでなく、これまでシコシコ築いてきた信用をも失う事になったのだから…… いいかい、Aよ、Bよ。できないものは引き受けない。その勇気は相手のためだけでなく、自分のためでもあるのだ。長く真面目に仕事を続けたかったら、目先の欲得にとらわれず、潔く辞退すべし!
2004年05月31日
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