Lake Moraine ~Book Cafe~

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2008.04.20
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走れ、「速く」ではなく「強く」。目指すは箱根駅伝。

箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして…。長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた書下ろし1200枚!超ストレートな青春小説。最強の直木賞受賞第一作。



またまた 漫画連載で知った作品 
ああ~ 私の私生活の水準って~
 もう いまさらですよ ですね

大御所かよほどのことがないと漫画家の名前を覚えない私
ゆえに 瑠璃の方船同様 
これって面白いと毎週ヤングジャンプを
楽しみにしていても それが三浦しをんさん 
原作と気がついたのはつい最近


つかめなかった作家さん 

こりゃあ読まねばと、珍しく図書館利用 (文庫がなかったので)

 マラソンも箱根駅伝は ほとんどみません。
もっうっかり見ると チャンネル変えられませんが

駅伝に対して知識はおろか、さしたる関心をもたないように
している私でも 面白かった作品です。


大学生活を始めるにあたり、新居を借りるためにの親からの
仕送りをマージャンで使い果たしてしまった蔵原走(カケル)
そんな日々の中、走ることをやめられない彼はただお腹が空いた
という理由だけでランニングの最中にコンビニからパンを
万引きして走って逃げ去ります。

逃げ切るためでなくただ走りつづける走を

チャリンコで追いかけ追いつき、
万引きをとがめることはせず 
ただ一言 「走るの好きか?」 と問いかけ、

ハイジこと清瀬灰二

高校時代に不祥事を起こし陸上界を去りながら
走ることは呼吸することに等しい カケル と

陸上バカの親の意向と自身の才能に沿って
着々と長距離のエリートランナーの道を歩みながら
なぜか陸上の名門でもない大学にいて竹青荘なる
おんぼろ学生向けアパートで寮長のごとく、住民の
食生活やらもろもろに日夜サポートをつづけて
いたであろうハイジ

この二人の出会いからアパートの住民を巻き込んで
「10人の部員で箱根駅伝を目指す」という
途方もない計画がスタートします。

素人の私でも「そんな バカな」という物語を
暑苦しくなく、爽やかというより笑いをもって
かつ 妙な説得力をもって感動を呼び覚まします。

走と清瀬以外のメンバー=アパートの住人達も
あまりに個性的かつバラエティに富んでいて
どう考えたって 途中でなげだすだろうと
断言できるような面々

それを あたかも冷蔵庫の中の残り物を
取り出してじっくり眺め 食事をつくるがごとく
しかし、その食材の声を聞き、
うまみを最大限にひきだして調理し
極上の一品(結果)を産み出していく 
ハイジの コーチとしての手腕

それに少しずつ答えていくメンバー達

言葉よりも体が感情を表してしまう性分ゆえに
走る場を失い それでも走ることを止めることなど
考えもうかばない孤独な魂をかかえたカケルは
清瀬や他のメンバー達との共同生活の中
清瀬の言った
「走れ! 「速く」ではなく「強く」」という
言葉の意味を理解しようとするなか少しずつ変わって行きます。

圧巻はやはり箱根駅伝
これまでカケル視点であったのが
各区の走者の視点で各々の過去 
家族、他のメンバー達、そして駅伝にかける思いが
語られていきます。

特に10区のハイジの語りはもう~
これまで 淡々と辛抱強く、みんなの納得の行く指導をすすめ
メンバーの体調管理から精神面のバックアップ
その他、諸々を黙々と静かに行ってきた男の
一度は失ってしまった「走る」ことへの
決して独りよがりではない 熱い想い

「走りとは力だ」


でも ただひたすら静かに虎視眈々と
9部屋しかない竹青荘で 日夜
他の住民の食生活や学業、バイト事情などのサポートをして
さりげな~く住民に恩を売り(その長年の恩を盾に箱根駅伝を
目指すという目標を押し付ける強権発動をしますが) 
各人の適正を見極め分析し”10人目の出現”を
待っていた ハイジさん! 
カケルに会わなきゃ
 あなたの4年間は~



漫画版は 躍動感、疾走感あふれ そして原作の登場人物たちが
よりコミカルに縦横無人に活躍しています。
各メンバーの人物描写も より深く掘り下げられて
おすすめです。 コミック1巻発売中

ヤングジャンプにて連載中で やっとメンバー全員が
17分切った所(予選会?出場権クリア段階)





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最終更新日  2008.06.09 01:37:08
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