レフティドラゴンのバリュー投資日記
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前回予告したとおり、ウエスコのレポートを書きます。なお、各種指標の根拠となる株価は2004年終値時点のものを利用しています。現在までに株価はかなり変動していますので、その点はご了承ください。1、注目した経緯四季報を通読していると、割安な企業がいくつもある業種がありました。それは、「建設コンサルタント業」です。注目したのはエイトコンサルタント(4742)、オリエンタルコンサルタント(4782)、福山コンサルタント(9608)、ウエスコ(9648)の4社です。これら建設コンサル4社の共通点は、・ここ5年ほど売上が右肩下がりである・そのためか市場の評価が低く、PBR0.5未満である・主な取引先が政府・自治体のため、売掛金等が少なく、キャッシュフローが良好である。・売上が下期に偏るため、上半期は大赤字であり、業績の実態がつかみにくい・大きな設備投資が不要のためか、極端にキャッシュリッチかつ無借金経営である・コンサルという業種のためか、不人気企業の割にHPは充実しているなどがあげられます。確かに公共事業の縮小傾向は明白のうえ、近い内に増加する見通しもないため、これらの企業の将来性はお世辞にも明るいとは言えませんが、充実した財務内容からみて、過度に売られすぎていると感じられました。そこで、この中から1社を選んで投資しようと考えました。2、資産価値からの判断建設コンサルの場合、現在保有している資産が最大の投資根拠となるので、最も重視する部門です。まず、オリコン以外の3社はネットキャッシュ(現預金+投資有価証券-有利子負債)が時価総額を上回っています。3社間で大きな差は見られませんでした。そして、各種資産を性質に応じて割引評価した修正PBRを見ると、他の3社が0.7前後なのに対し、ウエスコは0.6前後と最も割安でした。3、収益性からの評価前述したとおり各社ともキャッシュフローが良好のため、PCFRは一律に低いです。一方PERをみるとオリコン7.2,ウエスコ11.5、福山13.7、エイト24.0で、オリコンの割安さが際立っています。ただ、売上高営業利益率をみると、他の3社が5%前後なのに対し、ウエスコだけが9%前後の高さです。各社の保有特許数、従業員の年収、従業員一人当たり売上高などにも大きな差はなく、ウエスコの高利益率の理由はよく分かりませんでした。IRにも聞きましたが、経費を抑えているからという説明で、付加価値の高いサービスをしているということはなさそうでした。とにかく、収益面からはオリオン、ウエスコに優位性があると感じられました。4、資本政策まず、オリコンがストックオプションを導入しました。これは資産バリュー株にとってかなりのマイナス評価です。保有資産からみた割安性も他社よりは劣っていたため、投資対象外としました。次に、エイト、ウエスコの2社はここ2年連続で自社株買いを行っています。理由を確認したところ、エイトは被買収の防止および将来のM&Aへの利用を意識していました。それに対しウエスコは「特に明確な理由はない」という驚愕の答えをしてくれました(まあ、内緒にしたかったのかもしれませんが)。しかし、今後も自社株買い継続の可能性はあると言っていたのは好材料です。また、配当利回りは3社とも2.5%を超えており良好です。ただ、ウエスコの配当性向が3割程度なのに対し、福山は4割程度、エイトは8割程度です。私があまり高い配当性向を好まないのは以前書いた通りです。以上から、資本政策の面でもウエスコが優れていると感じました。また、既に減損会計を適用済みなのも好材料です。5,その他の要因興味深かったのはエイトの中期計画です。平成20年に現在120億円弱の売上を180億円に、さらに経常利益率9%を目指すというのです。会社に確認したところ、売上の増加はM&Aにより図る計画とのことでしたが、よい対象企業が見つからず苦労している様子でした(安易に投資しないことは悪い事ではないです)。また、仮に売上は増やせても利益率を倍近く上げるのは現状では難しいと判断せざるを得ませんでした。次に、昨年末ローヤル電機の暴騰を契機に低位株の出来高が以上に膨らんだ事がありましたが、福山はその際に投機の対象となってしまい、異様に取引が増加しました。そのため適正評価に落ち着くまでに時間がかかるように思われました。最後に投資単位ですが、エイト、福山が1単位30~40万円程度なのに対し、ウエスコは1単位4万円前後でした。これも細かく持ち株を増減させる事ができるため私にとって非常に望ましい事です。以上から総合的にみて、ウエスコに投資することにしました。目標株価は600円程度と見込んでいます。当面買い増しは諦めましたが、もしも今後バリューバブルの崩壊があれば追加投資するつもりなので、気長に監視していようと思っています。
2005年02月19日
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