"What's this?" "It's a pen." これを「和訳」すると、 「これはなんですか?」「それは、ペンです」 とするだろう。
これは一見正しそうだが、実際の日本語の会話では、 「これはなんですか?」「ペンです」 のほうが自然だ。わざわざ「それは」なんて言うのは実際はそんなにないはずである。 「それは」と言うなら 「これはなんですか?」「え?どれ?それ? それはペンだよ」 というような文脈ではないか。 これを英語にすれば "What's this?" "Which? Oh, that one? It's a pen." つまり、あらためて「指し示しなおして」いるような印象だ。
これまでにも書いたが、日本の英語教育では(そう教科書に明記してあるかどうかはともかく、結果的に習った人に擦り込まれてしまうのは) this=これ that=あれ it = それ という図式ではないかと思うが、本当は this =これ(自分のもとにあるものごとを「指す」) that =あれ、または それ(自分のもとにはないものごとを「指す」。相手の近くにあるか遠くにあるかで日本語は変わるが)