ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

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加算・不可算名詞

加算・不可算名詞

英語というのは、なぜか非常に、単数か複数か、そしてそもそも数えられるのか数えられないのか、にこだわる言語です。その理由については考察中ですが、日本人の想像以上に「ごく普通に」こだわっています。冠詞と同じで、私たちには「ささい」に見えるけれど、実は彼らにとっては思考の土台になっているくらいの概念のようです。

数えられる・数えられない、という区別は、そのものやことの「具体性」にも関わってくるようです。
という話は難しくなりそうなので(自分でもわからん(^_^;))これ以上展開しませんが、別の言い方をすると 「形や単位がはっきりしているもの」を「きっちり数える(少なくとも1コかそれ以上かを問題にする)」 のが英語です。

また、 ある名詞が、不可算(数えられない)・加算(数えられる)とカンペキに決まっている、というわけではなく、それも(冠詞の使い方などと同じく)「文脈」「キモチ」で決まる のです。
あるモノについて、その文脈を共有するだれもがだいたい同じような「規格」の具体的なものを思い浮かべることができるとしたら、それは可算名詞です。
日本人が不可算名詞を捉えにくいのは、「固体なら数えられる」と感じてしまうからだと思います。しかし英語はそう簡単ではありません。固体でも数えられない(というか、数えない)ものは多いし、逆に液体でも可算名詞になることがあります。

beer(ビール)は液体ですから、基本的には不可算で、数える場合は a bottle of beer とか two cans of beer のように、容器の方を数えます。
ですが、居酒屋などで日本人が言うように
「ビール1つちょうだい!」という意味で a beer please! と言うことはできます。その店における、ビールの1杯分について、その場にいる人々には共通認識があるからです。

a pizza とか a cake と言った場合、人々が共通に思い浮かべられる単位は、丸のままのピザやケーキです。それを切り分けた場合は不可算名詞になってしまい、 a piece of pizza などと言うことになります。ただ目の前にすでに切り分けたピザがあり、その場にいる誰もが同じ規格の単位を頭に思い浮かべられるなら、だれかが
Please get me a pizza!  ピザひとつとって! 
と言っても、お前それ間違ってるぞ!とは言わないでしょう。ただ聞いた人にはやはり丸ごとのピザが自動的に頭に浮かんでしまうかもしれないですが。chickenなども同じです。 a chicken とすると丸ごとのチキンのことになります。普通に各人が食べる鶏肉については、やはり不可算名詞として、
I had some chicken for lunch today. きょうの昼食には鶏肉を食べた。 
と言うことになります。ピザ、ケーキについても同じです。

ただし steak (ステーキ)は、可算名詞です。ステーキというのは「切り身の肉自体・あるいはそれを焼いたもの」を意味します。それなりに大きさに差はあれども、思い浮かべる単位にはある程度共通性があるからです。
「共通規格」とはいえ、大きさや重さについてはあまりこだわらないようで(それを言ったら「人」とか「犬」だって大きさなど千差万別ですからね)、ようは、「個別性」があればいいのです。個別性を表すには、大きさなどはともかく、「形状」がはっきりしていることが大事です。

cheese (チーズは不可算です。なにしろチーズは、カタマリのときもあれば、スライスのこともあり、粉になったり、溶けたりまでします。数えようがありません。 bread (パンも同じように、あまりに形状が様々です。だから数えられません。ただ、 roll (ロールパンとか croissant (クロワッサンならある程度共通の形を頭に誰でも思い描きますから、加算になります。ちなみにサンドイッチは加算ですが、四角い大きいものが a sandwich (で、それを2つに切った三角のサンドイッチは「2つでa sandwich」扱いになるようです (?_?) (^_^;)

tomato (などの野菜も、基本的には1個2個と数えられますから可算名詞ですが、切ったりつぶしたりしてサラダやスープなどに入れてしまったトマトについて、数える人はいません。

candy (も不可算です。日本語で「飴」としかも感じで書くとむしろ雰囲気が分かるかもしれませんが、飴は基本的には砂糖を溶かして煮詰めたモノです。水飴もcandyなのです。数えられませんね。ただ、実際には目の前に「アメ玉」があれば、a candyと言ってしまいます。それも間違ってはいません。でも複数形のcandiesはあまり使わないようです(数種類のモノが混じっているような場合には使う)。キャンディーズはランちゃんスーちゃんミキちゃんですね。
「アメ玉」は、 a bonbon (とか a drop (とか呼ばれることもあります。これらは可算名詞です。
a candy bar (というのもありますが、その正体は日本人的には「チョコバー」と呼びたいようなものです。(スニッカーズなど)

食べ物系で、不可算・加算が話題になることが多いのは、不可算名詞がそもそも多い上、状況によって「形状が変わる」ことが多いためでしょう。あるいは「キモチ」が変わるとも言えます。サラダの材料としてのトマトや卵は数えるでしょうが、サラダに入ってしまったトマトも卵もたぶん数える気にはなりません。

もちろん食べ物系以外でも、 soap (石鹸(粉石鹸も液体石鹸もある)とか paper (紙(それこそ形状も様々。「新聞」という意味なら加算)など日常的に使う不可算名詞はたくさんあります。そのほか不可算のものには抽象名詞や集合名詞などもありますが、それらについてはまた項を改めましょう。

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