今まで恐竜の絶滅は色々な説が発表されている。ところが、酸素濃度の変化に対応できた肺構造の生物が恐竜だったと説いたものはなかった。ここがこの本の面白いポイント。「恐竜の中には鳥になったものもいる」これが今は定説になっていて、あのジュラシック・パークでもその説を元にしていた。でも「なぜ恐竜は鳥になったのか?」という疑問は残っていた。低酸素の時代に肺呼吸を効率的にできるよう鳥類に似た肺の前後に酸素を貯める気嚢を持っていたのではないかと言っている。鳥は吸い込んだ酸素はまず前気嚢にためて、それから肺に送り込み、後の気嚢に流すといったサイクルを行っている。だから肺の中には常に新鮮な酸素があるので、酸素濃度が低い高空を羽ばたいて飛べるという説明がされている。ところがこの本、「恐竜は~」とタイトルについているが、恐竜が栄えたジュラ紀・白亜紀の章は数十ページしかない。ページの大半はジュラ紀前の陸海生物の酸素摂取の構造についてのことだ。なんのことはない、原題の「Out of Thin Air(薄い大気のなかから)」では、本屋に置いてあっても読まれそうにないから「恐竜はなぜ鳥に進化したのか」に変更したのだろう。