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今回はニューヨークの地下鉄事情をご紹介したい。ニューヨークのManhattanは地下鉄網が張り巡らされており、地下鉄を利用をすれば移動に困ることはあまりない。下の地図と見ていただければ納得していただけるのではないだろうか。各路線に数字とアルファベット割り振られていてそれを見ながら乗り換えをすると便利のようである。2007年に行った時は「メトロカード」という地下鉄専用の日本のSuicaのようなカードを購入して搭乗したのだが、電子化が進み今ではApple Payやデビットカード(非接触決済可能なものに限る)でも支払いが可能になっている。(ネットの情報によるとメトロカードは段階的に廃止され、いずれ電子決済に一本化されるという。あの黄色いお馴染みのメトロカードに慣れていた者からすると時代の移り変わりを感じるし、少し寂しい気もする。)電子決済をするためには事前登録が必要になる。グーグル、フェイスブック、アップルIDを持っていれば新たにアカウントを作成する必要はなく、OMNYというサイトを経由してアカウントと電子決済の情報を紐づければ準備完了だ。登録が無事完了すると"Your travel card has been added."とお知らせのメールが届く。あとは設定したカード(もしくは携帯電話)を地下鉄の電子端末に近づけるだけで非接触決済が行われる。詳細はOMNYの公式サイトを参照していただきたい。チュートリアルビデオがあって初めてのNY渡航者にもわかりやすい。↓リンク↓OMNY公式サイト改札口のゲートがこのようになっている。"TAP HERE"と表示されているところに事前登録したスマートフォンもしくはクレジット(デビット)カードを近づければ通過可能だ。ちなみに距離は関係なく1回の乗車で$2.9となっている。(2023年9月現在)一週間以内に12回以上乗車すると残りの数日間は無料になるシステムだ。こちらがNYの地下鉄だ。日中はだいたい10分に1本ペースで運行していた。電光掲示板に表示されているアルファベットが路線を示している。同じフォームでも違う路線の電車が行き交う場合があるので乗り込む前に正しい車両に乗車しているか確認をする必要がある。ちなみにuptownが北(Bronx方面)、downtownがManhattanの南(つまり自由の女神方面)となっているので逆方面に行かないよう方角にも注意されたい。NYの旅行を検討される際はOMNYの事前登録と行き先へのルート確認をおすすめする。きたろう
2023.09.29
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アメリカで家族向けの家探しをしていることは前回の記事でお話した。過去の記事はこちら。仲介業者の方と車の中で会話している時にある英語表現に出会った。郊外の方にでて古き良きアメリカの住宅風景を眺めていた時、この地域の奥にはさらに有名な高級住宅街があると教えてくれた。本当に大きな家は大きなゲートがあって外から家が見えないようにようになっているのだという。そのような人々は現地の人は"old money"と呼ぶらしい。ジーニアス英和辞典第6版(大修館書店)にも「(昔からの)財産家」と記載があった。Old moneyの家は大抵丘の上にあってプライベートプールと広々した芝の庭が完備されている。入ったことがないのでわからないが、きっと日本では考えられない広さの部屋がいくつもあるのだろう。数百万ドルを超える物件がこの州の郊外にはいくつもあるというから驚きだ。似たような表現にはbe born with a silver spoon in one’s mouthがある。直訳すると「銀のスプーンを咥えて生まれてくる」となる。起源は調べたことがないのでわからないが、これで「お金持ちの家に生まれる」という意味なる。日本だと御曹司(おんぞうし)がこれに一番近い表現だろうか。後日、ニューヨークでタクシーに乗って暫くすると気前のいい40代の男性タクシードライバーが話をし始めた。彼の話によるとこのあたりは富裕層が沢山住んでいるらしい。やはり彼の口からは"There are a lot of old money(s) in this town.(加算だったか不加算名詞だったか記憶が定かではない)"と以前不動産仲介業者と話していた時に登場した単語が再び出てきた。しかし、今回はold moneyの他になんと"new money"という新たな単語が出てきたのだ。彼の説明ではold moneyが何世代も続くお金持ちを指すのに対し、new moneyは90年以降たった一代で富を気づいた富豪をnew moneyと呼ぶのだという。さらに面白かったのが、old moneyはお金持ちであることを悟られないように少し古びた高級車(ベンツなど)を乗るのに対し、new moneyは煌びやかな高級車(フェラーリなど)を乗り回す特徴があるのだという。彼は"They don’t know how to spend money.(奴らはお金の使い方をわかっていないのさ)"と皮肉めいた口調で話していた。その真否はわからないが、その地域に数十年住んでいて日頃から車を眺めている彼だからこそわかる鋭い洞察(astute observation)なのかもしれない。日本語でold moneyが「御曹司」であれば、new moneyはまさに「成り金」が適訳だろうか。アメリカの郊外に行く機会があれば、庭の手入れ具合や家の大きさにも是非注目していただきたい。アメリカ社会の断片がそこから見えてくるかもしれない。追伸、写真:ニューヨーク、タイムズスクエア近くのカフェ暫く外出をしており、ここ数日ブログの更新が滞ってしまっていた。旅先での出来事については明日以降順次ご紹介していくつもりだ。それでは今日も良い一日を。きたろう
2024.01.14
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出国前は140円だった円は現在150円前後をうろうろしている。このまま160円170円を突破するのではないかと主張する専門家もいるほどだ。異次元の金融緩和政策と低金利によって米ドルとの格差がどんどん開いてしまっているらしい。輸出業者はドル高円安の恩恵を受けるのだろうが、国外から輸入して商売をする企業は大打撃であろう。ガソリンなど完全に輸入に頼らざるを得ない商品は値上げが相次いでおりリッターあたり180円を超えるガソリンスタンドもあるという。日本の経済は成長しておらず賃金は上がらないのに物価だけ高騰していくのは家計への負担は増すばかりであろう。私は現在アメリカにいて思うことは日本の存在感がこのアメリカの地でも薄れていることだ。コロナ禍で日本からの留学生は元々激減していた。そこに拍車をかけたのがドル高円安である。1ドルが150円を超えてしまっては年間40,000ドルの学費を支払える家庭は限られる。学部生に至っては4年間学費を納入しなければならないため4年間の学費で家が購入できてしまうほどの金額である。英語力と専門知識がたとえあったとしても経済的な理由で留学を諦めなければならない状況が続いているのである。コロナによる渡航規制期間を含めれば約4年間留学のチャンスの芽が摘まれてしまっている。私が通っている大学でも留学生はほとんど中国からの留学生で日本からの留学生をキャンパスで見かけることはほぼない。私のキャンパスでは日本人は絶滅危惧種のような存在なのである。10数年前アメリカの西部に留学した時はオイルマネーで潤ったサウジアラビアの学生が目立っていた。政府から全額給付型の奨学金が出ているようで真っ赤な高級車を乗り回しているサウジアラビアの学生をよく目にした。勿論今通っている大学でも中東の学生を見かけるが、現在の中東の不安定な政治状況も相まって昔のような煌びやかな印象はあまり受けない。改めて国の経済力と留学生の割合は相関関係にあるのだと思う。アメリカでのインフレ、そして記録的な円安によって日本の学生は海外で学びたくても学べない状況に陥っている。それはまさに日本は気付かぬうちに数百年前の鎖国のような状態になっていることを意味しているように思える。志ある学生が日本に閉じ込められている状況が長引けば長期的に見て日本の損失は非常に大きいし、世界と日本の距離は離されていく一方である。留学者数減少に伴う損失を防ぐための妙案がないものだろうか。やはり色々策を練る前にまずはこの歴史的円安の是正が最優先事項のような気がしてならない。きたろう
2023.11.21
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フランスからアメリカに送られた自由の女神(Statue of Liberty)はニューヨークのランドマーク的巨大建造物だが、アメリカの「自由」の象徴でもある。フランスの彫刻家であるFrederic August’s Bartholdiによってデザインされ、21年の歳月をかけて建築されたという。土台にはEmma Lazarusの詩が彫られている。Give me your tired, your poor,Your huddled masses yearning to breathe free.南北戦争が終わり、奴隷制も廃止され、新たに建国された国は次の100年を見据えていた。激動の時代にこのフランス革命を経て独立したフランスからアメリカにこの自由の女神が与えられた意義は当時の時代背景を考慮すると非常に大きい。完成した1886年当時、自由の女神はニューヨークで一番高い建造物だけでなく、世界一高い建造物であったとされる。93mの巨大な像はフェリーで近づくにつれて丘で見るよりずっと迫力があり、着物のシワまで緻密に表現されており見る者を圧倒する。自由の女神とエリス等にはフェリーでしかアクセスができない。事前にオンラインでチケット購入したい。チケットはクレジットカードで購入が可能だ。私はフェリーの運賃、Ellis Island National Museum of Immigration, Statue of Liberty Museum, Statue of Liberty’s Pedestalの入場券込みで$24.8であった。The Battery Parkの近くにはStatue of LibertyとEllis Islandのフェリーを勧誘する悪徳業者がいる。彼らは正規料金より高い金額を観光客に請求して、小さいボートで自由の女神やエリス島を回るのだが、島には一切上陸できずそのままLower Manhattanに帰港してしまう。高額なお金だけ支払わされ、それよりも安いチケットが提供するサービスを一切受けられないのだ。必ず自由の女神を見たいのであれば公式サイトから事前購入するか、The Battery Park内にある発券場で購入されたい。↓↓リンク↓↓Statue City Cruises自由の女神のモデルは設計したBartholdi’sの母親らしい。王冠から発せられている七つの光は七つの海と七つの大陸を表しているらしい。デザインに込められたBartholdiのメッセージが非常に興味深い。一部Pedestalの展示より抜粋:“‘Liberty’ was a controversial idea in the 19th century. To many people it suggested violence and revolution. Laboulaye and Bartholdi agreed that their monument should not be seen as leading an uprising, but rather as lighting the way, peacefully and lawfully. A key element was the name they gave to the Statue: Liberty Enlightening The World”日本語の意訳(筆者による)「『自由』は19世紀において物議を醸す考えであった。多くの人々にとってそれは暴力や革命を意味した。LaboulayeとBartholdiはこのモニュメントが紛争を扇動するものではなく、むしろ平和と法によって道を切り開くものとして見なされることを願った。名付けられた像の名前を見ればそれは明らかだ:世界を啓蒙する自由」昔は自由の女神の王冠(Crown)まで行くことができたが、ニューヨークで起きた同時多発テロ以降閉鎖一時的に閉鎖されていた。私がネットでチケットを検索した時はCrownへの入場券は表示されていなかった。私が予約した時にはすでに売り切れになっていたのか、それともそもそもクラウンはテロ以降解放されていないのかその真相はわからない。Liberty Islandまで行く機会があれば、是非台座(Pedestal)の内部やStatue of Liberty Museumも併せて訪問されたい。土台部分の内部がちょっとした博物館になっていて女神の建築過程や自由の女神を題材にした美術品を眺めることができる。また、Statue of Liberty MuseumにはOriginal Torchが展示されている。現在女神が握っているTorchは1986年の大規模補修工事の際に交換された新しいものである。写真:Original Torch個人的にはこのフェリーツアーは非常におすすめだ。家族連れであればフェリーでの移動は子供が大変喜ぶだろう。また、Liberty Islandからニューヨークの超高層ビル群を臨む景色は格別である。Ferry Dockを降りてそのまま直進するとManhattanの超高層ビル群を背景に写真を撮影することが可能だ。ニューヨークの旅を彩る思い出の写真になることだろう。次回はEllis Islandについて書くこととしたい。きたろう
2024.01.17
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