ではその現場とは何か。
人間がどのように行動するかを考えるときに、
古典的な経済学であれば、人間は合理的に判断するとして行動を考えます。
そうでなければ仮説は成り立ちません。
しかし、現場のある我々は、人間は感情によっても左右されていて、
合理的に判断するばかりではないことを知っている。
ダニエル・カーネマンのいう神経系在学(行動経済学)は、
経済は人間が動かしているのだから、
人間の心理が行動にどう影響するかを考えようというものですが、
実際にはなかなか読めません。
だから商売が成り立つし、売り買いが成り立つわけです。
人間は絶対こう行動するとなどとわかったら、みんなが同じ行動をしてしまう。
売りたいときはみんなが売り、買いたいときはみんなが買いたいとなって、
売り買いが成り立たなくなります。
現場を知るということは、そういう人間の心理、
人間とは何者かを学ぶことなのです。
経営の真髄が社員をどう動かすかということだとすれば、
人間とは何者か。
この勉強をしない限り、経営はできないということなのです。
(伊藤忠商事相談役 丹羽宇一郎氏)
大きな仕事、事業をなした経営者は、言うことがみな同じ。
そこでビジネス書の横に、小説もプラス。
その小説ですが、中村天風翁は
「どんな文豪のつくった小説でも、すぐれた人物というのはめったに主人公にはならない。
それは内容があまりに平和すぎて、事件がなくなっちまうわ。
涙にむせんだり、血を流したりするようなことがなくなるよ。
だから、小説家は、なるべくひん曲がった人間を主人公にして、
テーマを豊富に作り上げることが秘訣だと思ってる」。
悪い奴ほど、よく眠る、じゃありませんが、
ワルの魅力も人間とは何者かを教えてくれます。
さあ、ちょいワルになって、自分を材料に人間発見へ、いざ出発!