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イギリスの主力産業は何かと聞かれれば、それは間違いなく「金融ビジネス」である。その一方で、今の不況の原因や財政危機の原因は何かと問われれば、それもまた、金融ビジネスの失敗ということになる。
今、世界中で、金融規制の見直しが行われているが、その骨格となっている考え方は、「従来は大きすぎて潰せなかった銀行も潰せるようにする」、「銀行に高リスクの業務はさせない」、「銀行の破たん処理に費用は銀行が出す」といった、銀行にとっては厳しいものとなっている。
イギリスでも、先の金融危機において、銀行の国有化(公的資金投入)をやっているので、政府は、銀行に対して厳しい姿勢を貫いている。銀行税という特別の税金を設けたり、経営者の報酬に制限を設けようとしたり、いかにも銀行家を目の敵にしている様子だ。そして、金融危機の元凶となった、所謂、インベストメントバンク業務と商業銀行としてのハイストリートバンクを分離しようという試みもなされようとしている。
これに対し、金融危機で火傷をしたとは言え、インベストメントバンク業務を収益の柱としている、銀行側は、そのような規制が出来るのであれば、本社をイギリスから移転すると主張している。
そして、今般、英国の2大銀行であるHSBCとバークレイズのトップが、英国政府の姿勢を非難しつつ辞任を発表した。特に、バークレイズの投資銀行部門責任者として業界屈指の高報酬を得ているダイヤモンド氏が後任の最高経営責任者(CEO)へ異例のスピード昇進を果たしたことから、バークレイズの対決姿勢がより鮮明となり、彼らは本気でNYかシンガポールへ移転するつもりではないかと噂されている。
イギリスは、本当に金融産業によって支えられている国である。それぞれにメンツもあろうが振り上げたこぶしをうまく下ろさないと、取り返しのつかないことになってしまう。まあ、したたかなイギリス人のことだから、あまり心配はしていないが、矛の収め方は気になるところだ。
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