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今日2回目の更新ですが、久々に感動物のエンゼルに出会ったのでつい(笑)。昨日、所用で埼玉のB-BOXさんにお邪魔してきました。毎度の事ながら、仕事の邪魔になるって言うのに顔見知りの店員さん捉まえて熱帯魚談義をしてました。その時、視野の隅っこでしっかりと捉えちゃったんですよね~、この魚。レッドデビル・エンゼルと言う名称が付けられたエンゼルの改良品種です。今年初めのアクアライフで紹介されてましたから御存知の方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。 エンゼルフィッシュという魚には赤色素胞が存在しないため、赤いエンゼルを作り出すのは理論上不可能とされています。・・・でも、でもこの魚結構赤いじゃん!デジカメ画像の修正でない事は後ろの水草の色見てもらえればお判りと思いますが、立派に朱赤です。以前からレッドエンゼルと称する品種は多々見てきましたが、どれもはぁ~??って言うレベルのものばかり。でも、コイツは本物かも。まぁ、元々作り出したのがヨーロッパの著名ブリーダーであるウィルヘルム氏だというんですから中途半端なものじゃないとは思ってましたが、やっぱり実物目の前にすると感動もひとしお。 もちろん、その場でお買い上げでしたぁ~♪エンゼルフィッシュを購入するなんて本当に久々の事です。おそらく20年ぶりくらいかな?もっとも、少し前まで我が家にはレッドトップ・エンゼルが十数年累代飼育されてましたけど。そのレッド・トップは故筒井氏がブラジルの某ブリーダーから譲り受けたという個体そのものをまたまた私が貰ったという代物でTHレッドトップと言う名前が付けられていた絶品ものでした。その子孫も120cm水槽を数本使って系統維持をしてましたから素晴しい色彩と体型でした。・・・って過去形なのは、度重なる温室移転のたびに縮小してたらいつの間にか種親が子供産まなくなっちゃって・・・。 その時以来の感動エンゼルです!正確には十年位前にマレーシアのジョホール州のブリーダーの所で見たブラックエンゼルも凄かったんですけどね。しかも、嬉しい事にこの個体は国内ブリードものだとか。そうなれば、妙な病気の心配もないし値段も輸入当時に較べるとビックリするほどこなれてます。ここは一発ボーナスはたいてでも買いに走らなきゃねっ、アクアリスト諸君!(笑)。まだ、結構な数残ってましたから、興味のある方はB-BOXへGo!
2007/12/27
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御無沙汰しておりました!今年最後の海外出張も無事終了し、今年は後は国内での仕事のみになりました。いやぁ~、今年は一体何回海外出張に出かけたのでしょう?よく覚えていませんが(苦笑)15回だったような気が・・・。つまり、毎月最低1回はどっか海外に出かけているって訳ですな。うーん、我ながらよくこの1年間体が持ったと思います。自分へのご褒美にどっか温泉でも行ってのんびりしたいのですが、これからじゃ年末年始の予約なんて取れないかな? 今回も出張の最後をバンコクで締めくくった訳ですが、そのバンコクは今週末23日が総選挙です。全首相タクシン氏をクーデターで追いやった軍主導の政府も、初めは結構人気あったのですが今ではさっぱりのようです。一番の原因は、経済政策の失敗らしいです。タイの景気はクーデター後確実に悪化しているみたいですから。特に、貧困層はさらに生活が厳しくなっちゃったみたい。 今度の選挙では旧陣営(タクシン一派)が勝つ事を確実視されているようです。これで現在海外亡命中のタクシン前首相も晴れてタイに戻ってくるんでしょう。でも、不思議なもので帰国前日のバンコクの新聞には「もし、タクシン一派が勝利を収めたら大規模な抗議デモが起こる事は必至!」って書いてありました(・・・って仕事先の社長に聞きました)。まぁ、どちらの陣営が勝つにせよ、平和裏に政権交代して欲しいですね~。海外企業としてはその事だけを痛切に願っております。 そうそう、人の国の心配ばかりしていないで自分の温室の水替えをやらなきゃ!(苦笑)。ということで、今日は仕事はお休みして(この辺が自分で仕事やってる人間の強みだな)おさかなさんたちのメンテナンスをいたします!
2007/12/20
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この間のブログでも紹介したんですけど、今日と明日つまり12月8-9日の2日間、埼玉県八潮市の超有名ショップB-BOXアクアリウムさんで、ショークラウンの展示即売やってます。逸品堂のHPにも「実物を見て買いたい」と言う御意見が多数寄せられているにもかかわらず、「うちは通販専門です!」とか「温室の見学は一切お受けいたしておりませんっ!」とか可愛げのない発言を繰り返している逸品堂ですが、本心ではかなり気にしてるんですよぉ~(笑)。そんなわけで、本日と明日の2日間B-BOXさんのご好意でショークラウンを大量に展示していただく事になりました。■ショークラウンって言うのはコレだぁ~!◎場所:B-BOXアクアリウム 埼玉県八潮市中央4-7-3◎期間:12月8日(土)-9日(日)の2日間◎URL :http://www.b-boxaquarium.com せっかくのご好意だし、それにうまく行けば常設してもらえるかもしれないし(笑)・・・って事だから、暇な人も全然暇じゃない人も大挙してB-BOXに押しかけてねっ!そして例え興味なんてなくても展示してあるショークラウンの前に最低でも5分は立ち止まって、時折「ふーん」とか「へぇ~」とか言いながら首をかしげたりするようにっ!!そうしてくれないと、またまたグレてやるからなぁ~っ!! ・・・と言う大切なイベントの打ち合わせがあったので、昨日行って来ましたよぉ~、B-BOXさんに。我が家からはかなり遠いんですよね~、車で3時間コースです。距離は大した事ないんですけど、都心部を縦断しなくてはいけないのでどうしてもコレくらいかかっちゃいます。昨日は夜になってから行ったのですが、またまた事件です!(苦笑)。 夕方5時過ぎに外環(首都高速)が渋滞で全然動かないのに業を煮やした私は「くそぉ~っ、この道のどこが高速なんだよ、金返せっ」とか口汚くひとり言を呟き・・・もとい、わめきながら目的地よりひとつ前の草加インターで外環を降り下道で向かう事にしました。こう言う時の決断の速さはそれこそ天下一品です!もっとも、思考の速さは世界最速ですが導き出された答えが正解だった事はあまりないんですけど(苦笑) まぁ、時間が時間なんで下道もやっぱりノロノロでした。仕方ないから手近なマック寄ってホットコーヒーでも買うかと考えドライブスルーに・・・。「ホットコーヒーのSください!」「ホットコーヒーのMサイズですね?」「ホットコーヒーのSサイズ」「わかりました、ホットコーヒーのMサイズ230円になりますぅ。お車前の方にどうぞ」コレ絶対にわざと聞き間違えてるなって思ったんですけど、確かに夕方の忙しいときに100円マックで見事に100円しか使わない奴って嫌だろうなぁ~って思ったので、そのまま受取口に向かいました。 そして、ホットコーヒーのMサイズを受け取ったその瞬間、Yシャツの胸に入れてある携帯が着信いたしました。ちなみに着歌は南春夫先生の「世界の国からこんにちは」です。確か1970年の大阪万博かなんかのテーマソングだったと思うんですが、娘が面白がって入れました。仕事用の携帯の着メロがコレではいかがなものかとも思うんですが(笑)、まぁいいかってな感じでそのまま放置しています。 コレでも、まだましな方でその前はRCサクセションの雨上がりの夜空にを着歌にしてましたから。「どうしたんだぁ~へヘィベイビィ、バッテリーはビンビンだぜぃ!」って言う奴。コレに較べればまだおとなしいもんです。もっとも、私は商談で人に会う際には必ず事前に携帯マナーモードにすると言う、外見からは想像付かない(と、知人は言う)繊細さだって持ってるんですから、問題起きた事はありませんけどね。 話がずれましたが、マックの受取口でコーヒー受け取った瞬間に「こんにちはゎぁ~、こんにちわぁ~、世界の国からぁ~♪」と始まっちゃったもんですから、窓口の女の子が大笑いしまして・・・。まぁ。1970年の歌ですから若い子達は知るはずもなく、また歌っている本人は至極真面目なんでしょうが、誰が聞いてもお間抜けな歌ですから(苦笑)。普段、妙齢の女の子に笑われるなどと言う失態を犯した事のない(そっそうかぁ~?)私が動揺してコーヒーカップを取り落としたって仕方ないじゃないですか! 普通ならカップの蓋がこのような事態を防いでくれるんでしょうが、そこはそらっ、トラブルメーカーなもんですから、お約束どおり蓋はカパッと外れてくれました。そして見事、私のズボンは熱々のマックのホットコーヒーMサイズ一気飲みいたしましたぁ~!いやぁ~、想像以上の快感・・・ではなく激痛です(苦笑)。自分でも私のはいているズボンにここまで根性あるとは思いませんでしたが、ホットコーヒーの一気飲みはいけません。問題はその時、すでに南春夫先生でお笑いモードに入ってしまっていたマックのバイトの子のお笑い指数がレッドゾーンにまで達してしまった事です。アホウのようにキャハキャハ笑うバイト嬢に何事かと売り場主任がすっ飛んできて、状況を見るや否やすばやくタオルを貸してくれました。 その後、売り場主任にこっぴどくバイト嬢は怒られてましたけど、大丈夫だったかなぁ~?首になんなきゃいいけど。確かに、あの状況で笑っちゃいけないけど笑っちゃうよね~(笑)。その後、ビッチョリ濡れたズボンのままB-BOXに到着した惨めな私でした。ちなみに、家に帰ってから点検したら、太ももの辺り真っ赤になってました。根性のありすぎるズボンとタッグを組んでいる私の太ももも大変だなぁ~ってしみじみ思いました。
2007/12/08
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前回はショークラウンの尾開きについて少し考えてみましたが、今日はクラウンのクラウンたる由縁のヒレの切れ込みについて少し。毎日のように大量のショークラウンを眺めていると色々な事に気が付きます。今日のお題である「ヒレの切れ込み具合」もその一つ。 本来ヒレのレイ(軟条)にそって大きく切れ込みが入るのが特徴のクラウンテールですから、ヒレ先がギザギザになって当たり前!・・・でも、そのスリットの入り方はかなり個体差があります。1枚目の画像の個体はかなり切れ込みが深いタイプです。そして2枚目の画像の個体は逆に浅いタイプ。チャイナドレスのスリットは深ければ深いほど世の男性は嬉しくなるのが常って物ですが(笑)、クラウンの場合はね~。これは個人の好みの問題でしょう。 このような差が生じる原因には、元親に何を用いたかが大きく影響してきます。クラウンテール同士を交配すると1枚目の画像のように切れ込みが深い個体が生まれてきますし、どちらか片親にショーベタを用いると、2枚目の画像のようなタイプが多く出現する様です。 個人的には「せっかくクラウンなんだから、切れ込みは深い方が好みっ!」なんで、この辺に関しても昨日登場した「クラウンの尾開きは根性次第っ!」説を唱えるバンコクのブリーダーに尋ねて見ました。開き具合に関しては星一徹もビックリの根性論を唱えた彼ですが、この問題に関しては意外や意外、結構まともな返答が・・・ 「あまりクラウン同士で交配し過ぎてスリットが深くなりすぎると、尾開きが悪くなる」と言うのです。つまり、土台となる部分が無いと上手く扇形に開かないって事みたいです。おっしゃるとおりだ思いますけど、彼にはもっとこちらを楽しませてくれるような豪快な?返答期待してたのになぁ~(笑)。とにかくそういう事なんで、クラウンのスリットは1枚目の画像の個体くらいまでが限界みたいです。
2007/11/30
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ここの所、やたらにショークラウンテール、つまりショーベタの血を導入して尾開きを改善し観賞価値を高めたクラウンテール・ベタを扱う量が増えているせいで、かなり見る目が養われてきたのではないかと少しだけ自負しちゃったりしている今日この頃。 ところで、ショーベタと同じくショークラウンでも尾ビレをはじめとする各ヒレの形状はピンキリです。コレばっかりは、色彩と違って個人の好みと言う訳にはいかず、どなた様も少しでもヒレの開き具合の良好な個体がより素晴しいと言う認識で一致するんだと思います。 でもって、どうしてこのように個体差が生じてしまうのかと少し考えてみたりしました。尾ビレに限定して見てみるとショーベタの場合ですとヒレのレイ(fin ray)つまり、ヒレの中に骨みたいに見える細い筋があるじゃないですか、あれをレイ(軟条)と言うのですが、それが先に行くにしたがって分岐してるんですが、この分岐の回数が多ければ多いほど、つまり先に行くにしたがってより多くに枝分かれしているほど尾開きは良くなるとされています。・・・って言うか普通に言えば当たり前の話ですけど。 でも、ショークラウンの場合は個体によってあまりレイの分岐回数に差が見られないんですよね~。ちなみに、ほとんどの個体のレイは根元部分では11-13軟条で、しかも軟条の数と尾開きの相関関係があんまり認められない気がします。 でも、色は別にして全体の形で考えればどう見たって1枚目の画像の個体の方が断然イイですからね~。ここん所に関して、バンコクで親しくしているショークラウンのブリーダーに尋ねてみた所実に明快な回答が帰ってきました。「根性のある奴は尾開きがいい!」(笑)あんたね~、スポコンじゃないんだから根性って・・・。でも、その後の彼の話を聞いて少しだけ納得。つまり、根性のある奴っていうか闘争本能の強い個体はより多くの時間ヒレを広げて相手を威嚇するフィンスプレッディング(フレアリング)をしているので、おのずと尾の開きが良くなるというのです。以前、ピアノを極めた人の指は常人よりも大きく開くって聞いた事がありますが、コレと同じか・・・ってピアニストの方スイマセン(笑)。 彼の理論では、あくまでもヒレの開き具合は本人(ベタの事です)の努力次第って事でした。しかし、実際には尾開きの良好な系統って言うのは確実に存在するはずなんですが、彼の建物で言えばほぼ全壊状態の物凄いブロークンイングリッシュでそれ以上の会話を続ける気力がなかったので「おおっ、そうかぁ~、そうだったのかぁ~ッ!!」って感心しておくに留めました。
2007/11/29
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エート、珍しく本日2個目の記事です(笑)。今、普段から撮影しているデジカメの画像整理していて思ったのですが、撮影したベタって個体ごとに何故か向いている方向がほぼ決まっているんです!もしかしてベタにも人間の利き腕とか利き足みたいなものがあるんでしょうか?人間ならあるじゃないですか、野球なら右投げとか走り高跳びの時に踏み切る足とか左右必ず決まった方の手足があるのと同じように、ベタにも敵?に見せ付ける体側部に左右決まった向きって言うのがあるんじゃないでしょうか。 このパープル・マスタードガスの個体なら撮影した十数枚の画像の内8割以上が左向きで写ってます。ちなみに今回載せた3枚の写真は同一個体のものです。つまり、向こう側にいるライバルのベタに自分の体の右サイドを見せて威嚇しているって訳ですな。急に興味が湧いてきたので他の個体の画像も見てみると、なるほど個体ごとに得意?な向きがあるみたいでほぼ同じ方向見てポーズ決めてます。 うーん、こりゃ世紀の大発見かもしれないって訳はないが(笑)ちょっとした発見だと思います。こうなりゃ、後で人生の大半をファインダー越しに魚見ている友人のプロカメラマンにも聞いてみなくっちゃ!たぶんベタだけじゃなくて他の魚にもこんな傾向があるはずです。特に、テリトリー意識が強くライバルを威嚇する傾向の強い魚種ではね。 ところで、これまたどうでもいい事ですが(苦笑)図鑑などのやや学術的な書籍では魚の標本写真は基本的に左側に頭が来るようにするのが正しい道ってもんです。もしお手元に図鑑とかあったら一度御確認ください。あっ、いいかげんな図鑑とか生態写真とかは別ですからね。
2007/11/24
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さて、過去2回にわたって何故にバンコクのエンドラーズを取り上げてきたかと言うとぉ~っ!それは今日の記事の前振りだったからでしたぁ~(笑)。昨日紹介したゴールデン・エンドラーズを私に鼻で笑われたと感じたバンコクの故T氏似の青年は「このままこの日本人に帰られちゃぁ、男がすたるゼッ!」・・・と思ったかどうかはともかく、店から帰りかけた私に「明日もう一度店に来てくれっ」って言い始めました。でも、翌日って言うと、夜の飛行機で日本に帰らなきゃいけない日だったので内心はパスしたかったんですが、あまりに熱心な彼の誘いを断るのも何だかなぁ~って事で、頑張って翌日の午後に再度彼のショップを訪ねてあげました。 そこで彼が自慢げに披露してくれたのが今日紹介のこの品種!彼が言うにはエンドラーズ”ピングー”だそうです。つまり、エンドラーズにグッピーの1品種であるピングーを交雑して作り出したのだとか・・・。でも、グッピーに関しては思い切りシロウト同然の浅学には随分と自信と定評のある(苦笑)私が、軽い気持ちで「ああ、メタルピングーねっ」って言ったのが彼のプライドに火を付けてしまったのでしょうか?その後、彼のもの凄い勢いでまくし立てる薀蓄を1時間以上にわたって延々と聞かされる羽目になりました(涙)。あっ、もちろん彼はタイ語でベラベラ解説しまくっていて、隣のフラワーホーンオヤジが滅茶苦茶困った表情でいい加減に英語に変換した言葉を聞いただけですけどね(苦笑)。 なんでも、メタルピングーは全然別物でそもそも尾びれはイエロー系になる事が多く、またピンクに染まったとしてもこのような鮮やかなサーモンピンクに染まる事は無いのだとか・・・。ウーン、知りませんでしたって言うか、そこまでグッピーシロウトの私に熱く語られてもって思っちゃいましたけどね~。それに、途中から通訳を勤めるオッチャンの勤労意欲が確実に低下し始めてもの凄くいい加減な翻訳になっていた事は確実と思われ(笑)、後半部分の会話はほとんど意味不明でした。 まぁ、この品種が彼の言うとおりエンドラーズとピングーの交雑なのか、それともメタルピングーもどきなのかは別として、個人的にこの手の魚って嫌いじゃないんですよね~って言うかかなり好きです(笑)。そんな訳で、彼の熱意にも敬意を払ってこの品種を仕入てきました。日本に持ち帰って落ち着いたオス個体には、確かにボディにエンドラーズ特有の眉毛模様らしき斑紋が見え隠れする事があるような気がします。よしんば、エンドラーズとグッピーの交雑種じゃなくっても、これだけギトギトしたカラーリングなら我が家でキープしてもいいかなって少し考えています。 でも、やっぱり正体を知りたいって言う気持ちはあるので、どなたかこの辺りに詳しい方が何かの拍子に間違えてこの駄文読んでたら、御教授いただければ幸いでございます。
2007/09/15
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さて、なぜ前回バンコクのエンドラーズについて触れたかと言うと当然続きがあるからなんですね~(笑)。ちなみに、エンドラーズ自体はバンコクの数多くのショップが扱ってますのでバンコクの市場に出向けばどなたでも容易にゲットできます。 ところで、私が前回紹介したエンドラーズを購入したショップはオーナーに特徴があるんです。見たところはただの内気な青年なのですが、なんとなく雰囲気と言うか全身からでるオーラみたいなものが、私にとってのエンドラーズのルーツである故T氏に似てるんです。細身で長身・長髪のところも、内気そうに(あくまでも外見は)ボソボソと語る口調も・・・。もちろん、顔立ちとかは全然違うんですけどね。でも、雰囲気が似てると好みまで似てくるのか(笑)、彼の店にはよそとはチョット毛色の違う小型美魚が揃ってます。特に、卵胎生メダカは結構な充実振り!エンドラーズもよそと違い、かなり厳しく選別しているのか粒ぞろいなんです。 何だか妙な懐かしさもあって、バンコク行くと必ず彼の店に顔を出す事にしてます。もっとも、彼は故T氏とは異なり語学の方はからっきしダメ(苦笑)みたいでタイ語しか話せません。当然我々の会話は成り立たないので、私が行くと彼が隣の店(フラワーホーン屋)のオッチャンを連れて来て通訳させる事になります。まぁ、隣の店のオッチャンの語学力もTOEIC300点前後って感じなので、かなりいい加減な会話になっちゃうのが問題です。私が思うに、彼は私の質問に対し本家故T氏ばりの薀蓄を述べてくれているんだと思いますけど、それがオッチャンの通訳フィルターを通った瞬間に・・・(笑)。こうなりゃ、こっちがタイ語の猛勉強するしかないなっ! そんな彼の店で彼が自慢そうに指差してアピールしていたのが、今日紹介のゴールデン・エンドラーズ。まぁ、平たく言えばエンドラーズのメラニン欠乏個体ですね。すでに固定されているのか、相当数のペアが彼の店の水槽に泳いでいました。彼の話では、純粋な?エンドラーズから作出された突然変異だと言う事らしいですが、ボディの大きさなどから考えるとグッピーのゴールデン系と数代前に交雑している気がしますけどね(笑)。ただ、メスの形状などは明らかにグッピーとは異なり、細身のエンドラーズ体型してます。 彼にとっては相当の自信作だったみたいですが、私の個人駅な評価は・・・ウーン。メラニン色素が欠落したためにエンドラーズの最大の特徴であるボディの眉毛模様がなくなっちゃった訳で、個人的にはあまり好みではありませんね。それに、このタイプはすでに我が国にも存在してるの知ってましたから、あんまりインパクトはなかったと言うのが正直なところです。 彼にも、すでに日本にこの系統は存在するって言ったらものすごくショックを受けてました。でも、個人的には元々のエンドラーズ自体バンコクには日本から種親が渡ったと考えてますから、この品種の種親も・・・。もっとも、彼にあまりショックを与えてもいけないんで余計な発言は控えておきましたけど(苦笑)。 やっぱりエンドラーズは原種のままが一番の気がします。原種があそこまで完成度高い外見だと、どんな変異でも改良じゃなくって改悪になっちゃうのも仕方ない所でしょうかね~?
2007/09/15
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さて、今回慌しく見て廻ったバンコクの熱帯魚市場でしたが、そこはそれ、根っからの熱帯魚好きですからちゃんとベタ以外も見てきましたよ(笑)。以前紹介してやたらと人気のあったピクタ・レッドも今回は結構な数を仕入れる事が出来、やっとバックオーダーをすべて捌き終えました。 ところで、バンコクでは結構グッピーをはじめとする卵胎生メダカの人気が高いんですよ。なんか東南アジアのグッピーって言うといわゆる「外産グッピー」・・・つまりはボディがどっしりとしていて、尾ビレが短めの奴を想像するでしょうけど、バンコクではそうでない奴!つまりは「国産グッピー」も沢山存在するんです。・・・ってこれじゃ説明になってないか(苦笑)。つまり、我が国で「国産グッピー」と言っているいわゆるお値段の高めのグッピーをわざわざ日本から輸入してバンコクのブリーダーたちも一生懸命「お高いグッピー」作りに励んでいるんです。 正直申しまして私改良グッピーにはあまり詳しく・・・って言うか完全に疎い男でして(苦笑)、故筒井氏と唯一?グッピーの話を出来ない知人でした。そんな私でもアンテナに引っかかる卵胎生メダカって存在するんです。まぁ、前述のピクタ・レッドあたりはそれですけど、今回はバンコクで大量に生産され始めたエンドラーズを紹介しましょう。 いまやグッピーとは完全に別種扱いとなったエンドラーズ(P.wingei)ですが、バンコク産の奴が何処まで純粋なエンドラーズかは判りません。そのため、我が国のバリバリのエンドラーズマニアには受けないでしょうが、純粋に綺麗な小型魚って言う観点からのみこの魚を評価する人にとっては十分納得できるレベルではないでしょうか?少なくとも、現在我が国のショップで良く見かけるどうみてもグッピーにしか見えない国産エンドラーズもどき(笑)よりは、色彩も鮮明で数段上のレベルだと思います。 想像するに、我が国の「お年玉」と言われる系統をバンコクのブリーダーが入手して繁殖させ始めたのでしょう。表現形が良く似ています。気になる固定度ですが、少なくとも市販されている個体に関してはほとんどが今日紹介した画像と同レベルですし、グッピーと掛け合わせた系統に見られがちなメスの巨大化も見当たりません。 これで、現在我が国で出回っているエンドラーズよりも大分お得な価格で入手可能なはずなので、水草水槽に大量にこの魚を群泳させたいとお考えのアクアリストなどには朗報です。
2007/09/13
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まだまだ、温室の整理やら新たに仕入れてきた魚の仕分けやらやらねばならぬ事が山積状態の私ですが、きょうも頑張ってブログ更新っ(笑)。先日、バンコクで恒例のベタ仕入れを行っていた時の事。今回は日程も短く時間がなかった事と、イギリス出張の帰路に立ち寄った事もあり、連日のハードな日程から古傷の腰痛の状態が大変よろしくない為仕入れはマーケットだけにしておいたのですが、そこでの一コマ・・・。 いつものように、馴染みのベタショップに入って行き女主人と「サワディカップッ!(こんちは)」と挨拶を交わしベタを品定めをしていると、これまたいつものように女主人が知り合いのベタショップに連絡を入れて馴染みの店の人間がその店に集まってきました。どうも、タイ人にはライバル意識ってもんが希薄なのか、同業者に「オイッ、またあのチョットおかしな日本人が店に来たぞッ!」ってわざわざ連絡してやるんです。そうすると、彼らはこの上客を逃してなるものかと言わんばかりに(笑)、最初の店に集合し私の確保に余念がありません。 そうして、最初の店でみんなでああでもないこうでもないとベタ談義に花を咲かせるんですが、これが結構楽しいんです。もちろん、私にはタイ語は良く判りませんからカタコトの英語で会話する事になるため、上手く意思の疎通が図れなかったり微妙なニュアンスが汲み取れなかったり・・・。 彼らは私がその店でセレクトする個体についてもいちいち論評を加えています(苦笑)。どうしてもその様な状況下ではこちらもいっぱしのベタマニアっぽく振舞いたくなるのが人情と言うもの。ついつい、玄人好みの一品ばかりチョイスしてしまいがちです。 そんな中、私が冒頭のソリッド・ブルーの個体を選ぼうとすると女主人からすかさず一言!「その個体は普通の個体だから、アンタには売れないよっ!」はぁ~??「普通の個体は売ってくれない??」実は彼女は「そんな普通の個体をアンタは選んでいいのかい?」って言いたかったようなのですが、語学力の関係から前者のような発言になってしまったようです。それでも、周りの人間が彼女の発言に一様にうなずいたのは何故?ほわ~い?? やはり私はタイ人の目から見ると、「わざわざへんちくりんな個体ばかりをセレクトして大量に買いつけていく変な外人」と言うように見えているのはどうも確実なようです(苦笑)。そりゃ、確かに全買い付け個体数の1/4前後がマーブル個体って言う状況ではそう思われても致し方ない事なんでしょうが、これからは「普通の個体」もきちんと仕入れるように心がけたいと殊勝にも心に誓ったさかなおやじなのでした。
2007/09/08
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皆様、本当にお久しぶりでございます(苦笑)。先月8月末に移転とお知らせしていた逸品堂ですが、やはりと言うか当然の如くこの猛暑の中温室移転と言う無謀な試みのため当初の予定から大幅に遅れ、本日ようやく移転作業がひと段落いたしました。だって、ほんの10分も引越し作業しているとクラクラと立ちくらみがぁっ!まったく、今年の夏ってば何でこんなに馬鹿みたいに暑いんでしょうね~? しかも温室移転作業中というにもかかわらず海外出張を組み入れると言う、「馬鹿には程が無いっ!」と言われても仕方ないほどの無計画ぶり(笑)。今回の出張のメインはもちろんイギリスだったのですが、帰りには頑張ってというか思い切り気合入れてバンコク立ち寄ってきましたっ!そりゃもうキツイのなんのって(涙) 詳しい話は新事務所兼温室の整理が出来てからアップしますが、何はともあれ逸品堂は無事移転作業を終了いたしましたぁ~♪・・・って、無事にか??まだこれから新たに仕入れてきた魚を容器に収容したり、逸品堂のアップに向けて撮影しなけりゃイカンってのに・・・。 ところで、冒頭の画像のマーブルいいでしょ?今回仕入れてきた中では一番のお気に入りです。プラチナ&レッドのマーブルだけでも十分希少価値あるのに、さらにヒレにはイエローの発色があるんです。何だか、少し落ち着いて自分の温室でこんな魚の作出に没頭してみたいなぁ~っと思いつつ、これから頑張って仕入れた魚の仕分け始めますっ!(笑)
2007/09/07
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さてさて、自他共に認めるイチゴマニア(苦笑)の私が、昨日の画像の3枚目つまり個人的にイチゴパターン(・・・って言うかラズベリーかな?)と呼んでいるような表現形のレッド・ドラゴンが好きだッ!!と言う話をしましたが、バンコクの市場にいないなら自分で作ってやろうじゃないの!(笑)。 てなわけで、最近の海外出張の異様な頻度で家を空けることが多すぎで、本来ならば絶対に稚魚の育成が不可能な状況下で頑張っちゃいました!もちろん、その期間取って置きの隠し玉フェアリーシュリンプの乾燥卵を市販の自動フィッシュフードフィーダーにセットして、稚魚のいる水槽に毎日適量ずつぶちまけておきましたけどね。こんな時、ブラインと違って淡水で孵化してくれるのは本当に助かります。 話がそれましたが、そんな訳で我が家でスタートしたイチゴちゃん(苦笑)作出プロジェクトで一番の問題になったのがレッド・ドラゴンのメス。だって、最近のメスはほぼ確実にボディがシルバー1色です。このタイプのメスを使うと、子供はボディにベッタリシルバーが載っちゃうんですよね~。・・・必死になって探しましたよ!バンコク中を!!そしてやっとこさ見つけたのが下の画像のメス。 どうでしょう?ボディには結構理想どおりにドラゴンパターンが適度に散在してるでしょ??それでもって、出来たF1がトップの画像のような表現の個体です。まだまだイチゴちゃんには程遠いですが、それでもボディにベッタリとシルバーが載っていない所に大満足!後は、この系統を使って徐々に鱗の中心部分だけに大きなメタリックスポットが存在する系統を作っていけばよし!・・・えっ?メスのドラゴンパターン何か変??御名答!!(笑)。確かに、このメスのドラゴンパターンは思い切りメタリックブルーですよね。つまり、ドラゴンパターンのカラーリングはシルバー1色じゃなかったって事です。 ちなみに、ベタの色彩の元になる色素細胞は体の表面に4層?になって存在するって事になってます。ちなみに、個人的には本当かよっ?と言う部分もあるのですがそれはさておいて。例えば、ブルー系の発色は最上層に存在する色素胞が関与していると言われています。レッドは2層目だとか。ここでレッド・ドラゴンのカラーパターンを考えてみるとレッドの地色の上にシルバーのドラゴンパターン・・・って事は常識的に考えればドラゴンパターンを表現する色素胞は最上層に存在するって事になります。ちなみに、ベタのキラキラと金属光沢になる表現つまりイリデセンスは最上層に存在するって言うのが定説になってますから、ある意味ドラゴンパターンに関してもお約束どおりと言う事ですね。 チョット話が判りにくくなってきましたが(苦笑)、つまりドラゴンパターンは4層の色素胞層の内最上層に位置するって事です。と言う事は、同じ最上層に存在すると言われている色素胞の影響を受けるという事に他なりません。つまり、同じく最上層に存在するブルーの発色を司る色素胞と共存していれば、メタリックブルーのドラゴンパターンはありって事。他にはスーパーホワイトとも呼ばれるオペックと言う白色の発色を司る色素胞も最上層にあると言われてます。・・・って事はプラチナ・ホワイトのドラゴンパターンも有り得るって事です。 逆に言えば、第2層以下に存在する色素胞が関与するカラーのドラゴンパターンは作りだせないという事になりますね~。例えばメタリックレッドとかメタリックイエローとか・・・・まぁ、現状でベタの色彩に関して完全に解明されているとはとても言い難いし、不可能を可能にするのが下手な鉄砲(ヘタじゃないか?)数打ちゃ当たる的な物量作戦で次々とニューカラーをリリースしてくるバンコクのベタブリーダー達ですから、これらの不可能と思われる表現だって作っちゃうかもね?
2007/06/15
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さて、昨日本当に久々に社会復帰ならぬブログ復帰を果たしたさかなおやじですが、未だ(現在6月6日 午前2:11)温室内の水槽の水替えが終わってません(涙)。1ヶ月以上も放置してた報いと言えばそれまでですが、40半ばの中年オヤジにこの肉体労働は結構辛い物があります。でも、汚かった水槽がドンドン綺麗になっていくのは実に気持ちがいいもんです。そこで、すっかり気を良くして水替中にもかかわらず最近入手した魚の撮影を始める状況判断の出来ない私がそこにいるのでした(笑)。 そんな訳で、久々の熱帯魚ネタ(あっ、ベタ関係は除きます)!!今日の画像はミクロポエキリア・ピクタ レッド(Micropoecilia picta)です。普通に見れば、ただのワイルドグッピーじゃんっ!と片付けられてしまいそうですが、実際それ程遠い関係ではありません。ピクタの原種は中米のトリニダードに生息していまして体長はオスで2.5cm位、メスは一回り大きくなります。 原種は地域変異も知られていますが、体の前半部分が褐色で後半部分がゴールドとブラックのまだら模様って言うのが一般的です。でも、中には更にメタリックブルーやレッドが入り混じって滅茶苦茶綺麗な奴とかいるんです。今回紹介した個体は、原種を改良したレッドタイプ。まぁ、レッドと言っても実際にはオレンジですけど(苦笑)ここまで色鮮やかな個体は結構希少なんですよ。 グッピーに近縁だけあって、卵ではなく仔魚を産む卵胎生メダカの仲間ですがさすがにグッピーほどバカバカと子供を産みまくったりはしてくれません。飼育難易度もグッピーに較べれば高めです。あっ、それからグッピー同様に綺麗なのはオスだけでメスはまったく地味なもんです。 最近では我が国でも、コアなマニアの間で密かに愛好されているようですがやはり大量繁殖が難しいためか価格はかなり高めです。個人的にはチョットそこまで出したくない金額だったので入手しなかったのですが、今回世界中を例のブツ(笑)のトラブルの件で走り周っている時にひょんな事からこの魚をキープしているブリーダーと知り合ったというわけです。・・・って、冷静に考えればビジネスで走り回っている時に、魚のブリーダと知り合うなんて有り得ないっ!・・・と言うツッコミはなしにして(笑) アホウのように殖えすぎないって言う所が奥ゆかしいし(笑)、エンドラーズに続く第二の卵胎生メダカコレクションとして、我が家の温室に迎え入れてやる事にしましょう!でも、個人的にはブランネリィの方が好みだな!(笑)
2007/06/05
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さて、一部の皆様の間で大変好評をいただきました、我が家のエンドラーズですがこの所すこしピンチです。以前の記事でも書きましたが、我が家の系統は背ビレにオレンジの発色がある個体を持って理想形としています。・・・単に飼育者の趣味の問題ですけど(笑)。しかし、ここの所背ビレにオレンジの発色のあるオスの出現率が異常に低くなってます。かつて、次世代を残すオス親を選別していた頃はかなりの高率で背ビレにオレンジがでたのですが、一時期チョット選別をサボりまして(苦笑)120cm水草水槽での無選別飼育に切り替えました。その時、背ビレがオレンジのオスが数少ない事に気が付き理想形のオス親だけを種親にして繁殖を始めた事は、以前紹介したとおりです。 ・・・しかぁ~し!彼ら理想形のオス親から生まれて来る子供や孫世代にもオレンジ色の背ビレを持った個体の出現率がアップしてきません。考えられるのは、以前淘汰選別していた時のメス親は、かなりの高率で背ビレがオレンジになる遺伝形質を潜在的に持った個体であったのに対し、無線別時期があったため現在ではハズレのメスの確率が高くなってしまった事。 でも、グッピーだとメスで次世代の背ビレの色彩に影響があるんでしょうか?エンドラーズはグッピーではないと言う事みたいですから、遺伝の仕方も違うのかもしれませんしね。その辺は今は亡きこのサカナの元祖的存在のT氏に聞いてみたかったものです。改めて、あの男がいない事のダメージを感じてしまいますね~。 いずれにせよ、今我が家で生まれてくる個体の多くは2枚目の画像のように、背ビレにはオレンジ色の発色が見られずうっすらとブラックのレース模様が存在する個体です。個人の好みとは言え、やっぱり背ビレはトップの画像みたいにオレンジでいて欲しいなぁ~。でも、いぜんコレもT氏から聞いた話ですが、グッピーの背ビレの色彩はすぐに飛びやすくまた一度透明になっちゃうと、そう簡単には復活させられないって事みたいです。うーん、我が家のエンドラーズ最大のピンチかぁ~??ちなみに、現在背ビレがオレンジのエンドラーズは10尾程度存在します。それに対して、背ビレがオレンジじゃない個体は・・・数えたくない(苦笑)。 ところで、我が家にはエンドラーズの第二系統と呼んでいる別系統も存在するんですよね~。以前もチラッと書きましたが、T氏直系のエンドラーズに万が一の事があったらと考えて数年前にヨーロッパの卵胎生メダカマニアから入手しました。3枚目の画像がその系統です。チョットしょぼく見えますが、コレは私の撮影技術の問題でして観賞面から言って、第一系統にまったく引けをとらない美しさです。第一系統との最大の相違点は背ビレがライトブルーに染まる事!こちらの固定率はかなり高く、かなりの高率で次世代の背ビレも青く染まります。 でも、今まで一度たりとも第一系統と交雑させた事はありません。だって、一度でも他の地を入れちゃうとTの奴があの世で怒りそうな気がしますから(苦笑)。だから、この美しい補欠選手はまったく日の目を見る事無く、60×45×45cm水槽内で細々と世代を繋いでます。あんまりにも可哀想なので、今日はこいつらも紹介してあげました。 えっ?誰です??第二系統の方がずっとキレイだって言ってる人は!そんなこと言っちゃダメですよ~。飼育している私自身が内心そう思ったてりするんですから(笑)。
2007/03/15
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ずいぶん長い間このブログもサボりっぱなしでしたが、つい先日やっとの事で日本に本格的に(笑)帰国いたしました。いやぁ~、1月早々から始まって延々と続いた海外生活ですっかり日本語も怪しくなっています。今回は、旅程の最後にしっかりとバンコクでのお魚仕入れを組み込んできましたから、仕入れのほうもバッチリです!(笑) 予告どおり、通常では考えられないような量のベタを日本に持ち込み税関でしっかりチェック受けました(苦笑)。もちろん、巨大なスーツケース丸ごと魚がぎっしりと詰まった状態で、係官から疑いの目で見られるのは仕方ありません。だから、動物検疫の窓口に回されたのも納得しています。でも、そこの係官のお姉さんが小さくパッキングしたベタの袋を一つ一つ摘んで、手持ちの図鑑(サイテスとかそのあたりをチェックするための図鑑らしい)で調べるのにはいい加減参りました(笑)。だって、いちいち「コレはマス科の魚じゃないし、金魚でもないし・・・」とかやるんですよっ! 仕事なのはわかるけど、一つ見れば判るんじゃないでしょうか?色が違うだけで、別種かもしれないと考えるのはあまりにも・・・。おかげで、税関で延々1時間以上も引っかかっちゃいました。まぁ、ベタ自体は違法ではないので最後にはパスできるの判ってますから安心ですが、検疫所の室温考えるとあまり長時間放置されると水温がぁ~!ってハラハラしちゃいました。 何はともあれ、無事帰国しましたので明日からは「さかなおやじのひとりごと」をきちんと再開します!
2007/01/28
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今回バンコクから持ってきたベタの撮影がひとまず終了しましたぁ~♪なんと、一昨日の深夜からず~っと撮影しっぱなしでした(苦笑)。一体、どれだけのベタを撮影したのか数えてみたらなんと202尾でした。・・・はっきり言ってキチガイじみてますね~。でも、オーナーが早く逸品堂再開しろって、うるさいものですから仕方ないです。 どうも、理系出身のせいか一度作業に没頭するととことん行っちゃう傾向がありまして、今回も30時間くらいの間に25時間くらい撮影してるんですから・・・(笑)。我ながら、なんて働き者なんでしょう!!でも、絶対長生きできない気がしてきました。 ところで、これから食事をしようと思うのですがさっき2回に上がりダイニングを物色しましたが全然食べるものがありません!なんてこったい!!本当ならば、かみさんたたき起こして夕飯作らせるところですが・・・って今の時間は12月1日、朝5:57ですからそんな事したら大変です!絶対に年内は徹底的にいじめられちゃう事確実ですから(笑)あきらめて松屋に牛焼肉定食でも食べに行く事にしましょう! 松屋から帰ってきたら、今度はフレッシュウォーター・ブラインシュリンプのプレゼント企画を考えないといけませんね~。なんだか、楽天さんのアクセスカウンターは度重なるトラブルでもうアクセス総数なんて全然信用できないからキリ番する気も起きないし(苦笑)・・・うーん、何か面白い方法ありません??
2006/12/01
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さて、先日皆様にご紹介した我が家のエンドラーズの中から突然出てきたダブルソードもどき(笑)の系統ですが、想像以上に皆さんの御意見が真っ二つに!おかげさまで、全然考えがまとまりませんでしたぁ~♪(苦笑)個人的には好きな外見なのは前回述べた通りですが、現在の私を取り巻く環境(特に仕事面)を考えるとノーマルと2系統をしっかりと維持していく自信がありません。下手すれば両系統共に共倒れってな事にもなりかねないので、今回は涙を呑んでダブルソードもどきを処分する事にしました。 ・・・そこで問題なのは、処分の方法。前回のブログで欲しい方は逸品堂までどうぞ!なんて事を何気に書いちゃったら、複数の方から購入希望のメールが来ちゃいました。でも、皆さんにお分けするほどダブルソードもどきは数がいないんです(涙)。ゴメンなさい!うーん、結構困っちゃいました。 そこで、ただでさえ少しネジが抜け落ちかけている頭をギリギリと絞り込んで出した結論!ビッダーズに出品しちゃいましたぁ~♪(笑)。なんて無責任な解決方法なんでしょう!!見事としか言いようがありません。せっかく、メールでダブルソードもどきの購入意思表示をくださった皆様!日本一の無責任男さかなおやじは、解決の場をビッダーズのオークション託してしまいましたので、無理やりにでも御了承ください(苦笑)。 でも、2ペアでノーマル個体ならば5,000円なんですから、そこの所をよ~く考えてあまりヒートアップしないでくださいね。万が一、こちらのほんの僅か痕跡的に残っている私の良心が呵責に堪えられなくなりそうな金額に落札希望価格がアップしてきたら、その時点で落札決定しちゃいますけど、その点も御理解ください。
2006/11/14
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突然ですが、最近我家のエンドラーズに少し異変が起こっています。別に大した事じゃないんですが、ここの所逸品堂でのエンドラーズの売れ行きの好調さに気を良くしたオーナー様(笑)の厳命で、結構真剣にエンドラーズ繁殖に取り組んでいる私です。我家のエンドラーズは、種親となる個体を36cm水槽に収容し、そこで生まれた稚魚を別水槽に集めて育成すると言うサイクルを基本にこの14年間キープしてきました。当然、種親とするべき個体は下の画像のような我家のスタンダード型のオスを用います。 しかし、夏前に若魚がどさっと収容してある120cm水槽を眺めていると、1尾だけチョット変わった個体が存在するのに気が付いたのです。我家の基本形ではエンドラーズの尾鰭はボトムソードです。もっとも、実際にはオレンジ色の模様がソード状に見えるだけで、決して剣の様に伸びている訳じゃないですけどね。しかし、その個体は尾鰭の上側もしっかり伸びてどちらかと言うとダブルソードっぽく見えていました。我家のエンドラーズは、少なくとも我家に来てから14年間グッピーと交配した事もなく、シコシコとインブリーディングして来た系統なので、このように毛色の変わった個体が出てくるのは結構珍しいんです。 その時は何気なく、そのダブルソードっぽい(笑)個体と2尾のメスを36cm水槽に収容しておいたんですが、そこで生まれた子供たちにオス親そっくりの形質を持った個体が複数出現してきました。冒頭の画像の個体がそれです。背ビレがブラックレース模様なのは少し残念ですが、その他は結構綺麗な個体だと思います。そしてやっぱり尾鰭が・・・ うーん、実は結構困ってます。と言うのも我家のエンドラーズは、筒井良樹バージョンの原型を出来るだけキープすると言う基本方針でやってきましたから、この手のバリエーションは当然排除すべき存在です!でも、正直言って結構お気に入りの外見なんですよね~(苦笑)。単に観賞価値という点から考えればこちらの方が上かも。でも、遺伝する形質みたいですから一度この方向に改良を始めると、もう後戻りできなくなる恐れがありますし・・・。でも、エンドラーズだけで何系統も維持していくのはちょっと辛いかも。我家には、基本形の他に万が一の保険として(笑)、お年玉系のエンドラーズがいるんですよね~。こちらは幸いにして一度も保険を使う必要が無いため、60cm水槽1本でひっそりと代を重ねてます。これに加えて、ダブルソード系までキープするとなると・・・うーん、ちょっと腰が引けちゃう。 皆さんはどう思われます?このダブルソードっぽいエンドラーズの系統を残すべきだと思います?それとも、可哀想ですが淘汰すべきなんでしょうか??しばらく悩ましい日々が続きそうです。ちなみに、この事は商魂たくましいオーナー様(笑)には内緒です。だって、妻がこんな事実を知れば「エンドラーズの別系統としてまた商売できるじゃないの!」って言い出すことは明白ですからね(爆笑)。
2006/11/10
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学名:Danio albolineatus (Blyth,1860)通称:パール・ダニオ分布:ミャンマー・ラオス・タイ・マレーシア・インドネシア体長:4cm飼育:★(容易)繁殖:★(容易) 今日は久々に、さかなおやじの本道とも言うべき熱帯魚図鑑に戻りましょう。今日紹介するのは、もはや惰性のようにそしてエンドレスに続くかと思われるダニオの仲間の第13回目!パール・ダニオの登場です。ダニオの仲間には大きな2つのグループがあり、一つがゼブラ・ダニオを中心とする「点と線の関係」グループ!そして、もう一方がパール・ダニオグループです。その分布域を見ていただければお判りのように、非常に広範囲にわたって棲息しています。・・・と言う事は、当然数多くの地域変異や近縁種が存在する訳でして(笑) パール・ダニオの仲間の最大の特徴は尾筒の部分を走るベージュのラインでしょう。学名のalbolineatusも「albo=白い」「lineatus=線」と言う意味で、この特徴を指したものです。一見すると非常に地味な魚なのですが、朝日が斜め上方から差し込むような場所でこの魚を眺めると、息を呑むほど美しく見えることがあります。全身がパールと言うよりはオパールのように複雑かつ美しくキラキラと輝いて見えます。今回も、そんなパール・ダニオの晴れ姿を皆さんにご披露すべく、片手に蛍光灯を持って斜め上方からライティングすると言う涙ぐましい努力で頑張って撮影してみました。ちなみに、下段の写真はかつて、通常通り真上からの照明のみで撮影したパール・ダニオです。 どうです!やっぱり斜め上方から光を当てると綺麗でしょう!・・・って言えれば良かったんですけど、実際の所あんまり変化が見られません(苦笑)。うーん、つくづく撮影技術のなさを痛感させられました。それと、通称名のパールですけどこのての色彩って真珠色かぁ~??どうも、外国人のイメージする真珠ってこういう色なんでしょうか。真珠の本場である日本人の考えるパールカラーとはずいぶん違う気がします。こう見えても、私真珠にはチョットうるさいんです(笑)。なぜって、私の妻がなぜか真珠が好きでして結婚前にはずいぶんと買わされたもんです(涙)。銀座の御木本真珠でずいぶん真珠のネックレストとか指輪とかブローチとか・・・ウンザリするほどつき合わされましたからね~。そうした真珠通(笑)の私に言わせていただくと、パール・ダニオの真珠色はアコヤ貝のものじゃなくて、マベ貝で出来た南洋真珠ですな。 パール・ダニオはゼブラ・ダニオと同じように丈夫で飼育しやすくて、そして泳ぎにデリカシーがありません(笑)。しかも、「点と線シリーズ」のダニオから感じるオーラみたいな物がまったく感じられないんですよね~、私には・・・。したがってあまり好きな魚ではないかもしれませんね~。以前は頑張って様々な地域変異を自分で採集してコレクションすると言う、一種異様な企てをしてた事もありますが、本来好きではない魚では長続きしないもんです。 繁殖自体は簡単で、他のダニオと同じですから地域変異ごとのコレクションを維持する事は難しくないんです。嫌にならなければ(笑)。ただ、一つ繁殖に際して「点と線シリーズ」のダニオの仲間に較べて、1度の産卵数が少ない気がします。正確には、産卵期間中ダラダラと数日にわたって少しずつ産卵するっていう感じですね。産卵期間中の総採卵数はゼブラと変わらないでしょう。
2006/09/27
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さてさて、おさかな逸品堂で販売を開始したエンドラーズは瞬く間に注文が相次ぎめでたく完売となりました。まぁ、人気のある魚だからそこそこ売れるだろうとは考えていましたが、ここまでとは正直想像していませんでした。それ自体は非常に嬉しい出来事であり、この場をお借りして御購入いただいた皆様にあたらめて御礼申し上げます。 ところで、エンドラーズを販売するに当たって一体いくらで販売するか?って言うことがオーナと私の間で問題になりました。私にとっては筒井氏の形見のような存在であるため、あまり安い価格では販売したくないと思っていました。もう一つ、オーナーである妻には内緒なんですが、あんまり安い価格で注文が殺到すると、出荷対応に追われるのは私でして(笑)、そのあたりを考えて価格を決めさせていただきました。 妻にしてみると、こんな小魚にそんな大金出す奴がっ!みたいな気分だったらしく、念のためと称してビッダーズのオークションに出品してみる事を主張してきました。もちろん、私もエンドラーズがどのような評価を受けるのかは興味津々と言うか正直戦々恐々でしたが、ひとまずペア¥1000でオークションに出品してみました。 結果はと言うと・・・残り後1日の現時点で、アクセス総数475件・入札数13件で¥3600/ペアと言う状況になってます。しかし、問題はここから!ビッダーズのオークションにはウォッチリストって言う機能があるらしく、つまりそこに登録した人にはエンドラーズの現在の価格が逐一報告されるようなのです。現時点でウォッチリストに登録は17名!と言う事は、この魚の落札を狙っている方が少なくとも17名いらっしゃると言うことなんでしょうか? 沢山の方にエンドラーズに興味を持っていただくのはありがたい事ですし、今は亡き筒井良樹を正当に評価してくれたような気がして本当に嬉しいのです。しかし、このまま行くとオークションがヒートアップしそうな雰囲気がプンプンしてます。なんだか、皆さん様子見って感じながら、僅かでも価格が動くと、1~2分の間に壮絶な入札合戦が生じます。ビッダーズでレッドビーを出品している知人に尋ねると、こういった場合オークションの落札価格が出品者の想像をはるかに超える高額になるケースも多々有るとか。 明日26日の確かpm22:00くらいが締め切りだった気がしますが、この直前はものすごい事になるんだそうです。逸品堂で2ペア¥5000で販売していたんですから、オークションに参加する皆様!是非是非冷静になってくださいね!!・・・と書いていながら、昨日近畿地方の某歯科医の方から逸品堂のエンドラーズに大口注文が入りましてなんと逸品堂のほうではSOLD OUT!こりゃいよいよ危険な雰囲気です(苦笑)。こうなると、嬉しいと言うよりはなんだかサギみたいで正直困ってます。一体、どうなる事やら・・・。オーナーは妙に興奮して目がギラギラしてきている今日この頃でした。
2006/09/25
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学名:Danio feegradei Hora,1937通称:フィーグラディ・ダニオ分布:ミャンマー体長:5cm飼育:★(容易)繁殖:??(未経験のため不明) 一体いつまで続くのかぁ~!脅威の粘り腰を見せるダニオの仲間シリーズも12回目を迎えました(笑)。大体、ダニオ属だけで12種類飼育してるってだけでかなりと言うかすごくオタッキーですが、まだまでぁ~っ!・・・と言う訳で、今日はダニオ・フィーグラディを紹介しましょう。実は、今年の1/18に一度登場しているフィーグラディですが、その時点での画像が下のもの。その時のコメントでも、いくら飼育しても今後色が揚がる可能性はないと言うように切り捨てられていたこの魚も、その後半年以上が経過して冒頭の画像程度には色が出てきました。えっ?それでも地味だって??(笑)。まぁまぁ、フィーグラディ君だって誠意一杯頑張ったんだから。 ミャンマーに棲息するこのダニオは、もっともダニオらしくないダニオと言えるかも。ものすごく判りにくい表現ですが、要するにどちらかと言えば旧ダニオ属つまり今はデバリオ属(Devario)になってしまった、ジャイアントダニオの仲間としか思えません。そもそも、ゼブラ・ダニオなどの新ダニオ属(旧ブラキダニオ属)と旧ダニオ属(ジャイアントダニオの仲間)の違いはどこにあるのでしょう?今までは、口ヒゲがあるのが新ダニオ属、ヒゲがなければジャイアントダニオの仲間って言うのが一番一般的な判別方法でしたが、現在この違いは属の分類にはまったく使えないようです。つまり、ヒゲのあるデバリオ属って言うのもいっぱい記載されているんです。となると、フィーグラディに口ヒゲがあっても、それでは判断できないし・・・。 ただ、このダニオは体長が5cmを超えると言うダニオの仲間としては巨大なサイズなんです。このあたりを考えても、やっぱりデバリオ属に分類するのが筋って気もしますが、気鋭の分類学者の研究成果に一介のシロウトが異論を唱える訳にも・・・ 元来が丈夫さが売りのダニオ属にあって、加えてこのサイズ!皆さん想像できる様に、滅茶苦茶丈夫です。同じダニオだから一つの水槽でってうっかり考えて、ダニオ水槽にコイツを混泳させるとほぼ確実にドラエモンのジャイアン状態になります!(笑)。したがって、飼育に際して注意すべき点など何もなしです。・・・と言うか、この程度の魚が上手く飼育できないような水槽環境って一体・・・と言われても返す言葉がないほどです。餌も、人工餌だろうが冷凍アカムシだろうがありとあらゆるものを貪欲に、そして周りの他の魚を蹴散らして食べまくってます。しかも、やたら泳ぎが素早いから始末が悪い(苦笑) こんな魚なので、もちろん(笑)繁殖にはチャレンジしてません。が、すごく簡単な気がします。ただ、サイズがサイズだけに産卵水槽は60cm水槽が必要かも。それと、思い出しましたがダニオ属とデバリオ属の違いがもう一つありました!ダニオの仲間は粘着力のない卵を産みますが、デバリオ属の魚は粘着力のある卵を産むという事です。・・・このフィーグラディはなんとなく、粘着力ある気がする今日この頃でした。
2006/09/20
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シリーズ化している私的熱帯魚図鑑とも、新たにシリーズ化された?逸品堂通信とも違うけど臨時ニュースという事で一つエンドラーズを取り上げます。先日、月刊アクアライフの編集部から封筒か届いてたのですが、すっかり忘れてその辺に放置してありました(スイマセン)。今朝、机周りを整理していて未開封の封筒を発見し「こりゃ、日頃の御厚情に感謝して金一封を贈呈しますっ!」て言うありがたいお知らせかもと期待して(そんな訳ねーぞっ!)開封してみると、差出人はなんとアクアライフのドン、石津さんでした。普段の原稿依頼とかは、編集部の人たちからメールで来ますから、御大自ら封書とは、これは一体・・・。 内容は、昨年末に不幸にも夭折された筒井良樹氏の生前の業績を後世に形として残すべく、一冊の書籍を発行するにあたり、生前彼と親交のあった友人・知人から巻末に一言ずつ追悼文をというものでした。以前もブログで書いたように、都心に住んでいた独身時代にはずいぶん彼と飲み歩いたけど、今の場所に都落ちしてからはとんとご無沙汰してただけに、私に彼の追悼文を書く資格なんてあるかな?と考えたのですが、おそらく筒井氏のご友人の皆様はほぼ100%グッピー関係の方達だと思われ非常に貴重なグッピー関係者以外の人間と言う事で石津さんもお選びくださったのだろうと考え、追悼文を書かせていただこうと思ってます。 そんな筒井氏と私の唯一の?グッピーつながりがこのエンドラーズ・ライブベアラーなのです。最近、グッピーとは別種である事が立証されたエンドラーズが我が国に初めて輸入されてきたのは今から10年以上前のことでした。当時、東京の板橋でめだか館パート1と言うショップを経営されていた筒井氏のところに、3ペアだけ輸入されて来ました。筒井氏の近くにいながら、グッピーにほとんど興味を示さない私に、ものすごく強いインパクトを与えてくれたのがこのエンドラーズだった訳です。当時は、非常に美しいワイルドグッピーの1タイプとされていましたが、仲間内ではメスの体型がずいぶん異なる事から、おそらくグッピーとは別種だろうと言われていましたね~。 その時以来、我家の温室からエンドラーズの姿が消えた事はありません。という事は、10年以上純血種としてキープし続けてる事になります。別に、純血である事に特別なこだわりがあった訳ではないのですが、他所でグッピーの色々な品種と交雑されたエンドラーズを見せられて、そのどれもが元のエンドラーズよりも数段魅力の劣るものだったのを見てたと言う事と、エンドラーズに交配する為のグッピー自体が我家には存在しなかったのも幸いしたんでしょう(笑)。 それはさておき、本当に魅力的な魚だと思います。いつまでも原種の持つワイルドさを失わずに、しかも観賞価値が非常に高い絶品ですな。我家では水草の繁茂する120cm水槽での自然繁殖をメインに種のキープをしてきました。今回の筒井良樹追悼文の原稿を書くにあたって、久々にじっくりとエンドラーズたちを観察してみました。 するとどうした事でしょう~!エッ、エンドラーズがぁ~!!・・・って別に大した事じゃないんですけど(笑)、エンドラーズ維持の我家の指針とすべき姿から若干変化が?と言うのは我家のエンドラーズは、入手当初の姿を出来るだけ忠実に次世代に残すって言う基本方針がありまして、その主なものは以下のようです。1)ボディの黒い眉毛模様はあくまでも鮮明に。2)ボディ前半のグリーン、後半のオレンジは鮮明かつ所定の位置にある。3)背ビレにはオレンジの斑紋が存在する。 このうち1)・2)は純潔エンドラーズであれば当然の事、我家の個体でもまったく問題ありません。トップの画像の個体では眉毛模様がやや不鮮明に見えますが、これは撮影水槽に移してすぐに撮影したためで普段は漆黒です。問題なのは3番目の条件。つまり背ビレにオレンジの斑紋があると言うものです。実は、我が国に輸入されてきた3ペアのエンドラーズの背ビレはオレンジじゃありませんでした。薄い黒のレース模様の中に小さなブルーやオレンジの斑紋が散在している程度。当時、ベネズエラでエンドラーズを採集したエンドラー氏のレポートでも、背ビレは黒っぽい個体が多いと書いてあった気がします。 入手当初の姿を出来るだけ忠実に維持する方針の我家で、背ビレだけは実は作為的に選別されてきたのでした。エンドラーズとしては超有名な「お年玉タイプ」では背ビレが綺麗なブルーなのも、作出された方が意識的に選別を繰り返された結果だと思われます。そんな背ビレのオレンジですが、実はこれはなかなか固定してくれません。メスの背ビレには基本的に色が乗りませんから(うっすらと黒い斑紋は入る)仕方ないとして、種親のオスにオレンジ背ビレの個体を選んでも、子供たちが100%オレンジの背ビレになる訳ではありません。せいぜい30%程度のオス個体が背ビレにオレンジの発色を見せてくれる程度です。 しかも、ここの所の本業の超多忙にかまけて選択的に繁殖させてませんでした。120cm水草水槽に試験に合格した(笑)個体のみを収容し、後は自分たちで何とかしてっ!と言う感じでした。その結果、水槽内を良く良く調べてみても背ビレがオレンジの個体はせいぜい15尾程度、後は冒頭の画像のように背ビレが黒かったり無色だったりしてます。これって、我家のエンドラーズ絶滅の危機かぁ~!!(笑)、と言う事で早速エンドラーズを繁殖させるべく、36cm水槽を6本セットしました。 すぐ上の画像が一応我家の指針となるべきエンドラーズの理想形なんですけど、頑張って早く安定してこの表現形が得られるように頑張らないとね。天国の?筒井氏にも申し訳ないし。ただ、背ビレがオレンジじゃ無い個体からも、背ビレがオレンジの子供は得られるのであんまり意味の無い努力かもしれないけど(苦笑)。まぁ、殖やすの簡単な魚だから半年もすれば元通りって事は確実だけど、一応我家の絶滅危惧種としてオレンジ背ビレのエンドラーズを認定いたしました(笑)冒頭の画像があんまりなので、頑張って取り直しました。ヒレがオレンジに染まらない事を除けば綺麗でしょ?
2006/09/18
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学名:Danio sp.通称:ブルーグリッダー・ダニオ(英名:パンサー・ダニオ)分布:ミャンマー体長:3cm飼育:★(容易)繁殖:??(未経験のため不明) さかなおやじだけでなく、たくさんのアクアリストから高い評価を得ているオレンジグリッダー・ダニオには、同じような縦格子模様の近縁のダニオが存在します。今日は、そのブルーグリッダー・ダニオを紹介しましょう。実は、このダニオは今年の1月8日付のブログで一度紹介してます。その時の記事を見てみると、いくら手をかけても体色が綺麗に仕上がらないこの魚に業を煮やした私から観賞魚歴30年をはるかに超えたさかなおやじのアクアリスト人生の中でもここまで不義理な奴は初めてです!とかこの先ショップで見かけても絶対ゲットしないでしょう!と言うよりオマケでくれるといわれても断固断りますっ!とかものすごい言われようをしています(笑)。 今になって冷静に観察すると、そこまで酷評されるほどの魚ではありません。でも、地味なのは間違いないですけどね。オレンジグリッダーに対するブルーグリッダーのイメージからすると大ハズレとか言われちゃうのも仕方ないかも。 しかし、飼育は容易で実に飼い易い魚であることは確かです。しかも、1月の時点ですでに完全な成魚と思われる個体が、現在も十分現役ですから長持ちもしますね。まぁ、ただ現役長く続けりゃ良いってもんでも無い気もしますけど(苦笑)。 この魚は、ダニオの仲間としては珍しく私が繁殖にチャレンジしていない魚でもあります。前回のときも、「ダニオ全種の繁殖成功を目指す意味でも一度はブリーディング」とか書いてるくせにまだやって無いんですから、この魚に対する私の評価が判るってもんです(笑)。もっとも、オスメスの区別はかなり容易で、冒頭の画像がオス、次の画像がメスです。体型もはっきり違いますし、体色にも差異が認められます。個人的には、あっさり系のメスの体色の方が綺麗な気がしますけど、どうでしょう? ダニオの仲間だし、ここまで飼育が容易な魚なので繁殖も簡単かと思っていたのですが、このブログにも度々遊びに来ていただいております873mさんのブログ、水辺のひとときを拝見するとメスが強くてなかなかペアが繁殖行動に移れないとの事でした。ベタ辺りでも良くあることですが、繁殖の際にはオスの方が強い方が上手く行くもので、メスがテリトリー意識を持つようだとなかなかオスが仕掛けられません。 でも、まぁかなり真剣にこの魚の繁殖を狙っておられるようなので私が渋々チャレンジしなくても、結果だけ拝見させていただければ満足かも?(笑)。873mさん、後は良しなに・・・(爆笑)
2006/09/17
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学名:Danio choprai Horae,1928通称:オレンジグリッター・ダニオ分布:ミャンマー北部のイラワジ川水系体長:2.5cm飼育:★(容易)繁殖:★★(普通) さて、延々と続くダニオの仲間シリーズもついに第10弾!ここまでダニオをしつこく扱ってる奴なんてそうはいないだろぉ~♪(笑)。そんな偏執狂が今日紹介するのはオレンジグリッター・ダニオです。ダニオの仲間としては比較的最近になってわが国に輸入されてくるようになったのですが、別に新種と言う訳ではなく単に生息地のミャンマーが鎖国状態だったからで新種としての記載は1928年とずいぶん古いんです。いつも学名なんてアクアホビーの世界ではどうでもいいって言ってるくせに一応書いときますが(笑)、種小名は今まではチョプラエchopraeとされる事が多かったのですが、この間文献見てたら正確にはチョプライchopraiみたいですね~。覚えてる人なんていないんでしょうけど(苦笑)、種小名の最後がeならば女性のiならば男性の名前ですね、普通は。つまりチョプラさんのッて言う意味か、チョプラ君のって言うことかの違いです。どうでも言い事にこだわってスイマセンね~。 学名の事なんて忘却の彼方にポイッしておいて(笑)、とても美しいダニオであることは確かです。ボディが暖かみのあるオレンジ色に輝く魚は、熱帯魚の種類はゴマンといますけどあんまり見かけないカラーパターンだと思います。特に秋風が吹いて少し寒さを感じるようになってきたこれからの季節には、この魚眺めてると心がポッと温まるような気がしてすごく落ち着きます。ボディの垂直方向に扁平な暗色の格子模様もかなり良い味出してます。通称名オレンジグリッター「グリッドgrid=格子状の」意味ですから、通称名としてもあんまり反感を覚えない良いネーミングだと思います(笑)。輸入当初はグローライト・ダニオって言う呼び名もあったようですが最近ではオレンジグリッターでほぼ固定されているみたいです。 飼育に関してはダニオの仲間ですから基本的には丈夫です。ただ、水質が汚れているとエロモナス症になりやすい気がするので、ゼブラやレオパードよりは少し繊細かもしれません。でも、普通に日常管理が出来ていれば非常に丈夫で飼育しやすいダニオです。性質も温和なので、他の魚にイライラするほどのちょっかいを出す事もありません。もちろん、水草も齧りませんからこれからのシーズン、水草レイアウト水槽のお供(笑)に最適だと思います。 こんな、さかなおやじ大絶賛のオレンジグリッターですが、最近少し気になる事があります。この魚がはじめて輸入されてきた当時の個体は、本当にボディのオレンジが色鮮やかでした。しかし、最近ショップ見かける魚はなんだかあまり美しく輝いていない気がします。養殖もされるようになってきたので、その弊害が出てきたのかそれとも採集地が変わってしまったのか、オレンジ色が薄汚れたような個体を多く見かけます。以前と違い、かなりポピュラーな魚で入荷もコンスタントです。もちろん、購入の際には出来るだけ色鮮やかな個体群がショップに入荷した際にしましょうね。 繁殖は他のダニオとまったく同様ですが、オスメスの区別が少し難しいかも。と言うのも、この魚のメスはゼブラやレオパードの様にメスのお腹が卵でパンパンに膨れ上がるなんて事がないので、特に餌を与えた直後などオスメス共に同じような腹具合なのでチョット迷います。もちろん、状態良く飼育している個体ではオスの方が色彩的にはより鮮やかですけどね。それと、一回に産卵する卵の数も少なめです。と言っても、私のところでも1回しか繁殖させてませんからたまたまかもしれませんけど、全部で50個も産みませんでした。稚魚は小さいけれど丈夫で育てやすい方でした。ただ、最初の餌として孵化したてのブラインを食べる事が出来ませんから、そのあたりはチョット考えないとイカンですね。
2006/09/15
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さて、3回にわたってゼブラとレオパード。スポテッドとゴールドリング、そしてキャスイットの2タイプとしつこいくらいに点と線の関係を強調してきましたけれど、そろそろ私の考える仮設を披露しましょうかね~♪まぁ、アマチュアだから許されるあまり根拠の無いものなんでもし万が一研究者の方がこの記事ご覧になっていても怒んないでね(笑)。 遺伝的障害なく交配できるからゼブラとレオパードは同種、つまり産地のわからないレオパードはゼブラの改良品種に違いないって言うのが、現在支配的な考え方。でも、レオパードがゼブラの亜種であるとすれば、たとえ自然界に存在する種だとしてもゼブラとの交雑は問題ないはず! 私も2度ほど過去に交雑実験した事があります。文献によればゼブラ×レオパードの交雑で生まれてくる子供はすべてゼブラ模様であると言うもの。実際、私の過去の実験でもそのような結果が出ています。しかし、実際にデータとして欲しいのはF2つまり孫の世代がどんな外見で生まれてくるかって事なんです。今回は、それを確かめるべくゼブラ♂×レオパード♀って言う組合せでブリーディングを、同じペアを使って5/10と5/25の2回行いました。 普通ならば、ここで育った子供は全部ゼブラ模様でしたぁ~♪って事になって約半年後の孫世代の誕生が楽しみですって話になるはずだったんですが、チョットしたハプニングが起こりました。画像にはゼブラとレオパードが写っていますが、実はこれその時繁殖させた子供たちなんです。つまり、兄弟たちって事です。なんと、今回の実験では子供達の外見は全部ゼブラにはなりませんでした。・・・って事は?? 皆さんは高校のときに習った遺伝の話し憶えてますかぁ~?(笑)。メンデルがエンドウマメを使って調べたメンデルの法則って奴を。チョット話が難解になりますが、ここでざっとメンデルの法則のおさらいを・・・。生物の染色体は、基本的に1対ずつある事になってます。その1対の染色体上に遺伝子が存在し、様々な形や色、その他の特徴を表現しているのです。つまり、ゼブラ・ダニオのゼブラ模様を表す遺伝子をZと表すとすると、遺伝子は1対ある事になってますからゼブラの遺伝子はZZと言う形で存在してる事になります。そして、この1対の遺伝子は交配の際にバラバラに分かれます。今度はレオパード模様を表す遺伝子をLで現すとすると、レオパード・ダニオの体内にはLLと言う遺伝子が存在する事に。 ここでゼブラ×レオパードと言う交配を行うとどうなるでしょうか?ゼブラ側ではZZと言う1対の遺伝子がバラバラに、レオパードのほうもLLがバラバラになり、オスから1つメスからも1つの遺伝子が選ばれてくっつくと言う訳です。つまりこの交配ではZL・ZL・ZL・ZLと4通りの組み合わせすべてがZLと言う遺伝子になりますね。つまり、生まれてくる子供はすべてZLと言う組み合わせの遺伝子を持ってる事になります。ここで話が戻りますが、ゼブラ×レオパードの子供はすべてゼブラ模様って言いましたよね?つまりZZと言う遺伝子でもZLと言う遺伝子でも、外見はゼブラ・ダニオになっちゃうんですが、これをメンデルの優勢の法則って言います。・・・って憶えてましたぁ~?(笑)。 つまり、1対ある遺伝子のうちどちらか一方でもZが存在すれば、外見(表現形)はゼブラになる時、ゼブラ模様は優勢そしてレオパード模様は劣勢と呼ばれるのです。ここで大切なのは、外見がゼブラだからと言って、遺伝子がZZとは限らずZLと言うパターンも場合もあるのに対して、レオパード模様の個体は絶対にLLと言う遺伝子型であるというところです。 それじゃ、今回我家で起こった現象はどのように解釈すればよいのでしょうか?つまりゼブラ×レオパードでもレオパード模様も生まれてきちゃったケースについて。ここではこのように仮説を立ててみましょう。つまり、今回オス親に使ったゼブラの遺伝子型はZL、そしてメスのレオパードは前述のようにかならずLLです。この場合交配の際に両親の遺伝子がバラバラになってオスメス両方から1個選んでくっつく訳ですから、子供の遺伝子型として考えられるのはZL、ZL、LL、LLの4通りつまりZLとLLが1:1の割合で出来るはず・・・って事で、今回の2回の交雑実験の結果を見てみると、第一回目の繁殖でえられた子供は64尾(現時点)でゼブラ:レオパード=36:28、2回目の稚魚は92尾でゼブラ:レオパード=47:45と何とか1:1と見なす事が出来る誤差に収まってる気がします。 もっとも、生物の遺伝で必ずこんなにストレートにメンデルの法則が適用できる訳じゃありません。例えば、ゼブラ模様を表すのに必要な遺伝子型はAABBCCとA・B・Cの3つの遺伝子がすべて揃わないとダメとか、それ以外にも補足遺伝だ被覆遺伝だのやたらに難解な遺伝もあるのでこの程度のデーターで結論判ったような事いっちゃいけません。でも、ひとまずはメンデルの法則にストレートに当てはまりそうな実験結果が出てきたんで、次なる実験にも熱が入ろうってもんです。 えっ?次なる実験ですか??ひとまず打ち立てたあまりにもアバウトな仮設が正しいとすれば、今回生まれてきた子供のうちゼブラ模様の個体の遺伝子型はなんだか判ります?(笑)。メス親にレオパードLLを使用している以上、見た目はゼブラであっても遺伝子型は必ずZLのはず。とすると、今度は見た目がゼブラの子供たちの中からペアを選んで交配実験すると、結果はどのようになると予測できるでしょうか??もうこの辺になると、頭痛くなってきた人が続出の気もしますけど(笑)ZL×ZLと言う組み合わせですから、孫の世代の遺伝子型はZZ・ZL・ZL・LLの4通りって事になるはず。2つの遺伝子の内1つでもZがあれば見た目はゼブラ模様になるはずですから、ZZ・ZL・ZLの3パターンでは見た目はゼブラ、そしてLLと言う遺伝子型の孫だけレオパード模様になるはず・・・って言うかなればいいんですけどね~(笑)。この場合、孫の世代ではゼブラ:レオパード=3:1の割合で出てくるはず~♪ 興味の無い方にはほんとに訳わかんなくてつまらない内容だったと思いますけど、その辺にいくらでもいるゼブラ・ダニオやレオパード・ダニオ使っても結構楽しい?実験が出来ますよっ!という事をお伝えしたいと思いまして・・・(笑)。要するに、ゼブラダニオ(外見は)同士を繁殖させても、子供にレオパード模様が出る可能性ってあるんだな、くらいに考えていただければよろしいかと。 さすがにグッピーあたりでは、今はなき筒井良樹氏あたりを中心にかなり突っ込んで遺伝について考える集まりみたいのが出来つつあったみたいですけど、例えばショーベタやプラカットではそのような試みも集まりも聞いた事がありません。各自が自分の経験で得た色彩やヒレに関する遺伝の情報を集めればかなり有意義なものが出来ると思いますけどね~。もっとも、どんなに頑張ってもアマチュアのデータを研究者が使うってケースはほとんど有り得ませんけど・・・。
2006/09/13
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学名:Danio kyathit Fang,1998通称:キャスイット・ダニオ分布:ミャンマー体長:4cm飼育:★(容易)繁殖:★(容易) さて久々に、さかなおやじのひとりごと本編に戻りましょう。エート、確かダニオの仲間でゴールドリング・ダニオまで紹介したような気がします。・・・と言う事なら、今日はダニオ・キャスイットを紹介する事にしましょう。なんだか見た目はゼブラ・ダニオに良く似てる気がしますがボディを走るストライプがジグザグになってるのが特徴です。それと、なんだか体色が薄らボケたようになっているのは、本種の特徴ではなく単に我が家にいたモデルが万全じゃないからで(苦笑)、本当はゼブラに負けず劣らず濃紺&ホワイトストライプが鮮やかです。 ダニオの仲間だけあってやっぱり丈夫で飼い易いんですが、かなり臆病者です。体長はゼブラ・ダニオやレオパードなんかに較べて明らかに一回り大きくいかにも図太そうな感じなんですが、チョット驚くと30分ほど物影に潜んでまったく姿を現しません。もっともこれは、ゼブラ・ダニオと異なりほぼ100%現地採集個体が輸入されてくるので、養殖物ばかりのゼブラやレオパードと異なるだけで、今後養殖が進めばデリカシーのかけらもない(笑)せわしない魚になっちゃうのかも? ミャンマーが一種の鎖国状態の頃はまったく存在を知られていなかったのですが、ここに来てミャンマーの軍事政権が外国の研究者が国内に入ることを許可するようになってから発見された比較的新しい種類です。今やダニオ属研究の第一人者とも言える存在のファンファン女史により記載されています。もっとも、まだまだ細かい事は良く判っていないようで、おなじキャスイットの名前でヒレが鮮やかなオレンジ色に染まる個体とか、様々な色彩変異が輸入されてきます。 そんなキャスイット・ダニオのカラーバリエーションの中でもっとも注目すべきなのが2番目の画像の個体でしょう。全身やや大きめのダークブルーのスポットが散りばめてあります。一応、現時点ではこの魚もキャスイット・ダニオだとされていますがこりゃ明らかに別種でしょう。つまり、ゼブラとレオパード、スポッテッドとゴールド・リングそしてここにキャスイットのストライプとスポット・・・もう皆さん私が何を言わんとしているのかお判りだと思います(笑)。 点と線の関係、つまりレオパード・ダニオがゼブラ・ダニオの改良品種なんかではなく自然界に存在していても少しも不思議ではないと言う事が。おそらく、現時点でキャスイット・ダニオの2タイプが別種とされていないのは遺伝的にかなり近いからなんだと思われます。だとすれば、ゼブラとレオパードが遺伝的に非常に類似しており(そこがレオパード改良品種説の根拠)、交雑実験でも生殖的隔離機構が見出せないのも少しも不思議ではないと言うのが、さかなおやじの独断と偏見に満ち満ちた仮説なのでしたぁ~♪ うーん、返す返すももう少し若くて子供なんていなければこのあたりに関してじっくり研究してみたいなぁ~。もちろん、学究生活に戻ってね。
2006/09/12
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学名:Nothobranchius kafuensis Wildekamp&Rosenstock,1989通称:ノソブランキウス・カフエンシス分布:ザンビア体長:4cm飼育:★★(普通)繁殖:★★★(少し難しい) 今日はノソブランキウス・カフエンシスの紹介です。それにしても次から次へとよくまァ、ネタが尽きないもんだと我ながら少し感心してます(苦笑)。しかし、綺麗どころをずらっと並べてきたノソブランキウスの仲間シリーズも今日が一応の最終回だけあって、さすがに最後に残ったのはすごく地味な奴になりました(笑)。 ピンクともオレンジともつかない複雑な色のノソで、しいて表現するならばサーモンピンクって奴でしょうか?・・・って、はじめからそう書けって??(笑)。一言で言えば、歌舞伎者揃いのノソにあっては、ビックリするほど地味なお人ですね。尻ビレと尾ビレのホワイトエッジが唯一のチャームポイントでしょうか?いずれにせよ、あまり人目を引かない事だけは確かなようですな。 飼育は別に難しい事もなく、他のノソ同様ですがあまり人懐っこくないかもしれません。餌を与えた時以外は結構物陰に潜んでますから。飼育に関しては特記すべき点もないN.カフエンシスですが文献によると、卵の休眠期間は約5ヶ月とかなり長いので繁殖はかなり難しい部類に入るとの事です。・・・ってほんとかよ?ちなみに我家には7/25採卵の休眠卵があるのですが、外見から判断する限りではいつでも孵化OKって感じなんですけど・・・ 洋書などで見るN.カフエンシスと我家のカフエンシスは若干見てくれも異なるようなんで、もしかすると違う種類なのかしらん?一応、ザンビアのManbowaって言うロケーションが入ってましたから、N.カフエンシスの地域変異らしいのですが、それにしても休眠期間5ヶ月のところが2ヶ月もたたないうちに発眼しちゃってると言う事実はどう理解すべきなんだろうか?? 話は変わりますが、一般的に言って熱帯魚の世界にはある法則が存在してるような気がします。つまり、綺麗な種類ほど安価で飼い易い!。この法則をさかなおやじのおさかな第一の法則って言うかどうかは別として(笑)、綺麗な魚はそれだけアクアリストからの需要があるわけで、当然プロブリーダーも一生懸命ブリーディングに励む事になります。その結果、需要に応じた供給態勢が確立され、価格も安値安定すると言う事です。また、人工的に累代繁殖された結果として飼育も容易になってくるんですよね。 例えば、ネオンテトラなんてその典型じゃないですか!あれだけ綺麗な魚があの価格で買えちゃうんですからね~。でも、この第一の法則を裏読みすると綺麗じゃない魚ほど高額で飼い難いって事になりませんか?(笑)。実際、混じりものの珍カラなんて全然綺麗じゃなくたって、ビックリするような高値で取引されていたりしますから。N.カフエンシスもご多分に漏れず、やっぱり市場価格は高めです。本当に休眠期間が5ヶ月ならばこの高値も納得できますが、我家のものみたいに2ヶ月足らずで孵化するとなると、これはチョット問題あるんじゃないでしょうかね~? 冒頭の画像があんまり可哀想なんで、少し頑張って取り直ししてみました!・・・ってでも、この程度なんですけどね(苦笑)。カフエンシスにしてみれば、精一杯頑張ってる所なんでしょうね~。
2006/09/11
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学名:Nothobranchius palmquvisti通称:ノソブランキウス・パームクイスティ分布:タンザニア体長:3cm飼育:★★(普通)繁殖:★★(普通) 今日も時間稼ぎのノソ紹介行きます!(笑)。今日紹介するのは、ノソブランキウス・パームクイスティという種類です。以前紹介したN.ギュンテリーやN.フォーシィに良く似た外見をしているので馴れないと区別がチョット難しいかも。せっかくだから、3種を一挙掲載して実際に比較して見ましょう。トップの写真がN.パームクイスティ、中段がN.フォーシィそして3枚目がN.ギュンテリーです。3種とも尾鰭が鮮やかな赤に染まるノソですが、それぞれ微妙にカラーリングが異なるのがお判りでしょうか? 体の前半部分が青く染まり、背ビレや尻ビレには明瞭な赤褐色の斑紋が散在するのがN.パームクイスティです。N.フォーシィはボディや背ビレ・尻ビレがライトイエロー~ライトグリーンの淡色系で、ヒレの斑紋もすごく細かくて繊細な感じがします。N.ギュンテリーはボディ後半部分にも赤い模様がくっきりと入る他、尾鰭の外縁が黒く縁取られているのが特徴です。もっとも、3種共に地域変異が存在しますから、いつでもこんなに簡単に3種を区別するのはやっぱりたいへんかも?(笑) 3種のうちでどれが良いかなんて事はもう人それぞれの好みの問題ですからいいとして、嬉しい事に3種とも綺麗で・丈夫・繁殖も楽と3拍子揃っています。ノソブランキウス属にチャレンジしてみようと思っている方は、この3種かN.パトリジィ、N.コウサウサエあたりをチョイスしておけばまず失敗しないと思われます。 ちなみに、ノソブランキウスの稚魚はどれも猛烈な勢いで成長します。例えば、冒頭のN.パームクイスティは7/15に孵化させた個体です。現時点で生後2ヶ月弱という事になりますがこの間、飼い主の2度の海外出張(当然その間は絶食)を耐え抜きすでに体長2cm前後になってます。もちろん、雌雄の判別も完全にOKです。しかも、驚くべき事に生後2ヶ月でこの状態というのは、ノソにとってはどちらかと言えば成長遅すぎです!もちろん、彼らに責任があるのではなくやたらに家を空ける飼い主が悪いんですけどね(苦笑)。 乾季が終わり誕生した稚魚達が、次の乾季が来るまでになんとしても成熟して次世代を残すと言う彼らの過酷なライフサイクルを考えれば当然の事なのかもしれませんが、飼育者にとっては卵を水につけてからせいぜい2ヶ月でカラフルな若魚達を得ることが出来るというのは本当に便利です(笑)。こんな魅力たっぷりのノソたちの短所をあえて捜すとしたら・・・ 第一に寿命が1年~1年半くらいと短い事と、あとはうっかり嵌るとやたらに種類だの地域変異だのが沢山いるので、コレクター癖のある人は家中小型水槽だらけになっちゃう所でしょうか?(笑)。まぁ、寿命が短い分繁殖サイクルが早いんだし種類が沢山入ると言う事はそれだけ趣味としての奥行きが深いということでもあるから、一概に短所ともいえませんけどね~。
2006/09/10
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学名:Nothobranchius korthausae var.通称:ノソブランキウス・コウサウサエ・レッド(N.コーソザイ・レッド)分布:タンザニア体長:3cm飼育:★★(普通)繁殖:★★(普通) 今日も時間稼ぎの(笑)、ノソブランキウス紹介です!今日紹介するのは、ノソブランキウス・コウサウサエ・レッド。つまり、以前紹介した阪神タイガースファン御用達のイエロータイプの色彩変異って訳です。もっとも、人工的に作られた改良品種ではなく、タンザニアに棲息するれっきとした原種なんですよ。 でも、最近の分類学者さんは大変だなぁ~ってつくづく思いますね~。だって、このコウサウサエ・レッドと以前紹介のコウサウサエ・イエローが同種だって言っちゃいけないんですから。以前ならば、前人未到のジャングル踏み分けて到達した小川で今までみた事のないような魚見つけたら。やったぁ~♪こりゃ間違いなく新種だ!これで、私の名前も魚類分類学の世界で新種記載者として永遠に記録されるのだぁ~!!ワハハハ・・・ってな具合で、見た目でバンバン新種記載しちゃえば良かったんですから。 最近ではそんな軽はずみな事しちゃったら他の研究者から、白い目で見られちゃいます。もしかすると村八くらいにはされちゃうかも(笑)。現在ではDNAを調べて、近縁種との類縁関係とかじっくり研究してからじゃないとうっかり発表できません。まぁ、その点シロウトの私は好き勝手放題発言できちゃうわけで(笑)、レオパードダニオはゼブラの改良品種じゃないっ!とか平気で公言できちゃうわけですね~。 ところで、コウサウサエ・レッドはコウサウサエ・イエロー同様飼育・繁殖共に容易なノソなので、入門魚にもってこいです。そうそう、ちょうどkenkouさんからノソの繁殖についてご質問をお寄せいただきましたのでこの場をお借りしまして・・・ ノソブランキウスの仲間はピートの中に産卵するんですけど、ペアさえいればのべつまくなしに繁殖行動とっている訳じゃありません(笑)。やっぱり産卵時期みたいなものがあるようで1週間前後繁殖行為を行ったらその後しばらくはお休みするようです。入門種と呼ばれるノソたちは、この産卵期間が何回も訪れますが、繁殖難魚と呼ばれるノソたちだと、1~2回しか繁殖期間がない事もあります。乾季が訪れる前に産卵を終了していなければいけない彼らにとって、そんなにダラダラと続く産卵期間は必要ないと言う事なんでしょうね。 それと、もし水槽に余裕があるならば産卵期間と期間の間の端境期にはメスを別居させ、十分に餌を与えて体力の回復を図ったほうが確実に繁殖をさせることが出来ます。今の時期であれば、まだ保温も必要ないはずなのでプラケースでも大丈夫ですから、ノソの繁殖チャレンジしてる人は一度お試しください。
2006/09/09
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学名:Nothobranchius foerschi通称:ノソブランキウス・フォーシィ(N.フォーシャイ)分布:タンザニア体長:3cm飼育:★★(普通)繁殖:★★(普通) さて今日紹介するのはノソブランキウス・フォーシィです!・・・って、あれっ??確かダニオの仲間紹介してたんじゃなかったっけ??と言う突っ込みは無しにして下さい!(笑)。だって、だってダニオの仲間撮影している暇が全然ないんだもんっ(苦笑)。バンコクから帰国後睡眠時間を削ってまでもベタや卵生メダカの撮影してたおかげで、本来の仕事のほうがドッサリ溜まってくれましたぁ~(涙)。しかも、なんだか今回はプラカットの売れ行きが好調でせっかく撮影したのに(苦笑)早くもSOLD OUT!連発と言う嬉しい状態になってます。ちなみに、嬉しいのはわが奥様だけかぁ~?? そんなこんなで、2~3回の間、逸品堂の為に撮影した画像のストックがあるノソブランキウス属の未紹介種を皆さんにご披露して時間を稼ぎます(笑)。なんとか、今日明日でダニオの撮影しなくっちゃね!・・・でも、その前に恐怖のマラソン水替えも待ってます(涙) 今日紹介するN.フォーシャイは以前紹介したノソブランキウス属の入門種N.ギュンテリーに似た外見ですが、派手さではギュンテリーに負けますがより色彩が繊細でなんとなくおとなしい感じがします。個人的にはN.パトリジィと並び大好きなノソなんですよ。撮影のモデルは、まだ生後2ヶ月未満の若魚なので、色彩的には未完成ですがこの後2ヶ月もすれば上品で優雅な美しい体色を披露してくれる事でしょう。 飼育・繁殖共にノソブランキウスの中では入門的な存在なので、これからノソにチャレンジしてみようと言う方には自信を持ってお薦めできる魚です。 ところで、始める前にはこんなに反響があるとは思わなかったノソブランキウスの休眠卵販売ですが、ここに来て結構困ったチャン状態になってます。と言うのも、当然彼らにも休眠期間の終わりって奴が訪れてくる訳でして・・・。どんな商品も在庫がきれいさっぱり完売!なんて都合よく行く事はあんまりないじゃないですか。例えば、N.ラコビーの休眠卵を前回は30カップ仕入れしたんですけど、おかげさまで20数カップ売れました!・・・と言う事は、後5~6カップは残ったまま孵化に適した時期が来ちゃいました。現在、ストックしているノソブランキウス属は16種類あります。そして、その16種類がこんな調子で2ヶ月に1度くらい孵化適齢期を迎えちゃうんです。 おかげで、現在温室内の小型水槽やプラケースの中が凄い事になってます(笑)。なんだか目に付く所すべてに、卵生メダカの稚魚がピロピロ泳いでいる気がしますね~。一体全体これどうすんだぁ~??でも、オーナー(笑)からは、稚魚達を勝手にカネゴン(以前登場したチャカチャカ)とか、流木よりも色気のないマレーゴビーの餌にしちゃいかんというキツイお達しが出ております。これだから、物がわかってないシロウトは困るってもんです!こんなん、全部育っちゃったら一体全体どうすると言うのでしょう!しかも、餌やりから水替えまで現場の作業はすべてボランティア店長の私だっつーのに!!
2006/09/08
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なんとかバンコクおさかな買い付け旅行から無事帰国いたしましたぁ~♪今回は、他の仕事抜きでおさかな逸品堂の為だけにバンコク入りするという初めての体験でしたが、まぁ、なんとか無事買い付けを済ませてきました。それにしても、魚の買い付けしか目的がない旅行と言うのはなんと楽なんでしょう!(笑)。いつもなら、仕事先の人間が朝からホテルに迎えに来ちゃいますから、自分の時間なんてほとんどありません。ところが、今回は誰ぁ~れも迎えに来てくれませんから、朝はゆっくり寝坊できます(笑)、。おかげで、ホテルのバイキング形式の朝食はすべてパスしちゃいましたけどね~。 しかし、自分で自由になる時間があったにもかかわらずやっぱり市内観光とかまったくしませんでした。今まで何回バンコクに行ったのか判らないくらい訪問してるくせに、エメラルド寺院一ついったことがないというのはやはりチョット問題があるかも・・・(笑)。一日の行動パターンは、昼頃起きてきてホテルの近くのロビンソンデパート地下にあるホーカーセンター(つまり屋台村)に行き目に付いた面白そうな食べ物を片っ端から食べまくり、一度ホテルに戻って一休み(笑)、そして3時過ぎくらいからウィークエンド・マーケットに出向きベタを初めとする商品を仕入れ、その後も夜までマーケット内をプラプラ・・・。ホテルに戻ってきたら、またまたホーカーセンター行って夕食食べまくり・・・。うーん、我ながらなんと怠惰なんでしょう(苦笑)。 肝心の仕入れの方ですが、なかなか順調に行きましたよ!プラカット、ショーベタ、卵生メダカその他の変な魚(笑)などしこたまゲットしてきました。でも、実際の所本当に大変なのは帰国してからでしたぁ~!なにしろ、おさかな逸品堂のベタは基本的に画像つきの現品販売じゃないですか!という事は、ゲットしてきた個体を全部撮影しないと・・・。その事実に気が付き呆然とする私に、オーナーである妻が一言・・・「さっさと撮影済ませてHPアップして頂戴!」・・・ってアンタっ!思いやりってもんがないんかい?結局、9月5日の昼過ぎに自宅に戻り、ゲットしてきた魚を温室に収容し、撮影開始!そのまま徹夜で撮影を行い、一通り撮影が終了したのが翌6日の昼過ぎ。・・・と言う事は撮影にほぼ24時間かかったと言う事かぁ~??その間、温室に缶詰状態だったので家族と食事も出来ず、松屋に牛定食べに行く始末(涙)。 さらに、撮影が終了したと思ってホッとしたのも束の間・・・今度は逸品堂のHPアップしなくちゃ!という事で現在おさかな逸品堂のHPをアップし始めました。きっと朝まで頑張れば一通りアップできるんじゃないでしょうか?それにしても、バンコクから帰国してから36時間前後経過してますけど、睡眠時間4時間くらいしかとってないんですけどぉ??まぁ、なんとしても朝までに仕事終わらせて、通常の生活に戻さないとね!
2006/09/06
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学名:Danio sp.通称:ゴールドリング・ダニオ分布:ミャンマー体長:3cm飼育:★★(普通)繁殖:??(未経験のため不明) 今日紹介するのは、ポピュラーな種類が多いダニオの中では結構珍種に属するゴールドリング・ダニオです。ここ数年ミャンマーからの熱帯魚の輸入が増大した折にどさくさ紛れのように(苦笑)輸入されてきたダニオで、あまりアクアホビー界の脚光を浴びてません。でも、その後も輸入は途切れる事無く、細々とあるみたいなので今からでも入手は十分可能でしょう。 まず、このダニオは学名が判りません。おそらくは未記載種と思われダニオ属研究の第一人者のFanfan女史かKottellat博士あたりが、すでに記載の準備してるんでしょう、きっと。通称名のゴールドリング・ダニオですがこれってどういう意味なんでしょう?ゴールドのリング(金の輪)なのかそれとも、全身が金色のリングダニオって事なんでしょうか?いずれにせよ、外見とあまりマッチしてないネーミングなのだけは確かです。まぁ、いつも言ってることですが初めに通称名考える方はもう少し、ネーミングセンス磨いたほうがよろしいかと思われます(笑)。 さて、この名がちっとも体を表していないゴールドリング・ダニオですが模様はレオパード・ダニオに似てますが、ブルースポットの大きさなどから容易に区別できます。さらに体型はどちらかと言えば、昨日紹介したスポッテッド・ダニオの方に似ていますな。サイズも体長3.0cm前後とスポッテッドと並びダニオ属最小の種類と思われます。うーん、ゼブラ・ダニオにはレオパード・ダニオ、スポッテッド・ダニオにはゴールドリング・ダニオってなにか臭いますなぁ~(笑)。点と線の関係・・・ちなみに、生息地もスポッテッドとおなじミャンマーです。 ゴールドリング・ダニオは飼育が容易なダニオ属の中にあっては比較的飼育が難しいかも。特に、汚れた飼育水で飼育してるとほぼ確実に調子崩します。また、元々細身の体ですがなぜか飼育していると痩せやすいみたいで、ショップなどでガリガリに痩せたこの魚を見かけます。一度こうなっちゃうとなかなか回復は困難ですね~。餌は食べているんですけどなぜかなかなか太ってくれません。最近では水を飲むだけで体重が増える気がする私にしてみれば、羨ましい限りですけど(笑)。 飼育は少しだけ(ダニオとしてはですからね!)難しいけど、清楚な感じがするし泳ぎもゼブラやレオパードみたいに無神経に水槽内を泳ぎまくる感じはありません。性格も非常に温和だしね。もう少しコンスタントに輸入されてくるようになれば、それなりに愛好者は増えるかもしれませんね。ちなみに、私といたしましてはイチオシのダニオです!今までに繁殖させた経験がないので、今度の出張が終わったら一回ブリーディングしてみようと考えてます。 そうそう、今日はこれからバンコクに旅立ちます。と言うか、フライトが朝なのでam5:00頃には家を出て成田に向かう予定です。いつも朝方まで起きている私としては、今から寝るのは絶対無理だしこのまま徹夜して出発します!いつもの事ですが、徹夜明けに高速ぶっ飛ばすと非常に気分がハイになるんですよね~(笑)。
2006/09/01
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学名:Danio nigrofasciatus (Day,1870)通称:スポッテッド・ダニオ(ドワーフ・ダニオ)分布:ミャンマー北部体長:3.0cm飼育:★(容易)繁殖:★(容易) 今日紹介するのはスポッテッド・ダニオです。ゼブラ・ダニオと並んでずいぶん古くから熱帯魚として知られていた魚なんですが、一時期原産地のミャンマーが軍事政権によって鎖国状態に置かれていた時にはまったく輸入されてこないため幻の魚と言われていた時期も。でも、数年前からミャンマーの熱帯魚が普通に輸入されてくるようになると・・・。最初の内は、我が国では非常に数少ないと思われるコイ科魚類ファンが争うようにして入手してました。でも、決して入荷が珍しい事ではなくなってくるとよほどの人じゃなきゃ購入しない魚に(苦笑) 確かに、ゼブラ・ダニオのほうが断然きれいですからね~。ボディには地味目の2本のブルーの縦縞、そしてその下をスポットがライン状に並んでます。なんだか、ゼブラ・ダニオとレオパード・ダニオを足して2で割ったような外見です。しかし、模様的には両種の合いの子みたいなスポッテッド・ダニオですが、サイズは一回り小さく、英名はそこからドワーフ・ダニオです。さらに、体型も若干華奢な気がします。 もっとも丈夫で飼育しやすい事にかけてはゼブラにまったく引けを取りません。繁殖も、産卵数がやや少なめですが決して難しくありません。でも、この地味目の外見じゃわざわざ繁殖チャレンジする人も少ないか(苦笑)。 私自身は試した事がありませんが、スポッテッド・ダニオはゼブラ・ダニオと簡単に交雑が出来るそうです。もっとも、種として分類学上はそんなに近くないようで、先日も書いた生殖的隔離機構がはたらいて、子どもは取れても孫の世代までは継続出来ないそうです。本来は、ここで自分で実際に試してみるべきなんでしょうけど、あんまり食指動かないなぁ~(笑) そう言えば、今度の土曜日つまり9/2よりバンコクにおさかなかいだしツア~に行って来ます♪純粋にお魚の買い付けを目的で東南アジア行くのは初めての経験です。それもこれも、おさかな逸品堂の売れ行きが好調なおかげなんでしょう!たぶん(笑)。ただし、今回の買出し旅行に関して言えばただでバンコク行けるってだけで、給料とか利益とかおこずかいとか、心づけとかそう言った類のものは一切ございません!でも、せっかく行くんですから楽しんできます!皆さんも御希望の魚とかございましたら私に御一報を!!間違えてもおさかな逸品堂には頼まないようにね。お金取られます(爆笑)
2006/08/31
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学名:Danio rerio (Danio frankei)通称:レオパード・ダニオ分布:不明(ゼブラ・ダニオの改良品種?)体長:4.0cm飼育:★(容易)繁殖:★(容易) 今日はレオパード・ダニオの紹介です。これまた、ゼブラ・ダニオと並び非常にポピュラーな熱帯魚ですが、泳ぎがチョコマカしているのでじっくりと眺めた事のある人は結構少ないかも?なんとなく、マスの仲間を思わせるような体型や模様でなかなか優れた観賞魚だと思います。飼育・繁殖共に非常に容易なですから、このあたりの情報に関しては特筆すべき事はほとんどありません。 しかし、このポピュラーなダニオには大きな謎が隠されていたのです!と言うのも、その起源と言うか出自がはっきりしていません。もっとも、現在ではゼブラ・ダニオの改良品種であり旧東欧諸国で作出されたと言う見解が支配的になっています。・・・でも、以前にも書きましたけど個人的にはこの見解に全然納得していません!(笑)。と言うのも、ゼブラ・ダニオのブルー&ホワイトストライプから改良されたのであれば、ボディに散在するダークブルーの小点がライン状に並んでいるべきだと思うのです。また、尾ビレや尻ビレの模様もゼブラがストライプ模様なのに対して、レオパードではその片鱗もありません。改良の元になった魚とここまで見てくれが変化するほどの改良は、金魚・錦鯉・グッピーなどの卵胎生魚・ベタくらいしかありません。これらの魚はいずれも世界的に愛好され改良が日夜進められているものばかりです。それに較べてダニオに対してここまでの改良を施したとはとても信じられません。 ・・・とか、色々と御託並べてますけど本音を言えばレオパード・ダニオからワイルドの臭いがプンプンするんですよねぇ~(笑)。実に非科学的な話ですが、いわゆる野獣の感って言う奴ですな。ただ、現在までにアジアのどこかでレオパード・ダニオが野生で採集されたと言う報告はなされていません。出来れば自分でレオパード・ダニオの故郷探しの旅してみたいんですけど、未だ報告なしって事はよっぽど魚類学者が行きにくい土地、つまりは治安がかなり悪い場所なのはどう見ても確実なので、妻子持ちが行くとこじゃないですね(苦笑)。 よく、ゼブラ・ダニオの改良品種の証として両者が正常に交雑可能な事があげられています。異なる種類の生物が交雑すると生殖的隔離機能がはたらき、次世代以降が誕生しにくくなることは有名です。つまり、ライオンとトラを飼育下で交雑させる事は出来ます。この時ライガーとか呼ばれるあいの子が生まれますが、このあいの子には子孫を残す力がありません。逆に考えれば、交雑した子どもが次世代もしくは孫の世代まで継続できれば、その両親は同種である可能性が高いと言う見方が出来るのです。この理論から言えば、確かにゼブラとレオパードの子どもはその後も子孫を残して行けますから同種? しかし、だからレオパードはゼブラの改良品種である!と言うのはあまりにも短絡的!!(笑)。生物には、亜種つまり別種と言うほどには遺伝的に差がないが外見や形質などから明らかに区別できると言う奴がいるじゃないですか!当然、亜種同士は種としては同じですから累代繁殖可能です。要するに、私の個人的な見解といたしましてはレオパード・ダニオはゼブラ・ダニオの亜種として自然界のどこかに(笑)存在する!と言う事です。 でも、アマチュアってほんとに気楽だぁ~♪ってつくづく思います。学究生活時代にこんな暴論吐こうものなら、周りからよったたかって袋叩きでしょうからねぇ(笑)。その点、趣味の世界だから何言ったって問題起きないし、改良品種だって言う確たる証拠もない以上頭ごなしに意見を否定される事もないし。うーん、学究生活からリタイアしてよかったぁ~♪ ところで、このあたりの問題についてもう少し理論武装しておこうと考えたさかなおやじは、ゼブラ×レオパードの交雑実験を久々に行ってます。以前から何度かトライしているんですが、今回はもう少し掘り下げてこの問題に取り組んでみようかと・・・。ちなみに、昨日紹介した繁殖記事に出てきた卵や稚魚は、この2種の交雑した結果生まれてきたもの達です。現在、生後2ヶ月くらいが経過しましたが、なかなか面白い結果が出てきているのでいずれそのあたりも皆さんに御報告させていただきますね。
2006/08/29
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さて、繁殖用水槽の準備が出来たらいよいよ親魚を水槽に導入します。この時のペアの導入順位については諸説あるのですが、私はダニオ属の場合ならばオスから先に入れます。そして、数時間から半日が経過して自作産卵箱の中のオスが落ち着いて、テリトリー意識を持ち始めた時点でメスを追加します。私の数少ない経験ではメスが先にテリトリー意識を持つと、上手く繁殖までたどり着けない事が多いような気がします。やっぱり、人間のデートだって男性が先にデートコースに関して調べておく物じゃないですか!(笑)。魚だって同じでしょう!!でも、人間の場合一度釣り上げちゃったメス(つまり妻)に対しては全然そんな面倒な気配りしなくなっちゃうんですけどね(笑) 繁殖の容易なダニオの仲間では、成熟したペアを産卵箱に収容すればほぼ確実に産卵が行われます。一時の産卵数は100~数百粒と言った所でしょうか。透明で粘着力のない比較的大きな卵が産卵箱の底の網目を潜り抜けて水底に沈んでいるのを観察できるはずです。ゼブラ・ダニオやレオパード・ダニオでは一気に産卵してしまいますが、パール・ダニオあたりだと産卵は数日間にわたってダラダラと続く事もあります。ペアの産卵行動が終了したと判断して時点でペアはもう用済みですから(苦笑)、産卵箱ともども繁殖水槽から取り出しておきましょう。 受精卵は水温25℃前後で48時間前後で孵化に至ります。小型カラシンやバルブの仲間よりも孵化時間は12時間くらい遅い気がしますね~。また生み出された卵がほとんど孵化せずに白濁する事がありますが、これはその卵が未受精卵であったのか、それとも母親の卵巣内で産卵適時を過ぎてしまった、つまり過熟卵であったかのいずれかが原因である事がほとんどです。いずれに場合にも、同じペアでもう一度繁殖にチャレンジすると今度は上手く孵化するケースが多いようです。 卵が水棲菌に侵されるのを防ぐ目的で、水に少量のメチレンブルーを溶かすと良いとされていますが、少しでも数多くの稚魚を得ることが目的のプロブリーダーならばいざ知らず、せいぜい50尾も殖えてくれれば十分と言う我々アマチュアでは、特にそのような処置は必要ないでしょう。 孵化したばかりの稚魚は、お腹に栄養分を蓄えているのですぐには餌を食べる必要がありません。上の画像のようにガラス面などにぴたりと張り付いてじっとしています。孵化後4~5日で稚魚は元から持参していた栄養を消費しつくし、外部から餌を摂取するようになるので、この時点で初期餌料を与える必要があります。ただ、ダニオの仲間は卵の大きさから考えると少々不思議なのですが、初期餌料として孵化したてのブラインシュリンプを食べる事が出来ません。市販の稚魚用パウダーフードを極少量、水面にばら撒くようにして与えてください。いちいち稚魚用フードを購入するのは・・・と言う方は、親魚用のフレークフードを細かくすりつぶしても十分代用可能です。もちろん、インフゾリアやマイクロワームが用意できれば申し分ありませんけど。 パウダーフードの給餌を2日ほど続ければ、稚魚達は孵化したてのブラインシュリンプが食べられるサイズにまで成長してくれます。初めてのチャレンジであれば、この時点までで20~30尾も稚魚が残っていれば大成功!と言ってよいでしょう。その後1ヶ月もしないうちに、稚魚は細かく砕いた親魚用人工餌を食べるようになり、生後45日くらいでゼブラ・ダニオならば体側部にブルー&ホワイトのストライプが認められるようになります。 この頃のダニオの稚魚は、親魚ほど泳ぎにうるささを感じない事もあってものすごく可愛らしい眺めになります。それに、その光景を眺める事が出来るのは自家繁殖を試みたものにだけ許される特権ですから、これはもうアクアリスト冥利に尽きると言えるでしょう。 繁殖はチャレンジしてみたいけど、稚魚の育成がめんどくさいと言うズボラな人は(苦笑)、今の時期ならば屋外の直射日光の当たらないような場所に水槽やバケツを置いて産卵させれば、何も手を加えなくとも、容器内の稚魚はインフゾリアなどを食べて頑張って成長してくれる事でしょう。9月の終わり頃に水槽内を見れば10尾前後は可愛らしいダニオが見つかるはずですから、それを掬って屋内の観賞用水槽で飼育し始めると言う手もありますな。 どうです?ダニオの繁殖ってすごく簡単でしょ??(笑)。稚魚の初期餌料に孵化したてのブライン使えない魚は大概繁殖難魚って相場が決まっているのですが、ダニオの仲間だけは例外みたいですね~。皆さんもひと夏の経験(笑)してみたらぁ~?
2006/08/28
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昨日も書いたように、ダニオの仲間は数ある熱帯魚の中でも飼育・繁殖共に容易なグループです。そこで今日は、ダニオ属の繁殖について簡単に紹介した見たいと思います。ちょうど今の時期なら保温も必要ないし、小型水槽やプラケースを使って簡単にダニオの繁殖にチャレンジできるので、皆さんも是非一度チャレンジを。今回は、もっともポピュラーなダニオであるゼブラ・ダニオを使って話を進めて行きたいと思います。 ダニオ属はオス・メスの色彩の差が少ないグループです。つまり、メスも十分美しいのでグッピーほど容易にオス・メスの判別は出来ません。でも、産卵期になるとメスのお腹は卵でそれこそはちきれんばかりになりますので、この時期のオス・メスを見誤る心配はほとんどないでしょう。また、繁殖期を迎えたオスの体色はやはり通常よりも数段色鮮やかになります。例えばゼブラ・ダニオの場合、冒頭の画像をご覧いただければお判りのように普段はブルー&ホワイトの縦縞であったものが、見事にブルー&イエローに変わります。 さて、それではまず繁殖の準備をする事にいたしましょうか。ダニオ属はほぼすべての種が体長4cm前後という小型種なので、繁殖用水槽に大きな水槽を用意する必要はありません。30cm~36cm位の小型水槽が用意できれば十分です。水槽には塩素中和した水槽水を入れておきます。水温は25~30℃位が適温ですが、今の時期であれば、自然と30℃前後になっている事でしょう。 ダニオの仲間は、粘着力のない卵を水底にばら撒くようにして産卵します。また、見事なほどに母性愛・父性愛の欠如した奴らで、自分の産んだ卵であっても彼らにとってそれはイコールおいしそうな食べ物以外の何物でもないらしく、見つけ次第パクパクいっちゃいます(苦笑)。したがって、水底に何も敷かないベアタンクでは水底に散らばった卵はほぼ100%発見されて彼らのお腹の中に逆戻り確実です。たとえ、水槽内に水草などを入れてあげても卵に粘着力がないものですから上手く水草の茂みの中に卵が隠されると言う事もありません。 そんな困ったチャン(笑)のダニオの繁殖には自作の産卵箱がお薦めです!産卵箱と言ってもグッピーなどの卵胎生メダカ用として販売されている奴とは構造が違うので注意してください。先ずは100均にでも行って15cm四方程度のプラ容器を捜しましょう。文具コーナーや収容用品コーナーに行くと結構いいものが見つかります。容器を入手したら、その底面をカッターやナイフで切り取ってください。そして、大きく穴の開いた容器の底には園芸売り場で販売している植木鉢の底穴用のネットを張りましょう。そうそう、ネットの目はダニオの親魚が通り抜け出来ないようなものにしましょうね。そして、産卵箱の上縁に発泡スチロールの小片を貼り付けて、水面に産卵箱がプカプカ浮くようにします。これで完成です。ちなみに、画像のものはスドー社の組み立て式産卵箱を流用しています。しかし、そのままでは底面もガーゼ状の布で覆われているので使えませんので、やはり底面の布を除去し植木鉢の底穴用ネットをシリコンを使って張りなおしました。 それと、画像の産卵箱はたまたま側面もガーゼ状の布で覆われていますが、別にそうである必然性はまったくありません。要は底面が網状にさえなっていれば十分です。 産卵水槽に自作のダニオ用産卵箱をプカプカ浮かべたら準備完了!後はペアを導入するだけです。ここで注意する事は、産卵箱の水深があまり深すぎると生み出された卵が両親によって食べられてしまう危険性が高くなってしまう点でしょう。つまり、産卵箱の中で生み出された卵は、親の猛追撃を振り切って?一刻も早く底面の網を潜り抜ける必要があるのです。したがって、産卵箱の水深は10~15cm程度になるように、浮きの役目をする発泡スチロールの貼り付ける位置を調整してください。 このまま記事を続けていくと文字数が10000を越えてしまいそうなので、ここでいったん区切る事といたしましょう。繁殖の実際については明日ご紹介しますね。
2006/08/27
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学名:Danio rerio (Hamilton,1822)通称:ゼブラ・ダニオ分布:インド・バングラディッシュ・パキスタン・ネパール・ミャンマー体長:4.0cm飼育:★(容易)繁殖:★(容易) さて、ダニオ属の旗手といえば何と言ってもゼブラ・ダニオである事に異論のある人はいないのではないでしょうか。あらゆる熱帯魚の中でもネオン、カージナルあたりと並びもっともポピュラーな魚です。あまりのポピュラーさに、最近では観賞用ではなくメダカの代わりに大型魚の餌として販売されている事もあるほど。しかし、ここまでポピュラーでありながら、きちんと飼育した事のあるアクアリストは意外と少ないようです。以前は、アクアホビーに足を踏み入れた時の入門魚として一度は飼育をする種類だったのですが、最近の飼育技術の発達にしたがってアクアホビー入門者がいきなりアロワナやディスカスからスタートすることも難しくなくなってしまいましたからね~。 自然界ではインドを中心に広く分布するゼブラ・ダニオですが天然採集個体が輸入されてくる事はほとんどありません。ショップで見かけるほぼ100%の個体が東南アジアでブリードされたものでしょう。しかし、この魚は飼育下での累代繁殖の弊害が出にくい魚のようでブリード個体も現地採集物とほぼ変わらぬ美しさを保ってくれています。この、累代繁殖の容易さに着目され医学やそのほかの様々な産業で実験動物としても重宝されています。 例えば、一時メダカで評判になったある種のクラゲの蛍光物質をゼブラ・ダニオの卵に移植して作成された蛍光ゼブラ・ダニオもそんな生物操作実験の過程で生み出された産物です。今では、研究機関以外での飼育が御法度になってしまった蛍光ゼブラですが、私がアジアの某国で見かけた個体は色彩的にはゼブラの体表を蛍光ペンで染めた程度で別にたいしたものではありませんでした。しかし、本来クラゲの持つ蛍光遺伝子がゼブラ・ダニオの中に組み込まれ遺伝形質つまり子孫に代々受け継がれていく特徴になってしまったと言う点は、驚くべき現象と言う他ありません。医学や化学の進歩の過程では必要な操作だったのでしょうが、個人的にはチョット不気味さを感じる部分が無いでもありませんね~。前にも書いたと思うのですが、それほど遠くない未来に宇宙飛行士の髪の毛に植物の葉緑体とか移植して食事なんかしなくても光を浴びて光合成する事で栄養を補給できるなんてSFチックな事も可能になるかも(苦笑)。 1822年にハミルトンによって世に紹介され以来200年近く飼育下で繁殖されてきたゼブラ・ダニオだけに、蛍光ゼブラ・ダニオは別としていくつかの改良品種も登場しています。もっともポピュラーなのがロングフィンと呼ばれる各ヒレが長く伸長するものでしょう。グッピーで言う所のスワローなのでしょうか、やたらヒレが伸びるのが特徴です。若魚のうちこそ、まだ様になっていますが老成した個体では、バサバサした感じになるのでただでさえ泳ぎがセカセカしたダニオとしては、見苦しいとか暑苦しい以外の何物でもない存在になるので個人的にはかなりパスです(笑)。 他には、体から黒色色素が欠乏したゴールデンタイプも良く見かけます。私の見た限りではアルビノではなく白化個体のようですね。もっとも、ゼブラの最大の売りであるブルー&ホワイトのストライプがなくなってしまう訳で観賞価値はあまり高くないような気がします。他のアクアリストも同様に感じているようで、原種に比べて人気は今ひとつのようです。さらには、ゴールデンタイプのロングフィンだとか、ゴールデンタイプに染料で彩色を施したものなどが存在します、いずれも原種の持つ清々しい美しさには遠く及ばない気がします。 ところで、ゼブラ・ダニオのストライプって横縞でしょうか?それとも縦縞??以前も同じ事を書きましたが、生物の体は頭を上に足(尻尾)を下にして考えるのが基本的なスタンスとなっています。したがって、ゼブラ・ダニオのように頭から尾に向かって伸びている縞(線)は縦縞(線)という事になります。なんだかものすごく不自然で違和感ありますが、ゼブラ・ダニオはブルー&ホワイトの縦縞がトレードマークなんです!
2006/08/26
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ここの所の、本業の猛烈な忙しさにすっかりアップが出来なくなっているさかなおやじのひとりごとですが、やっと私的熱帯魚図鑑も新しいグループに突入でしょうか?(笑)。クエスチョンマークが付いているのは、果たしてコンスタントにアップできるかどうか少々怪しいから・・・。別に、文章だけならば毎日のアップもどうと言う事はないのですが、画像付きとなると話は別です。別にどうと言う事のない写真ですが、撮影にはかなりの時間と根気が必要です。深夜から明け方にかけて延々と撮影して使えるカットはほんの数枚ですから(苦笑)。 そんな状況の中見切り発車のさかなおやじですが、選んだテーマがなんとダニオグループ!以前も何種類か紹介した事のあるグループですが、個人的にお気に入りのグループだしもう少し突っ込んで紹介したいなって思いまして・・・。でも、あらゆる熱帯魚の中でそのせわしない泳ぎでは間違いなく1,2を争うこのグループを撮影時間のない今チョイスするあたりに、生まれて40年チョットなぜか人生の正道を踏み外してばかりいる男の面目躍如!って気がしません?(笑)。前述の様に、何種類か紹介した事のあるグループなので今後記事や内容が重複する場合もあると思いますが私的熱帯魚大図鑑の完成のためには目をつぶりましょう! さて、きちんと継続できるかどうかはなはだ怪しいダニオグループですがここでチョットグループの説明をしておきましょう。今まではダニオといえば、ジャイアントダニオという全長7~10cm位のブルーとシルバーの縞模様のコイ科の魚を含むグループを指していました。しかし、最近の研究によりジャイアントダニオの仲間はデバリオ属(Devario)に移行してしまいました。そして代わりにダニオ属(Danio)になったのが、皆さん良くご存知のゼブラダニオの仲間たち!つまりかつてブラキダニオ属(Brachydanio)に含まれていた魚達です。今日から始まるダニオグループとは当然、ゼブラダニオの仲間を指すものと考えてくださいね。 現在ダニオグループに属する魚は10種類前後(未記載種を含む)で、そのいずれもが東南アジアからインドにかけて分布しています。ごく一部の種類を除くと、体長3~4cmくらいの小型で可愛らしい魚と言えるでしょう。我が国にも大量に輸入されてくるグループであり、その中には天然採集個体も養殖個体も含まれます。飼育や繁殖もものすごく容易なグループなので、飼育難魚が好きな日本人アクアリストからは不当な扱いを受けている事が多い哀れな魚ですが、ヨーロッパでは小型カラシンに劣らず、絶大な人気を誇るグループでもあります。 飼育は容易と書きましたが正確にはものすごく容易と言うべきで(笑)、このグループが上手く飼育できないようであれば観賞魚飼育の才能がないと言われても返す言葉がないほどです。飼育水は塩素中和した水道水。いや、はっきり言って塩素中和しなくたって大丈夫な魚達です。餌は人工餌でも生き餌でも口に入るサイズの餌ならば何でもOK!性格は温和で、水草にも害を与えません。こうしてみると欠点らしい欠点が見当たらないほどすぐれた観賞魚といえるでしょう。 ただ、唯一の難点と言えば・・・動きがチョコマカ早すぎて素人が撮影するのは至難の業ってあたりでしょうか(笑)。ほんと、撮影途中にイライラしてホルマリン標本にしてから撮影してやろうかと思うこともしばしば。今回紹介していくにあたっても、私の写真技術でどこまで彼らの魅力を皆さんにお伝えできるかどうかが、はなはだ心配です。まぁ、ビジュアル的には低空飛行になりそうですが、いままで誰も手がけなかったぐらいに本格的に紹介できればいいなぁ~って思ってます。って言うか、こんなに撮影難しくて日本人には評価されていない魚達を追及する妙な奴なんてほかにいないって事なんでしょうね~。
2006/08/25
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学名:Nothobranchius fuscotaeniatus (Seegers,1977)通称:ノソブランキウス・フスコタエニアタス分布:タンザニア体長:3.0cm飼育:★★★(少し難しい)繁殖:★★★(少し難しい) さて、今日登場するのはN.フスコタエニアタスと言うノソです。数あるノソの中でも、体色に赤~黄色系の色彩がまったくない唯一の種といわれています。・・・あっ、改良品種は除外してますからね(笑)。一見すると、南米大陸に棲息する卵目のキノレビアス属みたいなイメージがあります。アルゼンチンパールフィッシュとして知られるCynolebias属の仲間は、現在では分類が進みAustrolebias属だのSimpsonichthys属だの再分化されちゃってます。・・・本題には全然関係ない話題ですが。分類マニアからの厳しい突っ込みを避ける為に一言(苦笑)。 一応、その採集地の違いからTAN97/9と言う系統とTAN97/57と言う2つの系統がいる事になってます。前者は全体的にモノトーン調の色彩で、国内に流通しているのはこちらの方のようです。また、後者はメタリックブルーの輝きが強く私の保有している個体群はどうもこっちの気もします。もっとも、人によってはこのような2つの地域変異なんて元から存在しないと言う方もいらっしゃるようで、その辺は私には良く判りませんし首を突っ込みたくもないので今回紹介した個体は単なるN.フスコタエニアタスという事にしといてください(笑) 話を戻して・・・、N.フスコタエニアタスは比較的最近になってアクアホビー界に導入されたノソですが、そのノソらしからぬ外見が受けたのかマニアの間では結構評価が高いようです。実際、美しいメタリックブルーの色調は、赤から黄色のノソを見慣れていると、とても新鮮に感じます。ところで、このノソの飼育難易度が「★★★=少し難しい」になっていますがその理由はこの魚が結構臆病な所にあります。大体のノソは、人怖じせずにいつも餌をねだって水槽の前面に出てくるものなんですが、コイツは人が水槽の前に立つとサッと物陰に隠れます。性格が暗いかどうかは定かではありませんが(笑)、この性質のため一応飼育難易度を★★★と言う評価にしておきました。 もっとも、飼育水や餌に関しては他のノソと同様で構わないので、そんなに飼育が難しいわけではありません。それと、この魚の生息している場所の水質は弱酸性の軟水と報告されているようで、実際欧米のマニアの中にはこのノソに限り、飼育水の中に粗塩を入れる必要はないと言う方もいるようです。 色々な点で他のノソとは相違点が見つかるN.フスコタエニアタスですがメスの外見も変わっています。他のノソではメスの外見は単なる肌色(笑)である事はすでに紹介しましたが。N.フスコタエニアタスのメスはボディにはうっすらとメタリックブルーの輝きが載り、しかもボディ後半にはオスのように暗褐色の横縞(上下のストライプ)も存在するのです。したがって、この魚のメスを他のノソのメスと見間違う心配はまったくありません。 産卵方法はさすがに他のノソとまったく同様です。しかし、この間拝見したHPにはこの魚の休眠卵の周りには毛が生えていると言う記事が載っていました。しかも写真つきで!それはビッグニュースだと言う事で、早速我家のN.タエニアタスの休眠卵を観察しました・・・観察しましたが~。判りませんでした(苦笑)。と言うより、私の目では見えなかったんです。かつては視力検査で視力2.5の文字や記号が楽々判別でき、うっかり「見えます」とか言って検査が長引くのがうっとうしくて視力2.0を長年にわたってキープしてきたこの私が!大学院の研究室で顕微鏡覗きながら、ミジンコの体内にブズブスガラス針ブッ刺していたこの私がぁ~!老眼ですかぁ??(涙)。あまり卵の観察を続けていると気が滅入りそうだったのでこの件に関しては未確認のままで良いと言う事にしましたから、御了承ください(笑) ただ、以上の様に様々な点で他のノソブランキウス属との相違点が見つかるため、研究者の中にはN.フスコタエニアタスを別の属に移すべきと考えている人もいるようです。個人的には、その考えにちょっぴり賛成かな?以上、ここまで9回に分けてノソブランキウス属の解説をしてきましたがいかがでしたでしょうか?結構面白そうなグループでしょ?本当は、今回紹介しなかった中にも。N.フォーシャィ、N.パームクイスティ、N.メラノスピラリスなど飼い易くて美しい種類はまだまだ沢山います。これらは、また機会があれば第2弾としてご紹介するとして、一度ノソブランキウス属の紹介は終了です。 皆さんぜひとも、保温が必要ないこの次期にノソブランキウスの飼育・繁殖にチャレンジしてみてくださいね。と言うのも、冬には南米大陸に棲息するもう一つのインスタントメダカのグループ、キノレビアス属をご紹介しますから。こちらは、赤~黄色の色彩が主だったノソとは正反対で、ブルーやグリーンの色調がメインで、それはまた素晴しく美しい魚達なんです。しかも、室内であれば保温なしでも冬を乗り切れる種もいる程低水温に強い魚達で、冬場のアクアホビーに最適です!その時までに、ノソを使って、基本的な飼育・繁殖テクニックを磨いておかなくっちゃ!(笑) そうそう!それとプラカットだけじゃなくノソブランキウスもおさかな逸品堂をよろしくね!ッてことで(笑)9月早々にも新たな魚を仕入れに旅立つ予定です。何か御希望の魚がいたら、お気軽におっしゃってくださいね。ノソブランキウスだって、ブリーダーの所に行くと20種くらいはキープしてるし。ベタや卵目以外でも他のショップで当たりまえに売られているような種類はパスですが、ほとんど販売ルートに乗らないような変な魚なら大歓迎です!でも、違法な魚はダメですよ(笑)
2006/08/19
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学名:Nothobranchius patrizii (Vinciguerra,1927)通称:ノソブランキウス・パトリジィ(N.パトリザイ)分布:アフリカのソマリア体長:3cm飼育:★★(普通)繁殖:★★(普通) さて、話の順序を変更してお伝えしてきたノソブランキウス属の飼育・繁殖もひと段落ついたので、再び話を種類紹介に戻します。今日紹介するのはN.パトリジィと言うアフリカのソマリアに生息するノソです。ノソブランキウス属の魚の多くは、各鰭が赤く染まる事が多いのですが、パトリジィでは尾鰭だけが真っ赤に染まります。また、ボディがいかにも日本人好みの青味の強いかすり模様なのも特徴の一つで、英名をブルーノソと呼ばれるのも納得できますね。N.ラコビーあたりが大群で収容された水槽(それはそれですごい贅沢な光景ですけど)を見ると、あまりのカラフルさになんとなく気圧される気もしますが、その点この魚は水草を背景に群れているととてもいいもんです。個人的にはすごく好きなノソの一つですね。 ノソブランキウス属としては入門クラスに相当する種類なので、飼育や繁殖も容易なのも嬉しい所です。ラコビーやエガーサイがどうしても上手く飼えないまたは上手く繁殖させられないと言う方にはお薦めです。ただ、個人的な感想ですがオス同士はノソとしては結構喧嘩するかも?もちろん、ベタなどのようにどちらかが死に至るなどと言う事はありませんが、ヒレが裂けちゃう位の事は時折あります。もっとも、オス同士が相手を威嚇してヒレを広げた瞬間が一番美しいんですから少々のいさかいは我慢しなくっちゃ。 繁殖も容易な方で、卵の休眠期間は45日から2ヶ月といったところでしょうか。もちろん、卵の保管環境、つまり温度や湿度などによって孵化までの日数は大きく変動しますからあくまでも目安って事でお願いいたします。 さて、この可愛らしいノソなんですが実は絶滅の恐れがある生物としてIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに載ってます。ついでですから、ここでレッドリストの最新バージョン(2001年Ver.3)の区分について説明しておきましょう。◎EX=種が絶滅した。◎EW=自然界ではすでに絶滅した。◎CR=絶滅寸前である。◎EN=絶滅の危機に瀕している。◎VU=危急◎NT=準絶滅危惧種(今の内から何らかの対策をしないと危険)◎LC=軽度懸念(今の所絶滅の危機にはないが、甘く見てるといつか危ない)◎DD=データ不足で判別不能 ちなみに、N.パトリジィはこのうちのVU(=危急)です。つまり、早々に対策を講じるべきと言う危険なレベルなのです。もっともこれには理由があり、N.パトリジィの故郷のソマリアは1991年以来内戦が続き、無政府状態です。何しろ正式な国名すらなく、国連のPKO部隊も治安維持が不可能と考え撤退してしまったほどの混乱状況です。今日の自分たちの食料はおろか生命の保証さえまったくないそんな中で、小川や沼なんかを小さな魚探して歩ける訳もありません。したがって、VU(=危急)であると同時にDD(=データ不足)なのです。もっとも、現在では世界中のアクアリストがN.パトリジィを繁殖させ種を維持していますからこの世からこの種が消滅してしまう危険はほとんどないでしょうけど・・・。でも、いつの日にかこの魚のワイルド個体が輸入されてくるといいですね~。だって、という事は少しはソマリアの国情が安定したと言う証拠ですから。
2006/08/18
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さて、ずいぶん間が開いてしまいましたが(苦笑)いよいよ一部のマニアの間では儀式と呼ばれているノソブランキウス属の休眠卵の孵化から稚魚の育成まで解説していきましょう。前回のような、ピートの入った採卵容器を水槽に沈めて2週間前後したら容器内のピートが外にこぼれないようにそっと静かに採卵容器を水槽から取り出しましょう。そして目の細かい魚網の中にピートをいれきつめに絞って水分を取り除きます。その後、紙の上などにピートを乗せ割り箸や竹ひごなどで注意深くピート内を観察します。 あなたがまったく付いていない人だったり、もしくは前世でよほど酷い行いをしていない限りはピートの中から10~数十個の卵を見つけることが出来るがでしょう。冒頭の写真は、産卵後約1ヶ月のN.パトリザイの卵ですが、メダカの卵よりも一回り小さなその卵は最初の内は見つけにくいかもしれませんね~。産卵直後はかなり透明度が高いのですが、次第に黄色みが強くなり卵の中に稚魚らしき姿も確認できる様になります。ちなみに、冒頭の写真ではいくつかの卵でははっきりと稚魚の姿を確認する事が出来ました。こうなれば、儀式を行う日もそう遠くはないことでしょう。 ノソブランキウス属の休眠卵がどのくらいで孵化可能な状態になるのかと言う事は非常に難しい問題です。まず第一に種によってかなり差があります。例えば、N.ラコビーならば3~4ヶ月かかる所をN.コウサウサエあたりでは1ヶ月から45日で孵化に至ります。また、休眠卵の保存環境つまり温度や湿度などにも大きく影響されるためにはっきりと何月何日に孵化しますっ!と言い切れないというのが実情です。例えば、バンコクのブリーダーの所では優に30℃を超える高温多湿状態で卵を保存し、N.ラコビーといえども45日前後で楽々孵化させています。さらに、この問題を複雑にしているのが、なぜか人工的に累代繁殖させている系統ほど同じ種類であっても孵化までの日数は短くなる傾向がと言う点です。したがって、孵化予定日数なんてあくまでも目安!と割り切って、ご自身の目で確認するしか方法はありません。 孵化可能になったかどうかは、卵内の稚魚の様子で判断します。目の周りの金属光沢のある輪がはっきりとしてきたら孵化が近い証拠です。卵の中で稚魚がヌルリと体を反転させる事がありますが、これを見かけたらドンピシャ!即孵化の準備に取り掛かります。私の経験から言うと卵を孵化させるのは早すぎるよりは遅れたほうがましだと思います。孵化のため水につけるのが早すぎると卵はもちろん孵化してきませんが、その後再度水を切って保管するのは非常に面倒ですし失敗しやすい気がします。孵化のタイミングよく判らない方は、1週間くらいならばまったく問題はないのでやや遅めのタイミングで水につけましょう。 それと、非常に悲しい事ですが休眠卵の保存期間中に卵が消えてしまう事もあります。もちろん消えるのではなく、何らかの理由で死亡し腐敗したのでしょうが上級種といわれる種類ほどその危険性は高いようです。 さて、孵化時期が到来したと判断したら水槽を用意しましょう。あまり大きなものは必要ないので小型水槽かプラケースでも十分です。水槽内には塩素中和した水道水を入れ、ごく弱めにエアレーションを施します。水温は25~30℃前後に設定しましょう。休眠卵の入った容器ごと静かに水槽内に沈めます。孵化のタイミングがバッチリであればそれこそ数時間で稚魚の孵化が始まります。また、万が一孵化しない場合でも2日間くらいはそのまま放置して様子を見てください。 孵化したばかりの稚魚は、見るからにひ弱でピートの上をヘロヘロ泳ぎます。これで一体大丈夫なのかぁ~!と言いたくなりますが御心配なく(笑)。翌日にはしっかりと水槽中層を泳ぐようになり、同時に餌を捜し始めます。ただ、ノソブランキウス属の場合孵化する事はしたが稚魚がいつまでたっても水底を這い回るように泳ぐと言ういわゆるベリースライダーが出る事があります。ベタあたりでもよく報告される現象ですが、原因はいまだはっきりしていません。ベリースライダーの稚魚も、上手く育成すれば成長しますし中にはベリースライダーは成魚になれば治る!と言う方もいらっしゃいますが、個人的にはベリースライダーは使い物にならないと思います。今までの経験では、ベリースライダーの親からとった子供もベリースライダーになる確率が高い気がします。かわいそうですけど・・・ さて、孵化翌日になると稚魚達は餌を捜し始めますから初期餌料の準備も怠りなく!基本的にはノソブランキウスの休眠卵を水に漬けた時点でブラインシュリンプを沸かし始めます。ほとんどのノソは初めから孵化したてのブライン食べますので心配いりませんが、中にはサイズの小さな稚魚もいるようです。こんな場合、ブリーダーは初期餌料としてマイクロワームと言うミミズを白くしてやたらに小さくしたようなものを与えます。以前、このブログでもマイクロワームを紹介した事がありますが、自宅で簡単に培養できる非常に便利な餌なのですが・・・餌なのですがっ!(笑)ものすごく臭いんです!!培養地がぁ~。したがって、家庭崩壊を望んでいらっしゃらない方にはマイクロワームの培養はお薦めできませんね。 稚魚は初めの内こそ、生きたブラインしか食べてくれないので毎日新しいブラインシュリンプを沸かす事になり面倒ですが、孵化後10日もすれば冷凍のブラインや、殻剥きブラインを食べてくれるようになりますので、その後の育成はずいぶんと楽になります。稚魚の成長は想像できないほど早く、上の写真は生後1ヶ月のN.ラコビーですが優に1.3cmくらいはあるでしょう。これでも成長は遅いほうで、これには海外出張を連発していた為に餌不足だったのが響いているのだと思われます。ノソブランキウスにとっては、次の乾季が来て水が干上がる前になんとしても成熟し、次世代を残さなければいけないのですから猛スピードで成長するのも当然の事なのでしょう。 この成長著しい稚魚~幼魚期にどれだけ餌を与えたかは、成魚のサイズに大きく影響を及ぼします。稚魚期に餌が不足してもちゃんと親魚にまで成長しますが、体長はせいぜい2cm前後止まりといったところです。親魚のサイズは、採卵数に関係してきますので皆さんは出来るだけちゃんと餌をあげてくださいね(苦笑) 稚魚は順調に行けば生後2~3ヶ月で成魚になり、オスメスの判別もはっきりとしてくるはずです・・・って言うか、この時点でオスメスが判別できないようであれば、あなたは餌をケチりすぎです(笑)。いかがなものでしょう?ノソブランキウスの繁殖から稚魚の育成まで、なんとか御理解いただけたでしょうか?実際には、なかなかここで紹介したとおりに行かない事も多々あるでしょうが、まずはチャレンジです!一度コツをつかんでしまうと、後は驚くほど容易に繁殖を楽しむ事が出来ます。うまく殖やせたら周りの人にどんどんあげて、卵目マニアを増やしましょう!えっ?それじゃ逸品堂の商売が成り立たないんじゃないかって?ぜんぜんOKです!!(笑)。実の所、発送業務やアフターフォローなど想像以上に手間がかかり、ボランティア店主としては心の中で悲鳴をあげている状態ですから(苦笑)。それに、もう在庫が少なくなってきちゃったので買い付け旅行行かないとならないし・・・うーん、本業がぁ~!!
2006/08/17
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さて、本日はノソブランキウスの仲間の繁殖方法について紹介しましょう。何回も書いているように、ノソブランキウスの仲間は乾季になり周囲に水がなくなる直前に水底に産卵し、次世代を残すと言う習性がありますから、繁殖の際には水槽内にこれに近い環境用意してやる事になります。商業的な目的で大量に繁殖するにはまた違ったやり方があるのですが、ここでは昨日紹介した底砂を敷かない飼育水槽をそのまま利用する繁殖方法について解説したいと思います。 まず、園芸ショップに行ってピートモスという一種の土みたいな奴を買って来ましょう。もちろん、アクアショップにも売ってますが園芸用ピートの方が滅茶苦茶経済的です。人によっては園芸用ピートは質が悪いので卵目の産卵床としては不適切と言う人もいますが、個人的に園芸用ピートを使っていて不都合を感じた事はありません。ただ、園芸用ピートの中にはPHを調整する目的で石灰を混ぜてあるものもありますので、購入の際にはPH調整と書いて無い商品を選びましょう。 ピートモスは泥炭とも言われるいわゆる植物が腐食したものですから、タンニンなどの腐食酸を大量に含有し、それ自体は酸性です。この、腐食酸などのエキスがいわゆるブラックピートエキスとして観賞魚用に販売されているものですから、ピート自体は水質を弱酸性~酸性に傾ける性質があります。ただ、ノソブランキウスの好む水質は中性~弱アルカリ性ですから、アピストやワイルドベタなどには最適なピートに含まれる腐食酸もここでは邪魔な存在です。したがって、使用前に1時間ほど鍋などでコトコトに込んじゃってください(笑)。すると、ピートから真っ黒な煮汁(腐食酸)が浸出してきますので、その後目の細かい網などに入れて流水ですすぎます。当然、真っ黒な煮汁は捨てる事になりますが、アピストやその他の弱酸性の軟水を好む魚を飼育されているのであれば、ウォーターコンディショナーとして使用すれば素晴しい効果が期待できます。 さて、せっかくの有効成分である腐食酸を出し切ってしまった、いわば出がらしのピート(笑)を、小さなガラスの皿やプラ容器などに入れて、静かにノソブランキウスの水槽に沈めて見ましょう。冒頭の写真では、かなり大きな皿を使用していますがこの半分くらいの大きさで十分だと思います。すると、しばらくしてノソブランキウスのオスメスはピートの周りに集まってくるようになります。そして、そのうちオスの誘いに載ったメスが一緒にピートの中に体を沈めるようにして産卵を行います。 ノソブランキウスの場合、産卵まではかなり簡単です。また、産卵行動は1日で終了するわけでは無いのでそのまま1~2週間ピート入りの容器を水底に沈めておいて下さい。そして、ペアがピートに潜り込む素振りがあまり見られなくなってきた時点で、容器をそっと水槽から取り出します。この時、あまり手荒く扱うとピートや中に隠れた卵が舞い上がって水槽内が大変な騒ぎになりますから御注意を(笑)。 取り出したピートは、余分な水を取り除きます。魚用の眼の細かい網に卵入りのピートを入れてチョット硬めに絞るって言うのが、もっとも一般的な方法でしょうか。ちなみに、我家ではコーヒーのドリップ用の器にコーヒー用のろ紙をセットし、そこで水を切ります。いずれにしても、ノソブランキウス属の繁殖の失敗の多くは、ピートに余分な水分がありすぎた事によるものです。つまり、故郷のアフリカの乾季を再現してるんですから、ピートがびちゃびちゃの状態では上手く行きません。言葉で表現するのは非常に難しいのですが、ピートの表面を指でなでても指に水が付かない程度にまで水を切りましょう。水分を切ったピートを、新聞紙の間に挟みしばらく放置すると言うのもなかなか良い方法だと思います。また、出来ればこの時点でピートを注意深く観察し卵の存在を確認しておきましょう。万が一、産卵していないのにこの後一生懸命管理するなんてのは、かなり悲惨な事ですから(笑)。卵はメダカの卵よりも小さいので、馴れないとなかなか発見するのが大変かもしれませんね。私のように、老眼で?小さなものが上手く見えなくなってきた人は恥ずかしがらずに虫眼鏡に御登場いただきましょう! そして、水分を十分に排除したピートをビニール袋やプラ容器などに収容し密閉しておきます。この時、きちんと密閉していないと保存期間中に水分が蒸発しピートがカラカラに乾燥してしまうことがあるので注意してください。保存容器には、採卵日と種名をきちんと記入しておきましょうね。そして、このまま孵化可能な状態まで保存する事になります。保存場所は、温度が25~30℃位で一定な場所を選びましょう。この時期であれば、保温の心配などまったくありませんから保管は簡単です。ただ、間違えても直射日光が当たるような場所はさけてくださいね。 以上で、ノソブランキウスの繁殖は終了です。どうです?面白そうでしょ??(笑)。これで、適切に管理さえしていれば、時期が来て水の中にピートごと卵を入れれば早ければ数時間で稚魚が孵化してくるんですから。次回は、稚魚の孵化と育成について解説したいと思います。・・・でも、ここで皆様には残念なお知らせが(笑)。私、明日・・・って言うか今日から木曜日まで家を空けてしまいますので、この続きは金曜日って事になりそうです。えっ?どこに行くのかって?今回は出張ではありません。ここの所、仕事の多忙さにかまけてまったく家族サービスしてなかったので、家族で下田の別荘まで遊びに行って来ます。去年は、上の娘の中学受験があり毎年恒例の下田行きも中止だったので、2年ぶりの別荘という事になります。・・・って言うか、2年も放置していて果たしてどんな状態になってるんでしょうか?ゴキブリ恐怖症の私としては、ゴキブリの巣窟になってたりしないかと、行く前から戦々恐々です。
2006/08/06
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さて、昨日ノソブランキウスの仲間も、他の熱帯魚と変わらない管理方法で飼育できる事を紹介しましたが、それならばなぜ卵目マニア達はそのような飼い方をしないのでしょうか?それには当然理由があるわけで、今日はそのあたりについて解説して行きましょう。冒頭の写真をご覧ください。これは、N.エガーサイ・レッドを複数ペア20cm角のオールガラス水槽に入れて飼育している所です。飼育水やフィルターなどの基本的な環境は、昨日のレイアウトとなんら変わりません。ただ、異なるのがエガーサイ・レッド単独で飼育している事と底砂を敷かないベアタンクにしてある事です。実は、ここに大きな秘密が隠されているのです。 まず底砂を敷いていない理由からお話しましょう。ノソブランキウス属の魚は、乾季がくる前に次世代を残すべく卵を水底の泥の中に産む事は昨日お話しました。・・・つまり、そう言う事なのです。水底に砂利を敷いておくとノソブランキウスの仲間は辺り構わず水底の砂利の中に卵を埋め込み始めちゃいます。別に、繁殖なんて考えてないからと言う方ならばこのままでも問題ありません。ただ、繁殖させようと考えるならばそこら中に卵を埋め隠されても捜す時大変です。まぁ、ちょっとした宝物の発掘気分を味わえない事もありませんが(笑)、水底をほじくり回せば、水も汚れますし何かと不便です。そんな訳で、ノソブランキウスを本格的に飼育しようとする人は底砂は敷かないのが普通です。したがって、レイアウトはアヌビアスやミクロソリウム、ウィローモスなど水底に根を張らないタイプのものを使う事になります。 それなら、どこに産卵場所作るんだよ?って言う声が聞こえてきそうですが、それは明日の繁殖編で(笑)。とにかく、せっかくノソブランキウス飼育するなら独得の繁殖形態実際に経験しなければ絶対に損ですから、水底には底砂は無しにしましょう(笑)。ただ、上手く自家繁殖に成功し大量の子供が取れたのであれば、次世代を残す種親を別にして残りは大きな水草水槽で群泳を楽しむなんていうのは、最高の贅沢だと思います。それに、自家繁殖したものだけが味わえる喜びだとも思いますしね。 次に、なぜ単一種だけで飼育しているのかと言う点についてです。その答えはノソブランキウス属のメスの外見にあるのです。下の2つの画像は左がN.ラコビーのメス、右がN.エガーサイ・レッドのメスです・・・。って、皆さん区別付きますか??(笑)。ノソブランキウス属の特徴として、オスは見事な程色鮮やかなのですがメスはなぜかほぼ一様にこんなもんです。つまり、一度違う種類のメスをごちゃ混ぜにしちゃうと再び正確な種の判別が非常に困難になってしまうのです。中には、ほんとに微妙な違いを見て取ってノソのメスを判別する恐ろしい人もいるやに聞いていますが、私にはとてもとても・・・。 そんな訳で、ノソブランキウス属を複数種飼育する人は種類ごとに水槽を用意するはめになっちゃうのでした。そして、気が付くと水槽が数十本なんて当たり前って言う気持ちになっちゃうみたいですよ。気を付けて下さいねtakaさん!(笑)。これで、それぞれの地域変異になんてこだわり始めた日には・・・想像するだに恐ろしい事になってしまいます。まぁ、それだけの魅力を持った魚達ではありますけどね~。 さて、皆さんは観賞に徹した昨日の飼い方で行きます?それとも、深みに嵌るの覚悟で今日の飼育方法にされます??うーん、どっちも捨てがたいと言う方には耳よりの情報が(笑)。ノソブランキウスの仲間は、上手くいけばその生涯に数百個の卵を産ませる事も出来るといわれていますが、商売人でも無い限り(・・・って今や私も商売人?)そんなに大量に殖やしたって仕方ないじゃないですか。だから、採卵期間の1~2週間だけ繁殖水槽に収容し残りは水草水槽で楽しんじゃえばいいんですよ。と言うか、これが由緒正しきアクアリストの楽しみ方だと思う。一度、国内の卵目マニアの温室を訪問した事があるんですけど、本棚改造したラックにプラケースが縦置きでずらっと並んでました。照明が部屋の照明だけなのでその点を尋ねると「卵目の繁殖に強い光は必要ないから」と言う事でした。確かに、千近いプラケースがズラ~っと並んでいるのは壮観ですが、肝心の中の魚を観賞することが出来ないなんて・・・。なんか本末転倒と言うか、卵目をはじめた当初の気持ちがなくなっちゃってるようにお見受けしましたね。 明日は、いよいよノソブランキウス属の神秘的な繁殖方法についてお話したいと思います。乞う御期待!!(笑)
2006/08/05
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さて、皆様からノソブランキウス属の種説明もいいが何か肝心な事を忘れてんじゃないのか?と言うお叱りを多数頂戴いたしまして(笑)、急遽予定を繰り上げてノソブランキウス属の飼育について紹介する事にしました。まず、具体的な飼育方法に入る前にノソブランキウス属の棲息する環境について勉強しておきましょう。 ノソブランキウスの仲間はアフリカ大陸でも乾湿のはっきりとした地域の、どちらかと言うと海岸線近くに生息しています。我が国ではなかなか想像できませんが、この地域の雨季乾季の差は非常にはっきりしています。雨季にはあたり一面水浸しだったものが、乾季になるととことん雨が降りませんから、水がどんどんなくなっていき最後にはどこを見渡しても水が無いカラカラのひび割れた大地がどこまでも続く光景になってしまいます。皆さんも、TVなどで乾季にゾウやその他の野生動物が水場を捜してさまよい歩くシーンをご覧になった事があると思います。 そんな環境で、動物以上に困るのが魚達でしょう。何しろ、水の中でしか生きられない彼らにとって、水がなくなると言う事は・・・。ノソブランキウス属の魚達はこの苛酷な環境下で種の存続をすべく、驚くべき習性を身に付けたのです。つまり、雨季の内に産卵を終えた親魚達は水が干からびると同時に死んでいきます。しかし、残された卵たちは周囲にある僅かな湿気のみで過酷な乾季を耐え抜き、次の雨季が始まると一斉に孵化してきます。そして、また乾季が訪れるまでに成長し産卵をするというほぼ1年単位の生活サイクルを繰り返しているのです。 そんな過酷な環境に耐えるノソブランキウスですから、基本的に丈夫です。繁殖を狙わずに、ただ飼育を楽しみたいと言うのであればグッピーやネオンテトラと一緒に飼育したって何の問題もありません。そこで、今日は飼育の第1回目として観賞に主目的を置いた飼育方法について解説してみましょう。 先ず、飼育容器は20cm角程度のものを用意しましょう。もちろん、大きい分には3mでも10mでもOKです(笑)。水底には、砂利を敷き好みの水草を植えてレイアウトしてください。ちょうど、冒頭の写真は20cm角のオールガラス水槽にN.ラコビーのオスだけを複数入れて飼育している状態です。フィルターは、どんなものでも構いませんが余り水流が強い環境を好まないので、水流は弱めに調整しておきます。 飼育において一番気になるのが水質だと思います。しかし、ごく一部の飼育難種を除くとノソブランキウス属の魚達は水質に敏感じゃありません。どうも、我が国では卵生メダカは水質に敏感で、チョットでもあわない水質ではすぐ死亡するとか、水替えは極力しちゃいけないとか、うるさい事言いすぎだと思いますね。現に、旧東ドイツで温室を見せてもらった卵目ブリーダーも、バンコクの養殖業者も、120cmくらいの大きな水槽にそれこそ500尾位のノソブランキウスを収容し、バカバカ餌を与え毎日のようにジャブジャブ水替えしてます。そんな彼らに、日本の飼育方法を教えると、きまって馬鹿にしたように鼻先で笑われます。そして、少なくとも我家ではノソブランキウスは塩素中和した水道水で飼育して何の問題も発生してません。結論から言えば、ノソブランキウス属の魚は塩素中和した水道水で飼育して何の問題も無いと言う事です。ただ、日本全国の水道水がすべて我家の水道と同じ水質では無いと思うので、そこが少し心配ですが人間の飲料に適した水なんですから大丈夫でしょう!(笑)。また、以前も何かで書きましたが、水道水は塩素中和だけでなく重金属も無害化する効果のあるコンデイショナーで中和したほうが無難だと思います。別に、卵生メダカに限らずですが・・・。 それと、塩素中和した水道水で飼育して何の問題もないのですが、出来ればそこに少々粗塩を入れて置くとさらに良いでしょう。粗塩とは、精製塩ではなくにがりなどの成分も含んだ塩の事で、スーパーなどで「博多の塩」「赤穂の塩」などの名称で普通に売ってます。分量は水1リットルあたり1g程度を目安にしましょう。塩の分量は、あまり神経質になる必要はありませんから気合でエイッとぶち込んでください(笑)。この飼育水に粗塩を溶かすと言う行為には主に2つの目的があります。一つは、前述のようにノソブランキウス属は海岸線近くに生息しているので、生息場所も多少海水の影響を受けているのでしょうか?どちらかと言うと弱アルカリ性から中性付近の水質を好みます。粗塩を入れることで、水中にカルシウムやマグネシウムが溶出し飼育水の硬度やPHを心持上げてくれるという訳です。そして、もう一つの目的がコショウ病の予防です。どう言う訳か、ノソブランキウスはコショウ病に罹り易い傾向にあります。まぁ、ベタも同じなんですがこのような魚を飼育する際に、飼育水に多少の塩を溶かしておく事で病気の予防にかなりの効果が見られます。 水温は25~30℃位のやや高めの水温を好みます。今まで我が国では30℃を越える高水温はノソブランキウスにとって害があるというのが通説になっていたのですが、今回バンコクの卵目ブリーダーを訪ねて、彼の温室では32℃以上の高水温であった事から少々考え方が変わって来ています。少なくとも、30℃以上の高水温でも、まったく問題なく飼育可能だし、繁殖もバンバン成功させているんですか。でも、取り合えず夏場にむやみやたらな高水温になるような飼育環境は避けておいたほうが無難でしょう。 餌に関しては、生き餌や冷凍アカムシがベストでしょう。ただ、人工餌を食べないと言う訳でもなく、バンコクの養殖業者の所ではセラ社の顆粒フードを親魚のメインフードに使ってました。様々な事情で、冷凍アカムシ使えない方は一度お試しあれ!ただ、生き餌や冷凍アカムシしか食べた事の無い個体は、最初の内はなかなか人工餌に馴れてくれませんから、根気良くそして少量ずつ与える事が大切です。 また、卵生メダカとしてはアフィオセミオン属に較べると温和なので複数尾を同時飼育したり、他の熱帯魚と一緒に飼育する事も可能です。この場合、コミュニティタンクにありがちなのですが、あまりに多数の魚を収容する事で水が汚れPHが酸性に大きく傾く事があります。弱アルカリ性から中性の水質を好むノソブランキウスにとって、あまり酸性に傾いた水質は好ましくありません。水替えをサボらないようにして、飼育水を絶えず中性付近にキープする事がノソブランキウス混泳成功のカギだと思います。それと、飼育水1リットルあたり1g程度の塩分濃度はグッピーやネオンテトラなどにとってまったく害はありませんから心配無用です。 さて、あまり1日でどんどん解説を続けてしまうとブログの文字数が莫大なものになりますから、今日はこの辺で(笑)。明日は、水替えの仕方と繁殖を見据えた飼育方法について解説します。それと、卵生メダカもおさかな逸品堂をよろしくって書くように厳命されましたので、一応今後ともよろしく(笑)
2006/08/04
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学名:Nothobranchius korthausae通称:ノソブランキウス・コウサウサエ(N.コーソザイ)体長:4.0cm分布:タンザニア飼育:★★(普通)繁殖:★★(普通) 今日紹介するのはノソブランキウス・コウサウサエ。一般にはN.コーソザイと呼ばれる事のほうが多いようです。どうでもいいと常々言ってるくせに呼び名にケチつけますが(笑)、本来はKorthaus女史と言う研究者にちなんだ名前。そこから考えると、昨日のギュンテリー同様コートハウサエって読むべきかも。そうそう、これまたどうでもいい知識ですが、学名の終わりがiで終わっていたら男性の人名、aeで終わっていたら女性の名前にちなんだ学名である事が多いのです。アンジェリカス・ボティア Botia kubotai=久保田さんのボティアレッドテトラ Hyphessobrycon amandae=アマンダさんのヒフェソブリコンと言う具合ですな。 さて、N.コウサウサエは赤系の色彩の魚が多いノソブランキウス属にあっては珍しく黄色系の体色です。よく、「体色は地味だが丈夫」とか紹介されちゃう可哀想な奴ですが、ノソの仲間だから地味とか言われるんで、観賞魚としては十分華やかな部類に入ると思います。特に、タイガースファン黙ってこの魚飼わなきゃいかんでしょう!(笑)。飼育に関しては、昨日のN.ギュンテリーに負けず劣らず丈夫で飼育しやすい種類です。繁殖も容易で、卵の休眠期間もノソブランキウスの中では一二を争う短さです。特に、高温下で卵を管理していれば1ヶ月程度で孵化に至ります。 そして、このノソにもやっぱり色彩変異がいます。有名な所では、全身がブラウンレッドに染まるN.コウサウサエ・レッドがいます。ただ、ノソブランキウス属に於いては赤系の体色は珍しくもなんとも無いので、個人的にはコウサウサエはやはりイエロータイプに限ると思ってます。他にも、マフィア島固有の色彩変異などが存在しますが、基本的には皆イエロー系の体色です。熱烈なドラゴンズフリークの私としては、チョット躊躇するものもあるのですが(苦笑)、ノソブランキウス属のコレクションやるとそこらじゅうの水槽にチョロチョロ赤系の小魚がうごめく様になるので、そんな時気分転換意もってこいですね。 ところで、今思ったんですがコウサウサエのイエロータイプとレッドタイプを交配するとどんな色彩になるんでしょうね?以前も述べたように、異なる地域変異をむやみやたらに交配するのは決して褒められた行為ではないのですが、もしかしてこの組み合わせは結構いけるかも(笑)。今度バンコク行ったらコウサウサエ・レッド買ってこなくちゃ! そして、本日のベタ紹介に・・・ 今回バンコクで目に付いたカラーバリエーションに、このメタリックスカイブルーとレモンイエローのマルチカラーがいました。ショーベタにもプラカットにもこのカラーバリエーションがいましたから、一種の流行なんでしょうか?夏の暑苦しいシーズンになんともいえない清涼感を与えてくれる美しい魚だと思います。 そうそう、それと私がボランティア店長を勤めさせていただいておりますおさかな逸品堂ですが、おかげさまを持ちまして結構盛況です(笑)。今日、税理士さんと話をしていたら「このまま行けば、おさかな逸品堂は黒字になるかも」とか言われてしまいました。でも、プラカット専門店を謳いながら、その実ノソブランキウスの売れ行きのほうがはるかに好調です。・・・って、このブログで取り上げてみんなの物欲煽ってるんだから当然か(笑)。 一体何と言う事でしょう。皆さんの財布は軽くなり、ボランティア店長は心身ともに疲れ気味、そんな中オーナーの某女史だけが高笑いしている姿が脳裏に浮かんできそうです(苦笑)。あの~、奥様??私めにも夏のボーナスちょっとだけいただけませんでしょうか?って恐る恐る尋ねてみたら・・・「ボーナスは無いけど、どこか海外に仕入れに行く金なら出す!」とのたまっておられました。あんたはエライッ!!
2006/08/03
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学名:Nothobranchius guntheri (Pfeffer,1893)通称:ノソブランキウス・ギュンテリー体長:4.0cm分布:アフリカ;タンザニアのザンジバル島飼育:★★(普通)繁殖:★★(普通) 今日紹介するのはノソブランキウス・ギュンテリー、ノソブランキウス属の入門魚と呼ばれる事の多い丈夫で飼育しやすい種類です。どうも、我が国では入門魚や初心者向けと紹介されると、なぜか軽く見られる傾向にありますが、その美しさは昨日紹介したラコビーにも決して負けていないと思います。入門魚であることや安価である事と、観賞魚としての価値はまったく関係ない事のはずなのに、なぜ我が国では価格=価値みたいな図式が出来ちゃったんでしょう。世界的に見て結構、恥ずかしい事だと思います。 ところで、ギュンテリーという名称ですが、これは有名な動物学者Gunther博士にちなんで命名されたもの。通常、我々はこの博士の事をギュンター博士と読みますので、そこから考えると本当はギュンターィと発音すべきかも。また、アクアリストによってはガンサーアィと呼ぶ人もいます。いつも言っているように、アクアリストは学者じゃないんですから呼び名なんて気にしなくても良いのですが、海外のアクアリストと話をしていると時たま困る事があります。例えば、昨日のN.ラコビーもバンコクのブリーダはラチョウィと発音しているので、はじめの内お互いに相手がどんな魚の話をしているのかさっぱり判らず苦労しました(苦笑)。 この魚の呼び名の話はともかく、N.ギュンテリーは確かにノソブランキウス属の中でも飼育・繁殖が容易な部類に入ることは確かです。水温・水質ともにあまり神経質じゃありませんし、繁殖も容易、しかも産卵数も多く孵化までの所要日数も短いとそれこそいい事尽くめです。ここで、ノソブランキウス属の入門魚を挙げろと言われたら、このギュンテリー、後述するN.コウサウサエそしてN.パトリジィあたりでしょうか。もっとも、バンコクのブリーダーに言わせればラコビーも十分入門魚だそうです(苦笑)。 このN.ギュンテリーにも色彩変異がやっぱり存在します。N.ギュンテリー・ゴールドとN.ギュンテリー・フジミーと呼ばれる系統がそれですが、これは今まで紹介してきたノソブランキウスの色彩変異と異なり改良品種です。ゴールドのほうは冒頭の写真の原種からメラニンが抜けたもの、つまり本来褐色の地色が鮮やかな山吹色に染まります。また、フジミーの方は更に赤い色彩までもが抜け落ちてしまい、全体的に淡いブルーの体色です。一見すると、すでに紹介したN.エガーサイ・ブルーに良く似てます。どちらも、それなりに美しいのですが問題はフジミーというネーミング!皆さんは何でこのネーミングになったと思います?さて、ここで問題です!ノソブランキウス・ギュンテリー・フジミーのフジミーというネーミングの由来は?正解者の中から抽選で1名様に、ギュンテリーの休眠卵の在庫は今無いから(笑)N.ラコビーの休眠卵30粒をプレゼントいたしましょう!!皆さんふるって御応募くださいね(笑)。締め切りは8/3いっぱいと言う事で・・・ちなみに、ヒントとしてかなりくだらないレベルのネーミングである事をお教えしておきましょう。うーん、レベル的にはプレコの仲間のマツブッシーと同じくらいのレベルでしょうか(笑) イキナリ話が切り替わりますが、本日のベタ紹介を・・・ 以前一度紹介した事のある、黄金色のプラカットがついにバンコクで市場に出回るようになってきたようです。ベタでイエローと言うカラーは、日本人にはなぜか好まれないのですがここまで色鮮やかなら話は別でしょう。また、中国人を中心に風水を信仰する人たちの間では金運を呼ぶ魚として非常に人気が高いそうです。ただ、個人的な意見を言わせていただければ、その美しさには脱帽いたしますが金運どうこうと言う話になると眉唾ものかと・・・(笑)。なぜって、まったく効果が認められないからですっ!(爆笑)
2006/08/02
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さて、この記事は日本人2005さん専用記事となっております(笑)。と言うのも、前回のキリ番プレゼントで日本人2005さんがお選びになった、ブラック&ブルー・マルチがシンガポールから帰国してみるとヒレが溶けておりました~(涙)。もっと早くにお送りすればよかったのですが、当時なぜか気温が低い日が続いていたのもあり、出張から帰国後お送りしようと考えていたのです。 そんな訳で、日本人2005さんには今回ご紹介する7点から、代わりのショーベタをお選びいただきたいとお思いここに画像を公開させたいただきます。 もし、この中にお気に入りが無いようでしたら次回のバンコク出張までお待ちくださいね。
2006/08/02
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学名:Nothobranchius rachovii通称:ノソブランキウス・ラコビー体長:3.5cm分布:モザンビーク、南アフリカ飼育:★★(普通)繁殖:★★★(少し難しい) 今日はインスタントメダカの第二弾!ノソブランキウス・ラコビーの登場です。よく書籍や雑誌などで世界でもっとも美しい淡水魚と紹介されるラコビーですが、世界で一番かどうかは見る人の感性の問題ですからわかりませんが、確かにとことんド派手な体色なのは間違いありません。 かつては、飼育難魚としても有名だったのですが最近では飼育技術の向上のためか、はたまた輸送環境が良くなったためか、飼育は特別難しいとは感じません。水質は中性付近であれば問題なし、水温は25℃~30℃位が好ましいと思われます。ただ、水温に関してはこの魚を入手したバンコクでは、水温は優に30℃を越えていますから日本の夏場の高水温も問題なく乗り切れるはずです。餌に関しては、書籍などでは生き餌や冷凍アカムシしかダメみたいに書かれていますが粒状の餌も良く食べます。実際、この個体はバンコクでも粒状の餌だけで育成されていました。ただ、フレークタイプの餌は好まないようです。 とにかく成長の早い魚で、例えば写真の個体は生後2ヶ月だそうですがすでに体長は3cmを越え、完全にオスメスの区別がつきますし、おそらく繁殖も可能でしょう。ただ、これは大量に餌を与えて、毎日のように水を替えることが出来るプロの話ですから、我々アクアリストであれば生後4ヶ月くらいでこのサイズまで育成するのが普通でしょう。 比較的温和な魚ですが、成熟したオス同士はちょっとした小競り合いをすることがあります。したがって、飼育の際はペアだけを小型水槽で飼育するか、もしくはやや大きめの水槽で多数を一緒に飼育するか両極端がよろしいようです。なまじオス2尾とかだけで飼育すると、弱いほうの個体がボロボロにされちゃう事があります。 ノソブランキウス属の繁殖方法については改めて後述するとして、ラコビーの休眠期間は通常4ヶ月前後というのが我が国での通説でした。しかし、バンコクのブリーダーの所では産卵後1ヶ月から45日で孵化しています。これが高水温のためなのか、それとも累代飼育の影響(代々ブリーディングされている魚では時々見られる現象)なのかは定かではありませんが、事実は事実として認めなくてはなりません。逆に、タイのブリーダーはラコビーの卵の休眠期間は4ヶ月くらいが普通だと言うと、かなりビックリしてました。 ラコビーには昨日のN.エガーサイ以上に色彩変異が知られていて、上の画像はそのうちの一つでラコビー・ブラックと呼ばれています。地域的には南アフリカにラコビー・ブラックが生息していると言う事ですが、昨日お話したようにこの個体がどの程度純粋なのかは定かではありません。色彩的には、冒頭のノーマルタイプのほうがきれいですから、商業ルートにラコビー・ブラックが乗る事はほとんどありません。したがって、入手はかなり困難でしょう。・・・と言うか、コレクター以外はみんなノーマルタイプのほう選択すると思う(笑)。ただ、胸ビレが妙に色気のある紫色に染まっている点だけは評価したいと思います。 ところで、今回のバンコク旅行記が無いために皆さんにゲットしたプラカットやショーベタの紹介が出来ません。そこで、本文とは関係ありませんが毎回1尾ずつ今回の旅行でゲットしたお気に入りを登場させようと思います。 トリカラー・マーブルのプラカットですが、マーブルの王道を行くような素晴しい個体だと思います。私のようなマーブル好きにはたまらない個体ですね~(笑)。マーブルにしては珍しく、ボディも頑丈そうなのも高ポイントです。
2006/08/01
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学名:Nothobranchius eggersi通称:ノソブランキウス・エガーサィ(エゲルシィ)体長:3.5cm分布:タンザニア飼育:★★(普通)繁殖:★★★(少し難しい) さて、本日無事出張から帰って参りましたさかなおやじですが、ここでまた旅行のレポートを始めちゃうと、いつまでたっても魚図鑑のほうに戻れないので、今回はあえて本日より本来のブログに戻しちゃいます。と言っても、いきなりインスタントメダカことノソブランキウス属からスタートするあたり、おさかな逸品堂の宣伝を意識したあざとい演出と言えるでしょう(苦笑) さて、本日より数日間にわたって紹介するのはアフリカに生息する卵生メダカの一種であるノソブランキウス属の仲間たちです。このグループは非常に種類が多いのですが、自分で飼育下事のない種について解説する訳にもいかないので、ほんとにポピュラーな魚だけを簡単に説明していきましょう。それと、飼育や繁殖に関しては後でまとめて報告しますので、先ずは図鑑からスタートです! 今日登場するのは、ノソブランキウス・エガーサイ( Nothobranchius eggersi)と言う種類です。本来ならばエガーサイではなくエゲルシィと発音したい所なのですが、なぜか巷ではエガーサイと呼ばれているので、ここでは世の中の流れに従っちゃいましょう!(笑)。イチゴ色の各ヒレとコロコロした体つきがとてもチャーミングなノソで、ホビー界でもかなり人気がある種類です。ところで、このエガーサイに限らず卵生メダカ全般に言えることですが地域により体色が大きく異なるケースが多く、それがまたマニアのコレクター魂に火を点けちゃうんでしょうか?世界中にマニアな卵目コレクターが沢山存在しています。 もちろん、趣味ですからとことん突き進んで結構です!結構なんですが・・・勢い余って(笑)、卵目マニアには変に分類学者風に染まってしまった輩も少なくありません。彼らは、自分だけでひっそりと楽しんでいる分にはいいのですが、なにかと日の当たる場所に出てきては(笑)、初心者を馬鹿にしたがります。これには困ったもので、彼らが自分たちが以下に素晴しいアクアリストなのか証明したいのか、やれ卵目は管理が難しいだのその個体はどこ産だとかやたらと講釈をたれたがります。 その結果、我が国では卵生メダカは飼育が難しくマニア向きの魚であるというような風潮が広まってしまい、これだけカラフルな魚たちにもかかわらず、今一歩浸透していません。さかなおやじは大胆にもここで発言しちゃいます!「卵生メダカの飼育は難しくないし(簡単でもないけど)、誰でもが楽しめる素晴しいジャンルである」と。・・・従いまして、変にマニアックな方はこの後の卵目紹介記事は読まないほうが、ストレス感じないかも(爆笑) 卵生メダカは、地域による変異が多いといいましたが、このエガーサイも例外ではありません。冒頭の写真のストロベリーレッドの個体と、下のシルバーブルーの魚は共にエガーサイ、つまりは同種なのです。改良品種でも無いのに、そんな馬鹿なって感じもしますが本当なんですよ。ちなみに、赤系の個体群をN.エガーサイ・ルフィジ、ブルー系をN.エガーサイ・ルホイと呼ぶことがありますが、これは実はその色彩変異の生息場所の名称なんです。つまり、ルフィジ川には赤系のエガーサイが棲息していますし、ルホイ川には青系のエガーサイが・・・ ただ、問題なのは例えば画像の個体がルフィジなのかどうかが定かでは無いという点にあります。前述の間違った方向に進んでしまったマニアは後生大事にルフィジだルホイだと騒いでますが、元々が同種なんですから数代前の時点で一度や二度は2つの色彩変異が交配されちゃって無いと誰が言えるんでしょうか?もちろん、中には実際にルフィジ川などに誰か酔狂な人が採集に行き、自国に持ち帰った個体を、信頼の置けるアクアリストに配り、そのままきちんと維持されている場合もあります。これなどは、本当に素晴しいことで頭が下がる思いです。ただ、ショップで購入した個体は、誰がブリードしたのかとか判らない以上、あまり系統にこだわるのは愚かと言うものでしょう。 それと、勘違いしないでいただきたいのですが別にエガーサイのレッド系とブルー系をどんどん交配しちゃいなさい!って言ってるわけではないですからね。もちろん、同種ですから交配したって生殖的隔離機能がはたらく訳でもなし問題は生じませんが、やっぱり赤系はより赤く、青系はより青い方が断然美しい気がしますからね~。変な方向にこだわるのはヤメレって言う話なので・・・ そう言えば、このN.エガーサイはノソブランキウスとしては飼育、繁殖共に中級ってとこでしょうか。やはり、他のノソ同様砂利やピートの中に産み付けられた卵が1~数ヶ月の休眠・乾燥期間を経て再度周囲に水が満ちた時に、いっせいに孵化してくると言う実に神秘的な習性の持ち主でもあります。 ボランティア店主、海外出張のため早々と臨時休業しておりましたおさかな逸品堂ですが、本日より再開いたしました。沢山の方からお問い合わせいただいていおりますノソブランキウス属の休眠卵と成魚のペアを少数ずつですが販売いたしておりますので、興味のある方はご覧いただけると幸いです。
2006/07/31
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昨日イキナリ衝撃的なオープンをいたしました(苦笑)さかなおやじが店主を勤める通販専門店おさかな逸品堂ですが、おかげさまを持ちまして皆様非常に好意的に受け止めていただきましたようで(涙)。ただ、ここで流している涙が100%嬉し涙だと思ったらイケマセンゾ!(笑)。何しろ、昨日よりおさかな逸品堂の方に問い合わせが多数参りまして、それ自体は本当に感謝感謝なのですが、その問い合わせに対するメールでの返答などはすべて店主たる私のお仕事になっております。 妻との話では、私の役割は魚の出荷と日常の世話だけだったんじゃなかったっけ??実際には、これにお客様とのメールでのやり取りも含まれるようです。それはまぁ、半分楽しみながら出来るんで別に苦ではないのですが、開店前には気が付かなかったもっと巨大な苦しみがある事に今更ながら気が付きました。 それは、おさかな逸品堂にお越しいただく方の多くがさかなおやじのひとりごとの読者でもあるという現実です。つまり、オープン当初から、これだけ多くの反響を頂く背景には普段あれだけえらそうな事抜かしてるさかなおやじの事だから、絶対に変な事はできまい!と言う皆様の変な(笑)安心感がメールの文面からひしひしと感じ取れるのです。すごくありがたい事だと思う反面、ものすごくプレッシャーです。まるで、先のワールドカップのPK戦で、自分がはずしたらチームが敗退決定みたいな場面のキッカーの心境です(苦笑)。もちろん、さかなおやじの名に掛けて(すごく軽い気がする)誠心誠意店主勤めますけど、無給です(涙)。 ところで、思わぬ盛況に気を良くした、オーナー(我が妻)は来週私が仕事でシンガポール行く事を思い出したのか今朝ほどイキナリ、「シンガポールの帰りにバンコク言ってらっしゃいよ!」と言い出す始末。ゲッ、コイツ本当に通販で商売する気だぁ~!単なる、使途不明金撲滅運動の一環としか考えていなかった私の完敗でございます・・・。それにしても、シンガポールでイギリスの企業のオーナーと、かっこよく日本市場のマーケットリサーチビジネスに関して商談した帰りに、バンコクのウィークエンドマーケットうろつけってかぁ?
2006/07/22
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