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きぬかけの道に面した三門 中門の毘沙門天像
嵐電のレトロなすてんしょ・御室仁和寺の改札を出ると『徒然草』でおなじみの仁和寺の二王門が存在感を示している。前年の我が国古代より飛鳥時代へとタイムスリップする旅を終え、平安時代の時空をきのこを求めてさすらう1年のはじまりにまずは京都のきのこ文化普及の立役者であられた御室霊園に眠る吉見昭一さんにご挨拶。そうでもなければ、最高位の門跡寺院(皇室寺院でやんごとなき人たちを対象とする)のこの寺には詣でる機会はなかっただろう。
藤原を斥け菅原道真を重用した宇多天皇が、藤原時平たちの陰謀に屈したのち、醍醐帝に若くして譲位して、この地で法務を行う執務室をもうけたことから、このあたりの地名として御室(おむろ)が定着した。
また、山門前の道を右に登り金閣寺竜安寺へと至る道路が衣かけの道とよばれる所以は、この宇多法王が「初夏に雪景色をみたい」といったので衣笠山に白絹をかけたことからそう呼ばれると伝えられる。


仁和寺五重塔 中門へつづく広大な参道
三門を抜けると中門へと続く広大な参道があらわれ、そのどんづまりの中門の奥には御所の紫宸殿を移築した金堂が立つ。すべてが寺院というよりは御殿と言う感じのいなめない不思議な場所だ。ただ小ぶりの五重塔のみが寺であることを必死に主張している。

遅咲きの御室桜で有名な当地だが 、僕には寺域の片隅にひそかに花こぼれる山茶花、あるいは寒の椿がよく似合うように思える。


墓の霊位にきざまれたキアミズキンタケ オトメノハナガサ(ハダイロガサ)
吉見昭一さんの墓の霊位には、一子さんを伴った採集旅行で見つけたと思われる石垣島のキアミズキンタケが刻まれていて、心なごむ。
仁和寺の疎林の広場でムックきのこクラブの女性たちがみつけたハダイロガサ Hygrophorus pratensis は別名オトメノハナガサといい、可憐のきわみのようなヌメリガサだ。
カサの径2~7cmでくすんだ黄橙色。ヒダは長く垂生し厚く疎で脈状のしわで連絡している。柄は3~7cm×6~12mmで下方は細まり種小名 pratensis (草原生の)の通り、草地、林地、竹林内などに点々と発生する。発生時期は夏から晩秋だが、厳冬期に発生するものはとりわけ肉が固くしまっており、小型ながら食用にされる向きには歓迎される。
大寒の日の仁和寺、吉見さんは僕たちにこのきのこと引き合わせることで精一杯の歓待をしてくれたように思え、この一年幸先の良い滑り出しとなった。
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