まこちゃんの部屋

まこちゃんの部屋

ある日・それから


営業にまわる気もしなくなった。
頭の中は、何故?ばかりいが駆け巡っている。

そのうち、保育所へ連れて行く元気も私にはなくなった。
次男は家でお留守番が多くなった。

収入もすくなくなった。
親子3人の生活費も底をつく。
同僚に頼んで借金した。

状況をしっている同僚は「なんて親!ややこしい親と、ややこしいダンナと、早く縁を切ってしまい!」
助言してくれる。

何回も借金を申し込むわけにもいかない。
預金通帳はどの通帳も残高ゼロだった。

1万円1枚が無くなれば・・・・
私は水を飲んでも生活できる。
でも子ども達にそれはさせられない。

母親とダンナは子どもをよこせと迫っていた。
母親が、ダンナと一緒に子どもを引き取って、母親が子どもを育てるのだという。
何故?ダンナなの?

幼友達にも恥を忍んで借金を申し込んだ。
あっさり断れた。
そりゃそうだわ。

こんな時は、友達も傍へよりつかないものだ。
親、兄弟も遠のく。

子ども達を道連れに共倒れにはさせられない。
兵糧攻めみたなものだ。

母親が育てるというのだから、生きてさえいれば又子ども達に会えるときもくる。
そんな友人のことばにも耳を貸さなかった。
ダンナとは間単に離婚できても、母としてそんなに簡単に子どもと別れることなんて出来ない!

悩んで悩んで・・・大きな辛い辛い決心をした。

子どもをつれて駅へ行く。
ホームの売店でぶらさがっているおもちゃを二人が「買って」とねだる。
私には、そのお金もなかった。
これでもう会えなくなるというのに、自分の子どもに、安いおもちゃ1つかってやることも出来なかった・・・・

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