7月22日にNTが確認されてから9月30日に羊水検査結果で異常なしと分かるまでの10週間はとても長いものでした。 前回 異常が見つかったのと同じ妊娠11W1Dにまた不安材料を知らされ、なかなかきちんと状況を把握することができない状態でした。「NT=染色体異常(ダウン症)」ではない、と分かっていても、確率論は数字のマジックでしかないという思いのほうが強く、気持ちの切り替えには時間が必要でした。
羊水検査を受けることを決めてからは、今、一生懸命育っている命を大切に思うことだけに集中するようにして過ごしていました。男の子でも女の子でもいいように、胎名を「nozomi」とつけました。それまではほんとに近しい親戚と友人にしか告げていなかった妊娠を、機会あるごとに打ち明け祝福してもらいました。マタニティ用品もきちんと揃え、マタニティ生活もできるだけ楽しむようにしてきました。少しずつ膨らんでくるお腹や初めて感じた胎動にとても勇気づけられました。
10月1日からは本当に心から楽しく嬉しいマタニティ生活を送っています。その嬉しさ大爆発のおかげ(?)でベビーカーやベビーベットなどの大物を残し、ベビー用品は肌着から布団まですでにすべて揃っています。いろいろな人に心配してもらい、無事を祈ってもらえたnozomiはとっても幸せモノだと思います。今もお腹の中で元気にぼこんぼこんぐるんぐるんと遊んでいます。
「ないものねだり」という言葉がありますが、「ないもの」への欲求はそのいい部分しか分からないから簡単におこるのだろうと知りました。もちろん「あること」のいい部分のほうが多いからかも知れませんが・・・。子どもを産み育てるということも、きっと嬉しいことも悲しいことも両方併せ持っているのだろうと思います。
何事もなく無事に出産を迎えられることの貴重さやありがたさを知ることができて、少しは思いやり深い人になれたかなぁと時々自分をふりかえります。nozomiが産まれてきたら、もっともっとたくさんのことを学ぶことになるのだろうなぁと心の準備をしながら残りのマタニティ生活を送るつもりです。
この記録が、今、長い10週間の中にある人のお役に立てれば幸いです。