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2008年11月11日
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カテゴリ: エッセイ集
日本の人口将来予測、という言葉を聞いて、私たちがまず思い浮かべるのは、おそらく2030年とか、2050年みたいな、数十年後の予測値だろうと思います。その頃には、総人口1億人を割っているとか、いや9000万人も割っている、みたいな話は、よく聞きますよね。

私は、そんな遠い将来のことなんて、分かりませんし、予測さえもつきません。西暦2050年、私はまだ生きてるんでしょうが、その頃には、日本の人口が本当に半減しているのかもしれないし、或いは逆に、移民を大量に受け入れて、2億人を目指すぞ、なんてことになっているかもしれない。

私が辛うじて予測できるのは、2008年の年末時点。つまり、除夜の鐘が鳴っている頃、日本列島に住む人間の数が、1年前と比べてどう変化しているか・・・そんな程度です。

ところで、日本の人口増減は、単純に、次の式で求められます。

自然増減 (日本で生まれた人数-日本で亡くなった人数)
 +
社会増減 (海外から日本へ移動した人数-日本から海外へ移動した人数)


では、それぞれの要素について、予測してみましょう。


1)社会増減

日本に住む日本人の出生数と死亡数は、厚生労働省による 人口動態調査 の結果から、概算が可能です。

2008年の人口は、現時点で、8月末時点までの速報値と、6月末時点までの確定値が、すでに入手可能になっています。

仮に、8月末の速報値を採用し、9~12月までの出生数・死亡数を、昨年と同数と仮定すると、2008年末時点で、

出生数:109万人程度
死亡数:115~116万人程度
自然増減:マイナス6~7万人





2008年の合計特殊出生率は、昨年の1.34からやや上昇して、1.35~1.36前後になるでしょう。合計特殊出生率とは、出生数から、15~49歳の女性の数を除した数字がベースとなっています。分母にあたる、15~49歳の女性総数が、昨年より1~2万人程度減るのに対し、出生数が変わらないのであれば、割り算の結果(合計特殊出生率)は、もちろん上昇します。

ですが、この数字を素直に喜べるのかどうかは、分かりません。2003年頃から、日本政府が取り組んでいる少子化対策が、功を奏しはじめているのかもしれないし、あるいは、団塊ジュニア世代が、たまたま今、子供を産む年齢になっているからかもしれません。

その団塊ジュニア世代の出産適齢期が過ぎつつあり、その後に生まれた世代が急減している(1991年生まれの数は、1973年生まれより42%少ない)以上、今後、出生数の減少は避けられない流れです。仮に、少子化対策が大成功し、合計特殊出生率が米国やフランス並みの2.0近辺に上昇したとしても、出生数はせいぜい横ばいになる程度です。

一方、死亡者数は、高齢化社会を反映して、年々、増える傾向にあります。いま日本で、亡くなるのは70歳以上が圧倒的に多く、その年齢層の人口が増加傾向にあるので、死亡数もその分、増えています。月別にみると、1月、2月、12月のような寒い季節の死亡数が、他の暖かい季節より明らかに多いのは、寒い気候が、お年寄りの身体につらいことを、示しているのでしょう。


2)社会増減

ここ20年ほどの間、日本では「外国人の入国超過」、「日本人の出国超過」の状況が続いています。つまり、「日本に住む外国人の数」と、「外国に住む日本人の数」が、共に増え続けてきたのです。

その両者を比べると、もちろん年によるバラツキはありますが、「日本に住む外国人数」の増加が、「外国へ出る日本人数」の増加を、年平均3~4万人ほど上回ってきたため、その分だけ、日本国は社会増となっています。

日本の人口増減に影響する外国人の流入といえば、もちろん、「一定期間以上の長期滞在、または永住」を指すわけですが、その試算には、3ヶ月以上の滞在を前提とする「外国人登録者数」を母数に取るのが良いでしょう(注.これには、日本で生まれた外国人の子供の数も含まれます)。

外国人登録者数 は、入国管理局が年報のかたちで公表しており、各月毎の速報はありません。2008年末時点の外国人登録者数が公表されるは、来年6月前後まで待たねばなりません。現時点で概算するには、どうすれば良いのか?

近似値を得るには、東京都や愛知県といった、日本における外国人流入の中心地域の動向をモニターする方法があります。幸い東京都では、3ヵ月毎に外国人登録者数を公表しており、その数字を読む限り、

2007年は、年2万人ペースの増加
2008年は、年2万1千~2万2千人ペースの増加



外国人登録者数:215.3万人(07年末)→223万人程度(08年末推定)
外国人比率:1.69%(07年末)→1.75%前後(08年末推定)



一方、人口増減に影響を与える日本人の出国者数といえば、外務省の 海外在留邦人数統計 を使うのが良いと思われますが、こちらは外国人登録者数より、さらに公開のタイミングが遅く、つい先日、2007年10月時点での速報値が出されたばかりです(1年以上前ですね)。

2008年末時点の、海外在留邦人数を概算する良い方法を、私を知らないのですが、ここ数年の傾向を見る限り、その増加ペースが明らかに鈍化してきており、2005年時点での年4~5万人ペースが、直近は年2~3万人ペースに落ちてきています。

海外在留邦人のうち、海外(主に北米や大洋州)に永住する日本人の割合はさほど高くなく、むしろ、ビジネスなどの都合で、海外に長期滞在する日本人の増減が、大きな割合を占めています。その主要な行き先は、中国と米国ですが、どちらの国も、ここ数年、日本人を吸引する力を弱めています。2008年は世界的に不況だったので、その数はさらに減ることが予想されます。ざっと見積もって、年2万人程度の増加にとどまるでしょう。


海外在留邦人数:108.6万人(07年10年)→110~111万人程度(08年末推定)


3)2008年末の人口は?

以上をまとめると、こんな結論になります。

自然増減(出生-死亡):6~7万人減
社会増減(外国人流入):7~8万人増
社会増減(日本人流出):2万人減
合計:約1万人減

総人口:12777万人(07年末)→12776万人(08年末推計)



日本人の自然減を、外国人の流入が補っている 」状況が、一目瞭然です。実際、2004年から、日本人(日本国籍者)の数は減り続けていますが、その分、外国人が流入したため、日本の総人口(外国人含む)は、今日まで、ほぼ横ばいを続けています。

ですが、この状況も、あと1~2年しか続かないでしょう。人口の自然減(主に高齢死亡者数の増加)が年々大きくなり、現状程度の外国人の流入では、減少分を補えなくなると思われるからです。

日本では2010年あたりから、本格的な人口減少時代に入りそうです。





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最終更新日  2008年11月12日 02時09分53秒
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