ある夫婦の始まりから終わりまで・・          (ノンフィクション)

ある夫婦の始まりから終わりまで・・          (ノンフィクション)

新婚生活

2人の新婚生活は、都内の閑静な住宅地に建つマンションでスタートした。

なんて事はない。夫は地方からの赴任扱いだったので、

住宅費がまるまる補助されたのだ。

普通に借りれば13万円する2DK。

決して広くはないマンションだったが、住居環境は申し分無い。


すぐ近くに有名な商店街があり、ここではしょっちゅうTVのロケが行われている。

私はドラマ撮影中の松雪泰子を見た。また、近くの家では江口洋介のドラマのロケ地に

なっており、撮影中の武田真治を見た。

閑静でありながら、ワクワクやドキドキがたくさん詰まったこの街が

私は大好きだった。


商店街

しかし、この街と別れる日がやってくる。

夫が、地元に帰る事になったのだ。


夫は、関東から離れたN県の出身。

学校を出て地元の企業に就職するが、5年間という期限付きで東京の本社勤務になる。

その期限が来たのだ。

私は、それまで勤めていた大手メーカーの子会社を退職し、夫について行く事になる。

当時は仕事に対して意欲的では無かった私は、仕事から逃げるいい口実に思っていた。


問題はここからだ。

夫の地元に帰るとなると、今までのような住宅補助はなくなる。

しかし、お互いに独身時代の借金を抱えているので、いくら地方とは言え、

私が退職してしまえばアパートなどの賃料を捻出するのは厳しい。

散々考えた挙句の結論は、都市部から少し離れた村の村営住宅に住む事だった。

3DKの長屋。賃料は確か3万円程度だったと思う。

それまでの生活とはまるで正反対の田舎暮らし。

しかし、選択肢が無かった私達には贅沢は言えなかった。


某村


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