Atelier Mashenka

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2009.08.02
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私が死に瀕したときには憐れまれたくないのと同じように、
彼も憐れまれたくないに違いない。
そして昔、のたれ死にしたいと言っていたので、
むしろわざと今の状況に導いたのかも、と思った。
今病院にひとりいるのがかわいそうなのではなくて、
ひとりになりたかったのだろうか。



7月12日
一部の友人たちには、私の今回の行動を理解も実感もできない。
わかってはいても泣けてくる。
わかってもらわなくていい、わからなくて当然、と思っていても。
姉に電話すると、姉はこう言ってくれた。
Go with the flow。
"川の流れのように"、"思う通りにやればいい"と。

ここ数日、考えがまとまらない。
考え、書く時間が欲しい。

死の理不尽さを受け入れられない。

信じないなら信じなくていい。
そういうスタンスのはずだったではないか。
自分を信じて行動すればいいだけ。



7月13日
昨日姉と話したことで随分救われた。自分を信じよう、と改めて思った。

信じる、とはどんなことか。
昔は私は何も信じられるものがなかった。
それに気づいた20代の頃の私はまず信じるものを2つ決めた。
それによって何とか20代を泳ぎ切れた。
その頃が懐かしく思えるほど、今の私には信じられるものがたくさんあり、幸せだ。


信じるとは、肯定し続けることではないか。
否定するほうがずっとやさしい。
肯定することは難しい。
価値を見出し、Yesといい、それに対し自分をオープンにし、委ねることだから。
背中を向けるほうがやさしい。
閉じこもるほうがやさしい。
肯定し続けること。自分を肯定し続けること。

そして今、Kの人生を、存在を、肯定すること。
嘆いたり憐れんだり、罪悪感を感じたりすることは、
実は彼の人生に対して、彼の存在に対して、冒涜なのではないだろうか。
彼はどんなに生きにくい人生を送ったかのように傍からは見えても、
他の誰も替わることのできない人生を歩んだのだ。
燃焼し尽くしたのだ。闘い続けたのだ。
勇気と明晰さと優しさをもって。
正当に彼の存在の、生の重みを見るべきだ。肯定すべきだ。


今朝弟さんからメールがあり、名古屋に呼ばれたので
仕事で徹夜明けだけど行ってくると書かれてあった。
いよいよか、と思ったし、昼に妹さんから電話があったときは覚悟したけれど、
また状態が落ち着いたので慌てて来なくていいという連絡だった。

血圧も脈拍も40くらい。細々としている。
でもまだがんばっている。19日まであと6日だ。



7月14日
母のことを思い出すと励まされる。
おととし近所の親しくしていたIさんがやはり急に亡くなったとき、
母は一切、嘆きも悔やみも淋しくなったとも言わなかった。
ただ、Iさんの亡くなり方を、ほめた。
つまりはぎりぎりまでのIさんの生き方を。
あの母の姿勢には感銘を受けた。


お昼に弟さんからメールがあり、
脈拍は80台に、血圧は70台にまで戻ったとのこと。
1日しかもたない、と言われていたのにもう2週間近く永らえている。
本当に不思議で、感服してしまう。
完全燃焼しようとしているのかもしれない。


一日、一日と弟さんと一緒に数えている。一日、一日。
Kだけでなく、今生きている自分も周りの人も同じなのに。
一日、一日。
生き延びている。その喜び。

危うい中で生きているのだ。いつ誰に何があるかわからない。
精一杯、一日一日生きるしかないのだ。
ともすれば無自覚に日々は過ぎてゆくけれど。


これ以上望むのはぜいたくだ。
彼からもらったものは私の中に息づいていて、それで十分だ。
一緒に過ごした10年の時間も消えるわけではない。
彼の人生に対し、これ以上何か付け加えることはない。
彼は彼の持てる力で闘い、考え、アウトプットしたと思う。
彼の意志は厳然と貫かれたはずだ。
彼は会社からも人間関係からもきょうだいの問題や、
遺伝性の躁うつ病からも逃げなかった。


夭折。夭折という言葉。

生と死に対する恐怖、苦悩、理不尽さへの苦痛が、
人をして宗教の救いへと向かわせるのだろう。
宗教でなくてもいい、救いが欲しくなるのだ。
無宗教の私だって、今救いを求めている。
人の言葉に、思いつくことごとに、親しんでいる小説の文章の中に、
それを求めている。同じことだ。



7月16日
友人のGと姉に電話し、今月24日千葉行きのこと、
やはり決行する方向でいることを伝えた。
2人とも喜んでくれた。

そう、Kのことでいつどうなるかわからないので身動きできない、
保留状態にいるしかないと勝手に思い込んでいたけれど、
それは大きな間違いで、私だって周りの人だって明日どうなるかわからない。
周りのひとつひとつの縁を大事にしたい、
時間や機会を大事にしたいから、1つずつ決めて進んで行かなければ。
それがそのまま生きることなのだ。

心に決める。コミットメントする。単なる予定ではなく。


19日まであと3日。








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Last updated  2009.09.21 22:54:26
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一村雨 @ Re:生誕120年 棟方志功展(11/12) お久しぶりです。 この展覧会、棟方志功の…
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